カオス注意
ある日の紅魔館の一室にて、数人の少女が集まっていた。
「ちょっと!咲夜やめて!」
紅白の服を着ている少女、博麗霊夢が叫ぶ。
「限界よ…霊夢…私我慢できない」
咲夜と呼ばれた少女が、その言葉を無視して行為を続行する。
「ダメ!それはムリに決まってる!」
霊夢は必死に叫ぶがその声は既に届いていない。そして咲夜は、そのスキマに指を入れた。
「いやあ!壊れちゃう!」
咲夜はそんな霊夢の声も聞かずに、スキマからソレを掴んで…
「いくわよ!霊夢!」
「ダメぇぇぇぇぇぇ!」
一気に引っ張った。
ああああああああああああああああああああああああああああ!
がちゃがちゃがちゃがちゃがちゃ
「はい!霊夢たちの負けー!」
無邪気な声が聞こえた。フランドールが笑顔で寄ってくる。他の面子もぞろぞろ霊夢と咲夜の周辺に集まってきた。
「ちょっと咲夜だからムリって言ったじゃない!あんな傾いた場所から取るなんて!」
「だって他に無かったんだもの…仕方ないじゃない…」
霊夢は咲夜に文句を言う。彼女達は二人一組になって、ジ○ンガをやっていたのだ。ルールは、積み木で出来たビルから積み木を抜いていき、それを上に乗せる。それを繰り返して、最初に崩してしまった人が負けだ。ただ今回は二人一組になって、順番ずつ交代でやるというものだった。(レミリア・小悪魔組 霊夢・咲夜組 フラン・パチュリー組 え?美鈴?ああ、人数上1人です)
今回、霊夢が何故紅魔館でゲームをやっているかというと、先日あまりに暇だったのとメインのゲームの優勝者には豪華商品が与えられるということだったからだ。永琳は咲夜が無視したのでこのことは知らない。(永琳は咲夜の恋敵であるため一緒にいると都合が悪い)
「それにしても…頑張ったわね」
パチュリーが感嘆している。元々のビルの大きさは、フランの目線くらいだったが下から下から取っていくうちにいつの間にか、咲夜も踏み台を
使わなければならないほどの高さになっていたからだ。しかし、それも崩れてしまえば夕げのおかずでなんたらってやつだ。
「そんなことより、メインのゲームは何なの?」
霊夢が興味無さそうに言う。しかし、さっきからそわそわしてるので本心は興味津々なのだろう。言葉では嫌と言っても、体は正直だぜ。見たいなものである。その言葉を聞いて、レミリアに命じられた咲夜は、床からでっかいトランクみたいなのを取り出した。
「これは?」
霊夢が尋ねる。
「コレはね…何年か前に、咲夜が海へ食材を取りに行った時拾ってきたのよ。どうやら中身はボードゲームのようね」
「ええ、なんか太鼓のような音がしたので拾って帰ってきたのです。そのまま放置して忘れてましたが」
レミリアが説明した後、咲夜が補完する。とりあえず霊夢はそのトランクを開けてみた。中には確かに駒やサイコロが入っていた。
「じゃあ私からね」
ジャンケンの結果、パチュリーが一番ということになった。サイコロを振る。
5
数の分だけ駒を進める。そこには文字が書かれていた。
【仕事に失敗。誰かに怒りながら攻撃しなければならない】
「何なのコレ?私はそんな…」
そうパチュリーが言いかけると突然美鈴にパチュリーの鉄拳が飛んだ。しかし、さすが門番といったところか見事にそれをガードする。
「何をするんですかパチュリーさん!」
「うるさい!」
「なに逆ギレしてるんですか!」
「DA☆MA☆RE!」
美鈴が文句を言っても、パチュリーが全く美鈴に攻撃を止める気配はない。
「ちょっと咲夜!なんなのよ、このゲーム!」
レミリアが咲夜に怒鳴る。
「あ、説明書読み忘れましたわ」
そう言った咲夜の頭に霊夢のツッコミが入った。なぜか咲夜は幸せそうだ。気を取り直して、咲夜が説明書を読み上げる。
「えーと…」
【このゲームはルールは人○ゲームですがマスの指示に絶対に従ってもらいます。終わるには、誰か1人でもゴールすることが条件です。またそのマスの指示は一定時間すると終わるので御安心を。あ、そうそう途中で終わったら死にますよー】
戦闘中の二人を除いて全員に沈黙が走った。沈黙度で言うなら、マ○オRPGのあれくらいだ。
「「「「「これなんて闇のゲーム?」」」」」
全員の精神がシンクロした。どこかで作者がマインド○ラッシュされた。
「はぁ…はぁ…」
「ぜえ…ぜえ…」
どうやら、パチュリーの暴走は終わったようで二人は満身創痍で再びテーブルに着いた。順番的に次は美鈴なのだが、なんかずたぼろなので霊夢が代理ということになった。後ろで美鈴が咲夜にフルボッコにされていることを書いておく。
「…それ」
心底嫌そうな顔で霊夢が転がしたサイコロは
3
を出した。駒を進めるとそこに書かれていたのは
