注:この作品は、私BOUZUが先に投稿しました「フランと七色の人形遣い 1」の続きとなっております。
ここは昼でもなお暗い魔法の森、その魔法の森の中でも一際暗く、一番瘴気が濃い場所にマーガトロイド亭はあった。
「こんにちは~! アリスさんはご在宅でしょうか~?」
コンコンコンと丁寧にノックした後呼びかける小悪魔。
こんな場所に住んでいるだけあってわりと排他的なのか?と思われがちだがアリスはきちんと礼を持って接してくる相手を無下にはしない。
「は~い、ちょっと待って。 上海、ちょっとお願い」
「シャンハーイ!」
ガチャ、っと扉が開き中からアリスを長髪にしたらそっくりだろうなといった感じの可愛らしい人形が出てきた。
「シャンハーイ!」
上海は小悪魔を見てペコリとお辞儀をすると何の御用ですか?と尋ねるように首をかしげる。
「こんにちは、上海ちゃん。 アリスさんに御用時があるのだけれど通してもらっていいかなぁ?」
「シャンハーイ!」
いらっしゃいませ~といった風にくるりと回って奥を指し示す上海人形。
「シャンハーイ!」
「失礼しますね、アリスさんこんにちは!」
「ご苦労様上海・・・あら、あなた図書館の・・・ごめんなさい、お名前はなんだったかしら」
「はい! 紅魔大図書館司書の小悪魔、コアです。 覚えていてくれたんですね~嬉しいです~」
コアは丁寧にお辞儀をすると滅多に使うことの無い名刺を取り出しアリスに差し出す。
因みに裏面には自分の部屋への直通転移ゲートの座標と「いつでも来てくださいね!(はーと)」の文字がばっちり書いてある。
「ええ、まぁ・・・あなたみたいにしっかりと会話できるような子は珍しいからね・・・蓬莱、お茶をお願い」
「承・・・・」
名刺の裏を見て訝しげな顔をしたアリスだったがとりあえずお茶を出すよう指示する。
アリスの横でふよふよ浮いていた首に縄をつけた人形が奥へと飛んでいく。
「それで? 今日はどうしたのかしら」
「はい~、紅魔大図書館館長パチュリー・ノーレッジ様からの依頼をお伝えに参りました。」
「パチュリーの?」
スッとアリスのまぶたが降りる。
「残念だけど、その依頼は受けられないわ」
「え! どうしてです!?」
「この前の、宴会事件を思い出して御覧なさい」
以前、幻想郷に帰ってきた鬼 伊吹 萃香が起こした宴会事件。
その時、アリスもあまりの宴会の多さをいぶかしんで調べを進めたことがある。
だが、まったくといって調査が進まず、ならば過去にも同じような事象が起きなかったかどうかを紅魔館の大図書館で調べようとしたのだが、
同じく事件について調べようと動き始めたパチュリーとかち合い、図書館から追い出されてしまったのだ。
「あの時、私は門番、メイド長、そしてあなたに許可を取っていったのにもかかわらず侵入者扱いで放り出されたわ」
「あ~・・・あの時ですか・・・」
「その相手が依頼ですって? 虫がいいにもほどがあるわ」
肩をすくめて、何を馬鹿なことをと取り合わないアリス。
「そ、そんな~・・・お願いです~! 話だけでも聞いて下さい~! このまま帰ったらパチュリーさまに私がお仕置きされちゃいます~」
「ちょっと! お願いといいながら掴みかからないで! きゃ! どこ触ってるの!」
目をうるませて小悪魔は懇願する、が手はまったく別の生き物のようにアリスの体を捕らえて這い回る。
「はぁはぁ・・・お願いです~お願いです~! いまなら~とっても気持ちよくなるサービスもつけますから~」
「ちょ! 止めなさい! どうして服を脱がそうとするの! きゃあ!」
「・・・淫」
小悪魔の手から逃れようと身をよじるアリスだったが小悪魔にすがりつかれてそのまま椅子から転げ落ちる。
その様子を紅茶を入れて戻ってきた蓬莱人形が興味津々と言った様子で見ている。
「はぁ~・・・はぁ~・・・大人しくしていてくださいね~? はぁ~・・・このスカートの先にアリスさんの禁断の花園が・・・」
「いやーーーー! 判ったわよ! 聞くわよ! 依頼! だからどいて! 止めて! スカートをめくらないでーーーーー!」
追い詰められて必死に叫ぶアリス。
「え~、私のサービスを受けてから諦めてくださいよ~」
「あなたほんとは何しに来たのよ!?」
不満そうに言う小悪魔と必死に小悪魔から距離をとるアリス。
「む~、仕方ありませんねぇ・・・今回はサービスは無しにします~」
「そうして頂戴・・・」
「シャンハーイ・・・」「惜・・・」
何故か上海と蓬莱は悔しそうに指を弾いていた。
「それで、依頼内容は?」
「あ、はい~。 アリスさんは紅魔館の主人であらせられるレミリアお嬢様に妹君がいらっしゃるのをご存知ですか?」
いそいそと服を正しながら尋ねる。
「ええ、魔理沙から大まかには聞いてるわ。 なんでもずいぶんやんちゃなんですってね?」
「はい~、最近は生き物に対してはそこまでひどくはなくなったんですが、動かない物に対しては相変わらずの無頓着振りでして~」
「ふーん・・・それで? 」
「それでですね、私どもの知人で物を作っていらっしゃって、
尚且つその物に対して愛情を持っていらっしゃるアリスさんに、フランドールお嬢様の教育に力を貸していただこうというわけです。」
「なるほどねぇ・・・」
納得がいったとアリスは頷く。
「でも、その内容はどうするの? 私は教育者の資格なんか持っていないわよ?
