Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

霖之助も読んでる?

2005/06/17 07:01:55
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1
「アリス、みやげだぜ」
 いつもの黒い魔法使いが私の前にまたいつも通り現れた。
「いつもいうけど、ノックぐらいすればどうなの?」
 そしてまたいつも通りの返答。こんなことももう馴れっこだ。
「で、おみやげって?旅行でも逝ってたの?」
 登場時の魔理沙の台詞が気になったので尋ねる。別におみやげが欲しくて仕方ないから、とかではなく、
魔理沙が何かを私に寄越すなどそうそうないからだ。持っていくことはあっても。 
「台詞の文字が微妙に危険だぜ」
「何を言ってるか意味不明よ。で、なんのよ、って・・まさかそれ?」
 魔理沙は私の台詞の微妙なニュアンスを突っ込んできたがそれはいつも通り気にしない。ただ、気にしな
くてはいられないものが魔理沙の両腕にはあった。
「ああ、見ての通りだ。人形だぜ」
「で、いったいその人形にどんな呪いとか魔法とかかけてあるの?」
「さりげなく危険な台詞だな」
「あからさまに疑ってるのよ」
 魔理沙が私に人形の贈り物なんて疑っても疑っても疑い切れないではないか。しかし、私の人形に対して
の興味は凄まじく、そうとは理解しても人形から目が離せない。
「日本人形と・・西洋人形のようね」
「香霖堂から拝借してきたんだぜ」
「全然旅行でもなんでもないじゃない。でも、それ、素敵ね。私におみやげなんでしょ?早く頂戴」
 旅行でもないのでおみやげでもないし、盗品と分かっていて「頂戴」もないが、どうしても欲しいという
意思を前面に現してしまった。まずいと思ってももはや遅い。魔理沙がしめたといわんがばかりの顔で言葉
を紡ぎだす。
「くれてやってもいいが・・」
 予想的中。やっぱり、きた。
「名前はもう決まってるらしいぜ。藤堂○摩子と二条○梨子らしい(霖之助談)」
「・・・え・・それだけ・・?」
「他に何かあるのか?」
「だって、いつもなら『その代わりアリスのところの蒐集物半永久貸し出しOKだぜ?』とか『これそれが足
りないから黙って分けてくれ』とか」
「随分図々しい奴だぜ」
「貴女でしょう」
「で、要るのか?要らないのか?私も色々忙しいぜ」
 図々しいと言及されているのも気付かない図々しさのまま答えを促す魔理沙。
「ああ、要るわよ。名前が最初から決まってるのは些かあれだけど・・・」
 まあ、別に、う○ことかち○ことか私の素敵な美的感覚が許せない名前でもないし、可愛がるのに問題な
い名前だ。
「あ、でも、その藤堂志○子と二条乃○子という名前は、誰がつけたのかしら」
「森近霖之助」
 霖之助さんが人形に命名?そんな面もあるのね、なんて考えていたら魔理沙が可笑しそうに言う。
「白薔薇姉妹萌えらしいぜ」
「あなたの言うこと、今日は輪をかけて意味不明ね」


 香霖堂の店頭では、紫から仕入れたと思しき書籍が数冊ある。かなり小さめな本だ。
「こんにちわ、霖之助さん。あら、めずらしい。本、読んでるの」
 香霖堂に訪れた霊夢が、挨拶の無い霖之助に声をかけた。
「ああ、ごきげんよう霊夢。君もこの小説を読むかい?素敵な姉妹の話だよ」

 こうして、香霖堂から、何かの物語が幻想郷を覆ってくのだった。

 
えーこの話は「マ○ア様がみてる」という小説を知らないと半分しか楽しめません(いや9割(汗)
霖乃助は多分、しとやかな白薔薇さまが萌えと思い、それと人間界の本とか仕入れて香霖堂に置いてあってもいいよね。とか考えたのですが、微妙に違う方向に(かなりか)
ちょっとした走り書きに近いのでまあここの素晴らしい出来の話の箸休めにf(^^;)

では、ごきげんよう。
真澄命
http://www2.tok2.com/home/arago/
コメント



1.名無し妖怪削除
ごきげんよう、ごきげんようといいながら、弾幕ごっこをするのでしょうか。
スカートのプリーツは乱さないように、白いドロワーズは見せないように、 ゆっくりとスペルカードを発動するのがここでのたしなみ。
もちろん、被弾直後に食らいボムを発動するような、はしたない巫女など存在していようはずもない。
2.真澄命削除
名無し妖怪様>私にはその程度の弾幕で、十分です(苦笑
ここは幻想郷、十八年通い続けなくても、純粋弾幕お嬢様が箱入りで出荷される、などという事実は存在いたしませんw
3.沙門削除
>「名前はもう決まってるらしいぜ。藤堂○摩子と二条○梨子らしい(霖之助談)」
 彫りの深い先代ロサ・ギガンティアの人形も出ないかと想像してみたり。霊夢が読んだら、次の日からポニーテールからツインテールになってたりして。謝々。
4.no削除
パチュリーの図書館は知識重視だから、この手の物語やエンタ的なものは置いてないのかな・・・。