むか~しむかし、ある池に、カエルの親子が住んでいました。
カエルのお父さんはとても大きくて、子供たちの憧れの的でした。
レミリア「いくら萃夢想であんなだからって、こういう役は無いんじゃない?」
咲夜「と、言われましてもねぇ・・・。」
パチュリー「それをはっきりと言うことはないけど、分かってるわね?」
咲夜「ええと、まぁ、ええ・・・何となく。」
フランドール「じ~・・・。」
咲夜「何か?」
フランドール「おっきいからって、あんま調子に乗らないことね。」
咲夜「はあ・・・。」
子供達があんまり褒めるものですから、お父さんは照れてしまいました。
ある日子供たちは、池から少し離れた場所へ遊びに行きました。
レミリア「ていうか私たち、水辺はあんまり好きじゃないんだけど。」
フランドール「そうそう。力が半分も出せないし。」
パチュリー「弱点、克服できるんじゃないかしら?慣れで。」
レミリア「そんなんでどうにかなる弱点なの?」
なんとな~く元気は無さそうですが、子供たちは遊んでいます。
楽しく遊んでいた、そのときです。
レミリア「むっ?」
何かが、近づいてくる気配を感じました。
パチュリー「この気配、ただ者じゃないわ。」
フランドール「面白くなりそうね。」
子供達に、緊張が走りました。
そして、しばらくしたそのときです。
紫「ふぁ~・・・・。眠い・・・。」
見たことも無い生物が、子供達の前に現れたのです!
レミリア「・・・・おっきい。」
フランドール「凄いね。」
その生物は、お父さんより遥かに大きく、子供達はびっくりして言葉が出ません。
実はその生物はウシなのですが、子供達はまだ見たことがありませんでした。
余りの大きさに、子供達はただただ、じっと見ていることしかできません。
紫「ラジオ体操第一~、腕を前から上げて、大きく背伸びの運動から~。」
いっちにい、さんしい、とウシは運動をしています。
ウシは大きいので、動くたびによく揺れます。
パチュリー「これは、お父さんに勝るんじゃないかしら?」
フランドール「帰って報告ね。」
子供たちは慌てて、お父さんのところへ戻りました。
フランドール「お父さん、お父さん!」
咲夜「どうしたの?子供たち。」
レミリア「実はかくかくしかじかで、大きなのが居たの。」
咲夜「ああ、それは『怪人寝太郎』と言って・・・。」
パチュリー「嘘はいけないと思うわ、お父さん。」
咲夜「冗談よ。それはきっとウシと言う生物で、とっても大きいのですよ。」
お父さんは、あの大きなのはウシじゃないかと子供達に説明しました。
しかし、お父さんも直接は見たことが無いようです。
フランドール「ふうん。そんなのが居るんだ。」
咲夜「でもまぁ、私には及ばないです。」
レミリア「いや、実はそうじゃないのよね。」
咲夜「?」
パチュリー「早い話、お父さんより大きかった、と言う事よ。」
咲夜「そ、そうなんですか?」
レミリア「ええ。ちょっと、お父さんの大きさじゃ説明がつかないくらい。」
咲夜「むむ・・・。それじゃあ、少し待っててください。」
子供達の話を聞いて、お父さんは自分の部屋に入って行きました。
そして、少しして出てきました。
咲夜「そいつは、こ、これくらい・・・・おっきかったですか?」
部屋から出てきたお父さんは、一回り大きくなっていました。
ちょっと顔が赤いようですが。
レミリア「・・・・青いわね。」
フランドール「もっとおっきかったわ。」
咲夜「な・・・。」
それでも、ウシよりは小さいようです。
お父さんはまた、部屋に入って、少しして出てきました。
咲夜「では、これくらいですか?」
レミリア「ん~、まだまだね。」
パチュリー「もっとこう・・・ね。」
お父さんはまた部屋に入って、出てきました。
咲夜「これでどうですか!?」
お父さんは、もう一回り大きくなっていました。
しかし。
パチュリー「駄目ね。もっと大きかったわ。」
レミリア「もう無理なんじゃない?」
咲夜「まだまだ!」
今度は部屋に入らず、家の中をどたどたと駆け回りました。
そして、何かを拾ってきたかと思うと、やっぱり部屋に入って行きました。
少しすると、更にもう一回り大きくなったお父さんが出てきました。
咲夜「これで!」
フランドール「もう一声!」
レミリア「惜しいわね。」
咲夜「くぅ~っ!」
まだ小さいようです。
お父さんは、今度は何処かへ走って行きました。
それから少しして、帰ってくると、毎度の如く部屋に入って出てきました。
咲夜「これなら!」
お父さんは、さっきよりもっともっと大きくなっていました。
レミリア「あら、中々いい感じね。」
フランドール「凄い凄い。お父さん大きいわ。」
パチュリー「確かに。あいつより大きいわよ。」
咲夜「ありがとう子供達。」
お父さんはついに、ウシを超える大きさを手に入れたのです。
しかし、悲劇が起こりました。
ぶちっ!