物を教えるのなら里のワーハクタクのほうがよほどうまいんじゃなくって?」
「その点については私は知らされていませんので、紅魔館に来て頂きパチュリー様に直接聞いていただく手はずになっております。」
「そう・・・わかったわ、で今回はちゃんと中には入れるんでしょうね? 今回はメイド長がナイフを投げてくるなんてことは・・・」
「だっ! 大丈夫です! 咲夜さんは今頃お嬢様のお部屋でキツイお仕置きの真っ最中なハズです!」
「あの、メイド長何をしたの?」
「いえ、こればっかりは言うわけには参りませんよ。 でもお嬢様におしおきって・・・ちょっとうらやましいかも」
頬を桃色にそめていやんいやんと頭を振る小悪魔
「ああ、もういいわさっさと行くわよ。 上海!蓬莱!出かけるわ。 後のみんなは留守番をお願いね」
「シャンハーイ!」
「承・・・」
「「「ヤーーーー!」」」
「あ!チョット待ってくださいよ~、おいてかないで~」
小悪魔の放つピンク色の空気に耐えかねたのかさっさと出て行くアリスと上海、蓬莱。
行ってらっしゃいというようにブンブン手を振って見送る人形たち。
小悪魔はおいていかれたことに気がつくと慌てて追いかけるのだった。
☆★☆★
「ああ、こんにちはアリスさん。 前回はすみませんでした。 どうやら言伝を頼んだメイドが途中で言伝されたこと自体を忘れたようでして・・・」
「お邪魔するわね、気にしないでちょうだい。 そんなに丁寧に謝られるとかえって悪いわ」
紅魔館門前に着くなり門番である紅 美鈴が頭を下げる。
ああ、なぜ下っ端がこんなに常識があるのに上に行くほど理不尽になるのだろう・・・
いや、さっきの小悪魔といい丁寧なようでも実は一癖二癖持っているかもしれないなどと考えながら言う。
「で、今日はパチュリーの依頼で来たんだけれど話は聞いてるかしら?」
「ええ、特別なお客様の待遇でお通しするようにと聞いております。 どうぞ中へ・・・」
うやうやしく礼をしながら奥へと導いてくれる。
「へぇ・・・フランという子、相当大事にされているようね?」
「へ・・・?どういうことです?」
魔法の森を出発して以来ずっとアリスのお尻を凝視していた小悪魔が、急に話を振られて聞き返す。
「私は、この館にとって一見もいいところよ? そんな者を特別な客待遇で招くって事は、
これから頼まれることがレミリアにとって重要な意味があるってことでしょ」
「なるほど、ご慧眼ですね・・・」
「それに、教育を施すって言うのは、生きていくために身を守る知識を得させるって意味があるわ。
無知なものはどんなに力を持っていてもいずれは滅ぶ定めよ、495年の間幽閉していたのもそのこを守るためだったんでしょうね。」
ま、なんでいまさら教育をしようなんて思ったのかは知らないけどね・・・というアリス。
でも、小悪魔はアリスのお尻に夢中で殆ど聞いていなかった。
「あ、そちらの大きい扉が図書館の入り口です」
「ええ、一度来ているから知っているわ」
古めかしい見た目にもかかわらず図書館の入り口は殆ど音を立てなかった。
雑音を嫌うパチュリーらしいと思いながら奥へ進む。
整然と並ぶ本棚の列が切れ少し開けた場所に出る、そこには本が山ほど詰まれた執務机とそこで本を読むパチュリーの姿があった。
「・・・ああ、来たのね。 ようこそ紅魔館大図書館へ・・・」
「ええ、正直あまり乗り気ではなかったんだけどね。 また追い出されるかもと思うと」
パチュリーが声をかけてくるなり皮肉を投げかける。
「ああ、前回の事? あの時はごめんなさいね、直前に魔理沙がきていたものだから少々気が立っていたの。
それにくわえて、あなたが許可を取っていることを誰も伝えにこないものだからてっきりあなたも侵入者かとね」
てっきりむっとして言い返してくるかと思いきや素直に謝罪されてしまった。
「ま、まぁそういうことなら仕方ないわ。 誰にでも間違いはあるもの・・・」
「くす・・・小悪魔の言ったとおりね・・・ 礼を持って接すればこんなにもすんなり話が通る。 あなた、存外に良い人のようね?」
「存外ってどういうことかしら?」
「いいえ、他意はないわ・・・小悪魔、お茶を出してちょうだい・・・小悪魔? 小悪魔!こほ」
お茶を出すよう指示したパチュリーだったがアリスの後ろから動かない小悪魔に不思議そうな顔をする。
「はぁ~・・・はぁ~・・・まんまるでぷりっぷりなアリスさんのお尻・・・はぁ~」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
まだ夢中でした。
「ちょっと失礼するわ・・・」
「ええ・・・」
「はぁ~・・・はぁ~・・・」
パチュリーは小悪魔のそばに移動すると手に持っていた本を思いっきり振りかぶり・・・
「う~~~~~~~~~~~☆ぱちゅりぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
