「では、これより博麗霊夢に対する審判を行います。ていうかお前ら全員地獄行き」
「しょっぱなから何飛ばしてるのよ裁判長ーーっ!?」
「私がルールです。文句のある人はすぐさま腹を切って死ぬべきである」
「いきなり先行き不安ね……」
「そこ、被告人は勝手に喋らないこと。今のルール違反による罰則はグラニュー糖で例えればわたあめ34個分ですよ」
「重いのか軽いのかー!?」
○裁判官:四季映姫・ヤマザナドゥ
○検察官:アリス・マーガトロイド
○弁護士:霧雨魔理沙
○被告人:博麗霊夢
罪状:霧雨魔理沙(人間)のハートを盗んだ疑い。
【冒頭弁論】
「それではミス・捨て犬クイーン、アリスさん。事件の説明をお願いします」
「勝手に欝になりそうな二つ名付けないで! ……えー。こほん。事件は簡単です。そこの被告人が、卑怯にもハプニングを装って着替え中を覗かせるという計画によって、魔理沙とひと悶着してみせた後……その、色々あって! 魔理沙の心を奪ってしまったという事件です。検察側はこの犯罪に対して『同じ歌のサビの部分だけ延々と頭のなかでリピートされつづけて結局何の歌なのか全然思い出せない』刑を求刑します」
「はい。で、弁護人。まさにあなたが事件の被害者というわけですが、何かコメントはありますか?」
「あー……いや、私は……別に、その……へへ……」
「はい、すっかり奪われてますね。ハートだけじゃなくておそらく色々と。具体的にはしょ」
<<異議あり!!>>
ばんっ!
「それ以上の裁判長の発言を認めません!」
「処女」
「せっかく止めたのにあっさり言っちゃったー!?」
「……あ、その……そんなことは……な、なあ霊夢?」
「え!? あ……うん、ま、まだそこまでは……」
「きーーーっ!! そこの二人勝手に会話しない! フーッ! ……ぜーはー……。――検察側は求刑を『毎晩寝ようというときに隣の部屋からアレな声が聞こえてくる刑』に切り替えます」
「はい。私はまあなんでもいいです。興味ないので」
「裁判長ぅぅぅ」
「問題となるのは、被告人の行動が計画的だったかどうかになりそうですね。それでは証人の召喚をお願いします」
「では証人、名前と職業を」
「はい! 名前は射命丸文。新聞記事を書いたり取材したり配ったりするのが仕事ですっていうか日課です。あと同業他者の新聞屋に、とりあえず強引に迫れば新聞取ってくれそうな人を教えるのも仕事ですっていうか趣味です」
「あ……あなたね!? あなたの仕業だったのねーー!?」
「ああ、アリス新聞4つも取ってるからよほど新聞好きなんだなあって思ってたんだが、謎が解けたぜ」
「嫌ぁっ……もうビール券もギフト券も嫌ぁ……」
「では文さん、事件について証言していただきましょう」
「会話の流れ全部無視ー!? ちょ、裁判長、ついでにこいつも一緒に裁いちゃってください!」
「それは一昨日の朝のことでした――」
「始まっちゃったー!」
【証言開始】
「その日は朝から、連載コラムのための取材結果、『自分から脱ぐのと脱がされるのとどちらが恥ずかしいか?』について情報を整理していました――」
<<待った!>>
ばんっ!
「……」
「どうしました? アリスさん」
「えっ……その……詳しく!」
「この取材についてですか?」
「アリスさん、それは事件と関係あるんですか? ってか、検察側が尋問っすかー? おかしくね?」
「い、いきなり砕けた口調にならないでください! 気が抜けます!」
「で、事件と関係ある部分なんですか?」
「それは――もちろんです! むしろそれこそが事件の本質といってもいいでしょう!」
「わかりました。それではそこを詳細に証言してください、誉なる音速の姫、文さん」
「私と違ってなんかカッコいい二つ名ー!?」
【証言再開】
「その日は朝から、取材結果を記録した合計27枚の紙資料から結果を重みつき数値に変換して評価してから各種統計処理を行いまして、その結果を円グラフ等にまとめながら――」
<<異議あり!>>
ばんっ!
