※注意
拙作「二人の巫女はこうして温まる」の続きのようで、知らなくても読めるものです。
霊夢×諏訪子? 霊夢×早苗? こんな感じです。
甘くはありません。辛くもありません。
勢いで書いてます。
大丈夫そうな方はどうぞお進みください
博麗神社、庭を一望できる縁側に霊夢は座っていた。
右側に縋りつく小さなお子様をぶら下げながら。
「……」
何も言葉を発しない。それは冷静で感情がないということとは違う、寧ろ内々から湧き上がる怒りを堪えるかのように感情を殺しているのだ。
小さく息が乱れ、湯飲みを持つ手が握りつぶすかのように力を篭められる。
傍で見ている早苗がはらはらと手を霊夢へと伸ばして挙動不審に周囲を見渡していた。
「いいじゃない、また遊びましょうよー、どうせこんな神社に人なんてこないんだから」
縋りつく子供、諏訪子の言葉が静かな縁側に大きく響く。
小さく霊夢の眉がつりあがってきて。
益々申し訳なさそうに小さくなる早苗。
体感的に、絶対的に空気が冷える庭。
それらを完全完璧に無視して諏訪子は尚もおねだりするように縋りつく。
「大体、私と遊べば信仰なんてすぐに集まるわ」
「……」
「す、諏訪子、様……」
「こんなおんぼろの神社護ってるより遊んだほうがよっぽど巫女らしいのよ」
さらにさらに空気の冷たく冷え込む博麗神社。
霊夢の頬がぴくぴくと震え始め。
何かに怯えるように身を縮こまらせる早苗。
諏訪子ただ一人、気勢を上げて言葉を紡ぐ。
「巫女は神様と遊ぶのが仕事なんだからつべこべ言わずに遊ぶのっ」
「……」
「所詮お賽銭も期待できない神社なんだからここは一つ、この私が力を貸してあげようっていうのにそんなことじゃあこの神社の先が思いやられるわ」
「……」
「……もうっ! 一体なんなのよっ! ここは諏訪子様、ありがとぉございますぅぅう! と泣いて喜び神のお相手勤めるもので「うるさい、黙れ」しょ……」
ピチューン
「あーうー……まだ頭がくらくらする……」
体から僅かに煙を上げながら諏訪子はぐらつく頭を押さえていた。
周囲には未だ生々しい傷痕が残っている。
スペルカード「夢想封印集」
霊夢の代表的で色鮮やかな攻防一体の弾幕。
あの時ついに堪忍袋の緒が切れた霊夢が実に至近距離で遠慮なく全弾を発射したのだ。
結果は見ての通り諏訪子とて予期せぬ弾幕に被弾を余儀なくされ地面に倒れ伏したのだ。
とはいえ、夢想封印が頭にあたって一撃で諏訪子がノックアウトされた後の霊夢は実に般若だった。
まだ時間があるとかで自分の周囲をくるくるぐるぐる回りつづける暴力の塊で周囲一体に攻撃したのだ。
周りを飛んでいた妖精なんかは一撃でこの世から消え去り、すぐに自然の力で同じ姿のまま再生された。そして再び吹き飛ばされる。また再生。
この妖精のなんとも健気な再生力は見るものの涙を誘う。誰も見ていなかったが。
その間約十秒。
庭の木々がその暴力的な弾幕の余波で大きく揺れ動き、葉が舞い散り庭に木の葉の絨毯を敷き詰め、博麗神社上空を通行し様とした鳥は回れ右。
誰だって怒れる暴君になんか近づきたくはない。だから非難をする。
霊夢だけが色々とすっきりした顔で自由気ままに余った時間を楽しんでいるのだ。
あなたの時間は私のもの、色々とナイフが飛んでくる権利問題に発展しそうなことを思いながら東風谷早苗はただ一人、自分の体を護りつづけた。
果たしてどれほどの時間が過ぎ去ったのだろうか。
実際には十秒ほどなのだけれど、早苗には永遠にも等しい拷問の時間。
スペルカードの嵐過ぎ去った庭を縁側の隅で小さく丸まりながら呆然と早苗は霊夢を見つめていた。
結果、実に撃墜数20を超える戦果である。是非ともエースのマークをいれていただきたいものだ。きっとエース、撃墜王と褒め称えられ空の王者に成れるだろう。
