注:このお話は、拙作、『天気雨』(東方創想話44)のアフターストーリーとなっております。
そちらの雰囲気をぶちこわしにしたくなければ読まないことが賢明です。いいですか、注意しましたよ!?
雨は上がってお空は快晴。
吹き渡る風も、実に気持ちよくなってきた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。私、博麗霊夢は、今日も一日、のんびりとすごしています。
具体的に言うと縁側でお茶とかお昼寝とかお掃除とか……え? 賽銭箱? よし、今、そのフレーズを口にした君。そこに立つんだ。なに、何もしないさ。何かされたと感じた時には、君はベッドの上だからノープロブレム! あ、こら、逃げるな!
「は~……平和ねぇ」
「そんなに暇なら、是非とも、文ちゃんの突撃取材にご協力……」
「ていっ」
「あうちっ」
今、どこからともなく現れた変なのはスルーする方向で。
『……あの、文さまの眉間に針が……。ま、いいか。どうせ死なないし……』
うむうむ、わかってるねぇ、かーくん。
……って、何で私は彼(?)の言葉がわかるのだろうか。人間、長く生きていると不思議な力が身に付くと言われているけど、神に仕える巫女は、そう言う力に目覚める確率が高いのかもしれないわね。うむ。
「お?」
その時、鳥居をくぐって境内へと上がってくる人影が一つ。
その人物を見て、私は声を上げた。
「おーい、けーねー」
「ああ、霊夢殿。お邪魔するよ」
基本的に、この博麗神社は来るもの拒まずだ。ただし、神の御前で無礼を働かないもの達のみ。それ以外の連中には、丁重に夢想封印でお帰り願うのが、この博麗神社のしきたりなのです。
「少し、いいだろうか?」
彼女は、賽銭箱に、きちんとお賽銭を投げ込んでから、私の隣に腰を下ろしてきた。
ああ……この『ちゃりーん』って音に心が洗われる……。
……ん? 何ですって? 賽銭入れてくれる奴だけが来てもいい奴の間違いじゃねぇか、って? そんなことを言う人は、必殺、巫女ジェノサイドでお仕置きしちゃうぞ☆
「しばらく前の、あの子のことなんだが」
「ああ、あの子?」
その『あの子』というフレーズは、私にとっては、色々と感じるものを残してくれるものである。
あの子。それは、今から、およそ半年くらい前だろうか。この博麗神社の鳥居のところに捨てられていた、小さな小さな女の子の赤ちゃん。私は、彼女の母親扱いされて、彼女の面倒を見る日々に、ずいぶん苦労したものだが。
しかし、今となっては、あの日々も懐かしく思えてしまうから不思議である。思わず、『あったなぁ』なんて、おばさんくさいことを考えてしまったりして。
「どう? あの子、元気?」
「何だか、霊夢殿は、このごろ、私の顔を見るたびにそれだな」
「え? そう?」
「そうだよ」
慧音の顔には苦笑が浮かんでいた。
……はて。
私は、そんなにあの子のことを気にかけているのだろうか。
あんな、騒動とトラブルの塊みたいな子供のことを。……まぁ、確かにね。うん。今、思い返せば……ほんとに……。
「……あー、くそ。
慧音、今、お茶、持ってくるわ」
何だか、目元がじわりとにじんだ。
どうやら、ちょっとした雨が降ってきたらしい。私は、それを服の袖でぬぐってから、慧音に一言を残して立ち上がる。彼女の視線が、私の背中に、何とも言えない雰囲気を伴ったまま、向けられているのを感じながら。
「彼女のことだが、ずいぶん、元気に育ってきているよ。最近では言葉も覚えて、あっちこっちを楽しそうに走り回っているそうだ」
「そうなんだ。
結局、あの子、いくつだったの?」
「今、三つだよ」
「へぇ」
彼女と一緒に、縁側でお茶を飲みながら、のんびりと。
あ、お空にリリー・ホワイト発見。……って、何でいるんだあいつ。今、春じゃないだろ。あ、ブラックが連れ戻しにきた。「季節間違ってるわよ、あんた!」「え!? こんなにぽかぽかのお天気なのに春じゃない!? これはこーめーの罠!?」「誰よそれ!」。いいからとっとと帰れ。あと、ばらまいた弾幕に当たって、向こうでチルノが撃墜されてるわよ。
「引き取られた家庭にもすっかりなじんで、父親や母親と一緒に、楽しく過ごしているそうだ」
「そうなんだ」
「ああ」
彼女は、そう言って湯飲みを傾けて。
「この前、私の顔を見て、『けーね』って言っていたよ。私のことも、しっかり覚えているようだな」
