Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

偶には騒いでみましょうか

2007/09/27 11:08:48
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「フランと外で食事をしたいわ」
ある日、レミリアがそんなことを言った。
レミリアに紅茶を淹れ、幾数か思案したあと咲夜は不思議そうな顔をした。
「外で・・・・・・とは夜道で、でしょうか?」
「違う、あくまで普通の食事よ。血ではない方」
「そうですか、しかしよろしいのですか?」
「何が?」
「フランドール様の狂気のことです」
「咲夜も分っているでしょう?最近のフランは狂気に囚われていないって」
「確かにそうなのですが・・・・・・」
「心配性ね、大丈夫よ。この数か月であの子は随分と変わった・・・・・・いえ、成長したわ」
「その点に関してだけは魔理沙と霊夢に感謝したいですわ」
「あら?他にも色々と感謝したいところがあるわよ?パチェが表情豊かになっただとか、咲夜が明るくなって、素敵になったとか」
レミリアがくすくすと笑っている。素敵になったと言われて咲夜の顔が赤くなった。
「ま、前から私はこのようでした!」
「ふふ、照れてる咲夜も可愛いわ」
そんなレミリアの言葉に、彼女の顔が更に赤くなった。
しどろもどろになりながらも、どうにか話題を変えようとする
「お、お嬢さま!その理由はっ?!」
「理由って?」
「フランドール様と外食をなさる理由です。お嬢様にお出しするお食事は最高のものです。それ以上のものを出す店は、私は知りません」
「美味しさは別にいいのよ、あの子と外に出たいだけなんだし」
「それでしたら、食事以外の事になさっては?」
「それでも別にいいのだけど、折角だから社会勉強もさせてあげようと思ってね。紅魔館以外ではどんなものが食べられているか・・・魔理沙と私達以外にどんな者が居るのか・・・それらを知るのに最適だと思わない?」
「まあ、確かに・・・・・・」


社会勉強なら他にも色々あるだろうが、外食というのが一番無難であろう。というかそれ以外は無理である。
フランドールの狂気は鳴りをひそめたとはいえ、力加減やら何やらにまだ不安が残る。
大体、吸血鬼二人が里に下りたら、騒ぎが起きて食事どころではない。
と、そこまで考えて咲夜はふと気付いた。
外食をするにはどうしたって食事を出す店がなければならない。
そして、食事を出す店といったら人間が昼間に経営しているのが常だ。


「お嬢様。いったいどこでお食事をなさるおつもりで?大抵の店は夜まで開いておりませんが」
「あら?咲夜は知らないの?夜に開いてる店もあるのよ?」
「確かに在りはしますが、大抵の場合食事がメインではありません」
「あら、そうなの?でも、食事は出来るんでしょう?」
「出来はしますが・・・・・・お二人が行けば騒ぎになるかと」
「人間の店ならね。でも、最近聞いたのよ妖怪がやっている店があるって」
「御言葉ですが、そこは屋台です」
「良くは分からないけど、食事も出来るんでしょう?」
「・・・・・・出来はしますが、私としてはお嬢様にあの雰囲気は合わないかと。それにあそこは飲み屋です」
「食事ができればそれでいいわ。にしても詳しいわね、行ったことあるの?」
「時々ですが・・・・・・」
「誰と?」
「・・・・・・ひ、一人で」
「ぺろり・・・・・・この味は嘘をついている味だぜ!」
「お嬢様!ネタに走るとカリスマが!」
「お黙り。で、誰と行っているの?」
「う・・・め、美鈴・・と・・・・」
「別に隠さなくてもいいじゃない」
「そ、それは・・・」
「あっそうか!あなた達付き合っているのね!!でも、二人が付き合っているところを冷やかされたくない。というか、付き合ってるのがバレたら恥ずかしいとかって乙女みたいな理由で隠してた訳ね!!」
「そういう風に、二人で一緒にいったから付き合ってるって単純思考をやめませんか?
 だから、二人で行ってるって言いたくなかったんです!」
少々むきになって咲夜が言った。
レミリアといえば、そんな彼女の様子を眺めながら、うんうんと頷いている。
そんなにむきにならなくても私は分かっていると言いたげな表情だ。