そんな暴風をもろに浴びた諏訪子はそのすぐ後に頭を揺らしながら復活した。さすが神様である。
「酷い、酷い!」
「なら、もう少し言葉を選びなさいよ」
すぐさま抗議。腕を高く掲げ、横断幕でも掲げるように腕を広げながら声を大にして。
子供っぽい行動。
先ほどまで怒っていた筈の霊夢も苦笑を隠せずに。
「だから、神様と遊びなさい、って言ってるじゃない!」
「あの、諏訪子様? その、言い方の問題ではないかと……」
早苗復活。
「言い方? 大体巫女を前に神様が謙るほうがおかしいじゃない」
「それはそうなんですが……」
「嫌よ。大体、あんたんところの巫女は早苗でしょ?」
「早苗とはもう十分遊んだもの」
肩を落とす早苗。どこかその背中が煤けて見えてしまうのは霊夢の気のせいではないだろう。
Exボス相手に何戦も、その集中力と不遇な現実に涙を禁じえない。
だからそっと霊夢は巫女服の袖で零れ落ちる涙をぬぐい。
「……早苗も苦労してるのね」
「……いえ、苦労というほどでは」
「やっぱり早苗は出来た子よね。それに引き換え博麗の巫女は全く……」
「ハイハイ、悪かったわね」
肩を竦め、巫女としての業務に口出しをしてくる諏訪子の言葉を受け流す。
霊夢は実にスルースキルに長けていた。別名無視とも言うが。
「悪いと思うなら遊びましょう?」
「……先刻遊んだばかりよ」
「あれは不意打ちじゃない!」
不意打ちを非道という無かれ。れっきとした戦略である。そもそも奇襲の類もそうであるが、相手の虚を突くのは実に有効な戦法ではないだろうか。
主に永夜の時を思い出して霊夢は涙した。
「大体、あれ位で神様は倒れません! 不意打ちとはいえ巫女の攻撃でやられないのっ!」
「あの、諏訪子様、本当……そろそろお止めになったほうが、霊夢も迷惑そうですし」
「なに? 早苗は巫女同盟の盟約を遵守するの?」
「いえ、そういうわけでは……」
「ちょっと待ちなさい、巫女同盟って何よ」
次第に混沌と化していく会話内容。
早苗が必死で宥め、矛先がそれたところを霊夢が蒸し返す。
それに応じて諏訪子が遊びをねだる、永久機関が密かにここ博麗神社で完成した瞬間であった。
「大体、私は人間なんだからそう長く付き合えないわよ。面倒くさいし」
「そうですよ、諏訪子様。神奈子様が神社でお待ちです」
「いいわよ、神奈子ってばきっと妖怪の山で宴会中でしょ?」
「ならあんたも参加してきなさいよ」
「信仰集めは任せたの。これからは何でも分業化していく時代の到来よ」
「幻想郷はまだそこまでいってませんよ、諏訪子様」
「って、博麗の巫女、面倒くさいってどういうこと?」
「……」
黙秘権の行使。実に便利な権利である。
「何とかいいなさいよ」
「あーもう、うるさい」
「きゃっ!?」
それでもまだまだ騒ぎたそうなお祭り好きの神様を霊夢は捕まえ、子供にするように自分の上に座らせた。
そっと後ろから腕を回し、あやすように抱きしめるのも忘れない。
腕を固定し、そのままゆっくりと上体だけを前後へと揺らせば完璧である。
これこそ、長きレミリアの神社襲撃事件を解決に導かせた必殺技である。
特にこの寒くなってきたご時世、暖房器具の乏しい幻想郷では人肌の温もりも貴重な熱源なのだ。
その上に一定感覚でゆっくりと揺れれば眠気を誘うという技である。
ちなみにこの技を編み出した慧音曰く。
「寺子屋で泣きそうな子供をあやすのに使うことがある。特に幼い子には効果的だ」
ということだ。
実際にレミリアや諏訪子がお子様かどうかは賢者の方々に判断を委ねるとして、霊夢としては結果的に大人しくなってくれるのだから問題無しということなのだ。課程より結果重視である。
「……な、何をしてるのよっ」
