Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

紅魔門番逃走記 終

2007/12/05 02:29:41
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 妖怪の山と、慧音が守っている里の近くの山
 その辺鄙な山の上に、小屋があった
 そして、その小屋で、今まさに修行をしている者が居た
「………」
 無言で、スローな全身運動をこなしているその人は
「ふん!」
 里の守護者である、上白沢慧音と頭突きで引き分けた猛者
「ふう……走りこみをしてきますか」
 紅龍……紅美鈴でした


 美鈴は、魔法の森の妖怪達に
人も妖怪も余りたずねてこない場所を紹介してもらい
 その場で、己の身体をもう一度鍛え直そうと
 鍛錬をする事にしたのです


 小屋の表に出ると
「……よし、行きますか」
 全力でダッシュ、
 人間では無理な速度で走りぬけていきました
(妖怪の山の頂上まで行ってみますか)
 
 妖怪の山は閉鎖的ですが、美鈴は
 己の気配を消してこっそりと頂上の神社まで走りきりました

 
 後で
「あれ?誰か今居たような?」
 犬走椛だけが、こっそりと気がついていたらしいが
 誰も気に留めなかった




 神社の中まで走りきった美鈴は
「……何かな?あれ」
 変な柱を見つけまして
「…ためし割にはちょうどいいかな?」
 その柱の前で手を合わせると
「は~っ……」
 呼吸を整えて
「せい!」
(がつん!)
 それを息を吐くと共に拳で殴りました
「……腕が落ちましたね…われませんか」
 そういうと、来た道をまた気配を消しながら
 下山していきました


 しばらくしてから
 山の神社から
「お、御柱に!?御柱にひびが~!!!」
「か、神奈子様、落ち着いてください」
 という声が、響いたとか


 下山している途中、美鈴は考えていた
(……早く探さないと…私の技と心をたくせる者を)
 美鈴は、自分がいられる限界を考えていた
 薬で男になっていられる限界……
 それを、一ヶ月と見たのだ
(…それまでに……正しき心と力を持った者に)


 小屋に帰ってきてから
 美鈴は、一旦慧音の住む里に出る決心をした
「……食料をは何とかなるけど、そのほかのものは足りないみたいだからね」
 支度を整えると美鈴は山を降りた 
 山を下り、里に行く最中にある竹林で色々とあったが
(ここの竹林……虎が出るんだ)
 
「そういえば、前に一度里に遊びに来てくれといわれましたよね」
 里にたどり着いた美鈴は早速、慧音に会いに行った
「ごめんください」
 美鈴がこっそりと慧音の屋敷の前にやってきた
 しばらく待つと奥から慧音がやってきた
「ああ、貴方か……」
 慧音が美鈴を見て…驚いた
「……随分ボロボロだな…」
 服が少し破けている程度だが
 慧音には何かに襲われて出来たものと気がついたらしい
「実は……虎に襲われて」
 竹林で虎に襲われたのだ
「そうか、無事でよかった……あそこは妖怪だけでなく
 人食い虎も出るからな…」
 美鈴が無事に逃げてこれたと思っていた
 慧音だったが
「……いや、表の方にやっつけちゃった虎があるんですけど」
 美鈴の虎殺し……成功




「里の者を代表して礼をいう」
「いや、生き残るのに必死で」
 慧音に頭を下げられて美鈴は居心地が悪かった
「……ところで、今日は何のようでこの里に?」
 慧音が話題を変えてくれたのが、美鈴にはありがたかった
「ええ、今日は、日曜品を買いに…」
 そう言ったときだった

(く、食い逃げだ~)
 近くの市場からそのような声が聞こえてきた
「……」
「……」
 美鈴と慧音はお互いにうなずくと
 市場に直行した

「くそ!まて~」
 お店の店主らしき人が
 何者かを追い掛け回していた
 すでに、何人かがその何者かを追い回して居たが
「逃げられた!」
 つかまる直前でそれを綺麗に避ける 
 
「かなりすばしっこいみたいですね」
 美鈴が声から判断した
「おかしいな……この里にそのような事
 をする輩は居ないはずなのだが?」
 慧音と美鈴がそうつぶやいて
 現場に近づいた時

「わは~!」
 
 なにやら聞きなれた声が聞こえてきた

「……間違いないな」
 慧音が頭を抱える
「……慧音さん…あれ?」
 美鈴が指差した所には

「いただきま~す」
 手にしたものを食べながら逃げる
 ルーミアの姿があった

「誰かそいつを捕まえてくれ!
 お店の料理をご馳走してやるから!」
 店主の言葉に周りの人もルーミアをつかまえようとする
「あれ?囲まれた?」
 ルーミアが、辺りの人を見渡して
「……皆は食べてもいい人間?」 
 そうつぶやいた
 
「いかん!下手すると里の人に被害が!」
 慧音がそう答えるよりも早く
 
「お金を払わずに物を食べたら駄目です!」
(がん!)
「そ、そうなのか~(ばたん)」
 美鈴が、ルーミアの頭にチョップをしていた 
 突然の事に周りの人達が唖然とするが
「……助かった、感謝する」
 慧音が美鈴に話しかけたことで
 周りの人達が動き始めた
「慧音さま!……この人は?」
「私の友人だ」
 慧音の友人ならば悪い人ではないだろうと
 お店の店主が美鈴に頭を下げた
「ありがとうございます……
 この食い逃げ犯には困っていた所でした」
 店主がそういったところで
 慧音が話す
「ところで?こいつの処分はどうするだ?」
 慧音が気絶したルーミアを抱えて店主に話しかけた
「とんでもねえ奴です!……
 まあ、見た目はかわいい子ですがね…」
「……こいつは妖怪だ、下手したら食われていたかも知れないが」
 慧音のその言葉に店主がおびえる
「……あの、一ついいですか?」
 ルーミアの処分をどうしようかと悩んでいる
 慧音と店の店主に、美鈴が話しかける
「なに、食べられてんですか?」
「虎の肉を使った特別な饅頭ですよ……
 なかなか、虎の肉なんて手にはいらねえから
 めったに出来るもんじゃあねえっていうのに」
 店主が、頭にきている時に

「う~ん……」
 ルーミアが意識を取り戻した
「あれ?なんでたおれているのだ?」
 悪気がない顔で起き上がる
 起きたルーミアに対して慧音が怒る
「こら、なんで食い逃げなんかしたんだ」
 そのことに対してルーミアが
「だって、巫女から『人間食うな』って脅されたんだけど
 お腹は減るし……野生の動物はこの前きた大食いの幽霊に
 根こそぎ食べられて、この辺にほとんどいなくなっちゃったから」

 ある意味、深刻な問題だった
 巫女に人を食べるのを止められ
 主食としていた野生の動物も数が激減している
 確かにそれなら町に出てくるのもうなずける


「まあ、それは仕方がないがだからといって食い逃げは
 してはいけないことだからな」
 慧音に怒られてルーミアはシュンとなった
「ごめんなさい」
 頭を下げられてお店の店主も少しばつが悪そうにしていた
「……この子も悪かったと思っているようだから
 今日はこの辺で許してやってくれないか?」
 慧音がそう話しかけると、美鈴も
「今さっき手に入れた虎の肉でよければ
 お渡しするから、私からもお願いします」
 二人にそういわれたらお店の店主も
「慧音さまと、その友人に感謝するんだぞ」
 そういって店主はお店に戻っていった


「だけどルーミア……さっきの動きはかなりのものだったね」
 一旦、慧音の家に慧音と美鈴、そしてついでに着いて来た
 ルーミアが一緒になって話をしていると
 美鈴の口からそのような言葉が出た
「確かに、里の人は一切触れる事がなかったな」
 慧音もそれにうなずく
「……でもすぐにお腹が空くのだ」
 そういうと美鈴にある考えが浮かんだ
(これだけの身体能力があるのに、もったいない)
「私の弟子にならない?」
「「えっ?」」
 慧音とルーミア、二人が驚いた
「…せっかくのあの身体能力、生かすも殺すも貴方次第なんですよ?」
 美鈴にそういわれて
 ルーミアも喜ぶ
「初めて褒めてもらった~……ん~…でも、
 今は食べ物探すのに忙しいし…」
「まあ、食べ物ぐらいならこちらでも用意しますし」
 美鈴のその答えを聞いたルーミアは
「弟子になる~♪」
 即答した



 
「それでは、お世話になりました」
「またね~」
「気をつけて帰るんだぞ」
 そろそろ帰ると慧音に告げ美鈴とルーミアは
 慧音の家から出て行った
 表を出てから美鈴が 
「さて?ご飯の準備にちょっと釣りにでも行きますか」
 そうルーミアに告げると
「ならいい場所知ってるよ!」 
 そういわれたので
「本当?…ならその場所に案内してくれるか?」
「いいよ~」
 



 ルーミアに教えてもらって着いた所が
「ここだよ」
「……(よりにもよってここですか)」
 紅魔館の近くの湖でした
 ルーミアがどうしたの?って顔で見ているので
「……まあ、とりあえず晩御飯のための魚を釣りましょうか」
 流石に、紅魔館に近すぎるといけないから
 極力離れた所で、釣りをする事にした
  
 
「そこにある針と糸取って」
「わかった~」
「……いや、裁縫用の針と、タコ糸出されても困るんだけど」
「そうなのか~」

 そんなやりとりをしていると
「ちょっと待ちなさい!」
 何者かがその場に怒鳴り込んできた
(なんか聞き覚えある声だな?)
 と、美鈴が思っていると
 目の前に現れたのは
「あたいの目の黒い内は、この湖で好き勝手させないだからね」
 氷の精霊 ⑨ 馬鹿 
 さまざまな呼び方をされる
 チルノでした

