1
「フフフ魔理沙め!
数え切れぬ乱暴狼藉最早許さぬ!
貴様の明日の食卓を全て洋食にしてあげるわ!
『十三枚、私は和食派ですわ』だなんてもう言えない位毎日毎日甲斐甲斐しく洋食を作ってやるわ!」
「パチュリー様、それは単なる通い妻です」
2
「魔理沙め……。よくもこの私に恥を!」
「何やられたんですか」
「ああ小悪魔聴いて! 魔理沙ったら私が焦がしたパスタを見て「しょうがないなあパチュリーは」なんて笑ったのよ!
しかも横からそれを食べて「美味いぜ?」なんてありえない皮肉をかましたのよ! 自分は料理出来るからって!
「私には何か別の光景が見えるのですが……。
それで、パチュリー様はどうなさったのですか?」
「決まってるじゃない。せっかく作ってやるって言うから魔理沙の料理を食べてやったわ。
白米と沢庵って意外と美味しいのね」
「――つられてるよこの御方」
3
「ええいこうなったら作戦変更よ」
「はいはい、今度はどんなしょうもない作戦でごさいますか?」
「魔理沙がね、愚かにも「来てやったらご飯作ってきても良いぜ」なんて言うから毎日の様にご飯を戴きに行くのよ!
うふふ魔理沙め、恐怖に怯えるが良い! 三杯目はそっとなんて出してあげないんだから!」
「はあ……。
ところでパチュリー様? ヒモって言葉ご存じで?」
4
「くううう!」
「どうなされましたパチュリー様!」
「やられたわ! 魔理沙め! こんな、こんなワナにあっさり引っかかるだなんて……!」
「あ、そうですか。魔理沙さん関連ですか。で、今度はなんですか?」
「太ったのよ! 三キロも! 魔理沙の奴め、これを見越して!」
「……自業自得って言葉、貴女様の脳髄にはございますか?」
「魔理沙が「最近肌ツヤよくなったんじゃないか」って言ったのも全てこの為という事ね!」
「いやそれは多分本心……聴いてないなこの御方はもう」
5
「あれ、今日は魔理沙さんの処に行かないんですか?」
「貴女、それは私にもっと太れという事なの?」
「パチュリー様は今まで痩せすぎだったんですから、太ったぐらいで丁度いいんですよ」
「……それもそうね。
いえ、小悪魔。違うわ。決して違うわ。決して魔理沙のご飯に釣られてるなんて事は」
「はいはい、とっとといってらっしゃいませ」
6
「まったくもう腹が立つわね! 魔理沙め!」
「はあ……今度は何をしたんですか?」
「ご飯の後、お風呂に入ったのよ。一緒に」
「既に風呂に一緒に入る仲ですかそうですか」
「そしたら生えてたのよ! 魔理沙に」
「……あー。ええと。うん。その言葉から察するに、パチュリー様はまだ、と?」
「当然じゃない。で、魔理沙ったら何て言ったと思う? 「綺麗だな」ですって?
何よそれは! 私が幼児体型な事に対する当てつけなの?!」
「それは違いますからと言ったところで聴いてくれないんだろうなあこの人はモウ」
「ムカついたから思わず魔理沙の口を塞いじゃったわよ! 自分の口で!
くっくっく、あの恐れおののく顔、そうよ私が見たかったのはこれよ!」
「アンタ本当に何やってんですか」
7
「――よし、今度こそ!」
「何今度はくっっっだらない事を企んで居るんですかパチュリー様」
「魔理沙からお泊まりしないかって誘われたのよ。フフフ、まったく魔理沙め。
自分から敵をおびき寄せるだなんて愚かも良いところよ!」
「敵……ああ、敵でしたねそう言えば。で、今回は何を?」
「ふふふ、眠っている間に魔理沙の額に肉と書いてやるのよ」
「……はいはい。もう勝手にしやがれ」
8
「くうううう! くううううう! パチュリー=ノウレッジ、一生の不覚!」
「貴女何時でも不覚ばっかりのような気もしますが、何やったんですか」
「先に寝ちゃったのよ! お陰で肉と書く暇が無かったわ!
これも魔理沙のご飯が美味しすぎて五杯もお代わりしちゃったからね!」
「だからそれは自業自得だと何度言ったら気づいてくれるんだろうなあこの人の耳は」
「その上何よ! 私の頭を枕に乗せないで、魔理沙の腕に乗っけるだなんて!
人が眠っている間にあんな破廉恥な事をするなんて!」
「パチュリー様、御自分が何をしようとしていたか覚えてますか?」
「お返しに魔理沙の胸を揉んでやったわ!」
「何故」
「でも揉めなかったわ! くそう! 魔理沙ったら全然成長してないんだからもう!」
「起きなかった事を奇跡だと思ってください」
9
「くうう……あれも駄目。これも駄目! どうすれば魔理沙をギャフンと言わせる事が出来るの!」
「――もう結婚しちゃったらどうです?」
「それよ!! 流石小悪魔! 私に思いつかない事をさらりと言ってくれるわね!
そうね、私みたいなのに告白なんぞされちゃったら十日十晩恐れおののき、最後には発狂するに決まってるわ!」
「自分で何言ってるのか判ってるんですかー?」
「じゃあ行ってくるわ!」
「はい、お幸せに~」
10
こうして。
魔理沙とパチュリーは末永く幸せに暮らしましたとさ。
「……あれ?」
はーどっとはらい
と、身構えていたら見事なリバーブローが炸裂しました!
危険状態です!!
笑いが止まりません。どうしてくれるんですか。
ウボァー
スゴイ!
なんかもう、スゴイ!!
魔理沙視点から見たらきっとギャグじゃないんだろうなあこれ
ここで違う事を考えた俺は(スキマ
最高、上手い、大爆笑。アホや! アホやでノウレッジ!! あんた美味し過ぎ!!
点数つけるなら90点つけますよ私は。魔理沙の視点でも読んでみたいです^^(100点は意地でもつけたくないタイプ)
おなじこと考えました(シルフィホルン
是非とも魔理沙視点の話を!
とても甘い話になりそうな予感(*´ω`)
いや、良い意味で見事にやられましたよ。お見事です。
舞台でのコントを見てる様な、テンポの良いギャグの連発が素晴らし過ぎです! しかもラブラブだし。
ちなみに、生えたと言われれば誰だって勘違いしますよね?
暴走機関車なパチュリーと冷静というか最後は投げやり気味な
小悪魔のツッコミと何気に甘々な所とか全て素晴らしい!
明後日どころか来年の方向に突っ走ったまま帰ってこないっぽいパチュリーが。
そしてこれ以上にないって程冷静な小悪魔の突っ込み。
ところで、口で口を塞いだって……前後の話の流れから察するに
風呂場でしかも裸でかよ!
人形使いのお嬢さんとは明らかに違ったベクトルだw
この感情判別できてないやたら動く大図書館!
「――もう結婚しちゃったらどうです?」 ってアレ確信犯ですよね? 小悪魔サン。
うほっいいツンデレ!
チルノでやっても似あいそうな気もするよ。アリスだと5辺りでストップしそうですがw
してやられました。
めっさ面白いですやん。
どう聞いても「ノロケ話」しか聞こえません。
ご馳走様でした。
本当に(ry