あらすじ
ワープ理論
「ただいまもどりましたー。あら?」
早苗さんが背負子いっぱいに夕飯の材料を詰めて麓から戻ってくると
神奈子さまと諏訪子さまは喧嘩の真っ最中であった。
取っ組み合いでもしたのだろうか、二人ともやけにほつれている。
「―――おかえり、早苗」
「ただいま戻りました。喧嘩ですか、神奈子さま」
「まあね。ほら、諏訪子。挨拶くらいしたらどうだい?」
「………………」
神奈子さまの呼びかけにも諏訪子さまは一向に答える気配がない。
かえるのように頬をぷーっとふくらましたまま正座するばかりである。
あぐらを掻いていた神奈子さまはそれを見て、「ふんっ」とそっぽを向いてしまわれた。
「いったいどうなさったんです?」
今にもまた取っ組み合いを始めそうなギスギスした空気である。
普通なら話しかけるのに気後れしそうなものだが、そこは早苗さん慣れたもの。
二人の喧嘩は何度も仲裁してきたし、神様を宥めるのが巫女の役目でもある。
それとなく、二人の真ん中くらいに座ってどちらにでもなくたずねてみた。
「――――早苗や」
「はい」
「前に話したと思うけど、お前は諏訪子の子孫だ」
「はい、それは以前に」
二人にお茶を出しながら早苗さん。
今日の献立はどうしようかしら? などと考えていた。
「そして諏訪子の旦那は私だ、そうだね?」
「ええ。毎日毎日あれだけ仲良くされていれば嫌でもわかります」
「――――そんなに仲良くしてたっけね?」
南京の煮つけに決まりね、と決めたところで、ほっこりともれるため息。
なんであんなに仲がよくて、こうも喧嘩ができるのやら。
「はい。それはもう。私がいたたまれなくなるほどに」
「そうか。それはまぁいい」
「よくないですよ……」
「今度直すから」
直した試しがない。そこは早苗さん慣れたもの。
もうあきらめることにした。
「はいはい。それで?」
「さて、話の肝はここからだ。早苗、お前はつまり私と諏訪子の子孫なわけだ」
「ええ」
「――――私の髪は何色だい?」
「ええ? 紫色、でしょうか?」
「――――諏訪子の髪は何色だい?」
「ああ………金色、ですね」
「――――早苗の髪は何色だろうね?」
「緑色ですね………」
早苗さんが深々とため息をついたところで諏訪子さま。
ぷくーっと頬をふくらましたまま、仰った。
「……………浮気なんかしてないもん」
「じゃあなんで緑色なのよ!」
「そんなの私知らないもん! 私が怒られる理由なんてないでしょー!」
「うそつき! 諏訪子のうそつき!」
「大体、浮気するなら神奈子じゃない!」
「なんですって!」
「得意のお色気と甘い言葉で私のときみたいにたぶらかしたんでしょそーなんでしょー!」
「なんたる侮辱! 早苗なんか言ってやって!」
「あーまた早苗に頼って! 神奈子いっつもそー!」
ぎゃんぎゃんぎゃいぎゃい。
夫婦喧嘩は巫女も食わないとよく言ったもの。
早苗さんはすっかり疲れた様子でそそくさと台所へと引っ込んでしまった。
髪の色が違うので浮気した浮気しないの押し問答になったようだが、いやはや。
「うー、あーうー! 神奈子のばか! もーしらない!」
「あっ、す、諏訪子……!」
ほどなくして、いつものように諏訪子さまが押し負けて外へと飛び出した。
泣きながら家出するさまはまるきり子供のようである。
ただ、その後姿にうろたえる神奈子さまを見る限り、やはり人妻なようで。
神奈子さまの振る舞いは、まるきり飛び出した恋人を追いかけようか追いかけまいか迷う姿そのものであった。
「――――ふんっ! いい気味だわ!」
結局、いつものように腕組みをしてお強がる神奈子さま。
早苗さんは南京をさくさくと切りながら、そんな神様にこう言った。
「神奈子さま」
「なに!? たとえ早苗の頼みでも、浮気してない証拠が出るまで私は一歩たりとも諏訪子を中には」
「青っぽい紫と黄色っぽい金色を混ぜると、緑色になるんじゃないでしょうか」
「諏訪子愛してるーーーーーーーーーーー!!」
勢いよく飛び出した神奈子さまの後姿に手を振りながら
「今日は熱燗でもつけようかしら」
巫女の早苗さんはつぶやくのであった。
帰ってきた神奈子さまと諏訪子さまの仲がより深まっていたことは、まあ言うまでもない話であったそうな。
ワープ理論
「ただいまもどりましたー。あら?」
早苗さんが背負子いっぱいに夕飯の材料を詰めて麓から戻ってくると
神奈子さまと諏訪子さまは喧嘩の真っ最中であった。
取っ組み合いでもしたのだろうか、二人ともやけにほつれている。
「―――おかえり、早苗」
「ただいま戻りました。喧嘩ですか、神奈子さま」
「まあね。ほら、諏訪子。挨拶くらいしたらどうだい?」
「………………」
神奈子さまの呼びかけにも諏訪子さまは一向に答える気配がない。
かえるのように頬をぷーっとふくらましたまま正座するばかりである。
あぐらを掻いていた神奈子さまはそれを見て、「ふんっ」とそっぽを向いてしまわれた。
「いったいどうなさったんです?」
今にもまた取っ組み合いを始めそうなギスギスした空気である。
普通なら話しかけるのに気後れしそうなものだが、そこは早苗さん慣れたもの。