「ここはあたいの『なわとび』なんだから!」
 二人の前で両腕を組んで胸を張るチルノ
「……『なわとび』じゃなくて、『なわばり』だと思うけど」
 それに対して、美鈴が冷静に突っ込みを入れると
「そ、そうとも言うわ……とにかく!ここはあたいの
 遊び場なんだから!さっさと出て行きなさいよ」
 そういって、威嚇するようににらんできた
 だが、チルノの事を知っている美鈴にとっては
 ただの可愛いお馬鹿にしか見えない
「いや、ただ釣りをするだけだから」
 美鈴が苦笑しながら釣りをしようとすると
「だめ!何処の誰とも知れない奴を
 あたいの『なわとび』にいれないだから!」
 そう答え、美鈴に向かって
 氷礫を投げつけてきた
(そういえば、今の私は漢に変装しているんでしたっけ)
 そう考えながら、飛んできた攻撃を全て叩き落とす 
 いつも見ていた弾幕、しかもその位の攻撃なら
 紅魔館に居たメイド長のナイフに比べればはるかに遅い
「どれだけ放ってきても無駄ですよ?」
 美鈴がそう言い放つと
 チルノが、怒りながらスペルカードを取り出す
「むっき~!何であたらないのよ!
 くらいなさい!アイシクルフォール(イージー)」
(あ~、面倒だから少し気絶してもらおう)
 美鈴は、チルノがスペルカードを発動させたと同時に
 全力でチルノの前に踏み込む
 いきなり、目の前に現れた敵に驚いているチルノに
「竜虎両破腕!」
 両腕を独特の構えから叩き込む
 
 そのまま、チルノが吹っ飛び、湖の近くの木にぶつかると
 そのまま気絶をした
(しまった、今は漢になっているから威力が大きくなっているんだ)
 美鈴はそう思うと
 気絶したチルノを起こす
「ほらほら、起きて起きて!」
(パンパン!)
 二、三回ほど軽く頬を叩くと
「うっ、う~ん」
「あ、起きた」
 ようやくチルノが目を覚ました
 そして、漢になっている美鈴を確認すると
「くっ、えいっ!」
 美鈴に向かってキックを放つ
 思っている以上にすばやいキックだったが
(まだまだですね)
 美鈴はそれを綺麗にかわすと
「せいっ!」
 チルノに向かって高速の手刀を繰り出す
 だが、ただの手刀ではない
 高速の摩擦が一瞬だけの火を生み出す
 目の前に、火が出たものだから
「うわっ!!!」
 チルノは思わず後ろに身体を引いて倒れる
「……少し落ち着いてください」
 倒れこんだチルノに対して、美鈴がそう言い放つ
 倒れたチルノも、そういわれて少しだけ落ち着きを取り戻す
「くっ、この最強のあたいが…」
 チルノがそうつぶやくのに対して
「最強というのなら……周りの人にもっと優しくしなければなりませんよ?」
 美鈴が言い聞かせた

 チルノがそのまま倒れていると
「……でも、いい動きでした…どう?
 拳法をやってみませんか?」
 美鈴がそう話しかけると
「なんであたいが拳法なんか…」
 そういいかけて、少しだけ考える
「……でも、このままだとあたいの気がすまないから
 あんたの拳法とやらを教えてもらうわ!
 そして、教えてもらった拳法であんたを『フライパン』にしてやる」
(いや、コテンパンだろう……まあ、いいか)
 チルノが「あたいったら天才ね!」
 といってるを見て
(そうだった、今の私はチルノとは初対面だったっけ)
「ふふっ、元気な妖精ですね」
 美鈴が思わずチルノの名前を呼びそうになるのを
 妖精と言い換える
 するとチルノが怒り出す
「妖精じゃない!あたいには『チルノ』っていう
 名前があるんだから」
 自分の名前を呼ぶようにチルノが強制する
「はいはい、少し静かに…怒ると可愛い顔が台無しですよ?」
 美鈴にそういわれると
 少し、頬を紅くして
「ふ、ふん仕方ないからあたいが弟子になったやるわ」
 そう答えた

「あれ?なんでルーミアが居るの?」
「私もあの人の弟子なのだ」
 
 ルーミアとチルノがそういうやりとり
 をしている間に
「釣れましたよ」
 美鈴はすでに魚を大量に釣っていた




 魚を釣り終えた美鈴達は
 修行をするために小屋に向かっていた
(さて?まずは二人の強さを……!?)
 戻る途中の森の中で、何者かが
 移動しているのを美鈴が感じた
(誰だ?)
 そう思っていると
 目の前から何者かが移動していった
「うわっ!?ごっ、ごめんなさい」
 美鈴にぶつかりそうになるのを
 その何者かは避けると
 また、移動をしていく

「あれ?リグルだ……」
 チルノがつぶやくと
「そういえばそうなのだ~」
 ルーミアもそう頷いた
「リグル?」
 美鈴がそう聞くと二人が
「私達の友達だよ」
「そうなのだ」
 そう答えた
「…でも、最近なんか会わなかったんだよね」
 チルノの言葉を聞いて美鈴が
「ちょっと、追ってみようか」
 そう話しかけると
 二人は躊躇せず頷いた



 リグルが移動して行った先を
 美鈴達が追いかけると
 少し場の開けたところに着いた

「あ、いたいた」
「リグル~」
 チルノ達がリグルの居る所に行こうとするのを
「はい、二人ともストップ」
 美鈴が止めると
 リグルの元に何者かが現れた

「おうこら!……献上品持ってきたんだろうな?」
 リグルの前になにやら体の大きな妖怪が
 立っていた、その周りに大量の妖怪達もいた
(あれ?どこかで見た事あるような…)
 美鈴が考えていると

「……いやだ!」
「なに?……」
 リグルが、大声でその妖怪に答えたいた
「おっ、お前達が怖いから今まで色々引き受けてきたけど
 もうごめんだ!」
 リグルがそう言いきると
 大きな妖怪が声を低くして話しかける
「てめえ……謝るなら今の内だぞ?」
「嫌だ!このままだと……一生僕は負け犬だ!」
 リグルが勇気を振り絞ってそう答える
「それが、お前ら弱い奴の人生なんだよ!」
 リグルに対して妖怪達が襲いかかろうとする
 
(とりあえず、助けなきゃね)
 美鈴が大量の妖怪の中に入っていく
「失礼する」
「あっ?なんだてめえ?」
 リグルに襲い掛かろうとしていた妖怪達が
 突然の入ってきた乱入者の方を向く
「今は忙しいんだよ」
 入ってきた乱入者の前に妖怪の一人が立ち塞がる
「すまんが、少し失礼する」
 気がつくとその妖怪の前から
 美鈴の姿は消え
「えっ!」
 その妖怪の背後にまわって居た
「うっ、うわ!…てってめえいつの間に!?」
 後ろで腰を抜かしている妖怪を放って置いて
 リグルの後ろに立つ
「なんだ?てめえ……」
 体の大きな妖怪が乱入者の方を見る
 それに対して美鈴は
「……貴方は、この子よりも強いの?」
 そう話しかける
 それを聞いた妖怪達は
 大笑いしながら
「当たり前だろう?こんな奴より
 俺様の方が強いのは」
 美鈴はリグルの方を見ると
「……弱いのは貴方達の方だ」
 そう答えた
 それを聞いた大きな妖怪は
「馬鹿な事を言うな!…この俺がこんな小さい奴より弱いだと!?」
 美鈴に向かって大声で怒鳴った
 美鈴はそれに対して静かに答える
「……腕力や肉体ではな…だけど、強さとは
 そんなものだけではない……」
 リグルの頭に手を乗せると
「私はこの子の方が、貴方達よりはるかに強いと思うがな」
 冷静に話をしている美鈴に、恐怖を感じてきた妖怪が
「どっ、どこがだ!?」
 美鈴に怒鳴る
 その言葉に美鈴がため息をつくと
「まだわかりませんか……」
 次の瞬間、リグルの背後から
 大きな妖怪の後ろに移動する
「『心』ですよ!」
 そう話かけると、大きな妖怪とその周りに居た妖怪が
「このやろう!ぶっ殺してやる!!!」
 群れをなして襲い掛かってきた


 5分後


「これで終わりですか?」
「てっ、てめえ……」
(はて?これと同じような事を前にも……あっ!)
 美鈴が思い出す
 その時、周りの妖怪達も何かを思い出す
「お、思い出した……こっ、こいつ…紅龍」
 大きな妖怪の配下の一人だと思われる者が
 腰を抜かしながら美鈴を指差す
「ハクタクと頭突きで引き分けたって言う
 ば、化けもんだ!」
 その言葉を聞くと
 目の前の大きな妖怪が
「し、失礼しました!」
 そう言い放ち逃げていった
「か、頭~」
 それに伴って、周りの妖怪達も逃げていく
 その場に残ったのはリグルと美鈴だけだった


「さて?……立派でしたよ」
 リグルの頭に手を乗せると美鈴がそういった
「そんな……僕なんてただ逃げていただけで…」
 うつむくリグルに対して美鈴が首を振る
「そんな事はない、貴方は他の者の事を考えて
 目の前の者に『嫌』と答えた……その心の強さを
 忘れないように…」
 美鈴がそう言ってその場から背を向ける
「ま、待ってください!」
 その背中に向かって、リグルが止める
 美鈴が振り返ると
「お、お願いします!僕を…弟子にしてください!」
 そういって来た
 美鈴は、その言葉に対して
「……あいつ等を見返すためにか?」
「!?」
 美鈴の言葉にリグルが驚く
「大丈夫、もうすでに貴方はあいつ等に勝った」
 そう美鈴が言うと
「紅龍様!」
 リグルが頭を下げる
「それでも……それでも弟子に!」
 その言葉を聞いた美鈴は
「…貴方は、あれだけの人数相手に対して勇気を振り絞った
 ……私の所に来なくても、十分強くなると思っていたが…」
「そっ、それでは!?」
 美鈴が仮面の下で微笑む
「強さとは、女性だろうが、男だろうが……
 体が小さかろうが、大きかろうが関係ない
 ……強くなろうとする精神が強さですから」
 そういって、リグルに手を伸ばす
「そういえば、まだ名前を聞いていませんでしたね」
 リグルが美鈴の手を握ると
「リグル、リグル・ナイトバグです」
 自分の名前を話した



