Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

妖蟲小話

2007/10/04 15:48:48
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オリジナルな設定を含んでいます
苦手な方はお戻りください
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ある種に異能が生まれた

その報は瞬く間に世界に広がり、全ての種が集まった
――おお、これが!
――いや、この方が!

河原のそばの大樹の根本
木の葉に隠れしその存在

――我らがお守りすべき方!
――我らが未来を示す方!
彼らは狂喜した
普段、仲違いしているものたちもこの時ばかりは手を取り合って喜んだ
歌い、踊り、舞い上がる
森が動いた様だった

――――――――――

彼らの力が衰えて既に何年も立つ
力が衰えた理由は分からなかった
誰かが風の噂できいた所、
外での自分達を含む存在が減ってきている
意識することが稀になってきている
、と賢者が漏らしていたという

子孫を残し、一族が繁栄、存続する事
それが使命
それが成就するための手段は選ばない
その為、他種族間の仲はあまり良くない
しかしそうも言ってられない時がある
全ての種を脅かすある存在が原因である
木を斬り倒して道を開く
いまや自分達など恐るるに足りないと思っている存在

あの存在を利用して生きている種もある
しかし全ての種がそうできる訳がない
基本 自分達は忌み嫌われる存在なのだ

昔はあの存在を抑えられる仲間がたくさんいた
しかし今は数える程もいない
絶対存在が必要だった
自分達を支配し力となす存在
あの存在に対抗しうる力を持つ存在

そんな時に報が届いたのは奇跡だったろうか

王が誕生した、と

――――――――――

新月の夜、ある男が里へ逃げ込んできた
男は行商で、木加工品を売るために仲間と共にこの里を目指して来たらしい
何があったのかと聞くと、こんな話をした

「蛍が照らす夜道を歩いていたら急に森が騒がしくなって
何事かと仲間を見たら黒い蠢く影に襲われていたんだ
仲間にはすまないと思って逃げてきた」

里の男達がそこへ向かうと二人の男が倒れていた
二人ともかなり怪我をして気を失っていたが
命に別状はないと判断された

数日後、二人に話を聞いた一人はこう語る

「百足や蜂や蜘蛛や、なんか沢山の蟲が揃って襲ってきたんだ
あり得ないと思ったよ
勿論抵抗したがあの数だ。敵いっこない
夢中でなんか掴んで振り回したら蟲達が逃げていったんだ
運良く松明だったよ
で、そんままぶっ倒れて火も消えて
ああ俺も終わりかなと思ったんだが
緑色の髪でマントをした女の子が現れて
それで蟲が引いていったんだ
そっからは俺は憶えてない」

もう一人はこんな言葉を聞いたという

「お前達も生きているから自然を傷つける
私の仲間を殺す
それは仕方ない
でもこれからは覚悟せよ
私達は生きるために、お前達と戦おう」

――――――――――

現在
人里の周りは自然に囲まれている
建物等をつくるために切ることもあるが
決して必要以上に切ったりはしない
人と妖怪の古き、しかしなお続く契約であるらしい


「ん、情報ありがとう。戻っていいよ」
長く生きているうちに人を襲う事はからかう程度になった
人が自然を大きく崩すことはなくなったし、
その方が面白いからだ
だが人がいつ警告を忘れるかわからない

蟲達は自然の掟に従って生きている
大きく増える種もあれば少なくなる種もある
ならばその種を絶やさず、一匹でも多くの種を残すために
私は助力しよう。そう決めた
「さて、今日はどこに行こうかな」
闇に蠢く光の蟲
蟲達の平穏を願いつつ、今日も幻想郷を飛び回る
どうして蟲が弱くなったのだろうと
外の世界の影響としか思えない

どうも、ただの野良猫でございます
未熟者ながら宜しくお願いします
野良猫の夢
コメント



1.道端から覗く程度の能力削除
リグルかっこいいよリグル!