今日もチルノは湖の周りで遊んでいた
「よーし、今日こそはあの大蝦蟇を倒してやるんだから!」
いつもように湖で遊んでいると
「チルノちゃん、おはよう」
大妖精が挨拶にやってきました
「おはよう!」
チルノも元気に挨拶します
「ねえ、チルノちゃん……今日は湖で遊ぶのやめた方がいいよ?」
大妖精がチルノに対して何か言う時は、必ず何かあるときです
「なんでさ?」
「最近ね……」
大妖精が聞いた話では、最近この湖に何か大きな生物が出るらしい
「危ないから、当分は遊ばない方が……」
ですが流石はチルノ! そんなの関係ないとばかりに
「よーし!あたいがその化け物を退治してやる」
湖の上に飛んでいってしまいました……
「何にも居ないじゃないの……」
どれだけ湖の上を飛び回ったでしょうか?
なにもでてきません
「……大ちゃんもたまには間違える事もあるよね」
そういって、チルノが帰ろうとした時
(ざっぱ~ん!!!)
チルノの居たところまで大きな津波が発生しました
「うわわわわっ!?」
波に飲まれたチルノが意識がなくなる前に見たのは
大きな、大きな蛇みたいなものでした
「・・うした・・か」
「こま・・したね」
(う~ん)
チルノの意識がさめると
「おや、気がついたみたいじゃな」
「よかった……」
そこには、先ほどの大きな蛇みたいな者と
三つの顔を持ったお姉さんが居ました
「うわ~っ!」
チルノは驚き後ろに下がりました
「いや、お嬢ちゃん……わしらは…」
「来るな!あたいを食べても美味しくないからね!」
チルノが威嚇のために
弾幕を張ります
しかし、大きな蛇には通用しません
「ほっほっほ……元気な嬢ちゃんじゃな…」
「貴方……このままでは、この子も満足に話もできないでしょう?」
三つの顔を持ったお姉さんが、大きな蛇を怒ります
「う、うむ…確かに……」
顔はわかりませんが、大きな蛇が困ったような声を出します
「……なあ、お嬢ちゃん…」
今度は、小さな声でチルノにその大きな蛇が話しかけますが
「嫌だ!なにも聞こえない」
チルノは、耳をふさいでしまいました
「困ったのう……」
これでは、教えたい事があっても教えれません
そんなときでした
(がたん!!!)
「チルノちゃん!」
何者かが、この部屋の入ってきました
「うん?シヴァか?」
大きな蛇がそう答えた先をチルノが見ると
「レティ!」
チルノが知っている冬の精霊
レティ・ホワイト・ロックがそこに立っていました
自分の知っている上に、冬まで待たなければあえない人に
一足早く会えたので真っ先に抱きつきました
「うえぇぇ~れてぃ~怖かったよ~」
緊張がほぐれたのか、チルノは思わず泣き出していました
「なんと、シヴァの知り合いか」
大きな蛇が、驚いた様子で話しかけると
レティがそれに答えました
「すいません、幻獣王、幻獣王妃……この子は幻想郷の氷精です」
レティがそう言って頭を下げると
大きな蛇が笑いました
「いやいや、すまんのう、ワシが久しぶりに散歩しておったら
うっかり飲み込んでしもうた……お嬢ちゃん…すまんのう」
大きな蛇が頭を下げると
チルノもいつもの様子に戻ると
「ふ、ふん今回だけは許してあげる……あたいは最強なんだから」
そういうとレティも、幻獣王も、幻獣王妃も
大笑いしました
「もう少ししたら、またもとの世界に戻してあげるから
しばらくこの幻獣界で遊んでいきなさい」
幻獣王妃がそういうと
レティに対して一言
「……このお客さんを貴方が案内するのが、今日の
貴方の仕事ですよ」
そう笑いながら言いました
レティにとっては願っても無いことです
「はい!……行こうかチルノちゃん」
思わず笑うとチルノの手を握って表に連れて行った
「のうアスラや……微笑ましいのう」
「ええ、幻獣王……リヴァイヤサン」
そういうと、リヴァイヤサンと言われた大蛇はお爺ちゃんの姿に
アスラと言われた三つの顔を持ったお姉さんは、一つの顔に姿をかえた
強い存在は、時として寂しいのだ
「ねえねえ!レティあれはなに?」
「あれは、幻獣図書館……この世界の全ての事が
わかるのよ」
「あれは?」
「あれは、武器屋さん……私達には余り関係ないけどね」
普段見慣れないようなものばかりなので
チルノは好奇心を隠せなかった
「おうおう、シヴァさんか……その小さい子は?」
「あら、お久しぶりですね…オーディンさん」
刀を持った一人の老人がレティに声をかけた
「この子は、幻想郷から来たのよ」
その問いかけに、オーディンと言われた
老人が目を見開く
「なんと!幻想郷からか」
そういうと、オーディンと言われた老人が
遠い目をした
「いや、懐かしいのう」
その言葉を聞いたチルノがたずねた
「おじいさん、幻想郷を知ってるの?」
その言葉に、オーディンが頷く
「ああ、これでも昔は『切れぬものなど、全く無い!』と
言い切っていたものだ……」
そういうと刀を抜き、それを構える
「ところが、まさか刀に雷が落ちるとは思わなんだ
……孫娘と姫は元気にしておるか…心配じゃな」
思い当たる節が、チルノとレティには合った
「ねえ、チルノちゃん……」
「なに?レティ」
しばらくレティとチルノが
こそこそと話をした
「うん!わかった」
チルノが頷くと