リグル「あっ、ルーミアとチルノ?何でここに?」
チルノ「リグル久しぶり、あたいも拳法を覚えて
    あいつをボコボコにするんだから」
ルーミア「それよりご飯まだなのか?」



 三人が喋りながら美鈴の後を着いて行った


 小屋についてまず皆の一言は
チルノ「せまい」
リグル「汚い」
るーみあ「晩御飯!」
 でした
 
 とりあえず、美鈴がみんなの前で
「改めて挨拶させてらうが、私の名前は紅龍
 それと、とりあえずみんなの力を見たいから
 一人ずつ、稽古をする感じで私にかかってきて」
 その問いかけにルーミアが膨れる
「晩御飯を先にしてほしい~」
 リグルも
「山を登ってすぐにですか?」
 そう語る
 だがチルノは違った
「あたいが初めに戦うわ!」
 そう言って、真っ先に美鈴に向かっていった

「くらえ!」
 チルノが美鈴に向かって突っ込んでくる
 美鈴はそれに対して、体捌きだけで綺麗にかわす
 そのまま、交差気味にチルノの足に蹴りを軽く放つ
「いたっ!」
 チルノが蹴られた痛みで攻撃を止めると
 一旦後ろに下がる
「それでは、今度はこちらから……」
 美鈴が離れているチルノに向かって
 高速で目の前に移動、そしてサマーソルト気味に
 キックを少し掠めると、元の離れている位置に綺麗に戻る
「はい、ここまでね」
「ぐっ、くやしい」
 そう答えると、チルノはそのまま硬い床の上で倒れた


「次は誰がきますか?」
 目の前でチルノが倒れているのを見て
 ルーミアもリグルも、後ろに下がるが
「次は私なのだ」
 ルーミアが前に出る
「少しでもお腹が減らないうちに」
 ルーミアが美鈴の前でそう答える
 それに対して、美鈴が
「とりあえず、これが終わったらルーミアには
 大盛りでご飯よそいましょうか」
「大盛りのごはん!」


「ご飯!」
 ルーミアの攻撃はただ純粋に
 殴りつけてくる、蹴ってくる
 美鈴にとってそれは捌きやすいもだった
(でも、一撃が重い)
 そして、ルーミアはタフだった
「獅子の手!」
 美鈴の攻撃を受けて吹っ飛ぶが
「う~…」
 それでもルーミアは起き上がる
 そして、攻撃をしてくるが
「よいしょ」
 美鈴はその攻撃を受け流しつつ
 まるで踊るように関節を決める
「いたたたたっ!」
「……ルーミアもここまでね」
 技を解くと
「う~」
(バタン!)
 そのままルーミアも倒れた 


「さて……怖かったらやめてもいいよ?……リグル」
 最後に残ったリグルを挑発するように
 美鈴がそう言い放つ
「いえ!……行きます」
 リグルが少し震えながらも美鈴の前に立つ
「よし!殺す気でかかってきなさい!」
「うっ……うああぁ!」
 リグルが死に物狂いでかかってきた


「さて?今日はここまで」
 美鈴との戦いで三人とも硬い板の上で倒れていた
「それでは、ご飯作ってくるからしばらく倒れていてね」
 美鈴がそう言って奥にある厨房に戻っていった
(さて?……何人残るかな?)
 下手したら、皆が居なくなっている可能性もあった
(その時は……仕方がないよね…)
 これくらいで居なくなるようでは
 美鈴の技、心などは教える事ができない
(まあ、ご飯を食べるまではいるかもね)
 美鈴が料理を作り
 三人が居るはずの道場まで来た
「ご飯できましたよ」

 

  
 ご飯が終わって美鈴は一人で、椅子に座っていた
(ふふっ、久しぶりに少し疲れましたね……)
 他の三人は、ご飯を食べ終わると疲れてそのまま眠ってしまった
(三人とも……思った以上に根性が座っているみたいね)
 眠っている三人に毛布をかぶせると、美鈴はしばらく考えていた
(……チルノはすばやい攻撃を、ルーミアは重たい一撃を
 リグルは今はなんともいえないけど……化ける可能性が…)
 三人の力を分析して、いるとドアの扉が開く
「う~」
 そこには、ルーミアが倒れていた
「ど、どうした?」
 急いで駆けつけると
(ぐ~~)
「……朝ご飯……まだなのか~?」
 その言葉に美鈴は驚いた
 先ほどの食事の時にもかなり大量に食べたのだ
「……まだ、食べる気ですか…」
 三人の弟子の事と、ルーミアの腹ペコぶりに驚きながら
 この日は、過ぎていった




 次の日、三人と美鈴は里の近くの竹林の中に来ていた
「こんな所で、なにをするんですか?」
 リグルが美鈴に問いかけると
「この竹林の中は、足場がごつごつしていて
 歩きにくいので、ここを動き回れるように
 なれたら、すばやさが身につきます」
 そこにルーミアが
「でもそら飛べるよ?」
 突っ込みを入れる
 美鈴もそれに対して
「はい、ですが基本的な動作の全てに
 まずは足腰の強靭さが必要とするので
 まず、初めはキッチリとこの竹林などで
 稽古を着けていきます」
 そう答える続けてチルノが
「あたいは最強だからこんな事しなくてもいい」
 そう答えると
「でしたら、その最強に勝った私はさらに最強ですね…」
「あたいが最強なの!」
「……だったら、一番に稽古をしましょうか?」
 美鈴の口車にチルノが乗る
「とうぜん!フライパンにしてやるんだから」
「いや、だからコテンパン…」
 リぐるの突っ込みを無視して
 チルノと美鈴の稽古が始まる

「きゅう~」
「はい次の人」
 
 その日の夕方まで修行は続いた


「ふう、今日はここまでにしましょうか」
 美鈴がそういったときには
 三人とも疲れきって倒れていました
「……仕方ないですね」
 その日は三人を担いで、美鈴は小屋に向かいました
 

 その夜
「……どうやら皆基本的な能力はかなりのものですね」
 竹林での戦いを思い出しながら美鈴は考えた
(やっぱり、妖怪や妖精って事と伊達にみんな
 ボスをやっているわけではないみたいですね)
 美鈴が考えている時にチルノがやってきた
「ねえねえ?」
「ん?どうしました」
 美鈴の言葉にチルノが
「初めて会った時に使った技、教えて」
(え~と?……確か)
 美鈴が思い出すと
「ほら、火が出たやつ」
「ああ」
 美鈴が納得したがすぐに暗い顔になる
「残念ですが、あれはなかなか出来ません」
 その言葉にチルノが暴れる
「え~、やってみたい」
 その言葉に美鈴が答える
「チルノさんが使うと、手が溶けてしまう」
「あ~」
 確かに、氷の精霊であるチルノは熱に弱い
 それは、仕方がない事ではある
(でも、それなりに教えてあげたいのも事実)
 そこで、美鈴は考えた
「……そうだ、ちょっと道場の方に来て」
 チルノを道場の中までつれてくると
「いいですか?」
 美鈴が手を思いっきり振り下ろすと
「うわ~…」
 チルノが喜んだ
 美鈴の手を振り下ろすと同時に
 その手から冷気が出される
 そして、目の前の壁が氷で固まっていた
「これなら、手が溶ける心配もありません」
「これを教えて!」
 その日から、チルノは修行の合間に手刀の練習をするようになった





 その次の日
 三人と美鈴は妖怪の山の上にある神社までやってきていた
「今日はここで特訓します」
 美鈴がそう喋ると
「ここ、息がしにくい……」
 ルーミアがそう答えると
「そう、ここである程度動けるようになったら
 かなりの体力が着きます」
 リグルも
「……でも確かに少し息がしにくいね…」
 そう答えた
「さて?今日は誰からかかってくるのかな?」
 美鈴の言葉で今日の修行は始まった

 大体お昼頃
「休憩入れようか?」
 その言葉を聞いて
「はあ、はあ、…最強のあたいが…」
 チルノが倒れこむ
「大丈夫?チルノちゃん?」
 リグルがそう話しかけると
「無理したら駄目なのだ~」
 ルーミアもそう話しかける
(流石に、チルノちゃんにこの空気の薄さは辛いか)
 紅魔館の近くにある湖は比較的低い所にある
 チルノはそこを寝床にしているから、他の二人に比べ
 息がしにくい。
 その上、修行によって体温がかなり上がっていたのだ
「……変更、今日はここまで…」
 少し早い訓練の切り上げになった


 
 その日の夜
「……流石に今日の修行は堪えたでしょう…」
 美鈴が三人の様子を見にいくと
「zzz…う~ん……レティ…大妖精」
「……zzz…お腹いっぱい…」
 疲れ果てて、硬いはずの床の上で
 毛布をかぶって眠っていた
(うんうん……?あれリグルが居ない?)
 リグルのいるはずのところには
 毛布だけが置いてあった
(……外?)
 微かに聞こえてくる音を、美鈴が聞き分けて
 小屋の外に出る