「……そ……そうじゃなくてっ!!」
「お、おい霊夢……よせよ、こんなところで……ん……」
「いいじゃない、みんな知ってるんだし……赤くなっちゃって可愛いんだから」
「や……やめろって……こらっ」
「嫌なの……?」
「……こ、こんな顔は……おまえ以外には見せたくないんだ」
「……もう……♪」
「っぅだあああああああああああああああああっ!!!!!」
【証言再開(目撃したこと)】
「資料整理にも疲れてきてたので、休憩とネタ探しを兼ねて、いつものようにこの、1000km先の貼り紙から燃えるごみ回収日の曜日まで読み取れる自慢の千里眼で幻想郷を覗き見していたわけです」
<<待った!!>>
ばんっ!
「……い、いつもそんな、覗いてるの?」
「仕事ですから」
「いや立派に犯罪でしょ! 裁判長、やっぱりこいつ――」
「アリスさんは夜10時過ぎからがとても面白いですね。この機会にあの行為について質問させていただいてもよろしいでしょうか?」
「――さあ、証言を続けてもらいましょう」
【証言再開(目撃したこと)】
「そういえば昨日の晩もアリスさんはまり
<<異議あり!!>>
「……ッ!!」
「――冗談です。ほら、そんな顔すると自慢の人形が台無しですよ」
「意味わかんないわよ!!」
(ほら、これなら誰からも見られないでしょ)
(そ……そうだけどさ……ひゃんっ!? ん、ぁ……っ)
(もう、声出しちゃったら、気付かれるでしょ? 魔理沙ってば)
(そ、そんなこと言ったって、霊夢が……あッ、や、まって……そこ……!)
(あは♪ やっぱり魔理沙は耳が弱いんだ……♪)
「さああああいいいいばんちょおおおおおおおっ!! ひ、ひ、ひ被告人を!! 直ちに法廷侮辱罪名誉毀損罪えーとあと窃盗横領強制わいせつ有限要素法セントビンセントおよびグレナディーン諸島アトランチスの謎その他で裁いてやってください!! 刑罰は『くしゃみが出そうで出ない状態が7日間続く刑』で!」
「……え? あ、まだ続いてたんですか、これ。寝てました」
「か、かかかか、かっ……きいいいぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
「うるさいですよアリスさん。地獄に落としますよ。まあ何も無くても落としますけど」
「……ぐすっ……しょ……証言を、つづけて……ください………くすん……」
【証言再開(目撃したこと)】
「そのときです! なんと、半裸の霊夢さんが泣きながら魔理沙さんに迫っているではありませんか! これはいったい何事でしょう!」
「そうそう、それを証言すればいいのよ、さっさと」
「衝撃的な情景でした。顔を赤くしながら魔理沙さんに詰め寄る霊夢さん。おろおろしながら頭を下げる魔理沙さん。私は直感しました。事件だと!」
「そう、それで!」
「ショックでした。その後二人は仲直りをしたように見えたかと思えばすぐに――霊夢さんが……霊夢さんが!」
「き、聞きたくないけど、何があったのか! そこが重要よ!」
「――ショックでした。ショックのあまり私は近づいてからその様子を撮影して」
「もちろんそれを記事にしたのね!?」
「その勢いで、アリスさんの秘密の遊びについて特集を組んだ新聞をばら撒きまくりました」
「何の関係もないとばっちりキターーーーーーー!? ……って、キター言ってる場合じゃないわよ! すぐに回収しなさい! ていうかうちには届いてないわよ!?」
「ええ、言葉どおりばら撒きましたから。むしゃくしゃしてやった。(社会的に)殺すつもりはなかった。今は楽しんでいる」
「……こっ……」
(あ、れ……むっ……も、もぉ……ん、やぁ……ッ!)
(ん……はぁ……魔理沙の声聞いてたら、私も……っ)
(んぁ……れいむ、すき、大好き……ッ!)
(私も……魔理沙……あ、ぁ……っ!!)
