ハロウィン。
諸聖人の日、万聖節の前晩。
曰く、ケルト人の収穫感謝祭がカトリックに取り入れられたものとされている云々。
と、小難しいことはさて置いて、今日ハロウィンと言われて思い浮かぶのは「Trick or treat.」。
即ち、「お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ」。
つまりは、公明正大に物をねだることができ、正々堂々といたずらができる日なのである。
ここは魔法の森。
その中にひっそりと佇む一軒家は、人形遣いアリス・マーガトロイドの住処である。
「……ふふふ、ついに、ついに来たわね、この時が!」
ただでさえ薄暗い魔法の森の黄昏時。
妖怪が活発に活動を始めるこの時刻。
ろくに光も差し込まぬ中、蝋燭の灯りに照らされながら、アリスは鏡の前で怪しい笑みを浮かべていた。
「ハロウィン……人間の宗教なんかに興味はないけど、今回だけは感謝してあげるわ。このイベントなら、確実に!私が魔理沙とあんなことやこんなこと……うふ、うふふ、うふふふふふふふふ……」
顔を赤らめながら手当たり次第に人形をサクリファイする七色の魔法使い。
キャラが根本から変わっていることに気づいていない。
しかし、これも一方的な愛の成せる業なのかもしれない。
「あの魔理沙が、人に物を要求されて応えるはずがない!となれば、私はこのイベントに則って、何の問題もなく、負い目も無く!魔理沙に悪戯する権利が与えられる!――となれば後はもう、あれをしたり、これをしたり、それをどうしたり……」
膨らむ夢と果て無き理想。
それはもう、幾人の先人が思い描いたであろう幻想(もうそう)が今そこに。
ビバ、幻想郷!
仮に、魔理沙に体良く何某を渡されて追い返されたとしても、それ即ち魔理沙の私物をゲットしたという、それはそれでおいしい状況。
つまり、
「このイベントにおいて!私に何のマイナスがあろうかーーー!!」
勇み立ち上がる人形遣い。
片腕を天に突き上げ、我が生涯に一片の悔い無し、もとい、これからの生涯に一筋の光明が差し込んでいる喜びを表現する。
本当に都会派なのか魔法使い。
「さあ、行くわよ!待っててね魔理沙!今夜は永い夜になりそうねっ!」
それはもう、永夜の術を使ってでも永い夜にしてみせる。
夢と期待を膨らませて、アリスは未来への扉を開け放った――
「『鳥食うオラトリート』!お菓子くれなきゃ悪戯するわよ!」
「チルノちゃん、『Trick or treat.』だよぅ」
「また器用に間違えるね~。ていうか、トリートって誰さ」
「お菓子お菓子、沢山もらえるのかー?」
「鳥のついでに『焼き鳥撲滅運動』の署名に協力してくれない?」
――先に立ちはだかるバカルテット(+保護者?)。
「………さい」
『え?』
「――退きなさい!1,2面ボス(+α)風情がーー!!」
溢れる想いをスペルに込めて。
恋符「マスタースパーク」――ではなく、咒符「上海人形」。
迸る魔力の渦に吹き飛ばされる1,2面ボス連合。
「こぉらぁ!でっかいよーせー!話が違うじゃないのさぁぁぁーーー………!」
「知らないよそんなの~~………」
「蟲の居所が悪かったのかなぁ……」
「うまいこと言ってないでこの後のことを考えなさいよぉぉぉ……!!」
「そーーーーなのかーーーーー………」
――今宵、七色の魔法使いに敵は無い。
諸聖人の日、万聖節の前晩。
曰く、ケルト人の収穫感謝祭がカトリックに取り入れられたものとされている云々。
と、小難しいことはさて置いて、今日ハロウィンと言われて思い浮かぶのは「Trick or treat.」。
即ち、「お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ」。
つまりは、公明正大に物をねだることができ、正々堂々といたずらができる日なのである。
ここは魔法の森。
その中にひっそりと佇む一軒家は、人形遣いアリス・マーガトロイドの住処である。
「……ふふふ、ついに、ついに来たわね、この時が!」
ただでさえ薄暗い魔法の森の黄昏時。
妖怪が活発に活動を始めるこの時刻。
ろくに光も差し込まぬ中、蝋燭の灯りに照らされながら、アリスは鏡の前で怪しい笑みを浮かべていた。
「ハロウィン……人間の宗教なんかに興味はないけど、今回だけは感謝してあげるわ。このイベントなら、確実に!私が魔理沙とあんなことやこんなこと……うふ、うふふ、うふふふふふふふふ……」
顔を赤らめながら手当たり次第に人形をサクリファイする七色の魔法使い。
キャラが根本から変わっていることに気づいていない。
しかし、これも一方的な愛の成せる業なのかもしれない。
「あの魔理沙が、人に物を要求されて応えるはずがない!となれば、私はこのイベントに則って、何の問題もなく、負い目も無く!魔理沙に悪戯する権利が与えられる!――となれば後はもう、あれをしたり、これをしたり、それをどうしたり……」
膨らむ夢と果て無き理想。
それはもう、幾人の先人が思い描いたであろう幻想(もうそう)が今そこに。
ビバ、幻想郷!
仮に、魔理沙に体良く何某を渡されて追い返されたとしても、それ即ち魔理沙の私物をゲットしたという、それはそれでおいしい状況。
つまり、
「このイベントにおいて!私に何のマイナスがあろうかーーー!!」
勇み立ち上がる人形遣い。
片腕を天に突き上げ、我が生涯に一片の悔い無し、もとい、これからの生涯に一筋の光明が差し込んでいる喜びを表現する。
本当に都会派なのか魔法使い。
「さあ、行くわよ!待っててね魔理沙!今夜は永い夜になりそうねっ!」
それはもう、永夜の術を使ってでも永い夜にしてみせる。
夢と期待を膨らませて、アリスは未来への扉を開け放った――
「『鳥食うオラトリート』!お菓子くれなきゃ悪戯するわよ!」
「チルノちゃん、『Trick or treat.』だよぅ」
「また器用に間違えるね~。ていうか、トリートって誰さ」
「お菓子お菓子、沢山もらえるのかー?」
「鳥のついでに『焼き鳥撲滅運動』の署名に協力してくれない?」
――先に立ちはだかるバカルテット(+保護者?)。
「………さい」
『え?』
「――退きなさい!1,2面ボス(+α)風情がーー!!」
溢れる想いをスペルに込めて。
恋符「マスタースパーク」――ではなく、咒符「上海人形」。
迸る魔力の渦に吹き飛ばされる1,2面ボス連合。
「こぉらぁ!でっかいよーせー!話が違うじゃないのさぁぁぁーーー………!」
「知らないよそんなの~~………」
「蟲の居所が悪かったのかなぁ……」
「うまいこと言ってないでこの後のことを考えなさいよぉぉぉ……!!」
「そーーーーなのかーーーーー………」
――今宵、七色の魔法使いに敵は無い。