大音声と共に振り切った。
「っ!!!??」
声もなく吹っ飛ばされ本棚に激突する小悪魔、地上10mはあろうかという本棚の全ての本が飛び出し小悪魔にドカドカと降り注ぐ。
「ゲッホゲホ 主に・・・ひゅ~、恥を・・・ひゅ~、かかせるんじゃ・・・ひゅ~、ないわよ・・・・」
「もう・・・しわけ・・・ありましぇ~ん・・・ガクリ」
普段出さないような大声を張り上げたせいで喘息の発作を起こしつつも言う。
小悪魔は力尽きた・・・
「すまないけれど・・・ひゅ~、お茶はまたひゅ~・・・今度にしましょうけほこほひゅ~」
「・・・あなたも、とりあえず落ち着いて」
「ええ、ごめんなさいね・・・」
暫くたって・・・
いつまでたっても小悪魔が復活しないので勝手に紅茶を入れさせてもらい、ヒューヒュー言っているパチュリーに差し出した。
「ああ・・・すまないわね・・・お客に紅茶を入れさせるなんて、何たる失態・・・」
「気にしないで、それにしてもいい葉を使ってるのね・・・」
「ええ、私の特製ブレンドよ。 気に入ってくれたならお土産にするわ」
「あら、嬉しいわ。 でもその前に依頼を聞かないとね?」
「ええ、それでは説明するわ」
小悪魔がボケたおかげで少し場が和んだようで話はすぐにまとまった。
「なるほど、フランドールお嬢様の好きな絵本を使って、人形を作るところから初めて人形劇を見せてあげればいいのね?」
「飲み込みが早くて助かるわ・・・」
「それじゃあ、とりあえずそのフランドールお嬢様にあわせてもらっていいかしら?」
先ずは相手と会わなければ始まらないわというアリス
「ええ、かまわないわ・・・でも気をつけてちょうだい・・・フランは手加減がまだできないの・・・」
「大丈夫よ、弾幕ゴッコの準備もしてきたし。 何よりもその子に親近感も覚えているの」
かつて魔界に霊夢たちが乗り込んできたとき、究極にして禁断の魔法に手を出したアリス。
何も知らない、無力だった自分。 究極の力を使っても霊夢たちに及ばなかった自分。
そう、力はその制御する方法を学ばなければ意味のないものなのだ。
アリスはそれを痛いほど知っていた。
「それじゃ、案内をお願いするわ・・・」
☆★☆★
紅魔館の地下室、以前は何重もの結界と何百ものトラップに囲まれていた部屋。
今はフランドールが開放されているため、ただの扉としてしか役目を果たしていない。
その前にアリスとパチュリーは立っていた。
「さて、それじゃぁご尊顔を拝みに参りましょうか?」
「ええ、では入るわy(ズズーーーーン!)」
パチュリーが扉を開け放とうとした時部屋の中から思い衝撃音が響いてきた。
「!?」
「何事?」
「どうやら、誰かがフランの部屋にいるようね・・・」
「誰かしら?」
パチュリーは愚問ねと肩をすくめる
「フランの部屋に好んで入っていく輩なんて一人しかいないわ」
「魔理沙ね?」
「あら、知ってたの?」
「毎回家に来るたびにフランドールお嬢様との弾幕勝負のことを話していくわ・・・」
その時、ズバァン!と勢いよく扉が開け放たれ中から黒い影が飛び出してくる。
「おっと悪い! でもそんなところにいると危ないぜ?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
扉が勢いよく開け放たれるということはその前にいるものに思い切りぶち当たるということで・・・
ものの見事にパチュリーとアリスの顔面に扉が直撃したのだった。
「あなたね・・・フランの相手をするなら部屋の中で納めなさいよ」
「いったいじゃないの! 馬鹿魔理沙! 鼻血が出ちゃったじゃないの!」
怒りをこらえながらいうパチュリーと最初から怒り全開で怒鳴るアリス。
「七色莫迦に莫迦にされたくないんだぜっと!」
ちょうど飛んできた大型弾をすんでで避けつつ中へ飛び込んでいく。
「入りましょう・・・」
「ええ・・・」
中へ入るとちょうど弾幕ゴッコも佳境に入っていた
「あっはははははははは! 魔理沙! 次で最後だよ? そろそろ当たってもいいよ~~~?」
「コイン一個は貴重なんだぜ!」
フランドールは喜色で目を真紅に染め次々と弾幕を形成していく。
魔理沙はそれをものともせずに避けていく。
「さぁ!最後だよ! QED『495年の波紋』!!」
「ああ! 受けて立つぜ! 来いフラン!」
いまや最高潮の盛り上がりを見せている二人
「火符『アグニシャイン上級』・・・」
「呪詛『首吊り蓬莱人形』!!」
扉をぶつけられ頭に来ていた二人は通常一対一のはずの弾幕ゴッコに強制参加した。
勿論狙いは魔理沙のみ。
フランの周りから波紋弾が次々と発射され、さらに後ろから火炎弾と極彩色の弾幕が魔理沙に迫る。
「うおおおお! お前ら卑怯だぞ! 三対一なんてどんだけ鬼畜なん・・・うわぁああああああああ!」