パチュリー「ん?」
咲夜「え?」
ぶちぶち!
フランドール「なあに?この音。」
咲夜「ああ・・・・。」
ぶちぶちぶちぶちぶち!
レミリア「あ、ボタンが・・・。」
咲夜「ああぁぁぁ~~~~・・・・!」
お父さんが、はちきれてしまいました。
お父さんはそのまま、どっかへすっ飛んで行ってしまいました。
レミリア「あ~あ。無理するから。」
パチュリー「二人とも、あれ見て。」
フランドール「うわ~・・・。」
お父さんの居た場所には、お父さんの一部だったモノが転がっています。
パチュリー「これは・・・ええと、大きく見せる為に詰めるアレかしら?」
フランドール「あ、肉まん。」
レミリア「あら、こっちには香霖堂印の、上げ底するやつが。」
残骸は、見るも無惨なものでした。
フランドール「ここまでして、大きくなりたいモノなの?」
パチュリー「まぁ、私たちが煽ったようなものだけどね。」
レミリア「そういう年頃なのよ。お前には分からないでしょうけど。」
フランドール「じゃあ、お姉様たちは分かるの?」
パチュリー「分からないわ。」
レミリア「右に同じ。でもね・・・。」
こほん、と咳払いしました。
レミリア「大切なのは、見た目の大きさなんかじゃなくて、その奥にある物こそが大切なのよ。」
パチュリー「あら、たまには良い事言うのね。」
フランドール「綺麗に締めたね、お姉様。」
その後お父さんは蒸発、行方不明になってしまいました。
しかし子供達は、今日のこの出来事を一生の教訓にして、
以後の永い生を、誇り高く、立派に生きたそうです。
おしまい
キャスト
カエルのお父さん ・・・ 十六夜 咲夜
カエルの子供達 ・・・ レミリア・スカーレット、フランドール・スカーレット
パチュリー・ノーレッジ
ウシ ・・・ 八雲 紫
カエルのお父さんはとても大きくて、子供たちの憧れの的でした。
レミリア「いくら萃夢想であんなだからって、こういう役は無いんじゃない?」
咲夜「と、言われましてもねぇ・・・。」
パチュリー「それをはっきりと言うことはないけど、分かってるわね?」
咲夜「ええと、まぁ、ええ・・・何となく。」
フランドール「じ~・・・。」
咲夜「何か?」
フランドール「おっきいからって、あんま調子に乗らないことね。」
咲夜「はあ・・・。」
子供達があんまり褒めるものですから、お父さんは照れてしまいました。
ある日子供たちは、池から少し離れた場所へ遊びに行きました。
レミリア「ていうか私たち、水辺はあんまり好きじゃないんだけど。」
フランドール「そうそう。力が半分も出せないし。」
パチュリー「弱点、克服できるんじゃないかしら?慣れで。」
レミリア「そんなんでどうにかなる弱点なの?」
なんとな~く元気は無さそうですが、子供たちは遊んでいます。
楽しく遊んでいた、そのときです。
レミリア「むっ?」
何かが、近づいてくる気配を感じました。
パチュリー「この気配、ただ者じゃないわ。」
フランドール「面白くなりそうね。」
子供達に、緊張が走りました。
そして、しばらくしたそのときです。
紫「ふぁ~・・・・。眠い・・・。」
見たことも無い生物が、子供達の前に現れたのです!
