「土符!レイジィトリリトン!」
詠唱を終えると、次々と巨石が出現し、視界を埋める。よし、ここまでは順調…
「火符!アグニシャイン上級!!」
第二撃、炎が真っ直ぐに伸び、巨石を覆う。いける…?
「だっ駄目ですパチュリーさま!持ちません!!」
「くっ!」
小悪魔の声に巨石を見つめる…駄目だ、炎で崩れかけている…これでは使えない。
「はぁ…また失敗したわね」
ぶすぶすと煙を上げながら崩れゆく巨石を前に、私はため息をつく。この失敗は何回目だろう?
「…パチュリーさま、大丈夫ですよ!次がありますって!」
陽気に言う小悪魔だけど、その疲労は濃い。そう、ここ数日、開発中の複合魔法の為、サポートを頼んでいるのだ。
強大な魔力ゆえ、火力の調整が効かない私の、いわば制御装置といえる。
土符の石と、火符の炎を織り交ぜた新型の複合魔法。
それには既にラーヴァクロムレクがあるけど、いわば焼け石を無差別にぶつけるこの魔法は、今度の目的には向かない。
一気に巨石を積み上げ、相手を閉じこめる。そして、その石を大火力で一気に焼け石となす。それが今回の目標。
そう、ラーヴァクロムレクが全周攻撃ならば、今度の魔法は一点集中。ある一つの目的の為の、大魔法だ。
これはバランスが難しい、石が強ければ焼け石にならず、炎が強ければ石が焼け崩れる。しかも、困ったことに土符由来の石は比較的脆いものが多く、目標を達するには少々心許なかった。
「何か…何か手段があるはず。そう…何か…」
魔法の開発に必要なのは、資金、設備、魔力、そして諦めない心だ。
しかし、土符と火符の組み合わせはほとんど試し終わっていた。あとは、あまりに可能性が低く、実験する意味がないものばかり…
その時、小悪魔が言った。
「パチュリーさま、賢者の石ならもしかすると…」
「あ…」
盲点だった。そう、どの符にも由来せず、全ての符に由来する賢者の石。あれなら、ロイヤルフレア級の攻撃にすら…
「やりますか?」
「やりましょう」
小悪魔の声に即座に応じ、呪文の詠唱にかかる。
賢者の石とロイヤルフレアの連続詠唱、最強クラスの魔法を連続させるという無茶な行動。でも、体調は最良、今の私達ならいけそうな気がする、それに、それだけの価値はある!
「火水木金土符!賢者の石!!」
「日符!ロイヤルフレア!!」
連続詠唱に息が上がる、気が遠くなる。いくら体調がいいとはいっても、私の魔力には限界がある。
でも…
「パチュリーさまっ!成功ですっ!!」
真っ赤な賢者の石が眼前にあった。
小悪魔が駆け寄ってくる、支える彼女へと、Vサインを送る。
「いける…かしら」
よろよろと尋ねる私に、小悪魔は成功を確信した笑顔で言った。
「いけますっ!これならきっと…」
「おいしい石焼き芋が作れます!」
『おしまい』
詠唱を終えると、次々と巨石が出現し、視界を埋める。よし、ここまでは順調…
「火符!アグニシャイン上級!!」
第二撃、炎が真っ直ぐに伸び、巨石を覆う。いける…?
「だっ駄目ですパチュリーさま!持ちません!!」
「くっ!」
小悪魔の声に巨石を見つめる…駄目だ、炎で崩れかけている…これでは使えない。
「はぁ…また失敗したわね」
ぶすぶすと煙を上げながら崩れゆく巨石を前に、私はため息をつく。この失敗は何回目だろう?
「…パチュリーさま、大丈夫ですよ!次がありますって!」
陽気に言う小悪魔だけど、その疲労は濃い。そう、ここ数日、開発中の複合魔法の為、サポートを頼んでいるのだ。
強大な魔力ゆえ、火力の調整が効かない私の、いわば制御装置といえる。
土符の石と、火符の炎を織り交ぜた新型の複合魔法。
それには既にラーヴァクロムレクがあるけど、いわば焼け石を無差別にぶつけるこの魔法は、今度の目的には向かない。
一気に巨石を積み上げ、相手を閉じこめる。そして、その石を大火力で一気に焼け石となす。それが今回の目標。
そう、ラーヴァクロムレクが全周攻撃ならば、今度の魔法は一点集中。ある一つの目的の為の、大魔法だ。
これはバランスが難しい、石が強ければ焼け石にならず、炎が強ければ石が焼け崩れる。しかも、困ったことに土符由来の石は比較的脆いものが多く、目標を達するには少々心許なかった。
「何か…何か手段があるはず。そう…何か…」
魔法の開発に必要なのは、資金、設備、魔力、そして諦めない心だ。
しかし、土符と火符の組み合わせはほとんど試し終わっていた。あとは、あまりに可能性が低く、実験する意味がないものばかり…
その時、小悪魔が言った。
「パチュリーさま、賢者の石ならもしかすると…」
「あ…」
盲点だった。そう、どの符にも由来せず、全ての符に由来する賢者の石。あれなら、ロイヤルフレア級の攻撃にすら…
「やりますか?」
「やりましょう」
小悪魔の声に即座に応じ、呪文の詠唱にかかる。
賢者の石とロイヤルフレアの連続詠唱、最強クラスの魔法を連続させるという無茶な行動。でも、体調は最良、今の私達ならいけそうな気がする、それに、それだけの価値はある!
「火水木金土符!賢者の石!!」
「日符!ロイヤルフレア!!」
連続詠唱に息が上がる、気が遠くなる。いくら体調がいいとはいっても、私の魔力には限界がある。
でも…
「パチュリーさまっ!成功ですっ!!」
真っ赤な賢者の石が眼前にあった。
小悪魔が駆け寄ってくる、支える彼女へと、Vサインを送る。
「いける…かしら」
よろよろと尋ねる私に、小悪魔は成功を確信した笑顔で言った。
「いけますっ!これならきっと…」
「おいしい石焼き芋が作れます!」
『おしまい』
やりきった!やりきったよ二人とも!!