ピチューン・・・
「あはははは! 魔理沙ぴちゅーんした~! あははははっ!」
すっかりご機嫌なフラン、 黒コゲでぴくぴくしている魔理沙を魔力のこもっていないレーバテインでツンツンしている。
「ふん、今度から扉を開ける時は気をつけることね・・・」
「痛い目見ないとわからないんだから・・・ほんとに」
パチュリーとアリスは満足したのかそれぞれに居住まいを正している。
「あれ? そういえばパチュリーはどうしたの? 遊びに来てくれたの?」
「いいえ、遊びに来たわけではないわ。 フランに紹介したい人がいるの」
とアリスを手のひらで指し示す。
「ん?だぁれ?」
「紹介するわ、アリス・マーガトロイド。 こんどあなたに家庭教師をしてくれるわ」
「アリスよ、宜しくね。 フランドールお嬢様?」
と視線を合わせるようかがんで握手を求めるアリス。
「よろしくね! アリス!」
「こら、アリスのことは先生と呼びなさい」
「アリスでいいわ・・・先生なんてくすぐったいもの」
フランをたしなめるパチュリーだったが、アリスがそれをやんわりと押し留める。
「わかった! じゃぁ私もフランでいいよ!」
「ええ、わかったわフラン」
そういったお互いニッコリ笑い合う。
なんだ、話に聞くよりもよっぽどまともじゃないの・・・緊張して損したかもとアリスは安堵した。
・・・が
「ん~~~~~~~・・・・・」
「?」
フランがじっとアリスを見つめている。
「えい!」 ぱんぱん!
「!」
場の空気が凍りついた、 フランはおもむろにアリスの体を叩いたのだった。
具体的には股間を
「あなた、女の子ね!」
「ちょ! フラン! なにをしているの!?」
「えーだって、この前読んだ本で始めてあった人にはこうするって書いてあったよ?」
「どんな本よ!?それは! それに見れば女かなんて一目瞭然でしょう!? それに疑問に思ったなら口で聞けばいいでしょう!!!」
アリスは真っ赤になりながら怒鳴る。
「・・・ごめんなさいね、その本を読ませたのは私なの」
「あんたが原因かぁあああああ!」
ちょっと気まずそうにパチュリーが告白する。
「まぁいいわ・・・話が進まないから。 それじゃぁフラン私があなたに教えることを改めて説明するわ」
少女説明中・・・
「というわけで、あなたのお気に入りの本で人形劇を見せてあげることになったわ」
「人形劇? すごーい! フラン初めて見るよ!」
人形劇を受け入れてくれるかどうか不安だったが杞憂だったようだ・・・
「それで、フラン? あなたのお気に入りの本は何かしら、好きなのを持ってきていいわよ?」
「うん! それじゃぁ持ってくる!」
少女探索中・・・
「これがいいな!」
「ええ、どれかしら?」
ふたり●ッチ
「ちょっと誰よ! こんな年端も行かない少女にこんなもの買い与えたのは!!!!」
「それは咲夜の仕業ね・・・」
それは青少年の性的バイブルであった。
「ごめんなさい、フラン。 それはまだあなたには早いわ・・・」
「うん? それじゃこれは?」
北斗の●
「これは・・・これもダメよ! 人形劇で血しぶきが舞うなんてダメよ!」
「これはおそらくレミィね・・・この前私が貸したんだけど・・・えらく気にってね・・・」
199X年、世界は核の炎に包まれた。 アベシ
「フラン?もう少し優しいものはないかしら?」
「う~~~ん、じゃぁこれ!」
●染るんです
「もういやぁ! こんなの人形劇じゃ無理ぃいい!」
「これはきっと美鈴ね・・・最近、ブラックな笑いしか受け付けなくなったって言ってもの・・・」
美鈴・・・あなたもなのね・・・・
「はぁはぁ・・・フラン?童話はないの?童話は・・・」
「うん!あるよ・・・え~とね・・・これ!」
「よかった・・・これでちゃんとした物ができる・・・」
本当は怖い●リム童話
「ああそれは私ね「またあんたなのかああああああああ!」」
リミットブレイク!もう我慢できません。
「ほんとあんたたちなんてもの読ませてんのよ! 年端もいかないうちからエログロナンセンスに晒されればそりゃ歪むわよ!」
「いやぁ・・・乱読家なもんで・・・」
何故か照れたように頭をかくパチュリー。
「はぁはぁはぁ、もう・・・どうしたらいいの・・・?」
あまりの理不尽さに涙が溢れてくる。
「アリス、泣いてるの? ないちゃダメだよ! 私が本を読んであげる!」
「ああ、フラン・・・あなたなんていい子なの? 私がきっとまともで素直な感性を取り戻してあげるから・・・」
「美女と野獣!(18禁)」
「ちょっと待ちなさああああああああああああああい!」
勢いよく取り上げ中身を見る
金髪美女と大型犬が・・・・
「もう! いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
絶叫し、意識を手放すアリス。
がんばれアリス! 明日はきっといい日だ!
