Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

冬のわすれもの-そして、もうひとつの結末-

2005/06/23 11:48:46
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※これは、創想話の「冬の忘れもの」の最終篇にあたります。そちらをまだお読みでない方は、どうか先にお読み下さると幸いです。






















それから数ヶ月が過ぎ、再び幻想郷に冬が廻って来た。チルノとトリルは、今日も弾幕ごっこに励んでいた。
「今度レティに会った時は、きっと勝つんだからね!ほらトリル、気合入れて特訓よ!」
「うん、頑張…わ!わわ!ちょ、ちょっとチルノちゃんタイムタイム!それちょっと無理、避けられないってばぁ~!」
そんな二人に、鋭い声がかかった。
「危ない、下!」
「へ?!…あわっ!」
「え、えぇ?!…はぎゃ!」
思わず下を向いたトリルにチルノの氷弾が直撃し、チルノに上から雹弾が降り注ぎ、二人はそのまま土手の上へとどすんと音を立てて落下した。
「ふふふ…相変わらず甘いわねえ。注意をそらしちゃ駄目って言ったでしょ?」
冬の澄んだ空に、眩しい太陽を背に舞い降りたその人影と声に、チルノとトリルは声を唱和させて叫んだ。
「「レ、レティ?!」」
「ふふ…どうも、嘘つきにならなくって済んだみたいね」
彼女は茶目っけたっぷりにウィンクし…次の瞬間、二人ぶんの重量に突き倒されて悶絶した。
「レティ…、ほんとにレティだぁ!」
「レティ…嬉しいよ、どうして私達のこと覚えてたの?!」
「ちょ、ちょっと、苦しいってば、どいて…げほ、げほ。…幻想郷の冬はね…私なんかが思っても見なかったほど残酷で、そして寛容だったの」
あの時、彼女は完全に「死んだ」はずだった。しかし、何かが彼女の心をしばし虚空に留めて語りかけて来たのだ。想い出は喜びだけれど、同時に、あなたが泣いたようにとても重くて辛いもの。それでもなお、雪の永遠の白を汚してまで想い出を望むのか…と。
そして、レティはただ一言でそれに答えた。後悔はしていません、と。
「純白の雪、白い雪。でも、想い出を捨てられなかった私は純白ではなくなってしまった。だから、冬に忘れられた、山の片隅に輝く残雪になりなさいと言ってくれたの。冬の忘れものとして、記憶を持ったまま地上で冬まで眠りなさいって。…ふふ、あのおまじない、形は違ったけど効いたわね」
その声を思い出すだけで、レティの胸には言葉に表しきれない何かが湧き上がって来ていた。誰だったのかは結局判らなかったけれど、しかし、それはどこかでいつか聞いたことのある声だった。
「だから、ね…」






























もう、絶対に忘れないから。










































そして、再び冬は廻り来る。いつもと同じように、恵みの廻りは留まることなく回っていく。
あくまで公平に…誰に対しても優しく、誰に対しても無情に過ぎて行く。
改行がやたら多いことを、この場にてお詫びしておきます。ごめんなさい^^;


気合だけは入れて書いてみました…出来はともかく。ぐふっ。
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