「いいですか?単に仕事仲間、上司と部下の関係で一緒に行ってるだけです。
 好きとか、恋だとかそんな感情は一切ありません!
 あくまで仲間、友人として行っているんです!」
「ああ、分ってるわよ。あくまで仕事仲間としてよね?よ~く分かったから」
「本当に分かってます?・・・・・・」
疑り深い目を主に向けるメイド長。
その主といえば何も気にしていない、というよりその視線に気付いていない様子。
取りあえず話を進めることにした咲夜。
主のこういうところには慣れてる彼女だ。
「では、お嬢様とフランドール様のお二人でお出かけですね」
「それも良いけど、咲夜。あなたも来なさい」
「よろしいのですか?」
「ええ。ついでに美鈴も誘ったら?」
「はあ・・・・・・どうして美鈴も?」
「偶には大勢で食事をするのも面白そうだと思ってね。
 さっきパチェとコァを誘ったら忙しいって断られたし、面白い本が手に入ってそれの翻訳中だそうよ。それに私が提案したって美鈴に言えば、あなたも誘いやすいでしょう?」
「・・・・・・何か誤解があるようですが、まあ、スルーさせていただきます。しかし、よろしいのですか?私共がご一緒しても?」
「言ったでしょう?偶には大勢でって。それにフランは美鈴に懐いてるしね」
「では、美鈴とフランドール様にお伝えしておきます」
「ええ、お願いね。明後日あたりにでも行くとしましょうか」
「分かりました。しかし、私は明日でも構いません。美鈴もおそらく同様でしょう」
「あらそう?じゃあ、決まったら言いなさい」
「畏まりました」
深々とお辞儀をして、咲夜が部屋を出た。
彼女を見送った後、レミリアは紅茶を一口、口に含んだ。





*   *   *   *





レミリアの部屋を出た後、咲夜は地下室へ向いながらレミリア達との食事の様子を思い浮かべていた。
明日の夜は何を着ようか?
いつもの私服?・・・・・・お嬢様との食事でそれは無いわね。

あの黒いジャケットとジーンズ?・・・・・・華がないわ。

お気に入りの青のセーターと黒のスカート?・・・・・・この前スカートきつかったのよね・・・・・・ヤバい

ちょっと派手だけど紅のパーティードレス?・・・・・・屋台に行くのよ私達は。

なーんてね。お嬢様と一緒だからメイド服に決まってるじゃない。

そんなことを考えている内に地下室―――フランドールの部屋への階段に辿り着いた。
以前では厳重な結界が幾重も敷かれていたが、最近ではそれも無くなりすんなりと出入り出来るようになっている。
階段を降りていき、金属製のドアの前に立つ。
所々赤茶色く錆びてはいるが、中のものを守るという使命はきちんと果たしているようだ。
この扉で151代目だっけ?と咲夜は思い返していた。
ふと扉の向こうから声が聞こえてくる。
一つは幼い声・・・フランドールだろう。
そしてもう一つ。声の主が誰か分かり、手間が省けたと内心ガッツポーズを取る咲夜。
もう一つの声の主は――――――美鈴だ。
おそらく暇つぶしに呼ばれて、相手をしているのだろう。
フランドールの楽しそうな声が聞こえてくる。



「ねぇねぇ、美鈴!それでどうなったの?」
「えっとですね、その赤い男は少年に言いいました『我が同胞になれ!』少年が何かを言おうとしましたが、その前に赤い男の妹がこう言ったのです『何を言っているの、兄さん?!』と」
「赤い男って面白いよね、最初は強かったのに最後には弱くなっちゃうし。最後には未完成の機体に乗っちゃうし」
「違いますよ、妹様。未完成じゃないんです。整備の人が言ったじゃないですか」
「「足なんて飾りです!えらい人にはそれが分らんのです!!」」