 そこには、疲れているはずなのに基本の型を行っている
 リグルの姿があった
「くっ!……チルノには速さ…ルーミアには力がある
 ……でも僕には…」
 その時、後ろから笛の音が聞こえてきた
「誰!?」
 リグルが後ろを振り向くと
 そこには横笛を吹いている自分の師匠の姿
「お師匠様……」
 その演奏が終わるまで、リグルは待っていた
 そして、演奏が終わり美鈴が声をかけた
「鳥児在天空飛翔 魚児在里河遊泳」
「えっ?」
 突然声をかけられたのでリグルが驚いていると
「この曲の名前……鳥の子供は誰にも教わらずに空を飛べるようになる
 魚の子供も誰にも教わらずに泳ぐ事が出来る」
 その言葉をリグルは黙って聞いていた
「この歌の意味はね……無理をしない…自然のままにって事」
 そういわれてリグルが気がつく
「チルノにはチルノの……ルーミアにはルーミアの
 そしてリグル…貴方には貴方の良い所がある」
 そういうと美鈴がリグルに向かって一言
「あの二人には、すでに戦い方が決まってしまっている
 でも貴方はまだまだ様々な可能性を持っている……
 今日はもう遅い……もう眠りなさい」
 そう言って美鈴は小屋の中に戻っていった
「……僕の…可能性?」
 リグルはしばらく考え込んだあと、寝床に戻った





 しばらく経ってから
 三人は美鈴に言われて道場の中に居た
「……三人とも、ある程度の基本が出来てきたから
 今日はさらに実践的な稽古に入る」
 美鈴の声に、三人が返事を返す
「よ~し!今日こそコテンパンにするんだから!」
(チルノが間違わずに言った!?……本気みたいね)
「勝ったらご飯特盛りなのだ~」
(…結局いつもと同じ量なんだけどね)
「お願いします!」
(……いい顔をしている、リグルも強くなった)

「まずはあたいから!」
 チルノが美鈴に向かって突っ込んでくる
(初めの時と、全く変わりませんね)
 美鈴が避けようとしたら、目の前でチルノが止まる
「てりゃ!」
 そして、手刀を放つ
 だがチルノの手は美鈴には届かない
(失敗?……違う!?) 
 とっさに美鈴が思いっきり横にとんだ
 そして、チルノの背後に回りこむと
 足払いをかける
「うわ?」
 チルノが倒れそうになるのを踏みとどまろうとする
 それを美鈴が
「百里道一歩脚!」
 蹴ってトドメをさす

「くう~また負けた」
「ここまでですね」
 チルノが悔しがるが、美鈴は驚いていた
(あの手刀……)
 美鈴は己の腕についた凍傷の痕を見た
(やはり、あの時教えた技を……)
 チルノに教えた手刀、本来ならば長い時間をかけて
 鍛えた体が必要になるのだが、そこをチルノは
 自分の力を使って代用したのだ
(惜しむらくは、変に力みすぎている事か)
 無駄な力が入っているために相手に避けられてしまう
 この技はまだ未完成であった


「次は私なのだ~」
「ルーミア、かかってきなさい」

 美鈴に近い位置からルーミアが攻撃をしてくる
「わは~」
 美鈴のような速さはないが
(一撃の重さは、前よりも強くなっている)
 当たれば、その辺の妖怪ならば一撃で吹っ飛ぶ
 程の破壊力をルーミアは打ってきた
「……当たらない」
(それはまあ、単純だからね…)
 だが、美鈴は紅魔館の中でさらに恐ろしい一撃を
 何度も受けている、そしてそれよりも早い一撃を
 避けてきている
「ん~……えい!」
 ルーミアが力を込めると
 辺りが闇に染まる
(そうか、暗くすれば避けられない……少しは考えるように
 なったみたいね…)
「熊の手~」
 重たいパンチが暗闇の中、美鈴に迫る
「はい、お疲れ様」
 だが、美鈴にその攻撃が当たる瞬間に
 ルーミアの手を掴み関節技をかける
「いたたたっ!」
「はい、ここまで」
 
 ルーミアが痛がっているので技を外す
(単純だけど、ある意味とても恐ろしい破壊ですね)
 ルーミアのコンビネーションに対して、美鈴は
 そう思った
(私の能力がなかったら、避けるのは大変でしたね)
 それと、長年の修行の成果なのであろう
 相手の体が当たった瞬間に相手の関節を極めるのは
 
 
「お願いします!」
(最後はリグルか……)
 
 まず始めにリグルが美鈴に向かって
 真っ直ぐ走る
「てい!」
(体当たり?リグルの方が軽いから…防御)
 美鈴がそう思って避けずに、耐えて吹っ飛ばそうとした
 だが、リグルは
「てりゃ!」
 サマーソルトの要領で美鈴に顔を狙ってきた
「!?」
 すぐに美鈴がそれを避けて攻撃に移ろうとするが
 その時には、リグルは後ろの方に下がっていた
(やられた、まさか私の技を……)
 美鈴が稽古の時に使っていた技を
 リグルは自分の物にしていた
(……少しだけとはいえ、化け始めてきたかな?)
 美鈴は、己の技をリグルに使われた事を
 喜んでいた
「今度は、こちらからだな」
 美鈴が突っ込んで行くと
 リグルはそれ対して両腕を構えて
 美鈴に突き出してきた
(これも……竜虎両破腕!)
 だから、美鈴はその手を取り
「……老狐の舞」
 ルーミアにしか使った事がない関節技を極めた


 三人との戦いが終わり
 お互いが礼をする
(さて?今日は久しぶりに皆にお休みでも……!?)
 突然、美鈴の胸に痛みが走る
「ぐっ!?」
 その様子に三人が近寄ってくる
「お、お師匠?」
「ちょ、ちょっと、大丈夫?」
「な、なにかあったのか~?」
 心配そうに見守る三人に
「ふふ、皆が強くなったおかげで……今日は私が
 休まなければならないようだ…」
 そう言って美鈴が今日は午後から、好きにして
 もいいと言った
 
「……結局、皆私の傍を離れませんでしたね…」
 美鈴の傍には、三人が眠っていた
「……そして、あの胸の痛みは…」
 薬の痛みであった
(……思っている以上に、身体に負担をかけているみたいですね)
 だが、服用を止める事はない
(残り、少し……何とか間に合いそうですね…)
 眠っている三人に毛布をかけると
 美鈴も、もう一眠りする事にした
(……明日からは、また基本を教える事にしましょう)



 そうして
「リグルは、私との実践稽古で技を盗みなさい!」
「はい!お師匠様」

 残った時間を
「今日の晩御飯はなんなのだ~?」
「回鍋肉ですよ」
「わは~」

 美鈴は三人に技を教えた
「くらえ!あたいの新必殺」
「ですから、余り力まないようにって言っているのに」




 そして、美鈴が紅魔館に戻らなければいけないのが
 三日をきった時
「今日は皆に大切な事を教える」
 美鈴が皆の前で語り始める
「皆、とても強くなりました」
 三人がその言葉に喜ぶ
「ですが強さとは、相手を倒す事だけではありません
 ……己の身を守るのも強さのうちです…」
 美鈴がそういったとき

(がたん!)

「龍の兄貴!」
 何者かが、この小屋の中に入ってきた
「李白?」
 入ってきたのは、この小屋のことを
 美鈴に教えてくれた李白であった
「どうした?そんなにあわてて?」
「……実は…ハクタクに頼まれてこれを…」
 李白が手紙を預かってきたらしい
「慧音さんから?……なんで貴方が?」
 
 実は、李白、紅美鈴の部下(のようなもの)
 として慧音が思っているために
 里の中には入らない限り、攻撃をしてくる事はない
 そして、美鈴が何処に居るのかわからないので
 見つけたらこれを渡してくれとの事だった

「あんまり人間と争いたくない者も
 妖怪にもいやすから……」

「とりあえず、見てみようか…」
 そこに書いてあった文字を見る

 最近里のほうに、妖怪の大群が多くなった
 多分、私が女性だからと思って馬鹿にしている外から
 来た妖怪だと思うのだがどうも、
 妖怪達の頭がお前の事を恐れているらしい
 すまんが、少し里のほうに来てもらえないだろうか
          上白沢 慧音

「……私の事を知っている妖怪…?」
 美鈴がそうつぶやくと
 リグルが
「あの、体の大きな妖怪だ!
 この辺は、お師匠様がいるから
 里の方に行ったんだ!」
 そう喋ると、リグルが美鈴の方を向いて
「僕がやっつけてきます!」
「なら、あたいもやるわ!」
「わは~!」
 
 三人が行こうとした
 だが、美鈴は
「うぬぼれないでください!!!」
 三人に一喝した
 思わぬ剣幕に回りが静まり返る
「……確かに、今の貴方達なら彼らを倒す事が出来る
 でしょう……だが、その怒りは全て別の所に向けられる」
 美鈴が玄関に向かって歩く
「貴方達はまだ……心が鍛えられていない」
 その言葉に李白が、驚きながら
「し、しかしそれでは…」
 そう話しかける、しかし美鈴は少し笑いながら
「大丈夫、私が行けば良い」
 美鈴が表に出る、そして三人に
「……今日は一日、皆で稽古していること…いいね?」
 その言葉に三人がしぶしぶ頷いた
 



 美鈴が里に下りてみると
 かつてミスチーの屋台に居た時のうるさい音が響いていた
「……これは迷惑だな…」
 とりあえず、美鈴が慧音の家にたどり着いた

「手紙が届いたか……」
 慧音に会うと、少し疲れたようだった
「実はな…」

 慧音の話では
 妖怪達は、里の周りでうるさい音をだし続けているが
 慧音の姿を見ると、真っ先に逃げていくのだ
「おまけに、量が多すぎる上に、頭が何処に居るのかわからない」
 慧音もホトホト困っていたのだ
「では、ちょっと行ってきますね」
 その話を聞いた美鈴は
 すぐさま移動を開始した