「……裁判長」
「はい?」
「帰っていいですか」
「魔理沙さんの等身大人形が待っている部屋にですか」
「裁判長新聞読んでるうううぅぅぅう!?」
【判決】
「では、判決を下します」
「いきなり!? な、なんか話進んだっけ?」
「ここまでの話で、アリスさんが魔理沙さんを模したダッ○ワイフに汚れた欲望を吐き出す日々を送っているうちに、本物の魔理沙さんがそこの霊夢さんとべったりねっちょりになっているという実に愉快な現実が明らかになりました。私は昨日から知っていたので新聞読みながら指差して爆笑していたわけですが」
「なんで私の公開処刑みたいになってるのー!?」
「このかんどうをあたえてくれたあなたにおれいがしたい。どんななやみでもきいてあげましょう」
「チェーンソー持ってくるわよ本気で」
「そうカリカリするものではありません。ぶっちゃけあなたは世界的に見てもかなり痛い話に分類されるような失恋をしたわけですが、逆に考えれば歴史に名を残せるということです。あなたの痴態は永遠に語り継がれ、例えばこの話を夜に王様にすることによってそいつは傑作だ恥ずかしい女もいたもんだわっはっはと王様が満足して殺されずにすむ女性がどこかのアラビアにいるかもしれないわけです。ほら、あなたは見事に一人の命を救いましたよ。よかったですね。ぷぷーっ」
「……もう……いっそ殺して……」
「あ、はい。地獄行き希望ですか。小町ー」
「本気だー!? い、い、いえいえ冗談ですって地獄はシャレになんないから許してくださいほんとマジで死んでからくらい幸せに暮らしたいです」
「すっごく悲しい言葉」
「誰のせいよッ!」
「概ね自業自得だと思いますが」
「しくしく……」
「はい、判決です。被告人は……とりあえずちょっと服を調えてから、私の前まで来てください」
「へ!? あ、ちょ、待ってっ」
がさごそ……
「……行ってくるね、魔理沙」
「ああ。気をつけてな。帰ってくるの……待ってるから」
「うん……」
「……? どうした、行かないのか?」
「……いってらっしゃいのキスが、まだだもん」
「お……おいおい、人前だぜ……そんな恥ずかしいこと……っ!?」
「んっ……ぷは……ふふ、油断しちゃダメね」
「……まったく……強引だな」
「強引なのは、嫌い?」
「おまえなら……いい」
「ん……魔理沙ってば……だから、大好き」
「はやく来なさいって。私はいいですけど、そこの検察官さんがそろそろプッツンきて週末のひとりSMショーを始めてしまうわよ」
「したことありませんっ!! なんで毎週やってるかのような表現!?」
「お待たせー」
「はい、それでは少し失礼して――」
むにゅん。
「ひゃん!?」
がたっ!
「お、おい、何を――」
立ち上がりかけた魔理沙を静かに手で制したのち。
ぐっと親指を立てて。
無 罪
判決理由:「小 さ い か ら …よし!」
「裁判関係無ーーーーーーーーっ!?」
「以上、お疲れ様でした」
「待ってよ! 結局何だったのよ! 全然裁判になってないじゃないっていうか私がひとり攻撃されまくっただけだった気がするー!?」
「裁判? 何ですかそれ?」
「……へ?」
「最初に言ったでしょう。博麗霊夢の審判を開始します、と」
「……え……と」
「審判は私が独断でするものです。あなたたちの話など……
関 係 な し !」
「い……言い切ったーーーーっ!!」
「では文さん、最後にいつものアレを。前に出てください」
「はい」
……こほん。
「世間の法より!」
「私が正義!」
「今日もあなたを!」
「裁きにいくよ☆」
『プリンセス☆ヤマザナドゥ!』
きらーん。
「――お前ら全員……地獄行き」
「……」
「……」
「……」
「そ、それではこれにて閉廷っ」
「やっぱり本人も恥ずかしいんだ……」
「しょっぱなから何飛ばしてるのよ裁判長ーーっ!?」
「私がルールです。文句のある人はすぐさま腹を切って死ぬべきである」
「いきなり先行き不安ね……」
「そこ、被告人は勝手に喋らないこと。今のルール違反による罰則はグラニュー糖で例えればわたあめ34個分ですよ」
「重いのか軽いのかー!?」
○裁判官:四季映姫・ヤマザナドゥ
○検察官:アリス・マーガトロイド
○弁護士:霧雨魔理沙
○被告人:博麗霊夢
罪状:霧雨魔理沙(人間)のハートを盗んだ疑い。
【冒頭弁論】
「それではミス・捨て犬クイーン、アリスさん。事件の説明をお願いします」
「勝手に欝になりそうな二つ名付けないで! ……えー。こほん。事件は簡単です。そこの被告人が、卑怯にもハプニングを装って着替え中を覗かせるという計画によって、魔理沙とひと悶着してみせた後……その、色々あって! 魔理沙の心を奪ってしまったという事件です。検察側はこの犯罪に対して『同じ歌のサビの部分だけ延々と頭のなかでリピートされつづけて結局何の歌なのか全然思い出せない』刑を求刑します」
「はい。で、弁護人。まさにあなたが事件の被害者というわけですが、何かコメントはありますか?」
「あー……いや、私は……別に、その……へへ……」
「はい、すっかり奪われてますね。ハートだけじゃなくておそらく色々と。具体的にはしょ」
<<異議あり!!>>
ばんっ!
