美鈴は香霖に作戦が成功した事を伝えた
「そうか、これでいいんだね?」
「はい…どうもありがとうございました」
「いや、謝るのはこちらの方だよ…
まさかこんなに利益が出るとは思わなかった」
事実とんでもない売り上げだった
香霖堂の中での最高の黒字となった
「もう少しいましょうか?」
美鈴の言葉に香霖が首を振る
「いや、やはり僕には静かな方がいい
…あれだけ人がきたんじゃ、ゆっくりと
本を読む事ができないからね」
そう言って香霖がお茶を持ってきた
「それに、魔理沙と話をすることが出来ないし…ね」
「…やはり、大切なんですね…」
「まあ妹みたいなものですけどね」
そういうと香霖と美鈴がお茶を
飲み始めた
そしてしばらく時間が経つと
美鈴が扉の方を向いた
「…さて、もうそろそろ来るみたいですよ…」
「そうか、それではそろそろ…」
長かった計画もこれで終わりだ
…だが美鈴は最後に悪戯する事にした
がたん!
「よう、失礼するぜ!」
魔理沙が香霖堂の中に入ってきた
ずいぶん無理をしたのか肩で息をしているが
その目は輝いていた
「どうしたんだい?そんなに疲れて?」
香霖が魔理沙に声をかける
だがまずそれよりも話さなければならないことがある
「喜べ中国、レミリアが紅魔館の門番に戻してやるって
話を持ってきたぜ!」
「本当ですか!」
美鈴が喜ぶ
「そうか…それなら今日で大繁盛していた香霖堂も
おしまいだな…」
香霖がしみじみとつぶやく
美鈴もそれに同意する
「香霖さん、今日までありがとうございました」
美鈴と香霖が話をしているところに
魔理沙が乱入する
「あ~…中国急いで戻ったほうがいいと思うぞ、
いつレミリアが前言撤回するかわからんからな」
実際は美鈴が居ないと紅魔館のトップが
動かなくなる恐れがあるのでそんな事はないが
魔理沙にそんな事はわからない
「そうですね…急いで戻らないと…(そろそろ小悪魔も限界だろうしね)」
そう言って帰ろうとしたそぶりを見せると
魔理沙の顔が笑った
(今ですね…)
「香霖さん、また働きに来ますね~」
そういって魔理沙の目の前で
(ぎゅむ~)
(いっ、今起こった事を正直に話す…
美鈴さんがお礼を言ってきたと思ったら
いきなり抱きつかれた…
爆!とか乳!とか…
そんなちゃちなモンじゃない
何か…魔理沙では無理みたいな
そんな東方巨乳キャラの片鱗を感じたぜ)
抱きついた
「なっ!」
魔理沙の顔が一気に青くなる
そして肩がプルプルと震える
「なに香霖に抱きついているんだ!離れろ!」
魔理沙が美鈴に対して大声で怒る
しかし美鈴はそれに対して
「え~別にいいじゃないですか、
香霖さんは誰のものでもないですし」
そういってさらに抱きついた
「は~な~れ~ろ~」
涙目になって強引に美鈴を香霖から
引き離す
「何でそんなに怒ってるんですか?