 里のすぐ外……
 大量の妖怪達が騒音を鳴らしていた
(さて?……多分あの大きな妖怪でしょうから)
 美鈴が目を閉じ、気配を探る
(……あそこか)
 美鈴は妖怪達の居る所から少し離れた
 木の上を攻撃した
「うっ、うわ!?」
 するとそこからあの大きな妖怪が落ちてきた
「ぐっ、だ、誰だ!?」
「……久しぶり…」
 美鈴の姿を見たその妖怪は
 顔を真っ青にした……


 5分30秒経過


「さて、もうおしまいね?」
 目の前に居るのは
 原型を辛うじて留めている大きな妖怪と
 その取り巻きの姿だった
「これ以上懲りないのなら、次は慈悲はないと知れ」
 美鈴の言葉に恐れながらも
「く、あの嘘つきウサギめ……俺に幸運をくれると言っていたのに」
 そうつぶやいていた
(嘘つきウサギ?)
 心に引っかかるものがあるが、とりあえず
 慧音にその大きな妖怪を渡す事にした


「いや、助かった……」
 慧音がこれでやっと静かに眠れると
 言った表情をしていた
「町の人がお礼をしたいといっているのだが」
 慧音にそういわれたが
「いや、今日は皆を待たせているから、すぐに帰ります」
 といって、帰ろうとしたら
「そうか……ちょっとだけ待ってくれ」
 そういって
 美鈴の腕を掴み家の中に入っていった

 姿が見えないのでしばらく声だけをお楽しみください

「ちょ、慧音さん?そ、そんなところを…」

「こ、これは見事な……」

「大きい……」

















「見事な虎饅頭ですね!」
「ああ、四つあるから弟子達にも、持っていくといい」
 慧音から、虎饅頭をもらって美鈴は帰路に着いた




「ふう、みんな真面目にしてるかな?」
 美鈴が小屋に戻ってくると

「こ、これは?」
 小屋の中が何者かによって滅茶苦茶にされていた
 床に穴が開き、壁にひびが
 調度品も破壊されていた
「……はっ!チルノ!?」
 目の前には倒れているチルノ
「チルノ……チルノ!しっかりして!」
 とりあえず、奥の部屋にも行ってみると
「ルーミア!?」
 ルーミアも倒れていた
(がさがさ)
「誰だ!?」
 その時、何者かが部屋の隅っこから出てきた


「す、すみません……御師匠様…」
「リグル!……無事だったのか…」
 美鈴がリグルが無事だというのを喜ぶと
「……すみません…僕が…僕が弱かったから!」
 リグルが涙を流した
 






 妖怪の山の山頂にある神社……
 その上でリグルと美鈴は二つの石の前で手を合わせていた
「……チルノ……ルーミア…」
(許してくれ、私が置いていかなければ……) 













「あの、御師匠?」
「なに?リグル」
「二人共、きちんと生きているんですから」
「まあ、早く治ってくれと言うことで…」






 回想


「一体何があったんです?リグル」
 涙を流すリグルに、なにがあったのかを促す
「……永遠亭のウサギ達がなだれ込んで来て…気がついたら、僕は気絶していて……
 ルーミアとチルノは…ウサギ達に向かっていったけど人海戦術でやられて……」
 そこで、一旦リグルが言葉をつまらす
「…やっぱり、僕には拳法をする資格なんてなかったんだ!……師匠…僕を……」
 リグルが覚悟を決めた目で
「破門してください!」
「馬鹿者!」
 リグルの言葉を美鈴は怒った
「……今日の事を一生呪うなんて馬鹿なことをするぐらいなら
 まだ、やれる事があるはずです…」
 そこまで話すと、美鈴が言葉をとぎらせる
「……いや、リグル…貴方だけの責任ではない…」 
(私の責任だ……)
 美鈴はそういって。チルノとルーミアの所に向かうと

「く~痛いじゃないのよ、あのウサギ達!」
「そ~なのだ!……食べておけばよかったのだ!」

「あれ?」
 リグルが驚く
「……生きてますね…」
 美鈴があきれる
 二人はただ気絶していただけでした

 回想終了
 





「でも、二人とも今日は表出れませんね」
 流石に、怪我をしているので、今日は一日休んでもらう事になった

「……リグル…」
 不意に、美鈴が静かに問いかけたので
 リグルがそちらの方を見ると
「……今から、貴方に見せたいものがある」
「は、はい!」
 距離を開く、そして両手を合わせると
「もう、多分何度も見せれる技ではない……」
 その言葉に、リグルが息を呑む
 美鈴の周りに風が渦巻く
「私の呼吸法……」
 美鈴の身体から闘気があふれる
「間合いの取り方……」
 地面が揺れる
「その、一挙手一投足を……」
 そして、美鈴の目が開く
「その目と心に、しっかりと焼き付けて置いてください!」

 美鈴の身体がまるで増えたかのように分裂する
 そして、一つの方向に向かって高速の打撃の連打を行う
 それは、まるで竜巻のごとき強烈な連打であった
 そして、美鈴の動きが止まる
「はあ、はあ…」
 胸を押さえ苦しそうにしている美鈴にリグルが近ずく
「し、師匠!」
「だ、大丈夫……これは拳法の奥義の一つ……
 旋牙連山拳…今の貴方では使えないでしょうが
 一度見ておけば、貴方ならば…使える日はけして
 遠くないでしょう……」
 リグルはその言葉に、首を縦に振った
「さて、戻りましょうか……」
「はい!」





 何者かが、真夜中の小屋の前に立っていた
「……小屋と弟子の分の仇は取らないと」
 美鈴は、三人が寝ているこの時間に
 表に出ていた
 そして、歩くのは竹林……永遠亭へ向かっていた
(……多分、これが最後の戦いになるでしょう)




 永遠亭の前
「うさ?」「うさ!」
「はいはい、ちょっと用事があるからどいてください」
 門の前を守っていたウサギを当身で眠らせると
「さて……同じ門番としてちょっと心痛むけど…」
 門を開けようとして
(ちょっと待った)
 中が少しうるさかった




 三月精「「「くらえ!怒髪天月砲」」」
 (どかーーん!)
 三月精「「「げほげほ…失敗!」」」


「…中で何が起こっているんでしょうか?」
 とりあえず、永遠亭の中に余計な奴が居るせいで
 こっそりと進入するのが難しいみたいだった
(……ちょっと困りましたね)
 だが、美鈴には余り時間がなかった
(…薬の効果が何処まで持つかわかりませんし……)
 美鈴は門を開けて中に入ろうとした

「うさ!」
「あ、ばれた!?」

 美鈴の元に大量のウサギが集まってくる
「今日は変な奴がやけに来るね~」
 その中に、一人だけ喋るウサギが居た
「貴方は!?」
「うどんげ!」
「……絶対違う!」
「ちっ!……まあいいか、私は因幡てゐ」
 美鈴を囲むようにしてウサギ達が集まる
(くっ、時間稼ぎですね……)
 美鈴が焦っていると
「ていや!」
「うさ~~」
 何者かがその場に乱入してきた
「だ、誰!?」
 てゐが驚きの声をあげる

「あたいはチルノ!」
 その場に現れたのはチルノだった
「チルノ!……なんでここに!」
「面白そうだったからついてきた」
 美鈴が頭を押さえる
(しっかり眠っているか確かめればよかった)
 だが、チルノの攻撃によってウサギ達は逃げ惑っている
「あと、リグルもルーミアも来るから」
 チルノがそう伝えると
 ウサギ達に攻撃を開始した

「……御師匠」
 後ろから、こっそりと声をかけてきたのはリグルであった
「なんできたの」
「すいません、師匠が何処に行くのかと
 三人で着いてきてしました」
(はあ、仕方がないよね……)
 美鈴は、自分の最後になるかも知れないと思っていたのが
 馬鹿らしく思えてきた
「リグル、チルノ……道場の分のお返しをするぞ!」
「はい!」
「当然ね!」

 流石に大量のウサギ達も、ボスクラスには太刀打ちできない
「ストップ!」
 中に入ろうとした時
 何者かがそれを遮った
「そう簡単に中に入れるか!」
 因幡てゐ……彼女が立ち塞がった
(ちょっと面倒かな?)
 美鈴がそう思って居ると
「ここは、あたいの出番ね!」
 チルノがてゐの前に出る
「チルノ、任せた!」
 リグルを片手で捕まえて
 美鈴がてゐの横を駆け抜ける
「行かすか!」
 てゐがそれを邪魔しようとすると
「うりゃ!」
(げし!)
「げほっ!?」
 チルノのキックがてゐに決まった
「ふふっ、あたいったら最強ね」
 吹っ飛ばされたてゐが起き上がる
「くっ、(まあいい、この先には鈴仙ちゃんが居るし)」
 
「どうしたの?もうおしまい?」
「うぐっ……」
 てゐが苦しみだす
 その様子に、チルノがあわてて
「ちょ、ちょっと……」
 やりすぎたかな?と思って
 てゐに近づくと
「……ば~か!」
 何処からか取り出した杵による
 痛恨の一撃をチルノに繰り出した
 まともにその一撃を受けたチルノは
 地面に倒れる
「ふっふっふ……たいしたないね…
 さて、後ろから挟み撃ちしますか」
 そういって、てゐがその場から立ち去ろうとした時
(がたん)
「ん?」
 何か物音が聞こえたので後ろを振り向くと
「………」
 チルノが無言で立ち上がってきていた
(馬鹿な!あれだけの一撃を受けて立ち上がってきた?)
 てゐが驚く、だがチルノは立ち上がっただけで、攻撃をしてこない
(……そうか、意識が無いのか…なら怖くはない)
 てゐがトドメを刺すために
 もう一度、杵を構える
「これで!終わりだ!」
 チルノに向かって杵が振り下ろされる
 だが、次の瞬間杵が止まった
(な、なに!?)
 てゐの足元が完全に凍り付いていた
(バ、馬鹿な……私の方が、圧倒的にリーチが長いはずなのに…)
 一体何をされたのか、てゐには分からなかった
「………」
 立ったままのチルノが、おもむろに手を上に上げ、そして降ろす
 その次に瞬間に
「ひっ!?」
 てゐの足に痛みが走る
 よく見ると、足が完全に凍り付いていた
(な、なにこの技……)
 弾幕みたいに完全に見えるものではない
 気絶をして、意識が飛んだ身体だからこそ
 無駄な力が抜けて出来る技であった
 今、ここにチルノ必殺技が完成した
「………氷手刀…」
 完全に、てゐは身動きが取れなくなっていた
(く、動け……)
 最後の一撃を受けたら
 身体中が全て凍り付いてしまう
(そうなったら……死ぬ!)
 チルノが手を上げる
(くっ!無念)
 だが、それを降ろさない
「……あたいは…最強…周りの者には…優しく…」
 そう言って、チルノは倒れた
「た、助かった……」
 全身氷漬けになっているせいで
 身動きは取れないが
 なんとかてゐは生き残れた
(……誰か、寒いから助けて)
 誰かが助けないと今度は凍死の恐れはあったが