レミリア「・・・・おっきい。」
フランドール「凄いね。」
その生物は、お父さんより遥かに大きく、子供達はびっくりして言葉が出ません。
実はその生物はウシなのですが、子供達はまだ見たことがありませんでした。
余りの大きさに、子供達はただただ、じっと見ていることしかできません。
紫「ラジオ体操第一~、腕を前から上げて、大きく背伸びの運動から~。」
いっちにい、さんしい、とウシは運動をしています。
ウシは大きいので、動くたびによく揺れます。
パチュリー「これは、お父さんに勝るんじゃないかしら?」
フランドール「帰って報告ね。」
子供たちは慌てて、お父さんのところへ戻りました。
フランドール「お父さん、お父さん!」
咲夜「どうしたの?子供たち。」
レミリア「実はかくかくしかじかで、大きなのが居たの。」
咲夜「ああ、それは『怪人寝太郎』と言って・・・。」
パチュリー「嘘はいけないと思うわ、お父さん。」
咲夜「冗談よ。それはきっとウシと言う生物で、とっても大きいのですよ。」
お父さんは、あの大きなのはウシじゃないかと子供達に説明しました。
しかし、お父さんも直接は見たことが無いようです。
フランドール「ふうん。そんなのが居るんだ。」
咲夜「でもまぁ、私には及ばないです。」
レミリア「いや、実はそうじゃないのよね。」
咲夜「?」
パチュリー「早い話、お父さんより大きかった、と言う事よ。」
咲夜「そ、そうなんですか?」
レミリア「ええ。ちょっと、お父さんの大きさじゃ説明がつかないくらい。」
咲夜「むむ・・・。それじゃあ、少し待っててください。」
子供達の話を聞いて、お父さんは自分の部屋に入って行きました。
そして、少しして出てきました。
咲夜「そいつは、こ、これくらい・・・・おっきかったですか?」
部屋から出てきたお父さんは、一回り大きくなっていました。
ちょっと顔が赤いようですが。
レミリア「・・・・青いわね。」
フランドール「もっとおっきかったわ。」
咲夜「な・・・。」
それでも、ウシよりは小さいようです。
お父さんはまた、部屋に入って、少しして出てきました。
咲夜「では、これくらいですか?」
レミリア「ん~、まだまだね。」
パチュリー「もっとこう・・・ね。」
お父さんはまた部屋に入って、出てきました。
咲夜「これでどうですか!?」
お父さんは、もう一回り大きくなっていました。
しかし。
パチュリー「駄目ね。もっと大きかったわ。」
レミリア「もう無理なんじゃない?」
咲夜「まだまだ!」
今度は部屋に入らず、家の中をどたどたと駆け回りました。
そして、何かを拾ってきたかと思うと、やっぱり部屋に入って行きました。
少しすると、更にもう一回り大きくなったお父さんが出てきました。
咲夜「これで!」
フランドール「もう一声!」
レミリア「惜しいわね。」
咲夜「くぅ~っ!」
まだ小さいようです。
お父さんは、今度は何処かへ走って行きました。
それから少しして、帰ってくると、毎度の如く部屋に入って出てきました。
咲夜「これなら!」
お父さんは、さっきよりもっともっと大きくなっていました。
レミリア「あら、中々いい感じね。」
フランドール「凄い凄い。お父さん大きいわ。」
パチュリー「確かに。あいつより大きいわよ。」
咲夜「ありがとう子供達。」
お父さんはついに、ウシを超える大きさを手に入れたのです。
しかし、悲劇が起こりました。
ぶちっ!
パチュリー「ん?」
咲夜「え?」
ぶちぶち!
フランドール「なあに?この音。」
咲夜「ああ・・・・。」
ぶちぶちぶちぶちぶち!
レミリア「あ、ボタンが・・・。」
咲夜「ああぁぁぁ~~~~・・・・!」
お父さんが、はちきれてしまいました。
お父さんはそのまま、どっかへすっ飛んで行ってしまいました。
レミリア「あ~あ。無理するから。」
パチュリー「二人とも、あれ見て。」
フランドール「うわ~・・・。」
お父さんの居た場所には、お父さんの一部だったモノが転がっています。
パチュリー「これは・・・ええと、大きく見せる為に詰めるアレかしら?」
フランドール「あ、肉まん。」
レミリア「あら、こっちには香霖堂印の、上げ底するやつが。」
残骸は、見るも無惨なものでした。
フランドール「ここまでして、大きくなりたいモノなの?」
パチュリー「まぁ、私たちが煽ったようなものだけどね。」
レミリア「そういう年頃なのよ。お前には分からないでしょうけど。」
フランドール「じゃあ、お姉様たちは分かるの?」
パチュリー「分からないわ。」
レミリア「右に同じ。でもね・・・。」
こほん、と咳払いしました。
レミリア「大切なのは、見た目の大きさなんかじゃなくて、その奥にある物こそが大切なのよ。」
パチュリー「あら、たまには良い事言うのね。」
フランドール「綺麗に締めたね、お姉様。」
その後お父さんは蒸発、行方不明になってしまいました。
しかし子供達は、今日のこの出来事を一生の教訓にして、
以後の永い生を、誇り高く、立派に生きたそうです。
おしまい
キャスト
カエルのお父さん ・・・ 十六夜 咲夜
カエルの子供達 ・・・ レミリア・スカーレット、フランドール・スカーレット
パチュリー・ノーレッジ
ウシ ・・・ 八雲 紫
大切なもの。 でも大きくないと、その奥のものも乏しい訳d(エターナルミルク
なんて物悲しい話なんだ!
と言うか香霖堂にはパッt・・ま・・で・・・置いt・・・(後頭部にナイフ
以下、個人的な戯言
某スレで生まれた言葉―――『品乳』
これが、これこそが俺が探し求めたカタチ。
今回のメンツにはビタイチ関係ないですg(惨殺空間発動)
あぁ、中国だったら串刺しだからなぁ・・・
デカくても垂れたりしてるのは…とか思うし、ゆかりんなんて年r(スキマ