つづく
ここは昼でもなお暗い魔法の森、その魔法の森の中でも一際暗く、一番瘴気が濃い場所にマーガトロイド亭はあった。
「こんにちは~! アリスさんはご在宅でしょうか~?」
コンコンコンと丁寧にノックした後呼びかける小悪魔。
こんな場所に住んでいるだけあってわりと排他的なのか?と思われがちだがアリスはきちんと礼を持って接してくる相手を無下にはしない。
「は~い、ちょっと待って。 上海、ちょっとお願い」
「シャンハーイ!」
ガチャ、っと扉が開き中からアリスを長髪にしたらそっくりだろうなといった感じの可愛らしい人形が出てきた。
「シャンハーイ!」
上海は小悪魔を見てペコリとお辞儀をすると何の御用ですか?と尋ねるように首をかしげる。
「こんにちは、上海ちゃん。 アリスさんに御用時があるのだけれど通してもらっていいかなぁ?」
「シャンハーイ!」
いらっしゃいませ~といった風にくるりと回って奥を指し示す上海人形。
「シャンハーイ!」
「失礼しますね、アリスさんこんにちは!」
「ご苦労様上海・・・あら、あなた図書館の・・・ごめんなさい、お名前はなんだったかしら」
「はい! 紅魔大図書館司書の小悪魔、コアです。 覚えていてくれたんですね~嬉しいです~」
コアは丁寧にお辞儀をすると滅多に使うことの無い名刺を取り出しアリスに差し出す。
因みに裏面には自分の部屋への直通転移ゲートの座標と「いつでも来てくださいね!(はーと)」の文字がばっちり書いてある。
「ええ、まぁ・・・あなたみたいにしっかりと会話できるような子は珍しいからね・・・蓬莱、お茶をお願い」
「承・・・・」
名刺の裏を見て訝しげな顔をしたアリスだったがとりあえずお茶を出すよう指示する。
アリスの横でふよふよ浮いていた首に縄をつけた人形が奥へと飛んでいく。
「それで? 今日はどうしたのかしら」
「はい~、紅魔大図書館館長パチュリー・ノーレッジ様からの依頼をお伝えに参りました。」
「パチュリーの?」
スッとアリスのまぶたが降りる。
「残念だけど、その依頼は受けられないわ」
「え! どうしてです!?」
「この前の、宴会事件を思い出して御覧なさい」
以前、幻想郷に帰ってきた鬼 伊吹 萃香が起こした宴会事件。
その時、アリスもあまりの宴会の多さをいぶかしんで調べを進めたことがある。
だが、まったくといって調査が進まず、ならば過去にも同じような事象が起きなかったかどうかを紅魔館の大図書館で調べようとしたのだが、
同じく事件について調べようと動き始めたパチュリーとかち合い、図書館から追い出されてしまったのだ。
「あの時、私は門番、メイド長、そしてあなたに許可を取っていったのにもかかわらず侵入者扱いで放り出されたわ」
「あ~・・・あの時ですか・・・」
「その相手が依頼ですって? 虫がいいにもほどがあるわ」
肩をすくめて、何を馬鹿なことをと取り合わないアリス。
「そ、そんな~・・・お願いです~! 話だけでも聞いて下さい~! このまま帰ったらパチュリーさまに私がお仕置きされちゃいます~」
「ちょっと! お願いといいながら掴みかからないで! きゃ! どこ触ってるの!」
目をうるませて小悪魔は懇願する、が手はまったく別の生き物のようにアリスの体を捕らえて這い回る。
「はぁはぁ・・・お願いです~お願いです~! いまなら~とっても気持ちよくなるサービスもつけますから~」
「ちょ! 止めなさい! どうして服を脱がそうとするの! きゃあ!」
「・・・淫」
小悪魔の手から逃れようと身をよじるアリスだったが小悪魔にすがりつかれてそのまま椅子から転げ落ちる。
その様子を紅茶を入れて戻ってきた蓬莱人形が興味津々と言った様子で見ている。
「はぁ~・・・はぁ~・・・大人しくしていてくださいね~? はぁ~・・・このスカートの先にアリスさんの禁断の花園が・・・」
「いやーーーー! 判ったわよ! 聞くわよ! 依頼! だからどいて! 止めて! スカートをめくらないでーーーーー!」
追い詰められて必死に叫ぶアリス。
「え~、私のサービスを受けてから諦めてくださいよ~」
「あなたほんとは何しに来たのよ!?」
不満そうに言う小悪魔と必死に小悪魔から距離をとるアリス。
「む~、仕方ありませんねぇ・・・今回はサービスは無しにします~」
「そうして頂戴・・・」
「シャンハーイ・・・」「惜・・・」
何故か上海と蓬莱は悔しそうに指を弾いていた。
「それで、依頼内容は?」
「あ、はい~。 アリスさんは紅魔館の主人であらせられるレミリアお嬢様に妹君がいらっしゃるのをご存知ですか?」
いそいそと服を正しながら尋ねる。
「ええ、魔理沙から大まかには聞いてるわ。 なんでもずいぶんやんちゃなんですってね?」
「はい~、最近は生き物に対してはそこまでひどくはなくなったんですが、動かない物に対しては相変わらずの無頓着振りでして~」
「ふーん・・・それで? 」
「それでですね、私どもの知人で物を作っていらっしゃって、
尚且つその物に対して愛情を持っていらっしゃるアリスさんに、フランドールお嬢様の教育に力を貸していただこうというわけです。」
「なるほどねぇ・・・」
納得がいったとアリスは頷く。
「でも、その内容はどうするの? 私は教育者の資格なんか持っていないわよ?