「……この道であっているんですか?」
 リグルは、美鈴に抱えられながら
 そう答えた
「……この屋敷に中にある、一番大きな気がある所
 に向かっているの」
 美鈴がそう答えると
 曲がりくねった廊下を走る

 そして、しばらく走っていると
(……おかしい?追っ手が来ない…)
 美鈴が走るのを止め
 気配を探る
「……伏兵か…」
 美鈴がそうつぶやくと
「……何故わかったの?」
 廊下の一角から、ブレザーを着たウサ耳の女の子が現れた
「……追っ手が来ないのなら、伏兵がいると思っただけ」
「……兵法を学んでいたのですか」
 次の瞬間
 美鈴がリグルを抱えたまま横に飛ぶ
 そして、美鈴が立っていたところに
 銃弾が飛んできた
「飛び道具……」
「私の名前は、鈴仙・優曇華院・因幡この先には行かせない!」
 そういって、美鈴が居るところに向かって
 銃弾を放ってきた
 それを美鈴が回避しながら
 鈴仙にむかって真正面に攻撃を使用として
「!?」
 後ろに飛んだ
「……運が良い…この狂気の瞳を避けるなんて…」
 攻撃をしようとした瞬間
 嫌な感覚があったので、美鈴は引いたのだ
(……妹様と同じ感覚だったので引いたけど…困った) 
 目の前の相手は、手加減が出来る相手ではない
(……だけど、こんな所で奥義は使えないし)
 美鈴が攻めあぐねていた時
 
(ずどん)
「…?」
(ずどん!)
「……な、なに?」
(ずどん!!!)
「な、なんですか?」
 美鈴とリグルと鈴仙が
 謎の振動に辺りを見渡す


「わは~~~!!!」
(どっか~ん!!!)

「だ、誰!?」
 鈴仙が突然現れた相手に驚く
「「ルーミア!?」」
 いきなり壁をぶち破って登場したルーミアに
 リグルと美鈴が驚く
「面白そうだから、私も闘う」
 そう言ってルーミアが
 鈴仙の前に立つ
「……ルーミア…」
 美鈴が、ルーミアにこっそりと耳打ちする
「わかったのだ!」
「頼みましたよ!」
 美鈴が鈴仙の隣を潜り抜けて奥に向かおうとする
「やらせません!」
 それを鈴仙が背後から銃で撃とうとする
 だが、いきなり周りが真っ暗になる
「!?」
「わは~」
 ルーミアの能力で辺りが闇に包まれた
 これでは、照準が合わせれないし
(くっ、狂気の瞳が……)
 鈴仙の能力が封じられたのだ
「こっちから行くよ?」
「……上等」
 この場にルーミア対鈴仙の戦いが始まった

(相手が私に攻撃をした瞬間に
 カウンターで弾丸を決めてやる)
 鈴仙が静かに動きを止めて、相手の出方を待つ
(……あの体格からして、一撃は多分そんなに大きくない
 一発受けてから一撃でしとめてやる)
「わは~」
(来る!)
 鈴仙が、身体を身構えてルーミアの攻撃を受けようとする

「チンジャオロース!」
「げふっ!?」

 横回転をしたルーミアのパンチに吹っ飛ばされる鈴仙
(ちょ、なんてパンチだ!?)
 軽いなんてものではない、
 てゐの杵と同じか、それ以上の破壊力を持っていた
(計算を間違えた!)
 鈴仙がその場から動き始める
(常に動き回っていれば、攻撃は出来ないはず)
 ルーミアの周りから距離を開く鈴仙
(離れた所から、全方位に攻撃をすれば……)

「バンバンジ~!」
「ごほっ!!?」

 離れた所から、高速横回転をしながら
 突っ込んできたルーミアに壁まで吹っ飛ばされる
(……こうなったら…相打ちに持っていく!)
 鈴仙は壁を背中にして
 ルーミアが自分に攻撃を加えた瞬間に
 弾丸を撃つという作戦に出た
(いかに妖怪といえど、顔に銃弾を受けたら
 ひとたまりもないはず)
 鈴仙が最後の力を振り絞り、周りに意識を集中させる
 
(カタン、カタン、カタン)
 周りから響いてくる音に、耳を傾かせる
(……何をしている?)
(タン、タン、タタタン!)
 辺りから、何かをしているような音が聞こえる
(くっ!……意識を集中させろ)
 しばらくそのような音が続き

「わは~」
(ずど~ん!!!)

 最後に思いっきり地面が揺れた
「うわっ!?」
 そのあおりを受けて鈴仙が倒れる
 そして倒れた鈴仙の前に
「……大丈夫?」
 ルーミアが立っていた
「…ええ、私の負けみたいだけど」
(あのまま、攻撃を受けていたら……)
 鈴仙は負けを認めていた
 あのまま勝負をしていても自分が勝てないと思ったからだ

「……ねえ、最後の攻撃なんだけど…」
「ホイコウローの事?」
 二人とも、壁に座って話をしていた
「……多分それ…あれって一体なにやっていたの?」
 その答えにルーミアが笑って
「踊っていた~♪」
 そう答えていた








「ふん!」
(ぺちん!)
「うさ~!」
 美鈴とリグルが永遠亭の奥を目指して走っていた
 そのたびにある程度でてきたウサギを
 吹き飛ばしながら
(もうすぐのはず…)
 そう思って走っていると
 不意に開けた空間にたどり着いた


「……ようこそ…紅龍だったっけ?」 
 部屋の中の長いテーブルのを挟んで
 奥の椅子の上に居たのは黒髪の女性
 リグルがその女性の名前を呼ぶ
「永遠亭の主……蓬莱山輝夜」
 リグルが怒った声で喋る
「なんで!皆を襲ったんだ!」
 その返事に、少し笑いながら輝夜が答える
「暇だったからよ、そしたら最近なにやら
 強い妖怪が来ているらしいからこちらから
 攻撃させてもらったの」
 美鈴がその言葉に怒る
「……そんな理由で私の弟子達を…」
「あら?それは謝るわ、家の因幡達は
 てゐを除いて数がなければ何もできないから」
 そして輝夜が椅子から起き上がる
「さて?それじゃあ暇を潰してもらそうかしら?」
 そういうと
 テーブルに何人かウサギが出てくる
「貴女方がこのウサギ達を倒す事が出来たら
 私が相手をしてあげるわ」
 そう言って、再び椅子に座る
 それを合図に、ウサギ達が襲い掛かってきた 


 6分経過
「うさ~…」
「……次は貴女のばんですよ…」
 美鈴とリグルがウサギ達を全て片付けると
 輝夜の前に立った
「ふふっ」
 輝夜が笑うと、後ろから何者かが現れる
「言い忘れていたけど、彼女は八意永琳……
 常に私を守ってくれる『月の頭脳』と呼ばれる天才よ……
 彼女に裏切られ私が命を落とすかもしれない」
 その言葉に永琳が突っ込む
「姫様は死なないし、私が裏切るはずがないじゃないですか」
「まあ、それは当たり前のことなんだけど…」

 二人が話をしている間
 リグルと美鈴も話をしていた
(リグル……)
(何ですか?龍師匠)
(貴女が、輝夜と闘いなさい)
 その言葉にリグルが驚く
(ぼ、ぼくが?)
(彼女達の目的は私達の体力を削ぐ事
 貴女の方が体力が残っている……
 それに、多分永琳のほうが輝夜よりも強い……)
 美鈴が微笑む
(思い出して……貴女に見せた奥義を…)
 
 リグルの頭の中に妖怪の山の山頂で見た
 奥義が思い浮かぶ
(呼吸の方法…間合いの取り方……)
 あの竜巻のような連打が

「はい!分かりました」
 リグルが長いテーブルの上にあがる
 その様子をみた輝夜が驚きそして笑う
「貴女が私の相手?ふふっ…
 たかだか一面のボス風情がこの私と?」
「ぼ、僕の事を信じてくれた、龍師匠のためにも」
 リグルが構えを取る
「お前を倒す!」
「ふ、子蟲程度が……」
 輝夜もテーブルの上にあがる
「そんなに死に急ぐか!」
 リグルの前に立つと
 後ろから殺気が届いた
「むっ!?」
 輝夜が振り返ると



「はああっ!!!」
 紅龍が両手を合わせて気を練っていた
 その余りにも強大な気は
「……姫、少してこずるかも知れません」
 あの、永琳ですら少し後ろに下がっていた
 
 リグルも同じように両手を合わせる
(チルノ……ルーミア…僕にも勇気を!)
 その様子をみた輝夜があざけ笑う
「ふふっ、所詮付け焼きの刃……」
 そう言ってリグルに襲い掛かってきた