「抱きしめてるのよ。気持ちよくない?」
「あーうー、気持ちはいいけれど」
「なら、いいじゃない」
後ろで微笑み、全身密着させながらきゅう、と腕に力を篭める。
このあたりに少し寂しく縋りつくような感じを出せれば免許皆伝だ。
レミリアあたりの強者なら甘えられていると思って許してくれることもおおい。
実際、諏訪子にも効果覿面であった。弱点でターンのアイコンが点滅するだけですむ。
ならばともう一度、今度は抱きしめていた腕を動かし頭をなでるように。
さらに弱点。
「ま、まあ、今日の所は勘弁してあげる」
「ハイハイ、ありがとうございます」
「だから、その……もう少し強く温めて」
「了解」
温まるには最適なのだ、人肌というのは。
なぜならその温かさは人の心をほぐし、温めてくれる。
触れ合えることの喜び、一人ではないという確信。
この思いを感じられるのが幸せなのだと、気づいているのならば。
だからそのぬくもりを混ぜあうように諏訪子は背中をもたれさせ、霊夢は優しく受け止める。
言葉では伝えきれないお互いの熱を伝え合い分かり合うために。
―――――――――――――終わり?―――――――――――――
≪おまけ≫ー忘れられていた早苗頑張る編ー
「ず、ずるいですっ! 私だって、寒いのに!」
「ダメよ? 私が温まってるんだから」
「……別にいいけど、意外と疲れるんだからね、これ」
「だ、だったら、私は後ろです!」
悔しそうに拳を握り締めていた早苗は霊夢の開いている背中へと駆け寄り、腕を回して抱きついた。
「いや、あんたらね……これは私、暑いんだけど」
『我慢して!!(ください!!)』
「……はいはい」
あまりの二人の剣幕に霊夢は肩を落とし、小さくため息をつくしかなかった。
拙作「二人の巫女はこうして温まる」の続きのようで、知らなくても読めるものです。
霊夢×諏訪子? 霊夢×早苗? こんな感じです。
甘くはありません。辛くもありません。
勢いで書いてます。
大丈夫そうな方はどうぞお進みください
博麗神社、庭を一望できる縁側に霊夢は座っていた。
右側に縋りつく小さなお子様をぶら下げながら。
「……」
何も言葉を発しない。それは冷静で感情がないということとは違う、寧ろ内々から湧き上がる怒りを堪えるかのように感情を殺しているのだ。
小さく息が乱れ、湯飲みを持つ手が握りつぶすかのように力を篭められる。
傍で見ている早苗がはらはらと手を霊夢へと伸ばして挙動不審に周囲を見渡していた。
「いいじゃない、また遊びましょうよー、どうせこんな神社に人なんてこないんだから」
縋りつく子供、諏訪子の言葉が静かな縁側に大きく響く。
小さく霊夢の眉がつりあがってきて。
益々申し訳なさそうに小さくなる早苗。
体感的に、絶対的に空気が冷える庭。
それらを完全完璧に無視して諏訪子は尚もおねだりするように縋りつく。
「大体、私と遊べば信仰なんてすぐに集まるわ」
「……」
「す、諏訪子、様……」
「こんなおんぼろの神社護ってるより遊んだほうがよっぽど巫女らしいのよ」
さらにさらに空気の冷たく冷え込む博麗神社。
霊夢の頬がぴくぴくと震え始め。
何かに怯えるように身を縮こまらせる早苗。
諏訪子ただ一人、気勢を上げて言葉を紡ぐ。
「巫女は神様と遊ぶのが仕事なんだからつべこべ言わずに遊ぶのっ」
「……」
「所詮お賽銭も期待できない神社なんだからここは一つ、この私が力を貸してあげようっていうのにそんなことじゃあこの神社の先が思いやられるわ」
「……」
「……もうっ! 一体なんなのよっ! ここは諏訪子様、ありがとぉございますぅぅう! と泣いて喜び神のお相手勤めるもので「うるさい、黙れ」しょ……」
ピチューン
「あーうー……まだ頭がくらくらする……」