物を教えるのなら里のワーハクタクのほうがよほどうまいんじゃなくって?」
「その点については私は知らされていませんので、紅魔館に来て頂きパチュリー様に直接聞いていただく手はずになっております。」
「そう・・・わかったわ、で今回はちゃんと中には入れるんでしょうね? 今回はメイド長がナイフを投げてくるなんてことは・・・」
「だっ! 大丈夫です! 咲夜さんは今頃お嬢様のお部屋でキツイお仕置きの真っ最中なハズです!」
「あの、メイド長何をしたの?」
「いえ、こればっかりは言うわけには参りませんよ。 でもお嬢様におしおきって・・・ちょっとうらやましいかも」
頬を桃色にそめていやんいやんと頭を振る小悪魔
「ああ、もういいわさっさと行くわよ。 上海!蓬莱!出かけるわ。 後のみんなは留守番をお願いね」
「シャンハーイ!」
「承・・・」
「「「ヤーーーー!」」」
「あ!チョット待ってくださいよ~、おいてかないで~」
小悪魔の放つピンク色の空気に耐えかねたのかさっさと出て行くアリスと上海、蓬莱。
行ってらっしゃいというようにブンブン手を振って見送る人形たち。
小悪魔はおいていかれたことに気がつくと慌てて追いかけるのだった。
☆★☆★
「ああ、こんにちはアリスさん。 前回はすみませんでした。 どうやら言伝を頼んだメイドが途中で言伝されたこと自体を忘れたようでして・・・」
「お邪魔するわね、気にしないでちょうだい。 そんなに丁寧に謝られるとかえって悪いわ」
紅魔館門前に着くなり門番である紅 美鈴が頭を下げる。
ああ、なぜ下っ端がこんなに常識があるのに上に行くほど理不尽になるのだろう・・・
いや、さっきの小悪魔といい丁寧なようでも実は一癖二癖持っているかもしれないなどと考えながら言う。
「で、今日はパチュリーの依頼で来たんだけれど話は聞いてるかしら?」
「ええ、特別なお客様の待遇でお通しするようにと聞いております。 どうぞ中へ・・・」
うやうやしく礼をしながら奥へと導いてくれる。
「へぇ・・・フランという子、相当大事にされているようね?」
「へ・・・?どういうことです?」
魔法の森を出発して以来ずっとアリスのお尻を凝視していた小悪魔が、急に話を振られて聞き返す。
「私は、この館にとって一見もいいところよ? そんな者を特別な客待遇で招くって事は、
これから頼まれることがレミリアにとって重要な意味があるってことでしょ」
「なるほど、ご慧眼ですね・・・」
「それに、教育を施すって言うのは、生きていくために身を守る知識を得させるって意味があるわ。
無知なものはどんなに力を持っていてもいずれは滅ぶ定めよ、495年の間幽閉していたのもそのこを守るためだったんでしょうね。」
ま、なんでいまさら教育をしようなんて思ったのかは知らないけどね・・・というアリス。
でも、小悪魔はアリスのお尻に夢中で殆ど聞いていなかった。
「あ、そちらの大きい扉が図書館の入り口です」
「ええ、一度来ているから知っているわ」
古めかしい見た目にもかかわらず図書館の入り口は殆ど音を立てなかった。
雑音を嫌うパチュリーらしいと思いながら奥へ進む。
整然と並ぶ本棚の列が切れ少し開けた場所に出る、そこには本が山ほど詰まれた執務机とそこで本を読むパチュリーの姿があった。
「・・・ああ、来たのね。 ようこそ紅魔館大図書館へ・・・」
「ええ、正直あまり乗り気ではなかったんだけどね。 また追い出されるかもと思うと」
パチュリーが声をかけてくるなり皮肉を投げかける。
「ああ、前回の事? あの時はごめんなさいね、直前に魔理沙がきていたものだから少々気が立っていたの。
それにくわえて、あなたが許可を取っていることを誰も伝えにこないものだからてっきりあなたも侵入者かとね」
てっきりむっとして言い返してくるかと思いきや素直に謝罪されてしまった。
「ま、まぁそういうことなら仕方ないわ。 誰にでも間違いはあるもの・・・」
「くす・・・小悪魔の言ったとおりね・・・ 礼を持って接すればこんなにもすんなり話が通る。 あなた、存外に良い人のようね?」
「存外ってどういうことかしら?」
「いいえ、他意はないわ・・・小悪魔、お茶を出してちょうだい・・・小悪魔? 小悪魔!こほ」
お茶を出すよう指示したパチュリーだったがアリスの後ろから動かない小悪魔に不思議そうな顔をする。
「はぁ~・・・はぁ~・・・まんまるでぷりっぷりなアリスさんのお尻・・・はぁ~」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
まだ夢中でした。
「ちょっと失礼するわ・・・」
「ええ・・・」
「はぁ~・・・はぁ~・・・」
パチュリーは小悪魔のそばに移動すると手に持っていた本を思いっきり振りかぶり・・・
「う~~~~~~~~~~~☆ぱちゅりぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