「それ以上の裁判長の発言を認めません!」
「処女」
「せっかく止めたのにあっさり言っちゃったー!?」
「……あ、その……そんなことは……な、なあ霊夢?」
「え!? あ……うん、ま、まだそこまでは……」
「きーーーっ!! そこの二人勝手に会話しない! フーッ! ……ぜーはー……。――検察側は求刑を『毎晩寝ようというときに隣の部屋からアレな声が聞こえてくる刑』に切り替えます」
「はい。私はまあなんでもいいです。興味ないので」
「裁判長ぅぅぅ」
「問題となるのは、被告人の行動が計画的だったかどうかになりそうですね。それでは証人の召喚をお願いします」
「では証人、名前と職業を」
「はい! 名前は射命丸文。新聞記事を書いたり取材したり配ったりするのが仕事ですっていうか日課です。あと同業他者の新聞屋に、とりあえず強引に迫れば新聞取ってくれそうな人を教えるのも仕事ですっていうか趣味です」
「あ……あなたね!? あなたの仕業だったのねーー!?」
「ああ、アリス新聞4つも取ってるからよほど新聞好きなんだなあって思ってたんだが、謎が解けたぜ」
「嫌ぁっ……もうビール券もギフト券も嫌ぁ……」
「では文さん、事件について証言していただきましょう」
「会話の流れ全部無視ー!? ちょ、裁判長、ついでにこいつも一緒に裁いちゃってください!」
「それは一昨日の朝のことでした――」
「始まっちゃったー!」
【証言開始】
「その日は朝から、連載コラムのための取材結果、『自分から脱ぐのと脱がされるのとどちらが恥ずかしいか?』について情報を整理していました――」
<<待った!>>
ばんっ!
「……」
「どうしました? アリスさん」
「えっ……その……詳しく!」
「この取材についてですか?」
「アリスさん、それは事件と関係あるんですか? ってか、検察側が尋問っすかー? おかしくね?」
「い、いきなり砕けた口調にならないでください! 気が抜けます!」
「で、事件と関係ある部分なんですか?」
「それは――もちろんです! むしろそれこそが事件の本質といってもいいでしょう!」
「わかりました。それではそこを詳細に証言してください、誉なる音速の姫、文さん」
「私と違ってなんかカッコいい二つ名ー!?」
【証言再開】
「その日は朝から、取材結果を記録した合計27枚の紙資料から結果を重みつき数値に変換して評価してから各種統計処理を行いまして、その結果を円グラフ等にまとめながら――」
<<異議あり!>>
ばんっ!
「……そ……そうじゃなくてっ!!」
「お、おい霊夢……よせよ、こんなところで……ん……」
「いいじゃない、みんな知ってるんだし……赤くなっちゃって可愛いんだから」
「や……やめろって……こらっ」
「嫌なの……?」
「……こ、こんな顔は……おまえ以外には見せたくないんだ」
「……もう……♪」
「っぅだあああああああああああああああああっ!!!!!」
【証言再開(目撃したこと)】
「資料整理にも疲れてきてたので、休憩とネタ探しを兼ねて、いつものようにこの、1000km先の貼り紙から燃えるごみ回収日の曜日まで読み取れる自慢の千里眼で幻想郷を覗き見していたわけです」
<<待った!!>>
ばんっ!