【農業の道に進む。収入1000円手に入れる】
だった。
「なによこれ…ってえ?」
霊夢の手にはいつの間にか1000円札があった。
「どうやら、このゲームは上手くいけば大金持ちになることも可能のようね」
レミリアの言葉に全員のこのゲームの見る目が変わった。霊夢以外の目的は
「「「「「「上手くいけば霊夢(さん)と…」」」」」」
見たいな感じだ。目標の霊夢はどうやら本気になったらしい。目がヤバイ。霊夢ヤバイ。
「あら?美鈴、私と順番変わる前より傷増えてない?」
「き…気のせいです」
あきらかに先ほどより出血が酷くなった美鈴がサイコロを振る。
1
駒を進めるとそこには【お小遣い500円もらう】とかいてあった。
「なんか…年齢が滅茶苦茶ですね」
軽くぼやきながらとりあえず500円を握る美鈴。
「さてさて、じゃあ私が行くわよ」
意気込んでレミリアがサイコロを振る。
2
【気分がいいのでお外で遊ぶ。一回休み】
「一回休みか…しょうがないわねぇぇぇぇぇぇ!?」
レミリアの体がズルズルと屋敷の入り口まで引っ張られていく、どうやら本当に次の順番まで外にいなければならないようだ。
「ちょっと!今日はマズイ!雨!雨降ってたから!」
そんな言葉は知るかと言うかのごとく、ますますパワフルに引っ張られていくレミリア。全員が必死に手を掴んで引っ張るがそれも無駄に終わり、とうとうレミリアは外に放り出された。レミリア死す…と誰もが思ったが
「あ、雨やんだみたいね」
盛大にすっころんだ。
「じゃあ私~」
レミリアが外で何かしている間にフランがサイコロを振る。サイコロがいちど木っ端微塵になったが、すぐに代用品を用意した。
4
【100メートル離れたところに置いた戟に弓で命中させる。出来れば一万円出来なければ一回休み】
ふと扉を開けると廊下にはいつの間にか戟が置かれていた。それを見ると、フランは余裕といわんばかりに胸はり。
「スター…」
「妹様!それはマズイですお屋敷が壊れます!」
「ちぇ~」
咲夜に止められたフランは、仕方なく普通にそこら辺にご都合主義で落ちていた弓を使って戟に命中させた。フランの手に一万円札が出るが、フランには利用価値がないのですぐに粉みじんになった。霊夢は泣いた。
「私ですねー」
続いて小悪魔がサイコロを振る。
6
【戦闘突入 1・2・3で勝利 4・5・6で敗北 敗北時には一回休み】
「ありきたりですね~でもそのほうが気が楽です」
小悪魔が再びサイコロを振ると4がでた。
「あちゃ~…一回休みですか~ってうおおおおおおおお!?」
気が付くと小悪魔の前にでっかい毛玉が現れた!
コマンド?
弾幕
弾幕
こぁ~
ニア逃走
小悪魔は逃げ出した。それに続いて毛玉もついていく、どうやら気が抜けないということがようやく全員わかったようだ。
「え~と…次は私ね」
かなりびびりながら咲夜がサイコロを投げる。といっても7人なので全員分いったから、もう出る内容はわかっていた。はずでしたが!
コロコロコロ…パキィ!
サイコロが割れて6と1が出たので7で続行します!
「何なのよこのサイコロ!」
【かくし芸をする】
「…普通ね」
「ええ」
「普通すぎますね」
あまりにあっけなさすぎたので、全員の顔が一瞬デフォルメされた。かくし芸は御存知ナイフ投げ、美鈴の頭の上にあるリンゴに投げるというものだった。見事に失敗したのは言うまでもない。(なぜかコレにはペナルティ無し)
4時間後―
全員はズタボロだった。内容が先に行けばいくほどハードなものになっていき、熱湯CMとか、熱々おでんとか、タライが頭から落ちてくるとか、42,195㎏バーベル上げとか、その他モロモロなことがあったが、ようやくゴールまであと少しというところまで来た。
「ぜぇ…ぜぇ…い、いくわよ…」
フランが頭に刺さったサボテンのトゲを抜きながら言う。転がったサイコロは5を出して、ゴール手前一マスまで来た。
【結婚イベント 転がったサイコロでその目の順番の人と結婚できます。1と6が出た場合は7の可能性があるのでもう一回です】
フランの目が輝いた。全員に緊張が走る。そして―
2
「いやったあああああああああああああああああああああああああああああああ!」
「「「「「うわああああああああああああああああああああ!!!」」」」」
強運にも、霊夢の番号を当てたフランは、喜びのあまり扉を粉砕し、霊夢を除く全員は椅子を叩き壊した。
「さ、霊夢結婚しよう?」
「ちょちょっとフラン」
強引に霊夢を引き寄せるフラン。すかさず、小悪魔がサイコロを振る。駒はフランの駒の手前のマスで止まった。
【姑出現 誰かが結婚した場合、関係を壊す人物が登場】
ボン!
