この物語には
紅魔門番逃走記 終 のお話を基準に作っています
「心山拳継承 リグル」
が嫌な方は……我慢してください
竹林の中で何者かが戦っていた
「せい!」
「おっと!…やるねえ」
片方は、蓬莱人である藤原妹紅
もう片方は、虫の王であるリグル・ナイトバグ
妹紅が、輝夜を気絶させたリグルに興味を持ち戦いたいと言ったのだ
リグルの方も他流試合はした事がなかったのでOKを出したのだ
「くらえ!」
妹紅が、防御なんて完全に無視した
捨て身の一撃を放つ
「はあ!」
まともに受ければ、骨を砕きかねないほどの一撃を
リグルは、紙一重でかわすと
「老狐の舞!」
(めきっ!)
「いたっ!?」
そのまま関節技に持っていった
そして、かけていた関節技を
「…ありがとうございました…妹紅さん」
そういって、外した
「いや~結構やるもんだね…」
技をはずいてもらった、
妹紅は、自分に技をかけた目の前の
相手に対してそう話しかけた
「しかし、一体誰にそんな技教わったんだ?」
妹紅がその辺に座り込むとリグルにそう話しかけた
「師匠です……」
リグルがそういうと、妹紅の隣に座り込んだ
「…すばらしい方でした」
リグルが遠い目をしてそう告げると
遠くの方から何者かがやってきた
「ここに居たか…探したぞ」
上白沢慧音が二人を探しに来たみたいでした
「やほ~慧音」
妹紅が気さくに話しかける
「ご無沙汰してます」
リグルが丁寧に挨拶をする
「妹紅、親しき仲にも礼儀ありだぞ」
その様子を見た慧音が妹紅の頭をポコンと叩く
まあ、いつもの光景だ
「ところで、リグルは最近出る、妖怪専門の辻斬りの話を聞いたことがあるか?」
三人が妹紅の庵に集まると、慧音が唐突にそう話しかけてきた
「ああ、そういえば私も聞いたことがあるな」
妹紅がその話を聞いて頷いた
「なんですか?それ…」
「知らないなら、聞いてもらった方がいいかもしれないな」
慧音の話はこうだった
最近、里の周りに辻斬りがでているらしい
しかも、人間以外の妖怪のみ狙っての犯行なのだが
「どうも、手当たり次第に狙っているみたいなんだ」
「手当たり次第……ですか?」
リグルの問いかけに妹紅が答える
「ああ、私も一度後ろから攻撃されたな」
その話に、慧音とリグルが振り向く
「本当か!?妹紅」
「ああ、久しぶりに輝夜以外にバラバラにされたよ」
妹紅が笑う、その場にいた二人は少し引いていたが
「まあ、すぐにリザレクションをして一撃加えたらすぐに逃げて行ったけどね」
慧音がその話を聞いて妹紅に対して問いつめる
「ちょっと待て!と言うことは、妹紅は辻斬り犯の顔を知っているのか?」
だが、妹紅は両手を挙げて首を横に振ると
「いや~頭に来ていたもんだから、顔見てない」
そう一言告げる、リグルがその話に声をかけた
「あの~辻斬りだったら、冥界の庭師じゃないんですか?」
確かに、冥界の庭師なら周りから半人前と言われているが
そんじょそこらの刀の達人以上の技量は持っている
「いや、冥界の庭師じゃなかったね」
だが、妹紅が冥界の庭師説を否定する
「もし、妖夢が犯人ならもっと真っ向から勝負を挑むはずだし
仮に犯人だとしても、そんな時間はないはずだからね」
「あ~」
その答えにリグルは納得する、魂魄妖夢…冥界の庭師である彼女は
冥界の庭を掃除するだけでなく、その主である西行寺幽々子の世話に忙しい
そんな彼女が、わざわざこんな所までやってきて妖怪を倒すことなどあり得ない
「まあ、人間に迷惑がかからなければ私はかまわないのだが」
慧音がそう告げると、リグルの方を向いて
「リグルも妖怪だからな、気をつけておいてくれ」
そう話かけた
「それでは、ありがとうございました」
そろそろ話もお開きになって来たので、リグルがそういって頭を下げると
「ああ、気をつけてな」
「はい」
慧音には挨拶を
「今度は、弾幕で勝負しよう」
「絶対嫌です!」
妹紅には拒否で返して帰る事にした
「さて、早く戻らないと…」
リグルが妹紅が住んでいる庵から
自分が住んでいる場所に戻ろうとしていた時だった
(殺気!?)
リグルは、背中に突き刺さるような気配を感じて動きを止めた
(……もしかして、慧音さんが言っていた妖怪専門の辻斬り?)
念のためにリグルが構えを取る
(落ち着け……まずは相手の攻撃をかわす事!)
リグルは己の師匠が教えてくれた事を思い出していた
(相手が武器を持っているときの対処法は……)
「…妖怪!覚悟!」
リグルの背後から何者かが高速で抜刀してきた
背後からの一撃、普通の妖怪なら一太刀の元に切り伏せられるであろう
だが、それは相手に気づかれない奇襲である時の話だ
奇襲とは、相手に気づかれるとそれを逆手に取られる
「シマリス脚!」
「!?」
リグルが、辻斬り魔の位置を確認すると、武器を持っている手を蹴り飛ばす
襲うはずだった妖怪に、逆に攻撃を受けしばしの間硬直していると
「百里道一歩脚!」
「くっ!?」
その一瞬の隙にリグルの蹴りが足に決まる
(このまま、追撃……)
リグルが追撃を加えようかと思って相手を見ると
その目がまだ光っているのが見えた
(まだ、攻撃の意志を持っている!?)
