Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

四季祭

2007/09/22 03:35:08
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春は花。
夏は蛍。
秋は月。
冬は雪。

風流だねぇ。

食べ物に旬があるように、肴にも旬ってのがあるもんよ。
どんな安い酒だって、美味い肴がありゃあ気分良く飲めるし、その逆も然り。

気分良く、って意味じゃあ人数集めてパァ!っとやるのもいいね。
不味い不味いと笑いあって飲む酒も、どうしてなかなか美味いんだな、これが。
1人しんみり飲むのも味があるとは言うけど、ね。やっぱり私はこっちが好き。
肴があればなお良し、なんて言うまでもないけどさ。


祭は政であり祀でもある、ってどこかで聞いたけどさ。
つまり、人間は神に政治を委ね、同時に神を崇拝する行事が祭だったって訳ね。
酒が奉られるのは神が酒好きだからって事。
人間が酒を飲んで踊り狂うのも、単に神が楽しくなりたかったから。らしいよ?

なんだ、私と一緒……って自分を鬼神扱いってのはおこがましかったか。
でもさ、そこまで大それた存在になれたらって思わない?
ちょっと世話焼くだけでみんなにちやほやされるんだよ?
屋台の焼きそば食べ放題! 酒は好きなだけ飲み放題! 歌え踊れの大賑わい! …あ、今とそう変わんないや。
世話焼かなきゃいけない分面倒事増えるしなぁ。

それに、ここもとうとう神事までことを荒げてるよ。
神ですら幻想郷入りする世の中になっちゃったのかねぇ。


外界のやつらって何信じてんだろ?
鬼も神も忘れて、信じるものがなくなっていって、あいつらは何を信じて生きていくんだろう?
私は知っているよ。
自分自身を信じられるほどあいつらは強くないって。
だって本当の強者に対立者なんて必要ないもの。
だってあんなにも群れたがるんだもの。

うん。そうか。

だから私は弱者なんだ。
私は退治されるために生まれてきた、単なるやられ役。
いずれ倒されることを約束された張りぼての強者。
だから相手がいなくなって、ここに流れてきた。
人間を萃めて酒盛りして、「鬼ごっこ」もやらせた。



…酒が不味くなった。
やっぱ1人であーだこーだ考えるのって毒だ。
もうやめ。
あー、空が紫……

う、気持ち悪。



「…そこの酔っ払い。居眠りはいいけど、汚さないでよ?」

「…寝てないもん。」

「そ。」

「…ねぇ霊夢。」

「なに?」

「自分を弱いと思ったことって?」

「ん~~、…だって、『空を飛ぶ程度の能力』よ? 誰でもできてるって話よ。」

「うん。」

「もっと、こう、『妖怪を殲滅できる程度』とか」

「お前、今までに倒してきた妖怪の数は覚えてるの?」

「そんなのいちいち覚えてる訳ないじゃない。」

「じゃあ強いんじゃん。」

「それとこれとは話が別よ。」

「どう違うのさ。」

「…さぁ?」


ここにきて、人間は自分が強いと知らないことで強くあることもあると知った。
この紅白がそうだし、白黒だってそうだった。
まぁ、こいつがそれを知って慢心するとも思えないが…


「それより、今準備で忙しいんだから手伝いなさいよ。」

「なんのさ。」

「あんた耄碌(もうろく)したの?今日は祭りだって言ったじゃない。」

「ああ、そうか。どっかで聞いたと思ったらここで聞いたのか。」

「何言ってんのよ。  もう表で宴会始まってるわよ? ったく、呼びもしないのに勝手に…」

「そう…じゃ、ま、飲みなおしましょうかね、と。」

「だから手伝えって。」


そうだね。
単なる強弱なんて、ここにはありゃしないんだった。
どんな能力を持ってたって、席にすわりゃあただの飲んべぇってね。
ここはただの個として輪になれる。


「おぅ、来たな泥酔幼女。一杯やろうぜ。」

「おうよ!」

「酒のあるところには必ずいるわよね、あなた。」

「おうよ!」

「久々に見たけど、相変わらず小んまいわね。」

「トマトでも吸ってろ!」



迎えられて席に着くってのも、悪い気はしないかな。










「で、なんの祭りだって?」

「…さあ?」

「お~い、主催者~。」

「そうね…最近寒くなってきたから、寒中見舞いってとこかしら。」

「お~い、私に突っ込み役させる気か~~?」
お酒は二十歳になってから。
寒中見舞いは1月7日以降に出しましょう。
誰ん者
コメント



1.名無し妖怪削除
なんとなく風流な感じw
終りの方の掛け合い、面白かったんですが誰と会話しているのか分からなかったのです。わかならくてもいい?
2.名無し妖怪削除
タイトルで閻魔様のお祭りだと思った私って・・・
3.誰ん者削除
レスサンクス。
掛け合いは上から、マリアリ、レミリャ、一番下の2・4番目が主催者=霊夢。それ以外は全て鬼っ子。台詞に名前付けとけばよかったか…
タイトル、今思えばわざわざ四季なんて入れなくてもよかったと少し後悔。閻魔祭、少し見てみたい気が。