Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

似非文語劇場「巫女赴都」

2007/09/20 02:30:09
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幻想郷に博麗の巫女ありけり
賽銭常に底を尽き、日々粗食に苦悩せん
嗚呼今日も干飯のみかと嘆く様を見かね、八雲紫隙間より参上せり
曰く、早食なる物が外界にあらんとすれば鱈腹食べるが良かろうと、
巫女の腕をぐいと掴み隙間に攫わん
巫女は驚き目を瞑るなれど、ふと見上げ、更に驚嘆す
砂粒ほどの人間のいと多きこと
家々は天を貫かんとし、吸う息は酸の如きに喉を焼かん
此処は巫女も使用人もおりますればその格好でも歩き回れましょうと八雲は腕を掴み続けん
ならば早々に行きましょうぞと八雲の手を払いのければ、たちまち砂粒共に藻屑にされ、
いとも容易く離れたもうたり
そこを開けろと巫女はもがかんとするが、巫女さん萌えなどと群集沸き立ち人壁をなさん。
閃光目を眩まし、見知らぬ男に手を握られんとすれば、激怒した巫女、夢想封印を放たん
人壁は人山と変じ、その隙に八雲隙間を開き逃げ参じんとせん
幻想郷に戻りますれば既に八雲損じ、只巫女疲弊せんとす。
翌朝、賽銭箱に走書きが居座らん。
曰く、侘びの一言だが、箱中には賽銭が鬼の宝ほど鎮座せり。
只巫女泣く々々と座らん。






意訳というかなんというか

幻想郷に博麗の巫女という者がいた。
賽銭はいつも空っぽで、日々の食事にも困っていた。
「あーー、今日も干飯だけかぁ…賽銭よこせよチクショー」と嘆いていると、八雲紫が隙間から顔を出した。
八雲が言うに、「外界にファストフードっていうモノがあるらしいから食べに行きましょ」などと言って
巫女の腕を掴んで問答無用で隙間へと攫っていった。単に自分が食いたいだけっぽい。迷惑な話。
巫女は驚いて目を瞑ったが、次に目を開けたら更に驚いた。
砂粒くらいにたくさんいる人間。
ビルは天高く馬肥ゆる、でも空気は肥えられるほど美味しくなかった。むしろ結構不味かった。
八雲は「ここは巫女もメイド普通にいるからその格好でもイケるでしょ」なんて言いながら腕は掴んだままだ。
巫女は「じゃあさっさと行きましょう」と言って八雲の手を振り払ったが、途端に人間たちにもみくちゃにされ、
あっという間にはぐれてしまった。「あーあ、だから言ったのに、って言ってなかったか」と、八雲は割りと悠長だ。
「ちょっと、どきなさいよ!」と人を掻き分けようとするが、「巫女さんだ!」「巫女さん萌え~」「視線ください!」「あ、握手いいですか?」「腋巫女…サラシ……はぁはぁ」などと群集が迫ってきた。戦慄。
フラッシュが目を眩まし、見知らぬ男に手を握られようとしているので、巫女は激怒して夢想封印を放った。
壁は崩れ、積み重なって山になり、その隙に八雲が隙間を開いて逃げようとした。見てて割と面白かった。
巫女が気づいたときにはもう幻想郷にいて、八雲は既にそこにいなかった。
巫女はただただ疲れただけで終わった。「絶対後でシバく」
翌日巫女が賽銭箱に向かうと、そこにメモっぽいのが置いてあった。
そこには「昨日のお詫びよ」とだけ書いてあったが、賽銭箱の中身を見ると小銭ばかりが山ほど入っていた。
「紫……でも最初からこうしろっての…全く」と、巫女は目を潤ませた。
「でもコレどこから…?」「ひ・み・つ♪」「!!?」
高校のとき居眠りばかりだった工学系人間がうろ覚えで文語を書いてみた。結構ヤムチャした。
大したこと書いてない割にそれっぽく見えるのが古文だよね。(←問題発言)
誰ん者
コメント



1.名無し妖怪削除
や、元々古文にはそんな大層なこと書かれていませんぜ、などと言ってみる文系大学生
2.誰ん者削除
どうも古文ってまっ平らなイメージが付きまとうんですよね…
でもある歴史の先生は古代日本関係の歌(?)をダイナミックに読んでいて結構惹かれた気が。
読み手でこうも変わるものかと、そのとき感動したものです。