Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

魔理沙3分劇場

2007/12/05 22:04:33
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魔法の森-霧雨亭玄関

普通の魔法使い・霧雨魔理沙は何かを決心したような顔をして箒に跨る。
左手には香霖堂から半永久的に借りてきたストップウォッチを手にしている。

「よし、いくぜっ!」
と、気合一閃。ストップウォッチのスタートボタンを押し、そして叫ぶ。

「ラストワード・・ブレイジングスターッッ!!」

次の瞬間、魔理沙はお星様になった。

その姿を捉えた者がいれば、きっとその光景を飛行機雲、もしくは流れ星と例えただろう。


魔理沙の目的地は紅魔館。
パチュリーの住む大図書館である。

先日、魔理沙は門番と紅魔館の外壁をマスタースパークで派手に吹き飛ばしていた。
門番はともかくとして、外壁の壊れ具合が洒落にならなかったので、
流石の魔理沙もやりすぎたと感じたのか、一目散に逃げ帰ってしまった。
その後の修理は門番がやったとか何とか・・


しかし、一度犯した過ちは二度と犯さない。
実は努力家でもあるらしい魔理沙は考える。
そこで思いついたのが今回の作戦である。

霧雨亭から紅魔館までにかかる時間の短縮。
ついでに邪魔をしてくる門番の排除。

正に一石二鳥。
一応時間を測る為、香霖堂から半永久的にストップウォッチを借りてきたが、
それも必要無さそうだ。
霧雨亭を出発してからわずか数十秒、紅魔館が見えてきた。

「おいおい、ちょっと速すぎだぜ?」
あと数秒もすれば紅魔館に着弾する。
魔理沙は前回の失敗を踏まえて、紅魔館に突っ込まないように軌道を修正する。
ちなみに門番の事は一切考慮していない。

一方、その紅魔館の門番はと言うと、
「あ、流星痕」
何気に博識な門番である。

だが次の瞬間、顔が蒼白になる。
その流星痕とやらがこちらをめがけて突っ込んで来たからだ。

「な・・ちょ・・なに!?」
目を凝らして良く見てみると、光の中心には黒い物体が。
あれは・・
「魔理沙!?」
門番が叫ぶ。

しかし何かを考えている時間の余裕は無い。
門番は瞬時に体中の気を極限まで練り上げ、体を半径2m程度の結界で覆う。


「な・・!?」
予想外の結界の出現に魔理沙は驚き、眼を見開く。
霊夢の結界に比べると劣ってはいるものの、それでも充分な脅威になるレベルだ。

「・・ックソ!」
このままでは自分も危険と判断したのか、急遽魔理沙は軌道修正を試みる。
が、今の速度から考えると、激突までの時間は1秒と無い。
その限られた時間で軌道を変えられるほど、魔理沙も器用では無い。
激突は必至。
こうなったらもう突っ込むしかない。

魔理沙のラストスペルと門番の命懸けの結界が衝突する。


まず、凄まじい衝撃波が門の外壁を粉々に破壊する。
そして、ぶつかり合う二つの力が激しい火花を撒き散らし、
暫くの間拮抗状態が続いた。

「くっ・・コイツ!」
流石に魔理沙のラストスペルも門番の命を懸けた結界には届かないのか、
威力が若干弱まり、少しずつ軌道が変わっていく。
その先は・・紅魔館。

「お、おい、中国っ!ちょっと・・それは、そこはヤバいッ!」
耳が痛くなるほどの破壊音、ぶつかり合う力の衝撃音の中、魔理沙が叫ぶ。
「・・中国って」
門番のコメカミの辺りがピクピクと動く・・そして
「中国って・・言うなあぁぁあぁぁ~~ッッ!!!!」

大絶叫。

門番は気を爆発的に膨らませ、魔理沙のラストカードを弾き返した。
そして、その先は・・やはり紅魔館。

威力が落ちているとは言え、魔理沙のラストスペルである。
広大な敷地を有している紅魔館と言えど無事で済む筈が無い。

魔理沙のラストスペル・ブレイジングスターは、紅魔館のちょうど真ん中辺りまで
大穴を空けるという、とんでもない傷痕を残したのだった。


ガラ・・ガラ・・
瓦礫の中、ようやく魔理沙が咽りながら顔を出した。
「・・ゴホッ、やりすぎちまったぜ。って、ここは・・何処だ?」
「大図書館よ」
今にも消え入りそうな声が聞こえた。
そちらの方に視線を向けるとやはりと言うか、そこにはパチュリーの姿が。
ちなみに小悪魔は彼女の近くで腰を抜かしている。
「さて、この惨状について詳しく説明して欲しいんだけど?」
分かりにくいかもしれないが、パチュリーは相当ご立腹のようだ。