体から僅かに煙を上げながら諏訪子はぐらつく頭を押さえていた。
周囲には未だ生々しい傷痕が残っている。
スペルカード「夢想封印集」
霊夢の代表的で色鮮やかな攻防一体の弾幕。
あの時ついに堪忍袋の緒が切れた霊夢が実に至近距離で遠慮なく全弾を発射したのだ。
結果は見ての通り諏訪子とて予期せぬ弾幕に被弾を余儀なくされ地面に倒れ伏したのだ。
とはいえ、夢想封印が頭にあたって一撃で諏訪子がノックアウトされた後の霊夢は実に般若だった。
まだ時間があるとかで自分の周囲をくるくるぐるぐる回りつづける暴力の塊で周囲一体に攻撃したのだ。
周りを飛んでいた妖精なんかは一撃でこの世から消え去り、すぐに自然の力で同じ姿のまま再生された。そして再び吹き飛ばされる。また再生。
この妖精のなんとも健気な再生力は見るものの涙を誘う。誰も見ていなかったが。
その間約十秒。
庭の木々がその暴力的な弾幕の余波で大きく揺れ動き、葉が舞い散り庭に木の葉の絨毯を敷き詰め、博麗神社上空を通行し様とした鳥は回れ右。
誰だって怒れる暴君になんか近づきたくはない。だから非難をする。
霊夢だけが色々とすっきりした顔で自由気ままに余った時間を楽しんでいるのだ。
あなたの時間は私のもの、色々とナイフが飛んでくる権利問題に発展しそうなことを思いながら東風谷早苗はただ一人、自分の体を護りつづけた。
果たしてどれほどの時間が過ぎ去ったのだろうか。
実際には十秒ほどなのだけれど、早苗には永遠にも等しい拷問の時間。
スペルカードの嵐過ぎ去った庭を縁側の隅で小さく丸まりながら呆然と早苗は霊夢を見つめていた。
結果、実に撃墜数20を超える戦果である。是非ともエースのマークをいれていただきたいものだ。きっとエース、撃墜王と褒め称えられ空の王者に成れるだろう。
そんな暴風をもろに浴びた諏訪子はそのすぐ後に頭を揺らしながら復活した。さすが神様である。
「酷い、酷い!」
「なら、もう少し言葉を選びなさいよ」
すぐさま抗議。腕を高く掲げ、横断幕でも掲げるように腕を広げながら声を大にして。
子供っぽい行動。
先ほどまで怒っていた筈の霊夢も苦笑を隠せずに。
「だから、神様と遊びなさい、って言ってるじゃない!」
「あの、諏訪子様? その、言い方の問題ではないかと……」
早苗復活。
「言い方? 大体巫女を前に神様が謙るほうがおかしいじゃない」
「それはそうなんですが……」
「嫌よ。大体、あんたんところの巫女は早苗でしょ?」
「早苗とはもう十分遊んだもの」
肩を落とす早苗。どこかその背中が煤けて見えてしまうのは霊夢の気のせいではないだろう。
Exボス相手に何戦も、その集中力と不遇な現実に涙を禁じえない。
だからそっと霊夢は巫女服の袖で零れ落ちる涙をぬぐい。
「……早苗も苦労してるのね」
「……いえ、苦労というほどでは」
「やっぱり早苗は出来た子よね。それに引き換え博麗の巫女は全く……」
「ハイハイ、悪かったわね」
肩を竦め、巫女としての業務に口出しをしてくる諏訪子の言葉を受け流す。
霊夢は実にスルースキルに長けていた。別名無視とも言うが。
「悪いと思うなら遊びましょう?」
「……先刻遊んだばかりよ」
「あれは不意打ちじゃない!」
不意打ちを非道という無かれ。れっきとした戦略である。そもそも奇襲の類もそうであるが、相手の虚を突くのは実に有効な戦法ではないだろうか。
主に永夜の時を思い出して霊夢は涙した。
「大体、あれ位で神様は倒れません! 不意打ちとはいえ巫女の攻撃でやられないのっ!」
「あの、諏訪子様、本当……そろそろお止めになったほうが、霊夢も迷惑そうですし」
「なに? 早苗は巫女同盟の盟約を遵守するの?」
「いえ、そういうわけでは……」
「ちょっと待ちなさい、巫女同盟って何よ」
次第に混沌と化していく会話内容。