ふむ。
すなわち、あの子は、意外に頭がいい……というか、賢いというか。もしかして、天才なのかもしれない。まぁ、ただ単に、顔見知りを見て……あ、いや、待て、名前まで覚えていると言うことは……。
「『れーむママは?』って言っていた」
「……あ、そう」
ちょっぴり、鼻につんときた。
……ちょっと何よ、このお茶。鼻に来るお茶なんて聞いたことないわよ、もう。
「あの子が住んでいる里は、実に隣人同士の仲がいい。幸せな環境だよ」
「まぁ、そうよね。人類皆兄弟なのよ」
「誰も彼もが仲がいい。それが一番さ」
争いなんて、起きない方がいい。彼女はそう言った。
その発言については最もなのだが、私はふと、思い当たったことがあるので聞いてみることにする。
「ねぇ。あの子、周りと仲良くやってるって言ったわよね?」
「ああ」
「ケンカとかは?」
「しないよ。むしろ仲裁する方だ」
「へぇ」
「ただ、一度だけ、ケンカはしたこともあるらしい。その、ケンカした相手とは、今は一番の友達らしいのだがな」
うむうむ、よきかなよきかな。
拳を交わさなければわからない友情があるというわけじゃないけど、やっぱり、友達という相手を前にして、一度もケンカとか……まぁ、簡単に言えば、すれ違いをしたことがないというのは、理想的ではあるかもしれないけれど、やっぱり不安になるものだ。
大切な人とは、その相手の、いいところも悪いところも、全部わかってる、くらいのことを胸を張って言える関係になってほしいし。
「……で、だな。霊夢殿」
「何?」
「その……。
いや、実は、これは霊夢殿に相談というか……聞きたいことなんだが……」
「どしたのよ?」
唐突に改まってどうしたというのだろうか。慧音らしくもない。
確かに、こいつは、色々と物腰丁寧な奴だが、それでも、こんな風に、他人を前に改まることは滅多にない。はて、何があったのだろうか。
「その……あの子のことなんだがな」
「うん」
「その……だな。
まぁ、これは彼女の正義感が強いからなんだろうが……時々、子供達のケンカを止めに入ったりもするらしい」
「いいことじゃない」
「ああ……それは、確かに……なんだがな」
なぜか、彼女は口ごもる。
一体、何だというのか。どうしたのよ、と促すと、慧音は、意を決したと言わんばかりに口を開いた。
「その際にだな……。
『ケンカなんてやめて! 私がお話を聞くから! 何があったの!?』って叫びながら、問答無用で零距離で夢想封印かましたらしい……」
「……………………………………………………………………………………………………………………………え?」
長い……あまりにも長すぎる沈黙を経て、私はぽつりと声を上げた。
「その……彼女の一番の友達というのは、樹澄すくめというのだが。その女の子と仲良くなったのも、『どうして意地悪するの? 仲良くしようよ!』って、やっぱり全力全壊の夢想封印が原因らしくてな……。
仲良しというか……怯えてるというか……惚れた弱みというか……」
「……をーい」
待て、何やってんだ、あの子は。
「今じゃ、近所の子供達のみならず、大人達の間でも、『紅白の悪魔』と呼ばれていて……ちょっとな……」
「……………えーっと」
「なぁ……霊夢殿……。あの子に、一体どんな教育をしたんだ……?」
どんな……と言われても。
いや、そもそも、私、あの子に何か変なこと教えたか!? 考えろ、考えるんだ、霊夢! 考えても答えなんて思いつかないわよこんちくしょう!
「わ、私は別に何もしてないわよ!」
「どうしてそう言うことをするんだ、っていうか、出来るんだ、って聞いたら『何となく』って言ってたぞ」
「何となくで夢想封印習得!? 何者よ、あの子!」
「周辺では、『話を聞くからという甘い言葉で相手を騙して、全力火力をぶつけてくる紅白の悪魔略して紅白の悪魔』だぞ。本当に何もしてないのか!?」
「してるわけないじゃない!
あ、いや、でも待てよ……」
……そう言えば、私、あの子が見てる前で、魔理沙とかにがっつんがっつんスペカぶちかましていたような……。
「……まさか、見よう見まね……?」
「……マジか?」
「……それ以外、原因が思いつかない……」
「確かに……霊夢殿の子育てっぷりは、そのまんま、子育て初めてお母さんだったからな……」
それってつまり、初めての子供は大切に育ててます、ってことですか?