二人の喧嘩は何度も仲裁してきたし、神様を宥めるのが巫女の役目でもある。
それとなく、二人の真ん中くらいに座ってどちらにでもなくたずねてみた。
「――――早苗や」
「はい」
「前に話したと思うけど、お前は諏訪子の子孫だ」
「はい、それは以前に」
二人にお茶を出しながら早苗さん。
今日の献立はどうしようかしら? などと考えていた。
「そして諏訪子の旦那は私だ、そうだね?」
「ええ。毎日毎日あれだけ仲良くされていれば嫌でもわかります」
「――――そんなに仲良くしてたっけね?」
南京の煮つけに決まりね、と決めたところで、ほっこりともれるため息。
なんであんなに仲がよくて、こうも喧嘩ができるのやら。
「はい。それはもう。私がいたたまれなくなるほどに」
「そうか。それはまぁいい」
「よくないですよ……」
「今度直すから」
直した試しがない。そこは早苗さん慣れたもの。
もうあきらめることにした。
「はいはい。それで?」
「さて、話の肝はここからだ。早苗、お前はつまり私と諏訪子の子孫なわけだ」
「ええ」
「――――私の髪は何色だい?」
「ええ? 紫色、でしょうか?」
「――――諏訪子の髪は何色だい?」
「ああ………金色、ですね」
「――――早苗の髪は何色だろうね?」
「緑色ですね………」
早苗さんが深々とため息をついたところで諏訪子さま。
ぷくーっと頬をふくらましたまま、仰った。
「……………浮気なんかしてないもん」
「じゃあなんで緑色なのよ!」
「そんなの私知らないもん! 私が怒られる理由なんてないでしょー!」
「うそつき! 諏訪子のうそつき!」
「大体、浮気するなら神奈子じゃない!」
「なんですって!」
「得意のお色気と甘い言葉で私のときみたいにたぶらかしたんでしょそーなんでしょー!」
「なんたる侮辱! 早苗なんか言ってやって!」
「あーまた早苗に頼って! 神奈子いっつもそー!」
ぎゃんぎゃんぎゃいぎゃい。
夫婦喧嘩は巫女も食わないとよく言ったもの。
早苗さんはすっかり疲れた様子でそそくさと台所へと引っ込んでしまった。
髪の色が違うので浮気した浮気しないの押し問答になったようだが、いやはや。
「うー、あーうー! 神奈子のばか! もーしらない!」
「あっ、す、諏訪子……!」
ほどなくして、いつものように諏訪子さまが押し負けて外へと飛び出した。
泣きながら家出するさまはまるきり子供のようである。
ただ、その後姿にうろたえる神奈子さまを見る限り、やはり人妻なようで。
神奈子さまの振る舞いは、まるきり飛び出した恋人を追いかけようか追いかけまいか迷う姿そのものであった。
「――――ふんっ! いい気味だわ!」
結局、いつものように腕組みをしてお強がる神奈子さま。
早苗さんは南京をさくさくと切りながら、そんな神様にこう言った。
「神奈子さま」
「なに!? たとえ早苗の頼みでも、浮気してない証拠が出るまで私は一歩たりとも諏訪子を中には」
「青っぽい紫と黄色っぽい金色を混ぜると、緑色になるんじゃないでしょうか」
「諏訪子愛してるーーーーーーーーーーー!!」
勢いよく飛び出した神奈子さまの後姿に手を振りながら
「今日は熱燗でもつけようかしら」
巫女の早苗さんはつぶやくのであった。
帰ってきた神奈子さまと諏訪子さまの仲がより深まっていたことは、まあ言うまでもない話であったそうな。
随分とお熱い事で・・・
・・・しかし
>そして諏訪子の旦那は私だ
何さらっと爆弾発言してるんですかガンキャノン様w
同性同士で子供作っちゃう辺り流石神様ですね
>「青っぽい紫と黄色っぽい金色を混ぜると~」
それは読めなかったw
相変わらず貴兄の発想はどこから来るのか……
やっぱりこの二人は夫婦なのですね!w
神奈子様と諏訪子様……少しだけ、イチャイチャ自重してください
直接の子供じゃないんだから、代を継ぐごとに他の色が混ざることだってあるだろうに…まったくこの二柱さまときたら(笑)
神奈子様切り替え早すぎですw
そして早苗さん・・・・・すっかり主婦業が板について・・・・・・
苦労人なのは5ボスの宿命か
>「諏訪子愛してるーーーーーーーーーーー!!」
ちくしょうwwwww 盛大に吹いたwww
早苗も,最初に言ってあげようよw
その発想は無かったww
冷静に考えてこの発想があったからこの話を書かれたのですよねすみません。
とにかく最高です。早苗さんがご両親の扱いに慣れているところとか、最後の一文から早苗さんが今後いっそういたたまれなくなると予想されるところとか。
そ、その手があったかーっ!
打った後、一日後に気づきました。
ケロちゃんの実家ってここじゃん!
>私は一歩たりとも諏訪子を中には
諏訪子様、何て図々しい
センスいいなあ。
他の所とタメが張れるぐらいの駄目駄目っぷり十分素質有りだw
ケロちゃん可愛すぎるwwww
銀色と赤があわさったり、金と黒が合わさったり、かと思えば金と紫が合わさったり、
そして更にその各色が合わさって、最終的には黒髪ばかりになるのですね!!!
たまに光の合成のようになったりするんですね!
次に幻想郷入りするのは何色かしら、なんて話すのですね!
完敗しました!!!!
試してぇ……