「……い、いつもそんな、覗いてるの?」
「仕事ですから」
「いや立派に犯罪でしょ! 裁判長、やっぱりこいつ――」
「アリスさんは夜10時過ぎからがとても面白いですね。この機会にあの行為について質問させていただいてもよろしいでしょうか?」
「――さあ、証言を続けてもらいましょう」
【証言再開(目撃したこと)】
「そういえば昨日の晩もアリスさんはまり
<<異議あり!!>>
「……ッ!!」
「――冗談です。ほら、そんな顔すると自慢の人形が台無しですよ」
「意味わかんないわよ!!」
(ほら、これなら誰からも見られないでしょ)
(そ……そうだけどさ……ひゃんっ!? ん、ぁ……っ)
(もう、声出しちゃったら、気付かれるでしょ? 魔理沙ってば)
(そ、そんなこと言ったって、霊夢が……あッ、や、まって……そこ……!)
(あは♪ やっぱり魔理沙は耳が弱いんだ……♪)
「さああああいいいいばんちょおおおおおおおっ!! ひ、ひ、ひ被告人を!! 直ちに法廷侮辱罪名誉毀損罪えーとあと窃盗横領強制わいせつ有限要素法セントビンセントおよびグレナディーン諸島アトランチスの謎その他で裁いてやってください!! 刑罰は『くしゃみが出そうで出ない状態が7日間続く刑』で!」
「……え? あ、まだ続いてたんですか、これ。寝てました」
「か、かかかか、かっ……きいいいぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
「うるさいですよアリスさん。地獄に落としますよ。まあ何も無くても落としますけど」
「……ぐすっ……しょ……証言を、つづけて……ください………くすん……」
【証言再開(目撃したこと)】
「そのときです! なんと、半裸の霊夢さんが泣きながら魔理沙さんに迫っているではありませんか! これはいったい何事でしょう!」
「そうそう、それを証言すればいいのよ、さっさと」
「衝撃的な情景でした。顔を赤くしながら魔理沙さんに詰め寄る霊夢さん。おろおろしながら頭を下げる魔理沙さん。私は直感しました。事件だと!」
「そう、それで!」
「ショックでした。その後二人は仲直りをしたように見えたかと思えばすぐに――霊夢さんが……霊夢さんが!」
「き、聞きたくないけど、何があったのか! そこが重要よ!」
「――ショックでした。ショックのあまり私は近づいてからその様子を撮影して」
「もちろんそれを記事にしたのね!?」
「その勢いで、アリスさんの秘密の遊びについて特集を組んだ新聞をばら撒きまくりました」
「何の関係もないとばっちりキターーーーーーー!? ……って、キター言ってる場合じゃないわよ! すぐに回収しなさい! ていうかうちには届いてないわよ!?」
「ええ、言葉どおりばら撒きましたから。むしゃくしゃしてやった。(社会的に)殺すつもりはなかった。今は楽しんでいる」
「……こっ……」
(あ、れ……むっ……も、もぉ……ん、やぁ……ッ!)
(ん……はぁ……魔理沙の声聞いてたら、私も……っ)
(んぁ……れいむ、すき、大好き……ッ!)
(私も……魔理沙……あ、ぁ……っ!!)
「……裁判長」
「はい?」
「帰っていいですか」
「魔理沙さんの等身大人形が待っている部屋にですか」
「裁判長新聞読んでるうううぅぅぅう!?」
【判決】
「では、判決を下します」
「いきなり!? な、なんか話進んだっけ?」
「ここまでの話で、アリスさんが魔理沙さんを模したダッ○ワイフに汚れた欲望を吐き出す日々を送っているうちに、本物の魔理沙さんがそこの霊夢さんとべったりねっちょりになっているという実に愉快な現実が明らかになりました。私は昨日から知っていたので新聞読みながら指差して爆笑していたわけですが」
「なんで私の公開処刑みたいになってるのー!?」
「このかんどうをあたえてくれたあなたにおれいがしたい。どんななやみでもきいてあげましょう」
「チェーンソー持ってくるわよ本気で」
「そうカリカリするものではありません。ぶっちゃけあなたは世界的に見てもかなり痛い話に分類されるような失恋をしたわけですが、逆に考えれば歴史に名を残せるということです。あなたの痴態は永遠に語り継がれ、例えばこの話を夜に王様にすることによってそいつは傑作だ恥ずかしい女もいたもんだわっはっはと王様が満足して殺されずにすむ女性がどこかのアラビアにいるかもしれないわけです。ほら、あなたは見事に一人の命を救いましたよ。よかったですね。ぷぷーっ」