いや、確かに、私はあのこのことを大切に育てはしたけれど……。だ、だからって……。
「慧音ーっ! 慧音、大変だーっ!」
「ど、どうした、妹紅!?」
「あの子が! あの子が、また子供達のケンカの仲裁に『ケンカしちゃダメって言ったじゃない……。ちょっと、頭冷やそうか?』って、陰陽鬼神玉ぶちかましたらしいぞ!」
「またか!?
と、とにかくだ、霊夢殿! ちょっと私は席を外す! 帰ってきたら話の続きをお願いするぞ!」
「私、もうやだよ! あいつ、霊夢以上に手加減ないじゃないか!」
「臆するな、妹紅! 相手は子供だぞ! 確かに、私たちも何度かぶっ飛ばされはしたが、誠心誠意、話せば伝わるはずだ!」
「話してる最中に、私なんて夢想封印―瞬―くらったんだぞ!?」
「諦めるな! 行くぞっ!」
どたばたどたばたどたばた……。
……まさしく、嵐のように彼女たちは去っていった。そう、決して、聞き逃せないフレーズ達と一緒に……。
あの子……うん……元気いっぱいに育っているようだけど……。何だろう、この、胸の中を覆い尽くす果てしない、不安という名の暗雲は……。
「……あー、お茶が美味しい」
遠くから響く爆音と一緒に、何か見たことのある影が二つ、宙を舞うのが見えたような気がするんだけど……。
「聞こえない聞こえない……私は何も見てない……見てないのよ……」
私は、それに背中を向けて、境内の掃き掃除を再開したのだった。
そちらの雰囲気をぶちこわしにしたくなければ読まないことが賢明です。いいですか、注意しましたよ!?
雨は上がってお空は快晴。
吹き渡る風も、実に気持ちよくなってきた今日この頃、皆さん、いかがお過ごしでしょうか。私、博麗霊夢は、今日も一日、のんびりとすごしています。
具体的に言うと縁側でお茶とかお昼寝とかお掃除とか……え? 賽銭箱? よし、今、そのフレーズを口にした君。そこに立つんだ。なに、何もしないさ。何かされたと感じた時には、君はベッドの上だからノープロブレム! あ、こら、逃げるな!
「は~……平和ねぇ」
「そんなに暇なら、是非とも、文ちゃんの突撃取材にご協力……」
「ていっ」
「あうちっ」
今、どこからともなく現れた変なのはスルーする方向で。
『……あの、文さまの眉間に針が……。ま、いいか。どうせ死なないし……』
うむうむ、わかってるねぇ、かーくん。
……って、何で私は彼(?)の言葉がわかるのだろうか。人間、長く生きていると不思議な力が身に付くと言われているけど、神に仕える巫女は、そう言う力に目覚める確率が高いのかもしれないわね。うむ。
「お?」
その時、鳥居をくぐって境内へと上がってくる人影が一つ。
その人物を見て、私は声を上げた。
「おーい、けーねー」
「ああ、霊夢殿。お邪魔するよ」
基本的に、この博麗神社は来るもの拒まずだ。ただし、神の御前で無礼を働かないもの達のみ。それ以外の連中には、丁重に夢想封印でお帰り願うのが、この博麗神社のしきたりなのです。
「少し、いいだろうか?」
彼女は、賽銭箱に、きちんとお賽銭を投げ込んでから、私の隣に腰を下ろしてきた。
ああ……この『ちゃりーん』って音に心が洗われる……。
……ん? 何ですって? 賽銭入れてくれる奴だけが来てもいい奴の間違いじゃねぇか、って? そんなことを言う人は、必殺、巫女ジェノサイドでお仕置きしちゃうぞ☆
「しばらく前の、あの子のことなんだが」
「ああ、あの子?」
その『あの子』というフレーズは、私にとっては、色々と感じるものを残してくれるものである。
あの子。それは、今から、およそ半年くらい前だろうか。この博麗神社の鳥居のところに捨てられていた、小さな小さな女の子の赤ちゃん。私は、彼女の母親扱いされて、彼女の面倒を見る日々に、ずいぶん苦労したものだが。
しかし、今となっては、あの日々も懐かしく思えてしまうから不思議である。思わず、『あったなぁ』なんて、おばさんくさいことを考えてしまったりして。
「どう? あの子、元気?」
「何だか、霊夢殿は、このごろ、私の顔を見るたびにそれだな」
「え? そう?」
「そうだよ」
慧音の顔には苦笑が浮かんでいた。
……はて。
私は、そんなにあの子のことを気にかけているのだろうか。