(ぶんっ!)
 輝夜の攻撃がリグルに迫る
「どうしたの?私を倒すんじゃないの?」
 リグルは、その攻撃を紙一重でかわしていた
(落ち着く事……まずは相手の攻撃をよく見極める事)
 輝夜の戦い方は攻撃一辺倒だった
 それは、死ぬ事がないという事と
 妹紅との戦いでお互いが一撃で殺しあう
 という事ばかりをしていたからである
「避ける事しか能がないの?」
 輝夜の挑発にリグルは乗らなかった
(一撃を受けたら大変だけど…その分大振りになりやすい)
 リグルは輝夜の攻撃を避けつつ
「百里道一歩脚!」
 その足を狙っていった
「ふん、そんなキック文字通り蚊に刺された程度のものよ」
 輝夜はそんな事を意に介さずさらに攻撃を仕掛けてきた
 しばらくして、輝夜が少し間合いを取る
(今だ!)
 リグルが輝夜に突っ込んでいく
 輝夜も、それに対して
(あちらの方が軽いから、そのまま弾き飛ばしてやる!)
 そう思って避けずに防御をした
「うりゃ!」
 だが、リグルはこのような展開はすでに何回も体験していた
(龍師父の技を!)
 輝夜の目の前で一旦止まると
 顔を狙ってサマーソルトを決める
 まさかの攻撃に、輝夜が後ろに飛ばされる
「く、この子蟲が!!!」
 顔を蹴られた事で、輝夜が怒る
 逆にリグルにたいして攻撃を仕掛けるが
 リグルは自分から少しはなれたところに立っていた
(シマリス脚……)
「え~い!うっとおしい!」
 輝夜がリグルに対して大振りの攻撃を加える
 それを、リグルは受け止めて関節技に持っていく
(老狐の舞!)
「ぐっ!」
 輝夜が痛みに顔をゆがめるが
 そのまま、リグルを放り投げる

 地面に叩きつけられるところを
 リグルが受身を取る
(龍師匠に何度も地面に叩きつけられたからこのぐらい!)
 そのまま起き上がり
 輝夜の足にキックを放つ
「百里道一歩脚!」
「そのような攻撃など…」
 輝夜が起き上がろうとして
 足の異変に気がつく
(痺れている!?)
 
 完全に死んだのなら蘇る事が出来る
 だが、痺れというものは一過性のもの
 普段から、妹紅と戦い、一撃で相手を殺し殺されている者
 の意外な弱点であった

(今だ!……奥義を!)
 リグルが動きの止まった輝夜に対して
 奥義を放つために、両手を合わせた










「ぐっ……」
「その辺の妖怪にしてはなかなかやるようね……」
 美鈴は肩で息をしていた
 その前に、永琳が立っていた
「……そろそろ、姫を助けに行かないといけないから
 終わらせましょうか?」
 そういって、永琳が弓を構える
「……信じてないんですか?己の主を」
 美鈴のその言葉に永琳がとまる
「どういうこと……」
 永琳が鋭い目で美鈴を見据える
「助けに行かずとも……己の主が勝つと思ってないのか?といっている」
「………」
 永琳がその言葉に少し苛立ちを覚えた
「……だったら、私の勝ちですね」
「ふざけないで!……今の貴女に何が出来る!?」
 膝を突いている美鈴と
 弓を引ききっている永琳とでは
 勝負は決まったようなものだった

「命を捨てる覚悟が出来たんですよ」

 美鈴の周りに闘気が渦巻く
「これは!?」
 先ほど以上の闘気に永琳も固まる
「はああああああぁ!!!!」



 奇しくも、同じタイミングで
 リグルと美鈴の声が重なる

「「旋牙連山拳!!!」」
 
 

 美鈴の身体が何人も分裂する
 その様子に永琳が驚く
(分身!?……違う!)
 永琳を中心にして
 何十人もの美鈴が連打を繰り出す
(は、早い!?)
 辛うじて永琳の防御が間に合うが
 その防御も度重なる打撃で崩される
(くっ!)
 その攻撃によって
 手が砕ける、足が砕ける
 そして、そのたびによみがえる
(耐え切ってみせる!)
 
 一方、美鈴も限界が近かった
(……胸が痛む!…くっ!何とか持ってください!)

 そして空中に跳ね上げられた永琳に対して
 攻撃が止んだ
(止んだ!……私の勝ちだ!)
 永琳が微笑む
 しかし、その永琳の身体に向かって
「これが!」
 美鈴が全身全霊をこめた拳を突き立てる
「最後!」
 そして、二人とも地面に激突した
 煙がはれると
 そこには、膝を突いている美鈴と
 立っている永琳の姿が

「……相打ちですかね?」
「…あら?今は私の勝ちでと思ったんだけど?」
 そう言って永琳が倒れる
「……姫を助けにいかないんですか?」
 美鈴の言葉に対して
「信じていますから、姫の事を」
 そういって笑った

「なら、私が見てきますか……」
「お願いするわ」
 美鈴が起き上がると決着が着いたであろう
 テーブルの方に向かった




 
「旋牙連山拳!」
 動きが取れない輝夜に向かってリグルが
 連続して攻撃を行う
 美鈴に比べてはるかに遅く
 そして時間も短い物であったが
 輝夜に対して四方向から
 無数の連続攻撃が決まった

「くっ!……この…」
 攻撃を受けても輝夜が起き上がってくる
「はっ~!」
 起き上がってきた輝夜に対して
 リグルがキックを放つ
 それをまともに受けた輝夜が吹っ飛ぶ
(がたん!)
 吹っ飛ばされた輝夜が
 初めに座っていた椅子にぶつかる
 だが、椅子が倒れてもまだ威力は衰えない
 そして、その後ろに飾ってあった
 仏の御石の鉢に頭からぶつかる

(ご~~~ん!!!)

 まるで銅鑼が鳴ったかのように大きな音とともに
 輝夜の意識が落とされた

「はあ、はあ……や、やった」
 リグルがテーブルから降りると
 テーブルの傍に居た美鈴の元に向かう
「……よくやりました…」
 美鈴がボロボロの身体でリグルの頭をなでる
「はい!」
「……強くなりましたね……貴女なら…
 私の教えた技を…うまく伝承してくれるでしょう」
 美鈴の言葉にリグルが驚く
「そ、そんな事言わないでください!
 まるでお別れみたいじゃないですか」
 その言葉に、美鈴が微笑む
「……ここまで持ったのが不思議な位です… 
 チルノとルーミア…そして貴女の成長が
 私をここまで動かせてくれたのでしょう…」
 美鈴がそういうと、胸を押さえる
「ろ、龍師匠!?」
「……正しき心と、私の技……けして忘れないように」
 美鈴がそういうと
 起き上がり、空に向かって
「真空旋風掌!」
 なにやら小型の竜巻みたいな物を上に放つ
 そしてそれが美鈴の身体に落ちてくる
(ブワッ!)
「うわっ!?」
 思わずリグルが目を閉じる
 しばらくして目を開けると
 そこには、己の師匠の仮面が置いてあるだけだった
「お、御師匠様!!!」
 リグルはそれを抱きしめて泣いた

 紅龍はここに姿を完全に消した




 数日後
 三人は元の居場所に戻っていた
 チルノは紅魔館の近くの湖に
 ルーミアはいろんな所、たまに里に
 リグルは……

「はあ!」
 妖怪の山の神社……そこに置いてある
 四本の柱……
 その前に、リグルが両手を合わせて居た
「せい!」
(ごん!)
   
「いたたたっ……やっぱり無理か…」
 そう言ってリグルが神社から帰る
 しばらくして
(ぴしっ!)
 四本の柱のうち一つにひびが入る
(がしゃん!)
 そして砕けた

 神社の中に神様の悲鳴が聞こえてきた







 ここで消えた美鈴の方に話は移る

「はあ、はあ……」
 美鈴はすでに女性の姿に戻っていた
「くっ……あと少し…」
 永遠亭の天井に穴を空けて
 自らが死んだように見せかけてきたのだ
(……これで何の未練もない…)
 自分が死ぬのはここではない、もうあと少しだけと
 身体に言い聞かせ空を飛んでいた 

(……夜明けが近い…)
 明るくなったら誰かに見つかる
 そうなれば面倒な事になるであろう
(……門の…門の前まで…)
 
 美鈴は最後の力を振り絞って
 己の死ぬべき所まで飛んでいった

 そして、美鈴はたどり着いた
「……もう一度この門の前にこれるとは
 思っていませんでしたね…」
 動かない身体を引きずって
 紅魔館の門の前に立つ
「……なんだか…とても疲れました…」
 今までしてきた事
 門番としてこの門の前に立つ
「もう眠くなってきましたね……」
 門を背中にして美鈴が座り込む
(すいません……レミリアお嬢様…
 お嬢様の目の前で死ぬつもりでしたけど
 それは、できないみたいです……)
 意識がなくなる寸前
「美鈴!?」
「美鈴!」
 長きに渡って守り続けてきた屋敷の主と
 完全で瀟洒なメイド長の声が聞こえた気がした
(咲夜さん……お嬢様…)
 そして、美鈴は意識を落とした




 
「紅魔救急班!急いで!」
 咲夜が近くにいたメイドに命令をする
「咲夜!パチュリーを呼んできて」
 レミリアが美鈴を抱えて、咲夜に命令を下す


 昨日の夜
「咲夜……もうそろそろ来るはずよね?」
「はい、確か明日辺りだと…」
 そう聞くと、レミリアがいつもより早い時間にベッドに入る
「……明日は早く起こして」
 咲夜が笑いながら頷く
「はい……明日は門の前に居ようと思いますので
 もしよろしかったらお嬢様もどうですか?」
「…ええ、たまには貴女の言う事も聞かないとね」
 お互いが笑いながら、美鈴が帰ってくるのを待ちわびていた