香霖さんは誰の物でもないのに」
「うるさい!」
売り言葉に買い言葉、
そして魔理沙が大声で宣言した
「香霖は!私のものだ~!」
魔法の森にそんな声が響いた
美鈴が「ならしょうがないですね~」
と言って帰った後
魔理沙は
「うぅぅ~」
「…なあ…魔理沙……もうそろそろ離してくれないか?」
香霖に顔が見えないように抱きついてました
大声で、しかも本人の目の前で宣言した事が、
後になってすごい恥ずかしい事と気がついた
そして、まともに香霖の顔が見れないでいたのである
……美鈴の最後の悪戯の成功である
「うぅぅ」
「…しょうがないな」
そういって香霖は魔理沙の頭を撫で続けた
「お~い…顔を見せてくれよ…」
「うるさい…」
そういいながらも魔理沙は香霖に
抱きついたままだった
香霖がやれやれとばかりに
魔理沙を持ち上げた
「なっ?」
魔理沙が驚いた隙に
魔理沙の顔が真正面に来るように
移動させる
「よし、これで顔を見て話せるな」
「~~~っ~~」
真正面に香霖の顔がある
それだけで魔理沙は限界だった
「わっ!馬鹿!なにするんだ!」
「まて、暴れるな」
恥ずかしさの余りに魔理沙が暴れる
そのせいで二人がバランスを崩す
「うわっ」
「うぉっ?」
気がついたら
魔理沙が香霖を押し倒した形になった
「あっ……す、すまん」
魔理沙が立ち上がろうとした
だが香霖が魔理沙をそのまま抱き寄せる
「…大丈夫か?」
「…うん…」
そのままの状態でしばらく時間が過ぎた
そして、魔理沙が口を開いた
「なあ…香霖?」
「なんだい?」
しばらく口ごもりながら
覚悟を決めて話す
「……香霖の大切な物って…」
「このメガネかな…」
香霖らしいなと思って魔理沙が
ため息をつく
「そうか…」
「魔理沙は物じゃないからね」
「えっ?」
その言葉を聞いて顔を上げた
魔理沙の額に、香霖の顔が一瞬だけ触れた
まあ、魔理沙の大切な人は初めから離れていなかったのだ
さてさて…紅魔館では?
美鈴が紅魔館に帰ると小悪魔が急いでやってきた
「遅いですよ~!急いでくださいもう限界ですから
地下の方に皆居ますから!」
「ゴメンゴメン、急いで行きますから」
美鈴が地下まで降りると
「「「うわ~ん!め~りん何処~!」」」
フランドールと咲夜、そしてレミリアが
暴れまわっていた
「ただいま帰りました~」
美鈴が帰ってきたと気がついた三人は
「「「うわ~ん!め~りん」」」
「うわっと?…もう…しかたがないですね」
紅魔館のトップ三人が全力で抱きついてきた
……美鈴が門を離れない理由は
彼女が見える位置に居ないと
この三人が落ち着かないからかもしれない
しばらくして
「よう!中国」
「だから~私の名前は紅美鈴ですってば」
開幕おはよう紅魔門番
借りたいものがあれば
「借りてくぜ~」
「貸し出し期間は守ってくださいね~」
「ドロボウ鼠が盗まなくなったわね」
「最近、私と遊んでくれないんだよ魔理沙」
「さすがね、美鈴」
「でも、ここまで変わるとわね~」
「いいじゃないですか、パチュリー様」
「そうですよ…あと名前で呼んでくれたらいいんですけどね」
そこに咲夜、レミリア、フラン、小悪魔、パチュリー
の五人が言い放つ
「「「「「ごめん!それは無理」」」」」
「うわ~ん、紅魔館家出してやる~」
美鈴が泣きながら出て行きました
「咲夜!追いかけて」
「はい!お嬢様」
その後を咲夜が追いかけた
美鈴がきた先は…
「で、また働きに来たわけか…」
「お願いします」
「…まあい「駄目だ!」魔理沙?」
香霖の後ろにしがみついた魔理沙が
美鈴をにらむ
「…しかたありません…あきらめましょう」
美鈴が笑いながら香霖堂から出て行った
「咲夜さん?いるんでしょう」
「…どういうこと?あれ」
咲夜は魔理沙の事を指差して
美鈴に聞いた
「最後にちょっとした悪戯をしちゃいましてね
……魔理沙さんかわいかったですよ」
「へ~それが店主に抱きつく事かしら?」
美鈴が固まった
「え?何で知ってるんですか?」
咲夜がナイフを構える
「……ちょっと魔理沙からね…」
美鈴に向かって咲夜が歩き出す
美鈴が後ろに逃げる
「いや…ですから…演技」
「問答無用!メーリンの…」
スペカ
『殺人ドール』
「浮気者~」
策士…策におぼれる
この後、傷だらけになった美鈴が
泣き疲れて眠った咲夜を担いで
帰ることになった
おしまい
楽しませて頂きました。
あとギリギリの投稿にワラタwwww乙wwww
おつかれさまでした
作者さんもおつかれさまでした
魔理沙に萌えた!!
これが萌か!!!!?
とても楽しめましたwww
香霖は家族想い
魔理沙はお兄ちゃんっ子
私が感じたイメージはそんな風。
いい紅魔館の人達でした。