大音声と共に振り切った。
「っ!!!??」
声もなく吹っ飛ばされ本棚に激突する小悪魔、地上10mはあろうかという本棚の全ての本が飛び出し小悪魔にドカドカと降り注ぐ。
「ゲッホゲホ 主に・・・ひゅ~、恥を・・・ひゅ~、かかせるんじゃ・・・ひゅ~、ないわよ・・・・」
「もう・・・しわけ・・・ありましぇ~ん・・・ガクリ」
普段出さないような大声を張り上げたせいで喘息の発作を起こしつつも言う。
小悪魔は力尽きた・・・
「すまないけれど・・・ひゅ~、お茶はまたひゅ~・・・今度にしましょうけほこほひゅ~」
「・・・あなたも、とりあえず落ち着いて」
「ええ、ごめんなさいね・・・」
暫くたって・・・
いつまでたっても小悪魔が復活しないので勝手に紅茶を入れさせてもらい、ヒューヒュー言っているパチュリーに差し出した。
「ああ・・・すまないわね・・・お客に紅茶を入れさせるなんて、何たる失態・・・」
「気にしないで、それにしてもいい葉を使ってるのね・・・」
「ええ、私の特製ブレンドよ。 気に入ってくれたならお土産にするわ」
「あら、嬉しいわ。 でもその前に依頼を聞かないとね?」
「ええ、それでは説明するわ」
小悪魔がボケたおかげで少し場が和んだようで話はすぐにまとまった。
「なるほど、フランドールお嬢様の好きな絵本を使って、人形を作るところから初めて人形劇を見せてあげればいいのね?」
「飲み込みが早くて助かるわ・・・」
「それじゃあ、とりあえずそのフランドールお嬢様にあわせてもらっていいかしら?」
先ずは相手と会わなければ始まらないわというアリス
「ええ、かまわないわ・・・でも気をつけてちょうだい・・・フランは手加減がまだできないの・・・」
「大丈夫よ、弾幕ゴッコの準備もしてきたし。 何よりもその子に親近感も覚えているの」
かつて魔界に霊夢たちが乗り込んできたとき、究極にして禁断の魔法に手を出したアリス。
何も知らない、無力だった自分。 究極の力を使っても霊夢たちに及ばなかった自分。
そう、力はその制御する方法を学ばなければ意味のないものなのだ。
アリスはそれを痛いほど知っていた。
「それじゃ、案内をお願いするわ・・・」
☆★☆★
紅魔館の地下室、以前は何重もの結界と何百ものトラップに囲まれていた部屋。
今はフランドールが開放されているため、ただの扉としてしか役目を果たしていない。
その前にアリスとパチュリーは立っていた。
「さて、それじゃぁご尊顔を拝みに参りましょうか?」
「ええ、では入るわy(ズズーーーーン!)」
パチュリーが扉を開け放とうとした時部屋の中から思い衝撃音が響いてきた。
「!?」
「何事?」
「どうやら、誰かがフランの部屋にいるようね・・・」
「誰かしら?」
パチュリーは愚問ねと肩をすくめる
「フランの部屋に好んで入っていく輩なんて一人しかいないわ」
「魔理沙ね?」
「あら、知ってたの?」
「毎回家に来るたびにフランドールお嬢様との弾幕勝負のことを話していくわ・・・」
その時、ズバァン!と勢いよく扉が開け放たれ中から黒い影が飛び出してくる。
「おっと悪い! でもそんなところにいると危ないぜ?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
扉が勢いよく開け放たれるということはその前にいるものに思い切りぶち当たるということで・・・
ものの見事にパチュリーとアリスの顔面に扉が直撃したのだった。
「あなたね・・・フランの相手をするなら部屋の中で納めなさいよ」
「いったいじゃないの! 馬鹿魔理沙! 鼻血が出ちゃったじゃないの!」
怒りをこらえながらいうパチュリーと最初から怒り全開で怒鳴るアリス。
「七色莫迦に莫迦にされたくないんだぜっと!」
ちょうど飛んできた大型弾をすんでで避けつつ中へ飛び込んでいく。
「入りましょう・・・」
「ええ・・・」
中へ入るとちょうど弾幕ゴッコも佳境に入っていた
「あっはははははははは! 魔理沙! 次で最後だよ? そろそろ当たってもいいよ~~~?」
「コイン一個は貴重なんだぜ!」
フランドールは喜色で目を真紅に染め次々と弾幕を形成していく。
魔理沙はそれをものともせずに避けていく。
「さぁ!最後だよ! QED『495年の波紋』!!」
「ああ! 受けて立つぜ! 来いフラン!」
いまや最高潮の盛り上がりを見せている二人
「火符『アグニシャイン上級』・・・」
「呪詛『首吊り蓬莱人形』!!」
扉をぶつけられ頭に来ていた二人は通常一対一のはずの弾幕ゴッコに強制参加した。
勿論狙いは魔理沙のみ。
フランの周りから波紋弾が次々と発射され、さらに後ろから火炎弾と極彩色の弾幕が魔理沙に迫る。
「うおおおお! お前ら卑怯だぞ! 三対一なんてどんだけ鬼畜なん・・・うわぁああああああああ!」
ピチューン・・・
「あはははは! 魔理沙ぴちゅーんした~! あははははっ!」