二人の声が同時に発せられ、そして二人分の笑い声が聞こえてきた。
美鈴がフランドールに話を聞かせているようだ。
二人の楽しそうな時間を削るのは少々気が引けたが、それでもと咲夜はフランドールに呼びかけた。。
「フランドール様、少々よろしいでしょうか?」
「その声は咲夜~?いいよ、入ってきて~」
「では、失礼します」
一声掛けて、扉を開き部屋に入る。
「どうしたの咲夜?」
「はい、お嬢様がフランドール様とお食事をしたいと、血の方ではございませんが」
「食事ならいつもしてるじゃん」
「いえいえ、今回は外で食事をするのです」
「外・・・?」
「はい、館や神社、魔理沙の家以外でも食事を出来るところがあるのですよ」
柔らかな微笑みを浮かべながら話す。
小さな子供に諭すように、話を聞かせるように、喜ばすように。
「外でお姉さまと食べれるの!?」
「はい、私も一緒に行くことになりますが」
「お姉さまと咲夜と外で・・・・・・ねえ、いつ!いつ行くの?」
瞳をきらきらと輝かせ、待ちきれないといった表情で訪ねてきた。
彼女にとって外に出れる、そのことだけでも楽しみなことなのだろう。
「色々と都合もございますので、明日ではどうでしょう?」
「明日・・・・・・明日ね!私はいつでもいいよ!ていうか今から行きたい!!」
「ふふ、我慢をすると楽しみは増えるものです。ですから明日まで待ちましょう?」
「ぶ~」
フランドールが頬を膨らませて、抗議する。
その小さな顔がぷ~と膨れていた。
ぷにぷにとした頬っぺたがぱんぱんになっていた。
すると、その横から美鈴がフランドールに話しかけた。。
「妹様、咲夜さんも言ってますけど、お楽しみを待っているというのも楽しいものですよ?
 それに、待つ時間が長ければ長いほど、その楽しみが膨らんでいくものなんです」
「そうなの?・・・・・・じゃあ、私5年位待つ!!」
「それじゃあ待ってる間に忘れちゃいますよ」
「う~ん、そうなのかなぁ?」

あはははと笑い声をあげる美鈴。
それにつられて、フランドールも声に出して笑っていた。
咲夜もふふっと小さく笑っている。


「そうそう、咲夜?他には誰が一緒に行くの?パチェは?」
「パチュリー様とコァは忙しいようです。他には―――」
「美鈴は?」
わくわくと、はしゃぎながらフランドールが訊いた。
余程美鈴に懐いているのだろう。
咲夜は優しい微笑みを浮かべながら語りかけた。
「美鈴も誘おうと思ってました。お嬢様も大勢で、と言っておりましたので。
フランドール様にお話してから誘おうと思っていたのですが、門まで行く手間が省けましたわ」
そう言ってから、美鈴に顔を向ける。
フランドールに向けたものと違う瀟洒で静かな笑みだ。
「と、言うことなのよ、美鈴。どう?お嬢様達とのお食事?」
「もちろん、ご一緒させていただきます!!う~ん、でも何か緊張しちゃうなぁ」
「いつもは門番宿舎で自炊だものね」
「あれ?でも咲夜さん。どこで食べるんですか?まさか里に下りるってことには・・・・・・」
「ああ、いつもあなたと飲む屋台でよ。あの夜雀のとこ」
「へぇ~、お嬢様がよく行く気になりましたね。あんな庶民的なとこ」
「お嬢様が言ったのよ、そこに行こうって。偶には違う雰囲気も悪くないだろうってさ」
「そんなもんですかねぇ?」
咲屋が美鈴と話をしていると何かに引っ張られる感触。
顔を向けると不思議そうな顔をしたフランドールがでスカートをついついと引っ張っていた。
「ねぇ、屋台って何?」
「ああ、フランドール様は行ったことありませんでしたね。屋台というのは数人で座ってでお酒を飲んだり、色々と食べたり、色々と話をしたりする所ですわ」
「へぇ!何だかパーティーみたい!」
「咲夜さん・・・・・・まあ、間違ってはいませんけど、何か違いません?」
「気のせいよ」
にべも無く咲夜が言った。