「あ、あはは・・」
魔理沙は視線をパチュリーから逸らし、頬を掻きながらしどろもどろ答える。
そして、突然踵を返すと自分の空けた穴に向かって一目散に走り出した。
(大丈夫、この距離なら追いつかれない・・逃げ切れるっ!)
と思う魔理沙の鼻元を・・ナイフが翳める。
「あら、残念ね?逃げられないわよ?」
いつの間にか、魔理沙のすぐ傍らには瀟洒なメイド服を着た女性が立っていた。
紅魔館のメイド長・十六夜咲夜その人である。

「・・まいったぜ」
ガクリと項垂れ、両手を上げる。
そして、魔理沙はその場で直ちに拘束された。

その後、魔理沙を待ち受けていたのは、語り尽くせないほどの説教、
紅魔館及び外壁の修理、更にはパチュリーから今まで借りていた本の返済。

結局、魔理沙が霧雨亭に帰れたのは一ヵ月も先のことだった。

初めまして、偽物と申します。
今回、初めてこちらの「プチ東方創作話ミニ」に投稿させていただきました。

ちなみに偽物にとって、本作は人生の中で2作目のSSになります。
風呂場で考え付いたネタを思いのままキーボードに叩き込んでみました。

色々と拙い文章が続いていますが、最後まで読んでいただいてありがとうございます。
感想等ありましたら、宜しくお願いします。


さて、本作で気になったところを補足。

・結局、霧雨亭から紅魔館までの所要最速時間は?
測定不能です。
香霖堂から借りてきたストップウォッチは、美鈴の結界と衝突した時に
液晶画面にヒビが入って真っ黒になってしまったかと。
でも、タイトルからして180秒くらいだと思います。
あくまで妄想ですが。

・門番強くね?
んー、やっぱりコレはちょっと強いですよね?
これは・・きっとアレです、美鈴は潜在能力が高いんです。普段はそれが引き出せないだけで。
中国と呼ばれたことで、きっと何かが覚醒して一時的にとてつもない力が出たんでしょうね。
あくまで妄想ですが。

・紅魔館の修理をするべく、1ヶ月間ただ働きをする魔理沙のエピソード書かないの?
まぁ、面白いかもしれませんね。しかし、偽物は建築関係には明るくないので・・。
案としては
「パチュリーから魔道書を借りて大きな巨人を呼び出して紅魔館を修理させる」
「パチュリーから魔道書を借りて小人を大量に呼び出して紅魔館を修理させる」
「パチュリーから魔道書を借りて時間を逆戻りさせる大魔術を実行して元通り」
もしリクエストがあるようであれば・・やります、はい。

・コレ、2作目って言ったけど、1作目は?
うpろだ3にあります。魔理沙がキノコを採りに行く話です。
本作と比べて文章の量がやたらと多いので、現在加筆修正中です。
今年中にはこちらでお披露目できるかと・・

偽物
[email protected]
http://rutikakkonise.blog122.fc2.com/
コメント



1.名無し妖怪削除
魔理沙wwww因果応報と言わざるを得ないwww
2.名無し妖怪削除
中国と呼ばれる前から競り勝ってますが?
3.偽物削除
>中国と呼ばれる前から競り勝ってますが?
確かに・・偽物、超反省。

>因果応報
しまった、タイトルそっちにすれば良かったww
4.名無し妖怪削除
美鈴は原作でもかなり強い設定だと思いますよw
5.名無し妖怪削除
まあ美鈴は妖怪ですからね。元々妖怪と人間の力には差がありますし。
普段は弾幕ごっこというルールがありますけど、突然魔理沙が来たので慌てたというなら
それほど不自然な話じゃないんじゃないですかね。普段使わない結界なんて使ってるし。