目が、覚めた。覚めてしまった。
起き上がって大きく伸びをした後、大きなあくびが出た。やっぱり、まだ眠い。
だけど、目が覚めてしまったということは今年ももうそんな時期なのだろうし、寝足りないのもいつものことだ。
私は、空へと飛び出した。
今年はいつもと違ってずいぶんと暖かい。いや、ここ最近は起きるたびに暖かさが増していたようにも思う。本当に、自分が起きるべき季節なのかと、そう疑いたくなる。
だけど、自分が起きた―起きれたのだから、やっぱりそういう季節になったんだろう。
だとしたら、楽しまなければ。
私が起きていられるのは、この季節だけ。
ほんのわずかな、短い間。
今まで眠っていた分を取り返さなければ―損だ。
だから私は、その存在をアピールするがごとく、幻想郷を駆け巡る。
それが私の、私なりのこの季節の楽しみ方。
そうこうしているうちに、私は霧の湖にたどり着いた。
たしかここには、いつも二人の妖精がいるはずだ。
今年はどうだろうと辺りを見回して、すぐにその姿を見つけることができた。
二人の方も私に気付いたらしく、空を飛ぶ私の方を見ている。
そのうちの一人、青い服を着た氷精は、私を見つめるその目に若干涙を浮かべていた。
そんな彼女を見て、私は少し意地悪い笑みを浮かべ、手を振りながらこう言うのだ。
「はーるでーすよぉ~♪」
直後、氷の塊が飛来して私は撃墜された。
リリーが恋しい季節ですね。
とりあえず、挙手しとく
(・д・)ノ
なんでレティが出て(浮かんで)こなかったかな??
後書き読んで気づいて疑問に思った。