*   *   *   *





深く、深く、そして暗い木々の群れ。
夜の帳もすっかり落ち、森の中はひたすらに黒い。
そんな暗闇の中に赤い光が一つ。
赤提灯がてらてらと辺りを照らしていた。

遠屋台の店主、ミスティア・ローレライがちんちん歌いながら鰻を焼いていた。
ふと、暖簾が上げられる気配。
鰻から目を離し、顔を上げる。
常連のリグル達が来るにはまだ少し早い時間だ
「いらっしゃい。あ、中国とメイドだ」
「私は中国じゃありませんよう!」
「ちょくちょく来てるから名前ぐらい覚えて欲しいものだわ」

ミスティアがあははと笑いながら、鰻をひっくり返す。
赤い炭がぱちぱちと音を立てながら、鰻を炙っていく。
油の焼ける香ばしい香りと、甘いタレの匂い。じゅうじゅうと脂が滴り落ちていった。
「こんな時間に珍しいね」
「ちょっとした団体客よ、私達入れて四人。いいかしら?」
「どうぞどうぞ」
「ありがとう。お嬢様、フランドール様、どうぞこちらへ」
へ?と、ミスティアが間抜けな顔をした。
そして、暖簾から顔を出した二つの小さな頭。
青みがかった銀髪と片方だけがまとめられた金髪。
「ふーん、これが屋台ね。何だか小さいわね」
「お姉さま、何か良い匂いがするよ!」
物珍しそうに屋台を見回す吸血鬼姉妹。
柔和な笑みを浮かべてその様子を見つめるメイドと門番。
その様子を茫然と見つめる店主。
「な、何で吸血鬼達がいるのよぉ!」
思わず叫んだ屋台の店主に、咲夜が笑みを浮かべて答えた。
「あら?あなたはどうぞ、と言ったじゃない。それとも何?折角来た客を追い返す気?」
「そ、そんなことはしないけどさ・・・・・・」
「安心なさい。妙なことが無ければ死にはしないわ。今日はお二人共食事に来ただけだし」
「うう、死にたくない・・・・・・白玉楼行きは勘弁。私は食べても美味しくないよう・・・・・・」
トラウマを思い出した店主を放っておいて、レミリア達を席に促す咲夜。
「さあ、お嬢様。こちらへ」
「屋台って面白いわね、色々ごちゃごちゃしてて」
「館が広いから、そう感じられるだけですよ」
「そういうものかしら?」
「ええ」
微笑みながら答え、主を座らせる咲夜。そうしてフランドール、美鈴と座らせていき、最後に自分が座った。
レミリアとフランドールを真ん中にして、その両端に咲夜、美鈴という形である。
レミリアの横に咲夜、フランドールの横に美鈴が座っている。



「美鈴、お腹すいたぁ!」
「少々待っててくださいね。ほらほら店主さん、鰻が焦げちゃいますよ」
フランドールが声を上げ、美鈴がそれをなだめる。

「ここでは何を食べられるのかしら?」
「鰻ですよ、あとはお酒です」
「ワインは?」
「持ってきてはおりますが、偶には別のものを飲んでは如何でしょう?」
レミリアと咲夜が楽しそうに談笑している。

「うう、落ち込んでるのに誰も慰めてくれない」
ミスティアが涙しながら鰻を焼いている。
鰻がじゅうじゅうと香ばしい音を立てていた。





*   *   *   *





「わあ、美味しそう!」
「妹様、熱いので気をつけてくださいね」
フランドールの前に、香ばしい香りの蒲焼きが置かれていた。
甘辛いタレに塗られたその身は、きらきらと輝いている。
串を手に取り、ふうふうと息を吹き掛けてから、フランドールは勢いよく噛みついた。
「あつっ!ふは・・・ふ・・・・はふはふ」
はふはふ言いながら、口の中で鰻を冷ます
熱さに驚きながらも、幸せそうな顔をしている。
小さな口が大きく、もぐもぐと動いていた。
そんな彼女の様子を和やかに美鈴が見つめている。
やがて咀嚼が終わり、大きく元気な声が辺りに響く。
「おいしい!ねえねえ、お姉さま、美鈴とっても美味しいよ!」
「それはよかったですねぇ、お口に合うか少し心配でしたけど」
「美鈴も食べなよぉ」
「それでは、私も遠慮なく」
美鈴も串を手に取り、何度か息を吹きかけてから、はぐりと噛みついた。
こちらも、何んとも幸せそうな表情を浮かべながら、もぐもぐと口を動かしていく。
やがて、満面の笑みを浮かべてフランドールに言った。
「うん、やっぱりここの鰻は最高です!」


