前書き 全員霊夢好き設定 メディは悪くない カオス注意 瀕死神奈子様
それでもいい方だけ
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最終回
結局は崩壊オチなんだぜ!
「はいそこ、サボらないサボらない」
映姫が建築係を指揮する。
「ちょっと、なんでアンタは働かないのさ」
体全体に包帯を巻いた神奈子が、大黒柱を設置しながら文句を言った。
「だって私、監督でいいっていわれたんですもの。あ、そこのウサギもサボらない」
「サボってませんよ。ちょっと耳掃除してただけですよ」
いつの間にか材料で耳かきをつくって、耳掃除していた。
「どっちの耳ですか?」
「そりゃあ付け耳じゃない…はっ!」
慌てて鈴仙が作業を開始した。それを見て映姫は、これは使えると内心どころか表情に出していたのでバレバレになった。
「これはいい脅迫のネタを見つけました。さて、リリーさん」
「はい?」
材木に釘を打っているリリーをよんだ。
「建築係全員の頭に春を与えてください。要するに脳内麻薬です」
「のーないまやく?」
「簡単に言えばみんなの疲れを忘れさせてくれるのです」
その言葉を聞くとリリーは、喜んで建築係に春を与えた。すんごいことになった。
「オイ閻魔」
「なんですかロリコン不死鳥…じゃなかった。不死鳥娘」
映姫は燃えた。
「だれがロリコンだ!いいからお前も働け、何故か頭がボーっとして気持ちいいから」
黒い煙を上げながら、映姫は建築係を見る。いつの間にか、骨組みが全て出来ていた。
「気持ちいー!」
「あはははっは」
神奈子と鈴仙が凄まじい勢いで、壁や屋根を作っていく。
「うわ、コレは予想外の効果だ」
「私は今、瓦焼いてるから木材運んでくれ」
そう言って妹紅は設置された釜に火を送った。映姫は木材を運んでは鈴仙や神奈子に渡す。リリーはまだ上で春度を送っている。そこで映姫は、一人足りないことに気付いた。
「魔理沙さんがいない」
辺りを見回しても見当たらない。
「ああ、あの人なら」
鈴仙が地面を指差す。
「人柱にしました」
納得と映姫は頷いた。
「おーい。炊き出し係帰ってきたぞー」
少し休憩ということになって、5人は神社の境内に向かった。
「…死んでたまるか」
後から魔理沙が地面から這い出てきた。
炊き出し係の前に行列が出来た。今までケンカしていた雛とてゐ、落ち込んでいた早苗、遊んでいたチルノと橙、逃げた輝夜、気絶したはずの諏訪子も全員あつまった。
「はい並んで並んでー」
メディが1人ずつ器にいれ粕汁を配っていく。
「(霊夢は…一番最後か、これは入れやすくていいわ)」
そんなことを思いながら一杯一杯注いでいく。大量に作った料理も、あっという間になくなり後二人、早苗と霊夢のみになった。
「はい」
「ありがとうございます」
早苗は器を受け取ると、箸を持って階段に向かった。最後の霊夢の番になった。
「アンタが料理得意だなんてはじめて知ったわよ」
意外と言ったような顔で、霊夢が言った。
「生まれたばかりの妖怪は物覚えが早いのよ」
器に謎のパウダーを入れ、粕汁を注ぐ。
「はい」
「ありがとう」
器を受け取った霊夢が後ろを向いた時、メディは今までに見せたことがないような笑顔になった。人形じゃないとできないような、歪んだ笑顔だった。
「いいにおいね」
霊夢が箸を持ち一口食べようとした時
「ぎゃー」
絶叫が響いた。驚いて叫び声の方向を見ると、早苗が悶絶していた。全員が早苗の周りに集まる。
「あー、コレは…」
諏訪子が早苗をマジマジと見つめる。
「奇跡が別方向に動いたみたいね。どうやら賞味期限切れか傷んでた野菜、全部この子の器に入っちゃったみたいね」
諏訪子が早苗の器をひっくり返した。
「食材持ってきたのは…八雲!」
メディが紫をにらみつける。既に紫は逃げていた。
「仕方ない、私炊き出しはいいからこの子看てるわ。永琳手伝って」
器を置いて、霊夢が早苗を安全な場所に運んでいく。メディは紫に復讐を誓った。
3時間後
全員は完成した神社の前に立っていた。信じられないが、春度を上昇させた結果が驚異的な完成速度を達成させた。
「なんか、早く出来すぎて実感わかないわ」
霊夢がつぶやく。
「そんなものよ」
永琳が言った。
「今日はみんなありがとう。皆がいなかったら、神社は完成しなかったわ」
霊夢が頭を下げる。全員、頭を恥ずかしそうにかいた。
「ふー…」
全員帰った後、霊夢は完成した神社の中を見て回った。前と全く変わらない廊下、間取り、大黒柱、玄関、地下室。
「地下室!?」
「あらばれちゃった」
「そりゃこれだけ堂々と、大黒柱のある部屋の場所にあればね」
そこから永琳と咲夜が出てきた。
「アンタたち帰ったんじゃないの!?」
「帰ったわよ」
「でも戻ってきた。」
二人が地下室を指差す。霊夢がそこを覗くと、通路が5本続いていた。
「まさか…」
首を重く回しながら二人の方を向く。
「御名答」
「霊夢の神社、紅魔館、白玉楼、永遠亭、裁判所、早苗のところの神社が繋がったから」
いつの間に掘ったのか、そんなことも気になったが、つまりいくら玄関を厳重にしても無駄ということだ。霊夢はもう諦めたように笑った。
「「じゃ、神社新築祝いに色々」」
「あはは…今日はもう好きにしていいわよ…」
反抗する気もなくなったのか、霊夢は大黒柱に寄りかかった。咲夜と永琳が近づいてくる。
「まずは服を…」
「いや、とりあえず縛りましょう」
霊夢に飛びついた為、大黒柱と霊夢に強い衝撃が走った。
バリ
「「「え!?」」」
大黒柱に穴が開いた。神社が振動を始める。
「な、なんで大黒柱がこんなにやわらかいのよ!?」
「柔軟材も使ったのか!?」
「使ってないっすよ!」
そんなことを三人が言っていると、大黒柱の中から二人顔をだした。
「あ、博麗の巫女」
「ほんとだ」
秋姉妹だった。三人が固まる。
「神社がなかったから、一番丈夫そうなこの木の中身をくりぬいたの」
「姉さんと一緒にこの冬、居候させてほしいの」
懇願するような目で霊夢を見る。霊夢は既に、今年の冬は永琳のところで入院生活かな?と思った。
もちろん神社は再び崩壊した。
終
次回がシリアスか甘かのどちらかとなると、個人的には甘が読んでみたいです。
ていうか、秋姉妹そこに居たのかwwwww
二回目の建て直し編を期待せざるを得ない。
全ての場所に繋がってる地下室から霊夢に夜這いをしようとする奴らが出てきそうですw
カオス無事完結。お疲れ様でした