「おはよう…咲夜…」
「はい、お嬢様……」
 いつもより早く起きると
 急いで服を着替えるレミリア
「……流石にこんな朝早くから誰か侵入者が来る事はないでしょうけど…」
 レミリアがそういいながら
 門の前に着いた
 そこには、先客がいた
 咲夜とレミリアが驚く
「美鈴!?」
「美鈴!」

 そこには、全身から血を流して門の前に倒れている
 美鈴の姿があった




「くっ!あの馬鹿!」
 レミリアが怒っていた
「お嬢様、落ち着いてください!」
 咲夜がそれを落ち着かせていた

 現在、美鈴はパチュリーによる治癒呪文と
 紅魔館の救護班によって面接禁止になっていた
「……全身の血の三分の一の喪失と薬物による、体力の低下…
 そして、妖気が著しく低下している」
 それが、パチュリーによる診断であった
 
 治療を終えたパチュリーが部屋から出てくる
「……何とか峠は越したわ…あとは、目を覚ますだけね」
 その言葉に二人が胸を撫で下ろした

 そのまま、一日美鈴は眠ったままだった



(あれ?ここは……)
 美鈴の目が開く
(…天国?…いや、まだ親友の死神に会ってないし…)
 しばらく頭の中がボーっとしていたが
(そうか!私は紅魔館に……)
 戻ってきたのだと思い出す
(だったら……)
 ベッドから美鈴が起き上がる
 そして、部屋のドアを開けようとして
「め~りん!」
(がた~ん!!!)
 
 また意識を失った

「ちょっと!フラン!?美鈴は怪我人なんだから…って」
「「ああ~~!?美鈴」」
 そこには、ドアに潰された美鈴の姿あった




小町(よう!久しぶりだね…)
美鈴(あっ!小町さんお久しぶり!)
小町(これで、何回目だい?)
美鈴(ん~多分最後かも…)
小町(いや、まだみたいだね…)
美鈴(えっ?なんで?)
小町(いや、あんたまだお金持ってないから)
美鈴(あっ、本当だ…今度持ってくるから)
小町(当分の間はこないほうがいいよ)
美鈴(それじゃあ、後ろにいる閻魔様によろしく)
小町(えっ!?)



「はっ!……小町さんも元気でよかった」
 美鈴の意識がよみがえった時には
「美鈴!」
「めーりん!」
「美鈴…」

 目の前には、レミリア、フランドール、咲夜の姿があった
「……お嬢様…咲夜さん…妹様…」
 美鈴はベッドから降りると
「……申し訳ありませんでした」
 そういって土下座をした
 突然の事に、咲夜とレミリアそしてフランが驚く
「今までの逃げていた分の処罰……この首をもって!」
 美鈴が己の手を首に当てる

「こ、この馬鹿!!!」
 でも、それよりも先にレミリアがドラキュラクレイドルで突っ込んできた
「げふっ!?」
 吹っ飛ばされた美鈴が壁にぶち当たる
 美鈴が壁にめり込んだままの状態レミリアが
「かってに私の前から消えて挙句に、主の私の知らないところで死ぬ
 なんて事をするのは、絶対に許さん!」
 そう言い放つ
「もう頭にきて、かえって処罰を与えるのが面倒になったから
 早く門番長の仕事に戻りなさい」
 そういって、レミリアは部屋から出て行った

「……だそうよ?美鈴」
 咲夜が美鈴に向かってそう話しかける
「ねえねえ!美鈴外であった面白いお話を聞かせて」
 フランが美鈴に無邪気に声をかける

(ああ、私は……この紅魔館に居ていいんだ…)
 美鈴は、再びこの紅魔館の門番に戻れた事を喜んだ





「……馬鹿…」
 レミリアが部屋の外で立っていた
「…私も美鈴と話をしたかったのに……」
 












 いつも紅い紅魔館
 その門の前にはいつも立っている人がいる
「おっす!通るぜ?中国」
「私は紅 美鈴です!」
 紅美鈴は門番である

 それは、これからも変わらない
おまけ

「くらえ!ブレイジングスター!!!」
 魔理沙が突っ込んでくる
 それに対して美鈴は魔理沙を飛び越えて空中で回転
「回転龍尾脚!」
 魔理沙を後ろから蹴り飛ばす
 そのまま、体勢を何とか取ろうとする魔理沙に
「フライングレッグラリアート!」
 横っ腹をえぐるようにして蹴りを放つ
 魔理沙がよろめいているうちに
 背後に回りこみ
「機矢目留 苦羅津血!」
 全力で魔理沙の服を引きちぎった

 門番の勝利である







 みなさん……無理やり上げました
 紅魔門番逃走記 これが最後です
 長いのはカンベンしてください
 とりあえず、この作品を書き上げるのに
 風神録、ライブアライブ、その他もろもろのゲームをやりました
 
 本当なら、チルノとルーミアとリグルの内誰か二人が死ぬはずでしたが
 ……できねえ、あれ悲しすぎるよ
 とりあえず、ライブアライブより
 「伝承」
 意味が分かってくれたらありがたいです

 それと、このお話で一番心に残った言葉を

 「心じゃよ!」
脇役
コメント



1.幻想入りまで一万歩削除
紅魔門番逃走記、完結お疲れ様です。
ライブアライブとのクロスオーバーでしたが、配役等にも違和感がなくすんなりと楽しめるお話でした。

師弟そろって御柱をwww
2.逢魔削除
ええ話でしたわぁ……連載お疲れ様でした。
元ネタは分からないけど凄まじい技の数々、面白かったです……リグルん大出世だ!!
あと……誰か神奈子さんを慰めてあげて……
3.名無し妖怪削除
>>全力で魔理沙の服を引きちぎった
感動した
4.祟と祚を操る程度の能力削除
最後までわくわくしながら読ませていただきました。
俺には絶対書けねえよ、続かねーもん。気力が……
魔理沙の服を引きちぎった
きっと門番の復帰祝いに来た文にバッチリ撮られたはずだ。
今日も文々。新聞は安泰だ!
5.イスピン削除
かっこいい美鈴に会えてとても満足できる作品でした。所々に入ってるネタもいい感じでした。

ちょ、死神と親友関係築くって生きて会ったのか、それともそんだけ臨死体験してるのかどっちなんだか。

あと、機矢目留 苦羅津血はなんか違うと思うんですけど…
6.時空や空間を翔る程度の能力削除
いや~プチ東方創想話ミニ には
もったいない話の内容とボリューム感!!
素晴しかったです、感動です。
7.名無し妖怪削除
完結おめでとうございます。
お疲れ様です。

・・・ ・・・それでは、他の続きに行ってみようか!

いやいや、確かに他のも読みたいですが、まずは休んでください
8.脇役削除
皆さんに感謝!
とりあえず、小さな作品とザ・こあー、そして魔界神のお話を書こうかと
思っています……勉強?そんなの関係ね~
あと、この作品の後日談をちょっとだけ…
(一日だけ復活!紅龍……香霖と双璧を成した漢)とか

>幻想入りまで一万歩様
 この御柱のために一回ノーコンテニューで加奈子様を倒しました
 ……ごめんなさい加奈子様、御柱破壊して…

>逢魔様
 ライブアライブって名前のSFCのゲームが元ネタです
 その中のクンフー編って奴をインスパイヤしました
 ……もうレアでなかなか手に入りません

>>全力で魔理沙の服を引きちぎった感動した
 モンゴルマスク版のメーリンですww

> 欠片の屑様
 北斗とか、南斗にしようとして、頑張ったが「斗」がないんで
 あきらめた私…笑ってください…

>祟と祚を操る程度の能力様
 残念ですが、文は永遠亭の方に行っていたために
 その瞬間を取れませんでした
 しかし、小悪魔が撮影に成功…その写真をめぐって大変な事に

>イスピン様
 臨死体験のほうですwwそれとキャメルクラッチは文庫のラーメンマン
 の方の当て字です……たしか

>時空や空間を翔る程度の能力様
 喜んでくだされば幸いです これからも脇役をよろしく

>完結おめでとうございます。
お疲れ様です。
・・・ ・・・それでは、他の続きに行ってみようか!
いやいや、確かに他のも読みたいですが、まずは休んでください

 書きますよ?俺は…まだまだアイデアだけは沢山あるはずですから
 ……書けないけど…
 今日は休みますね…ありがとうございます
9.K-999削除
すいません、正直微妙でした。
弟子が全員生きてる以外はほとんど原作のまんま。名台詞までも。
なんか当然現れたぽっと出キャラが何故かライブの寸劇やってるようで
そんな馬鹿なって気分です。
ライブも美鈴も好きなだけに残念です。

最後は良かったですけどね。
10.名無し妖怪削除
お疲れ。お休み。また頑張っ!
11.名無し妖怪削除
満足満足。
12.名無し妖怪削除
ルーミアが妙に食欲キャラ化してるあたりでライブアライブに気づき、
いかん2人死ぬとびくびくしてたらやっぱりチルノとルーミア襲われて
うわああああああああああと思ったら生きててテラワロスw

あと、真空旋風衝出た瞬間めーりん死ぬかとオモタ

それと最後ガウロンセンドロップでドロワーズ丸出しでもよかtt(略

13.名無し妖怪削除
面白くて一気に読ませていただきました。

ただやっぱり、そんなに大事なら虐待するなよとか、魔理沙が怒るのは筋違いじゃないかとか、ラストであっさり門番に戻りすぎだろうとか何も解決してないのではとか思わずにはいられませんでした。1から8までは面白かったので、ラストをもう少しきっちり描いてほしかったです。
14.名前が無い程度の能力削除
こいつはいいもん読んだ
兄貴もよかったが姉御なめーりん見てみたいものだ