「……もう……いっそ殺して……」
「あ、はい。地獄行き希望ですか。小町ー」
「本気だー!? い、い、いえいえ冗談ですって地獄はシャレになんないから許してくださいほんとマジで死んでからくらい幸せに暮らしたいです」
「すっごく悲しい言葉」
「誰のせいよッ!」
「概ね自業自得だと思いますが」
「しくしく……」
「はい、判決です。被告人は……とりあえずちょっと服を調えてから、私の前まで来てください」
「へ!? あ、ちょ、待ってっ」
がさごそ……
「……行ってくるね、魔理沙」
「ああ。気をつけてな。帰ってくるの……待ってるから」
「うん……」
「……? どうした、行かないのか?」
「……いってらっしゃいのキスが、まだだもん」
「お……おいおい、人前だぜ……そんな恥ずかしいこと……っ!?」
「んっ……ぷは……ふふ、油断しちゃダメね」
「……まったく……強引だな」
「強引なのは、嫌い?」
「おまえなら……いい」
「ん……魔理沙ってば……だから、大好き」
「はやく来なさいって。私はいいですけど、そこの検察官さんがそろそろプッツンきて週末のひとりSMショーを始めてしまうわよ」
「したことありませんっ!! なんで毎週やってるかのような表現!?」
「お待たせー」
「はい、それでは少し失礼して――」
むにゅん。
「ひゃん!?」
がたっ!
「お、おい、何を――」
立ち上がりかけた魔理沙を静かに手で制したのち。
ぐっと親指を立てて。
無 罪
判決理由:「小 さ い か ら …よし!」
「裁判関係無ーーーーーーーーっ!?」
「以上、お疲れ様でした」
「待ってよ! 結局何だったのよ! 全然裁判になってないじゃないっていうか私がひとり攻撃されまくっただけだった気がするー!?」
「裁判? 何ですかそれ?」
「……へ?」
「最初に言ったでしょう。博麗霊夢の審判を開始します、と」
「……え……と」
「審判は私が独断でするものです。あなたたちの話など……
関 係 な し !」
「い……言い切ったーーーーっ!!」
「では文さん、最後にいつものアレを。前に出てください」
「はい」
……こほん。
「世間の法より!」
「私が正義!」
「今日もあなたを!」
「裁きにいくよ☆」
『プリンセス☆ヤマザナドゥ!』
きらーん。
「――お前ら全員……地獄行き」
「……」
「……」
「……」
「そ、それではこれにて閉廷っ」
「やっぱり本人も恥ずかしいんだ……」
七色の意見を無視して突っ走る映姫様最高。
さらに法廷無視してネチョってる二人も…
この突込みが素晴らしすぎる。
腹抱えて笑いました。GJ!
誰かアリスを幸せにしてやってくれ。体を抱えて笑いこんでしまっいましたって我が道行きすぎだあんたらw(一名除く)
でもあえて一番を上げるなら、
>「このかんどうをあたえてくれたあなたにおれいがしたい。どんななやみでもきいてあげましょう」
……ネットカフェとかじゃなくて、家のPCで読んでいて心の底から良かったと思えるほど大・爆・笑っしたッ!
久しぶりにやりたい放題やってみました。
受け入れていただけてホっとしております。ありがとうございます(///
>まっぴーさま。
会話はほとんど文とアリスの間でしか成立してませんねっ
いやしてるのかどうか。アレですけれど。
あとはやっぱりレイマリでした。きゃ。
>はむすたさま。
ありがとーございますー!
笑ってもらえるか引かれるかはギリギリのラインですねっ
ドキドキだったので嬉しいです。はふ
>ななしさま。
(/_;)
>T.さま。
地獄の業火に……! まさに!
>葎灰さま。
アリスは可哀想です。可哀想な子です。
本当に幸せになってほしいですね! 誰でしょうこんなかわいそうな運命を与えたのは……!
>大根大蛇さま。
わーい。嬉しいです嬉しいです嬉しいですー!
ネタはもう数うちゃ当たる作戦です! 打ちまくりです!
たまにこういうのやるととっても楽しいです。うふふ
これって多少他のパターンとかもあるかなぁと思ってみたり…
誰があるだろ…