Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

2007/12/04 16:41:22
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 在るが故に、何者も拒む事は出来ない。
 それは始まり。
 それは終わり。
 終わり無くして始まり無く、始まり無くして終わり無し。
 それは完全な因果であり、互いに無くてはならない輪の如き関係。
 本来なら自覚の無い生死の場合であっても同じ事。

「―――では、その関係を断ってみたらどうなるのかしら?」

 終わりの無い始まり。始まりのない終わり。
 断ち切られた輪はどうなってしまうというのか。
 始まりの無い終わりとは、即ち宇宙に還る事も無く死に続ける状態の事。
 肉体の全器官がその働きを完全に止め、その後朽ちる事も無く恒久に在り続けるという事。
 終わりの無い始まりとは、即ち永久に死ぬ事も無く生き続ける状態の事。
 老化をする事も無く病に罹る事も無く、その後朽ちる事も無く恒久に在り続けるという事。
 ……なのだろうか?
 それとも違う何かなのだろうか?
 結局の所分からないし、考えた所で回答が存在しないのなら、考える意味が無い。
 そんな時はどうしたら良いか?
 答えは簡潔だ。
 実際に断ち切ってみれば良い。
 未来永劫悠久無窮、遼遠悠遠万世万代久遠の彼方。
 そういうのを身を以って体験すれば、自ずと分かるに違いない。
 ただし、死に続けるままでは面白くも無いから、生き続けるままという方で。

「よし、そうと決まれば―――」 
 
 永久に生き続けてみよう。
 死から永久に遠ざかろう。
 ともかく自分で知り得る悉皆を、いつまでもいつまでも永久に知り続けてみよう。
 その為の方法はある。
 その為の手段もある。
 時間も費用も充分にある。
 そうすれば、いずれ因果から外れた事とはどういう事か、答えが分かるだろう。
 答えが分かった後の事はその時考えれば充分。

「不老の次に不死を望むのは至極当たり前の事だと思わない?」

 何者も魅了してやまない笑みを浮かべ、全てを思う儘にしてきた月の姫は、以後月の姫では無くなった。
 彼女に与えられたのは、永遠の罪と須臾の罪。三千大千世界の全てから放逐された古今に比類なき大罪。
 しかし彼女は大罪をまるで意に介さず、与えられたものよりも得たものをこそ珍重した。
 何せ不老といえど、今まで死んでしまってはそれまでだったのだ。
 彼方に故郷を見上げ、彼女は心底嬉しそうに笑っていた。



 自ら望んで因果から外れた彼女がこの先どうなるのか。
 その正確なところは、彼女以外には知り得ない。
 永く遠い、果て無き果てのその向こう―――三千大千世界も及ばない時間の遥か彼方に立った時、さて何を思うのか。
 その正確なところは、彼女以外には知り得ない。
 彼女の心は常磐の如く平常を保ち続けるのか。それとも渦潮の如く混濁を極めるのか。或いは凪の如く無となり失せるのか。はたまた熱に浮かされたが如く狂い尽きるのか。
 その正確なところは、彼女以外には知り得ない。

 永遠に。
        _......_ 
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      iノll ll ハ ll))
      |::::!|.゚ ヮ゚ノ!|
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     ノ〈_ノ -^-i_〉
     ソ/、ノ、 ヘヽ、
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Hodumi
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