リグルが思わず後ろに飛ぶと、目の前をどこからか隠し持っていた
小太刀を横に薙いでいた
「くっ!?」
相手が焦る、起死回生の隠し武器の居合いの一撃を避けられたのだ
居合いのための一撃は、抜いてしまったらすでに武器にならない
(まだ、武器を隠し持っているかもしれない!)
リグルは相手が抜きはなった一瞬の隙にそのまま相手の背後に回り込むと
「老孤の舞!」
相手の両手の関節を固める、
「ぐっ!?」
いかに大量に武器を隠し持っていても、少しでも動けば両腕を破壊される状態なら
どうすることもできない
「動かないで、下手に動くと両腕破壊するよ」
「わ、わかった…」
さすがにこのままでは勝ち目が薄いし、相手が話を聞いてくれるのなら
下手に攻撃をせずに、降参したほうが賢明と判断したのだろう
「……最近、この辺で妖怪を狙って辻斬りをしているのは、お前の仕業か?」
「…ああ、たぶん俺の仕業だ」
リグルは、相手を身動きを取れないようにしてから話を聞き始める
「なんでそんなことを」
「……その前に一つだけいいか?」
リグルに向かって関節を極められた相手が話しかける
「なに?」
リグルが何を聞かれるのかと、身を固くする
「お前、女だったんだな…胸がないから男かと思って……」
「男の子っていうな~~!!!(怒)」
思わず関節技をはずして、涙目になりながら
リグルは全力で拳を相手の顔を殴り飛ばしていた
「がぐっ!?」
「あっ……」
思わず殴ってしまって相手が気絶してしまった
「えっと、大丈夫?……だめだ完全に気絶している…」
改めて自分を襲った犯人を見てみる
なにやら、コートみたいな服を着ていて
顔の部分に仮面をつけているが
身長はリグルより少しだけ高い程度だ
「……このまま置いて置くわけには…いかないよね」
「で、こいつが辻斬り魔というわけか」
「……たぶん」
思わず殴って気絶させた辻斬り犯を引きずって
慧音の家に連れてきていた
「しかし、怖くなかったのか?刃物に対して素手で向かうのは」
「あっ」
言われて初めて気がついた
下手したら切り裂かれていたかもしれないのだ
「……今になって怖くなってきた」
リグルが今になって体が震えてきた
「まあ、それが当然の反応だな」
慧音が笑いながらそう答えた時
「う、ぐっ…」
気絶した辻斬り魔が目を覚ました
「……ここは?」
「……人里だ、下手に動かない方がいい」
辻斬り魔が声をした方に顔を向ける
「確か俺は…妖怪を退治しようとして…」
辻斬り魔が思い出したかのように、飛び上がる
「おのれ妖怪!」
起き上がった辻斬り魔の頭を、慧音が掴むと
「落ち着け!」
(がつん!)
「ぐはっ!?」
思いっきり頭突きを食らわした、起き上がってすぐに
頭を押さえて苦しむ辻斬り魔
とりあえず落ち着いたので
「で?なんで妖怪を襲っていたのだ?」
慧音がそう話しかけると
「……話すことなどない」
座ったままで喋ろうしないのを見て慧音が困るが
「とりあえず、その仮面取ったらどうです?」
「なっ!?」
リグルの一言に、辻斬り魔が動揺する
「そうだな、とりあえずは顔を見てから」
「や、やめろ!」
逃げようとする辻斬り魔を、慧音が捕まえる
そして、リグルもそれを手伝う
「よし!外すぞ」
「はい!」
「やめろ~!!」
仮面を外すと
「…うむ…なんだ…」
「顔は悪くないのに……なんで?仮面なんか」
けして変な顔ではなく、怪我をしているわけでもない
むしろ優男と言った感じである
「た、頼むから仮面を返してくれ」
両手で顔を隠しながらそのように言ってきたので
「じゃあ、色々聞いていくけど…」
「答えるから…返してくれ」
しばらく面白かったので、慧音とリグルは
そのままにしておきたかったが、仮面を返した
「では改めて……なんで妖怪を?」
仮面を返してもらった手前、仕方なく喋り始める
「……復讐のためだ」
「「復讐?」」
慧音とリグルが驚くと、目の前の相手が話を続けた
「…これ以上はカンベンしてくれ」
そういわれたら仕方がないので
「なんで仮面付けてるの?」
リグルがそう答えると辻斬り犯はリグルから顔を逸らすと
「……恥ずかしいからだ…」
小さくそう答えた
思わず笑いそうになったがそれを押さえ込むと
リグルが話しかける
「最後に…貴方の名前は?」
その言葉に対して少し考える様子を見せてから
「刹那……それが俺の名前だ」
ここに、逃走記の外伝が始まる
続く
めっさ楽しみ~。
>ルグルが丁寧に挨拶をする
誤字がありました。
ちなみに僕の名前はスグルです。どうでもいいですね。
いやはやかっこいいリグルは新鮮だなぁ
すごい照れ屋さんになっちゃったなこりゃ…なんにせよ感謝の極みです。うれしいとかじゃ言い切れないや、困った…
……お話の方は完全に序章といった形なんでしょうか?今後の展開に期待してます。
脇役さん、激しく応援します、がんばってください。
せっかくだから逢魔さんの作品も読んでみます。