「まったく少しは貴族の嗜みというものを・・・・・・」
「まあまあ、こういうところでは楽しんだ者勝ちです」
ぶつぶつと小言を言いながら口いっぱいに蒲焼きを頬張るレミリア。
むくむくと口を動かしている。
それを微笑みながら咲夜が見ていた。
「偶にはこういう安っぽいものもいいわね」
「お口に合いましたか?」
「ん、まあまあね」
そうは言っているが、背中の羽はぱたぱたと元気良く動いていた。
レミリアの機嫌が良い証拠だ、よっぽど美味しかったのだろう。
つん、と澄ました顔をしながら、また串を手に取り頬張る。
一噛みするごとにぱたぱたと機嫌良く、二噛みするごとにぱたぱたと元気よく。
本当に嬉しそうに羽が動いていた。
背は口ほどに物を言う。





*   *   *   *





「こんばんわ」
「あ、リグル。いらっしゃい」
暖簾がぱさりと上げられ、そこから出てきた深緑の髪と二本の触覚。
屋台の常連、リグル・ナイトバグだ。
「今日は盛況だね、メイドと門番が居て・・・・・・」
「こんばんわ、蟲の王。ほら、フランも挨拶なさい」
「えと・・・・・・こんばんわ」
フランが戸惑いがちに頭を下げる。
咲夜は軽い会釈を、美鈴は手を挙げてそれぞれ挨拶をした。
「め、珍しい・・・・・・人が来てるね」
引き攣った笑みを浮かべながら、リグルは挨拶を返す。すると、彼女の後ろから元気な声が響いてきた。
「リグル、ミスチー。今日は大ちゃんと橙、連れてきたよ!」
「チルノちゃん。そんなに急かさなくても」
「あはは、藍様に秘密で来ちゃった」