早苗が必死で宥め、矛先がそれたところを霊夢が蒸し返す。
それに応じて諏訪子が遊びをねだる、永久機関が密かにここ博麗神社で完成した瞬間であった。
「大体、私は人間なんだからそう長く付き合えないわよ。面倒くさいし」
「そうですよ、諏訪子様。神奈子様が神社でお待ちです」
「いいわよ、神奈子ってばきっと妖怪の山で宴会中でしょ?」
「ならあんたも参加してきなさいよ」
「信仰集めは任せたの。これからは何でも分業化していく時代の到来よ」
「幻想郷はまだそこまでいってませんよ、諏訪子様」
「って、博麗の巫女、面倒くさいってどういうこと?」
「……」
黙秘権の行使。実に便利な権利である。
「何とかいいなさいよ」
「あーもう、うるさい」
「きゃっ!?」
それでもまだまだ騒ぎたそうなお祭り好きの神様を霊夢は捕まえ、子供にするように自分の上に座らせた。
そっと後ろから腕を回し、あやすように抱きしめるのも忘れない。
腕を固定し、そのままゆっくりと上体だけを前後へと揺らせば完璧である。
これこそ、長きレミリアの神社襲撃事件を解決に導かせた必殺技である。
特にこの寒くなってきたご時世、暖房器具の乏しい幻想郷では人肌の温もりも貴重な熱源なのだ。
その上に一定感覚でゆっくりと揺れれば眠気を誘うという技である。
ちなみにこの技を編み出した慧音曰く。
「寺子屋で泣きそうな子供をあやすのに使うことがある。特に幼い子には効果的だ」
ということだ。
実際にレミリアや諏訪子がお子様かどうかは賢者の方々に判断を委ねるとして、霊夢としては結果的に大人しくなってくれるのだから問題無しということなのだ。課程より結果重視である。
「……な、何をしてるのよっ」
「抱きしめてるのよ。気持ちよくない?」
「あーうー、気持ちはいいけれど」
「なら、いいじゃない」
後ろで微笑み、全身密着させながらきゅう、と腕に力を篭める。
このあたりに少し寂しく縋りつくような感じを出せれば免許皆伝だ。
レミリアあたりの強者なら甘えられていると思って許してくれることもおおい。
実際、諏訪子にも効果覿面であった。弱点でターンのアイコンが点滅するだけですむ。
ならばともう一度、今度は抱きしめていた腕を動かし頭をなでるように。
さらに弱点。
「ま、まあ、今日の所は勘弁してあげる」
「ハイハイ、ありがとうございます」
「だから、その……もう少し強く温めて」
「了解」
温まるには最適なのだ、人肌というのは。
なぜならその温かさは人の心をほぐし、温めてくれる。
触れ合えることの喜び、一人ではないという確信。
この思いを感じられるのが幸せなのだと、気づいているのならば。
だからそのぬくもりを混ぜあうように諏訪子は背中をもたれさせ、霊夢は優しく受け止める。
言葉では伝えきれないお互いの熱を伝え合い分かり合うために。
―――――――――――――終わり?―――――――――――――
≪おまけ≫ー忘れられていた早苗頑張る編ー
「ず、ずるいですっ! 私だって、寒いのに!」
「ダメよ? 私が温まってるんだから」
「……別にいいけど、意外と疲れるんだからね、これ」
「だ、だったら、私は後ろです!」
悔しそうに拳を握り締めていた早苗は霊夢の開いている背中へと駆け寄り、腕を回して抱きついた。
「いや、あんたらね……これは私、暑いんだけど」
『我慢して!!(ください!!)』
「……はいはい」
あまりの二人の剣幕に霊夢は肩を落とし、小さくため息をつくしかなかった。
(見た目が)子供のキャラと霊夢の絡みは良いなぁ。のんびりして
慧音先生直伝の必殺技、俺も喰らいたい…
そのままゆっくりと状態だけを ←上体ではないでしょうか?
やっぱり霊夢は良いですねぇ。
嫉妬する早苗可愛いよ、照れる諏訪子可愛いよ