レティがオーディンに話しかける
「チルノちゃんは、もう少ししたらまた
幻想郷に帰るらしいから、手紙でも書いてくれたら
持って行ってくれるそうですよ?」
願っても無い申し出に
オーディンが驚く
「申し訳ないのう……では、少し書いてくる
……幻獣王のところに持って行っておくから
もう少し、この辺で遊んでいるといい」
そういって、老人とは思えない健脚で走っていった
「……すごい早い…」
「あら?チルノちゃん知らないの?オーディンさんは
幻獣フルマラソンの記録保持者なのよ?」
彼が来るまでは幻獣王が保持して居たけどね、と言いながら
チルノとレティは色々な所を回った
「上の階から降りてきたんだ」
「ええ、でもそこから降りたら駄目だからね?」
「あれ?一番下に宝物あるよ?」
「でも、降りる所見つからないのよ」
「よし!突き当たりにあった空っぽの宝箱に
あたいの宝物の、ねずみの尻尾入れておこう」
「……誰もほしがらないと思うけど…」
彼女は知らない…後でそのねずみの尻尾が世界を救うと言う事を
しばらく遊びまわるとお別れの時間がやってきた
「……それじゃあ、もうそろそろ帰らないとね」
レティがそういうとチルノがうつむく
「…レティもいっしょに行かないの?」
再び別れるのが辛いのだ
だが、レティが笑いながらチルノの頭に手を置く
「大丈夫、もうすぐ幻想郷に行く季節が来るから
ちょっと別れるだけよ」
そういって頭を撫でる
チルノもそれならと
笑いながら初めて来た部屋に戻っていった
「まっとったぞ!お嬢ちゃん」
大きな蛇の姿の幻獣王が部屋で待っていた
「やれやれ、何とか手紙も書き上げた……
嬢ちゃん……お願いするぞ?」
幻獣王の隣にはオーディンさんが座っていた
「あたいに任せておいて!……えーと?」
「ワシの事は、妖忌でいい……妖夢によろしく頼む
後、これは駄賃代わりじゃ」
そういって、お菓子の入った巾着袋を渡す
「さあ、お嬢ちゃん!ワシの背中に乗りなさい」
そういわれてチルノが大きな蛇の背中に乗る
「またね!チルノちゃん」
「うん!またねレティ!」
そう呼びかける声とともに
リヴァイヤサンが動き始めた
「……チルノちゃん…一体何処に?」
幻想郷では大妖精が湖の上を探索していた
一大事だと、紅魔館の門番も探してくれているが
一向に見つからない
「……見つかりませんね…」
門番も疲れを見せていた時でした
(ざっぱ~~~ん!!!)
「「!?」」
近くで大津波が発生しました
「あれは?」
大妖精が話すより先に門番が
「チルノちゃんの気です!」
そういったので、大妖精が大急ぎで
津波の起きた場所に向かいました
「お嬢ちゃん……ここでいいかのう?」
「えーと」
チルノが周りを見渡していると
「ち~る~の~ちゃ~ん!」
誰かがチルノを呼ぶ声がしました
「あっ!大ちゃんだ」
「知っているものが居たのなら大丈夫じゃな」
しばらく待っていると
「チルノちゃん!……うわっ?」
チルノが大きな蛇の上で座っているではありませんか
大妖精は、驚きながらも
「ち、チルノちゃんからはなれなさい!」
気丈に振舞います
それを見ていた大きな蛇は
大笑いしました
「はっはっはっは!……いやいや、この子の保護者の方か
すまんのう、間違えて飲み込んでもうた……謝る」
大妖精はさらに驚きました
「えーと……しゃべれるのですか?」
「ああ、違う世界ではリヴァイヤサンとも言われとる爺さんじゃ」
そういうと、後ろから
また誰かがやってきました
「やっと追いつきましたよ……うわっ!見事な龍ですね」
門番さんがリヴァイヤサンを見るなり
一言答えました
「おうおう、そういわれるほうが納得するのう……?
そこの赤い髪の嬢ちゃんも……龍か?」
「ええ…まあ……でもなんでこの湖に?」
そういわれるとリヴァイヤサンは一言
「散歩じゃ……最近の海は汚いからな…
おっと!もうそろそろ飯の時間じゃ
それでは……お嬢ちゃん…またの…」
そういうと湖のそこにまた沈んでいきました
「……なんだったんでしょうね?」
大妖精のつぶやきに
「……さあ?でもチルノちゃんは見つかりましたね」
そう門番は答えた
「ふう、でもチルノちゃんが無事でよかった」
大妖精が、門番と別れて
チルノを連れながら家に帰る時に
そうはなしかけた
「でも、今日はチルノちゃん一体どうしてたの?」
その答えにチルノは
「レティに会ってきた!」
とだけ答えた
チルノの奇妙な冒険はここまで
後日談
「この冥界の門を……
あれ、珍しいですね?
チルノさん」
「あ、妖夢はい!これ手紙」
冥界白玉楼……震撼
「死んでいたものと思われていた
冥界の前庭師、魂魄妖忌見つかる!」
幻想郷中に、そんな号外が撒かれる事になった
>この子は幻想郷の氷霊です
氷精だと思います。
> そういうと、リヴァイアサンと言われた
リバイアサン、リヴァイヤサン、レヴィアタン、等々呼称は色々ありどれも正しいのですが、このお話では他がリヴァイヤサンで統一されているので直した方が宜しいかと。
他の幻獣が誰に当てはまるのかが気になるw
自分の脳内では今まで妖夢が『斬鉄剣』役だったけど書きかえておくことにします。
オーディンさん→おーでぃんさん→おじいさん→お爺さん→妖忌、そうなのかー?