その、さらに後ろから常闇の妖怪、そして鬼の能天気な声が聞こえる。
「わはー、今日は沢山だねー」
「面白い連中が集まってるね、私も混ぜてー」



「騒がしくなってきたわね」
「偶にはこういうのも悪くない、ですか?」
くすくすと笑いながら咲夜が言う。
レミリアと言えば、羽を動かしながらまた鰻を取っていた。



「お嬢様、お酒を飲んでもよろしいですかー?」
「ちょっと美鈴!」
「いいわよ、別に。今日は好きにしなさい」
「こーいうのって無礼講って言うんだよね!私知ってるよ!」
「あら、フランも賢くなったわね」
「えへへ」
「咲夜さん!咲夜さんも飲みましょうよ!!」
「まったく・・・仕様がないわね」
「おや?仕様がないとか言いつつ、良い飲みっぷりだね」
「そうかしら?それはそうと店主さん。蒲焼きおかわり」
「はいはいちょっと待っててね」
「ミスチー!まだー?」
「ちょっと待ってよチルノ!」
「お腹減ったー・・・・・・ミスチー食べていい?」
「食うなー!!私を食べたら鰻が食べれないわよ!!」
「そーなのかー」
「えーと、フランちゃんだよね?私はリグル・ナイトバグ。蟲の女王だよ」
「女王?・・・・・・王様じゃないの?男の子でしょ?」
「私は女なの!」
「あははは!リグル~!飲んでるぅ~?」
「って、うわ!大ちゃん顔赤!酔うの早!」
「よってなひよ~」
「え~とね、鬼のお酒をコップ一杯飲ませたらこうなった」
「だ~か~ら言ったじゃない黒猫!私の酒は特別だって!」
「そんなにいい酒なんですか?それ?」
「ん?何?門番も興味ある?」
「くれると言うのなら貰います!」
「それじゃあ、私も頂こうかしら?咲夜、あなたも飲みなさい」
「はい、お嬢様」
「あー!皆ズルイー!!私も飲む!」
「フランにはまだ早いわ」
「ぶー!!」
「まあまあ、いいじゃん。皆で飲むから酒は旨いんだよ。ほら、妹ちゃんもどうぞ」
「ありがとねー!鬼」
「萃香でいいよ」
「じゃあ、ありがとね萃香!」
「どういたしましてって、おお!?一気にいった?!」
「ほう・・・・・・美味しいけど、なんか体が熱くなってくる」
「一気に飲むからです。それに、飲みなれてないと直ぐ酔っ払っちゃいますよ?」
「うーん、でも、気持ちがいいから、もう一杯!!」
「あははは!あたひももう一杯!」
「大ちゃん・・・・・・もうやめなよー。顔、真っ赤だよ?」
「うるしゃいわよ~チルノー。あんひゃも飲みなしゃい!」
「うわっ!うぐう!」
「あー!私の瓢箪!!」
「ほ~りゃ、ほりゃ、飲め飲めチルノ~」
「だ、大ちゃんやめっ!」
「ほーらほら、もっともっとぉ!あはははは!!」
「皆!大ちゃんを止めろー!」
「あははははは!おもしろーい!面白いから弾幕ごっこしよー!!いくよー、スターボウブレイク!!」
「へ?うわ!ひえええええええ!!」
「わー!こっちも止めろー!!」
「あははは!何だかとっても気持ち良くなってきたー」
「まずい!美鈴!!」
「はいっ!って弾幕がこっちに?!のわあああ!!」
「はい、壁役ご苦労様。流石門番ね」
「お嬢様、止めなくてよろしいのですか?」
「大丈夫よ」
「その根拠はどこからくるのよ!あぁ、屋台が壊れる!!」
「流石に止めに入った方がよろしいかと・・・・・・」
「修理代は払うわよ。いいじゃない、あの子があんなに楽しそうにしているのだし」
「それとこれとは!って大玉がー!レーザーがー!弾幕がー!屋台がぁぁぁ!!」
「わー!ルーミアちゃんのリボンが!!」
「そっちも止めてぇぇ!屋台をこれ以上壊さないでぇぇ!」
「よっし!任せとけ!ミッシングパワー!」
「わー!屋台蹴らないでぇ!」
「いくよ、赤鬼!青鬼!今日は憑きたてのほやほやだよ!」
「いっけー!アイシクルフォール イージー!」
「チルノちゃん、それはダメぇ!」
「あははは!レーヴァテイン!!」
「横に薙がないでぇ!!」
「リグルー、うっさいよー」
「大ちゃんは大人しくしててよぉ!」
「うるしゃいなぁ、このゴキ――」
「それ以上言うなー!」
わー!ぎゃー!がー!ひええ!ぴちゅーん!



「咲夜」
「何でしょうか?」
「偶には騒がしいのも良いわね」
「この状態で、お嬢様がそうおっしゃられるのなら、よろしいのですが・・・・・・」
「うぅ、咲夜さ~ん。お嬢様~」
「あら、美鈴。生きてたの」
「フランドール様の弾幕直撃でしたしね。普通に死んだと思ってましたわ」
「二人とも酷い・・・・・・」
「まあ、ともかく飲み直しましょうか。さあ、美鈴も立ちなさい」
「巻き込まれるのも嫌ですしね、遠巻きに眺めましょうか・・・・・・さ、お嬢様どうぞ」
「咲夜さん、いつの間に酒瓶と椅子を・・・・・・どうせなら、屋台も助けてあげればよかったのに」
「そこまでの義理はないわ」
「ま、修理費は家で出すしね。さて、改めてだけど、乾杯しましょうか」
「はい」
「はあ・・・・・・まあ、いっか」
「それじゃあいくわよ、紅魔館と我が妹に」
「お嬢様と、フランドール様に」
「お嬢様の幸せと妹様の笑顔に」
「「「乾杯!」」」



























「いっけー!レーヴァテイン二刀流!!」
「屋台壊さないでぇぇぇ!!」
フ お
ラ 嬢
ン さ
ち ま 
ゃ う
ん ふ
う ふ








お嬢様と妹様の食事姿が書きたかった。
後悔はしてない。反省はする訳ない。
三文字
コメント



1.名無し妖怪削除
おぜうさまかわいいよおぜうさま
うふふ
お酒はすごいなぁ
うふふ