Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

嫌いなあの娘

2005/07/23 22:40:48
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私はあの娘が嫌いだ。




私がせっかく作り上げたプランもあの娘のせいで全て台無しになった。
何故あの霧を生み出したのか、本当の理由を知らないままに、何にも分かってない癖に
霧を消し勝手に事態をややこしくして、勝手に去っていった。




私はあの娘が嫌いだ。




霧を出した本当の理由は吸血鬼の感情の沈静化。
世界の夜の属性を霧によって濃くする事で、妹様の心を鎮める。
そうすれば、妹様も普通の生活とまでは及ばずとも、今の地下牢に閉じこもった生活からは解放されるはず。
それが私の考えた妹様を地下牢から出すためのプランだった。

レミィにはそこまでは教えていない、ただ、憎たらしい太陽を遮り、
尚かつ力の増える良い方法があると教えただけだ。

レミィの妹に対する興味は、著しく低い。
せいぜい、定期的に人間を加工した食事を与えている程度だ。
最初に妹様に会ったとき、私は有無を言わず、自らの唯一の友人をひっぱたいた。
たった二人きりの姉妹なのに、何故あんな所に閉じこめるのか、妹の事を愛していないのかと。

レミィの答えは淡泊だった、
己の力すら扱えない未熟者はスカーレット家に必要ない、外に出す必要もない。
自分勝手な言いぐさだった。己が夜の貴族であることを象徴するように。

その日から、私の妹様への家庭教師が始まった。
ヴワル魔法図書館で読む本の傾向も変わった…らしい。
司書に雇った小悪魔がそんな事を言っていた記憶がある。
純然たる知識書から、子供向けの教育の本へ、それから吸血鬼に関する本へ。
妹様を外へ出そうと考え出したのはその頃からだろう、恐らく。

人ではないにしろ、妹様やレミィは人がいないと生きていけない。
ならば獲物である人間を知り、人間と触れ合うことが必要になる。
今の状態では、妹様は一生地下牢に閉じこもったままになるだろう。
それは吸血鬼の生活として望ましいものではない。改善が必要だ。

でも私は、そんなご託よりも、レミィと妹様に、姉妹一緒に過ごして欲しかったのだ。
地下牢での生活しか知らない妹様に外の生活や外の世界の事を知ってもらたかった。
そして、妹様は紅魔館の皆から愛されていると言うことも、
地下牢の授業ではとても教えられなかったことを教えたかった。
レミィに、本来の妹とはどういうものか、家族という物がどういうものかを知って欲しかったし、
何よりたった一人の家族、妹を愛して欲しかった。

その為に組んだプランを完膚なきまでに破壊し、いい気になってる白黒のあの娘。
人の事も知らないでさも愉快なことでしょうとも。




私はこの娘が嫌いだ。




この娘は私のプランを乱す。これ以上の勝手はさせてはいけない。
ましてや、プランの中でも重要な因子である妹様に会わせるなど、
絶対に許さない。

「なによ、また来たの?」

「あんたかい、これらの仕業は?」

これらの仕業とはどこからどこまでだろう?心当たりが多すぎる。

「今それどころじゃないのよー」

本当にそれどころじゃない、私のプランは既に現在進行形で乱れている。
霧で妹様の気を鎮めた後に妹様を外に出そうとしていたのに、まるっきり逆の展開で状況が進んでいる。
とりあえず雨を降らせて、妹様を外に出さないように、それからプランの再構成を

「あんたといい、妹様といい、今日は厄日だわ!」
初めましてvolです、毎日弄られたりぐるぐる回されるのが仕事です。

パチュ一人称で黒白×フランに対するアンチテーゼというか物言いへの情熱だけでできあがった作品です。
でも、実のところ、黒白と紅白介入前にフランを一番想っている人って誰なんでしょうね。
やっぱり作中のレミィ見たく要らない娘扱いでしょうか。


それはそれで(良くない)
vol
コメント



1.名無し妖怪削除
美鈴。根拠はないけど……虹色つながりで。
黒白×フランはどっちかというと黒白←フランだと思うが。