すっかりご機嫌なフラン、 黒コゲでぴくぴくしている魔理沙を魔力のこもっていないレーバテインでツンツンしている。
「ふん、今度から扉を開ける時は気をつけることね・・・」
「痛い目見ないとわからないんだから・・・ほんとに」
パチュリーとアリスは満足したのかそれぞれに居住まいを正している。
「あれ? そういえばパチュリーはどうしたの? 遊びに来てくれたの?」
「いいえ、遊びに来たわけではないわ。 フランに紹介したい人がいるの」
とアリスを手のひらで指し示す。
「ん?だぁれ?」
「紹介するわ、アリス・マーガトロイド。 こんどあなたに家庭教師をしてくれるわ」
「アリスよ、宜しくね。 フランドールお嬢様?」
と視線を合わせるようかがんで握手を求めるアリス。
「よろしくね! アリス!」
「こら、アリスのことは先生と呼びなさい」
「アリスでいいわ・・・先生なんてくすぐったいもの」
フランをたしなめるパチュリーだったが、アリスがそれをやんわりと押し留める。
「わかった! じゃぁ私もフランでいいよ!」
「ええ、わかったわフラン」
そういったお互いニッコリ笑い合う。
なんだ、話に聞くよりもよっぽどまともじゃないの・・・緊張して損したかもとアリスは安堵した。
・・・が
「ん~~~~~~~・・・・・」
「?」
フランがじっとアリスを見つめている。
「えい!」 ぱんぱん!
「!」
場の空気が凍りついた、 フランはおもむろにアリスの体を叩いたのだった。
具体的には股間を
「あなた、女の子ね!」
「ちょ! フラン! なにをしているの!?」
「えーだって、この前読んだ本で始めてあった人にはこうするって書いてあったよ?」
「どんな本よ!?それは! それに見れば女かなんて一目瞭然でしょう!? それに疑問に思ったなら口で聞けばいいでしょう!!!」
アリスは真っ赤になりながら怒鳴る。
「・・・ごめんなさいね、その本を読ませたのは私なの」
「あんたが原因かぁあああああ!」
ちょっと気まずそうにパチュリーが告白する。
「まぁいいわ・・・話が進まないから。 それじゃぁフラン私があなたに教えることを改めて説明するわ」
少女説明中・・・
「というわけで、あなたのお気に入りの本で人形劇を見せてあげることになったわ」
「人形劇? すごーい! フラン初めて見るよ!」
人形劇を受け入れてくれるかどうか不安だったが杞憂だったようだ・・・
「それで、フラン? あなたのお気に入りの本は何かしら、好きなのを持ってきていいわよ?」
「うん! それじゃぁ持ってくる!」
少女探索中・・・
「これがいいな!」
「ええ、どれかしら?」
ふたり●ッチ
「ちょっと誰よ! こんな年端も行かない少女にこんなもの買い与えたのは!!!!」
「それは咲夜の仕業ね・・・」
それは青少年の性的バイブルであった。
「ごめんなさい、フラン。 それはまだあなたには早いわ・・・」
「うん? それじゃこれは?」
北斗の●
「これは・・・これもダメよ! 人形劇で血しぶきが舞うなんてダメよ!」
「これはおそらくレミィね・・・この前私が貸したんだけど・・・えらく気にってね・・・」
199X年、世界は核の炎に包まれた。 アベシ
「フラン?もう少し優しいものはないかしら?」
「う~~~ん、じゃぁこれ!」
●染るんです
「もういやぁ! こんなの人形劇じゃ無理ぃいい!」
「これはきっと美鈴ね・・・最近、ブラックな笑いしか受け付けなくなったって言ってもの・・・」
美鈴・・・あなたもなのね・・・・
「はぁはぁ・・・フラン?童話はないの?童話は・・・」
「うん!あるよ・・・え~とね・・・これ!」
「よかった・・・これでちゃんとした物ができる・・・」
本当は怖い●リム童話
「ああそれは私ね「またあんたなのかああああああああ!」」
リミットブレイク!もう我慢できません。
「ほんとあんたたちなんてもの読ませてんのよ! 年端もいかないうちからエログロナンセンスに晒されればそりゃ歪むわよ!」
「いやぁ・・・乱読家なもんで・・・」
何故か照れたように頭をかくパチュリー。
「はぁはぁはぁ、もう・・・どうしたらいいの・・・?」
あまりの理不尽さに涙が溢れてくる。
「アリス、泣いてるの? ないちゃダメだよ! 私が本を読んであげる!」
「ああ、フラン・・・あなたなんていい子なの? 私がきっとまともで素直な感性を取り戻してあげるから・・・」
「美女と野獣!(18禁)」
「ちょっと待ちなさああああああああああああああい!」
勢いよく取り上げ中身を見る
金髪美女と大型犬が・・・・
「もう! いやぁあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
絶叫し、意識を手放すアリス。
がんばれアリス! 明日はきっといい日だ!
つづく
だが!カオス!……(美鈴…あんたもか…)
分かってしまった・・・・フランが狂ってしまった訳が・・・・
それでも・・・アリスなら・・・アリスならやって(更正させて)くれる・・・!