という音と共に現れたのは…
「あなた達…なにやってるのかしら?特に咲夜」
永琳だった。どうも召喚中に全て理解したのか目が殺気立っている。
「えっと…その…お遊びを…」
「だからと言って結婚なんかするもんじゃないわよ!…私の嫁だし」
「「「「「「「何いってるんだお前はー!」」」」」」
全員がツッコんだ。(霊夢含む)
「ええい!こんなの呼び出したのが間違いだったわ!」
そう言いながら咲夜がサイコロを投げる。というか、永琳に投げつける。もちろん、永琳はそれをすんなり避けて反撃に出ようとするが
ボンボンボンボンボボボン
色々と知り合いが現れた。どうやらサイコロの目がでたようだ。
【知り合い登場 ゴールは皆で祝うものです。あと少し頑張りましょう】
しかし、目の前が真っ暗になる。
「うお!何にもみえないぜ!」「アリスゥードコー!?」「上海ー!」「チルノちゃーん!」「大ちゃーん!」「~♪~♪」「いやっほおおおおおう!」「いええええええええええい!」「姉さん達ライブ途中だからってシャウトしないで!ミスティアさんもBGMだけの時は歌わないで!楽譜見えないから!」「そーなのかー」「誰だよ冬眠中に起こしたの…」「ちょっと誰!?今私のスキマに足突っ込んだのは!」「橙ー!ドコだー!」「こないでぇぇぇ!」「妖夢~どこ~」「さっきから後ろにいますって」「春ですよ~」「リリー!まだ私の季節よ!」「あー!蓬莱の玉の枝落とした!」「火だ!火をつけろ妹紅!」「周りに誰かいるのに使える訳ないでしょうが慧音!」「あなたたち私の屋敷で何してるのよ!」「そうよ!さもないとあなたたち全員壊すわよ!?」「お嬢様と妹様落ち着いてください!」「ぶべらっ!」「嘘に騙されるほうがわるいのさー」「こ、こぁー!」「小悪魔落ち着きなさい!」「あんた達いい加減にしないと夢想封印するわよ!?」「紅魔館防衛部隊からきますた」「紅魔館防衛部隊からきますた」「紅魔館防衛部隊からきますた」「紅魔館防衛部隊からきますた」「咲夜さ~ん押さえきれませ~ん」「どわっ!フラッシュで取ったら心霊写真が!」「小町、あなたは少しサボりすぎる」「映姫さま…周り見ましょうよ」「あー弓折れた!」
知り合いのほぼ全てが一つの部屋に集まってるのだ。全員がすし詰め状態、ハンバーガーの中の肉の部分(牛牛(ぎゅうぎゅう))で圧迫されている。既にリグルは潰れていた。
「パチュリー!早くサイコロ振りなさい!」
暗闇で顔は判らないが、声からして霊夢ということがわかる。
「わかったわ!」
パチュリーはあと3を出せば上がる。しかし、暗いので見えないので何が起こるかは全く起きるまでわからない。パチュリーが転がしたサイコロは止まって、駒が動いた。
ゴゴゴゴゴゴ…
突然屋敷全体が振動し始める。うるさかった全員も流石に黙って、沈黙が訪れた。しばらくして霊夢が口を開こうとしたその時。
ドドドドドドドドドドドド…
「うわ!」
誰の声かはわからなかったが、どうやら屋敷が崩れてきたようだ。
「皆逃げるわよ!」
咲夜がそう言った瞬間
グシャ
「「「「「「「「「「「「「「ぷぎゃああああああああああああ!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」
屋敷は潰れた。
【ゴール おめでとうございます!でもやっぱりこういうのは崩壊オチですよね!猶予を与えるので逃げてくださいね♪」
30分後全員は暫く入院が必要だったが、なんとか生きて出れた。
終
>魔力らしきものがかかってるらしく、見ることが出来ないので、誰が何が起 こるかは全くわからない。
駒が動いてから指示が表示されるので、見えないのは当たり前。(全部の指示はマスでなく、ある同じ一箇所に出ます)
映画版を思い出しての知識であり、小説版を覚えていないので、間違えてたらごめん。
久々のカオス・・・かな?
けど、すでに指摘されてる通り、大分変わっているようなので、パチュリーや魔女三人の合作はたまた・・・という感じでオリジナルにしちゃってよかったのでは?
後、拾った何年か前というのは幻想郷に来る前でしょうか?違うとしたら、湖でも川でもよかったのに、わざわざ無い海にした理由がわかりませんし
そうところを気にしなけければ面白かったです
やはりゴールしたらあの言葉をいわないとね
しかしゲームの内容が少し違うのは類似品か何かからかなぁ
しかし面白かったです
追伸 これの元ネタは「JUMANJI」であってますよね
>永琳は咲夜が無視したのでこのことは知らない。
なぜ永琳?
>咲夜が海へ食材を取りに行った
他にも書いている方がいますが、幻想郷には海がありません。海ではない場所にするか、過去や外の世界などのそれなりの理由付けが必要です。
>全員に沈黙が走った
全員が沈黙した、または全員に戦慄が走った、でしょう。
>10000札
円が抜けています。あとできれば漢数字で書いて欲しかったです。
笑いが止まらないぞ、
>姉さん達ライブ途中だからってシャウトしないで!
ちょwwwルナサとめるぽなにやてんだww