あんな、騒動とトラブルの塊みたいな子供のことを。……まぁ、確かにね。うん。今、思い返せば……ほんとに……。
「……あー、くそ。
慧音、今、お茶、持ってくるわ」
何だか、目元がじわりとにじんだ。
どうやら、ちょっとした雨が降ってきたらしい。私は、それを服の袖でぬぐってから、慧音に一言を残して立ち上がる。彼女の視線が、私の背中に、何とも言えない雰囲気を伴ったまま、向けられているのを感じながら。
「彼女のことだが、ずいぶん、元気に育ってきているよ。最近では言葉も覚えて、あっちこっちを楽しそうに走り回っているそうだ」
「そうなんだ。
結局、あの子、いくつだったの?」
「今、三つだよ」
「へぇ」
彼女と一緒に、縁側でお茶を飲みながら、のんびりと。
あ、お空にリリー・ホワイト発見。……って、何でいるんだあいつ。今、春じゃないだろ。あ、ブラックが連れ戻しにきた。「季節間違ってるわよ、あんた!」「え!? こんなにぽかぽかのお天気なのに春じゃない!? これはこーめーの罠!?」「誰よそれ!」。いいからとっとと帰れ。あと、ばらまいた弾幕に当たって、向こうでチルノが撃墜されてるわよ。
「引き取られた家庭にもすっかりなじんで、父親や母親と一緒に、楽しく過ごしているそうだ」
「そうなんだ」
「ああ」
彼女は、そう言って湯飲みを傾けて。
「この前、私の顔を見て、『けーね』って言っていたよ。私のことも、しっかり覚えているようだな」
ふむ。
すなわち、あの子は、意外に頭がいい……というか、賢いというか。もしかして、天才なのかもしれない。まぁ、ただ単に、顔見知りを見て……あ、いや、待て、名前まで覚えていると言うことは……。
「『れーむママは?』って言っていた」
「……あ、そう」
ちょっぴり、鼻につんときた。
……ちょっと何よ、このお茶。鼻に来るお茶なんて聞いたことないわよ、もう。
「あの子が住んでいる里は、実に隣人同士の仲がいい。幸せな環境だよ」
「まぁ、そうよね。人類皆兄弟なのよ」
「誰も彼もが仲がいい。それが一番さ」
争いなんて、起きない方がいい。彼女はそう言った。
その発言については最もなのだが、私はふと、思い当たったことがあるので聞いてみることにする。
「ねぇ。あの子、周りと仲良くやってるって言ったわよね?」
「ああ」
「ケンカとかは?」
「しないよ。むしろ仲裁する方だ」
「へぇ」
「ただ、一度だけ、ケンカはしたこともあるらしい。その、ケンカした相手とは、今は一番の友達らしいのだがな」
うむうむ、よきかなよきかな。
拳を交わさなければわからない友情があるというわけじゃないけど、やっぱり、友達という相手を前にして、一度もケンカとか……まぁ、簡単に言えば、すれ違いをしたことがないというのは、理想的ではあるかもしれないけれど、やっぱり不安になるものだ。
大切な人とは、その相手の、いいところも悪いところも、全部わかってる、くらいのことを胸を張って言える関係になってほしいし。
「……で、だな。霊夢殿」
「何?」
「その……。
いや、実は、これは霊夢殿に相談というか……聞きたいことなんだが……」
「どしたのよ?」
唐突に改まってどうしたというのだろうか。慧音らしくもない。
確かに、こいつは、色々と物腰丁寧な奴だが、それでも、こんな風に、他人を前に改まることは滅多にない。はて、何があったのだろうか。
「その……あの子のことなんだがな」
「うん」
「その……だな。
まぁ、これは彼女の正義感が強いからなんだろうが……時々、子供達のケンカを止めに入ったりもするらしい」
「いいことじゃない」
「ああ……それは、確かに……なんだがな」
なぜか、彼女は口ごもる。
一体、何だというのか。どうしたのよ、と促すと、慧音は、意を決したと言わんばかりに口を開いた。
「その際にだな……。
『ケンカなんてやめて! 私がお話を聞くから! 何があったの!?』って叫びながら、問答無用で零距離で夢想封印かましたらしい……」
「……………………………………………………………………………………………………………………………え?」
長い……あまりにも長すぎる沈黙を経て、私はぽつりと声を上げた。
「その……彼女の一番の友達というのは、樹澄すくめというのだが。その女の子と仲良くなったのも、『どうして意地悪するの? 仲良くしようよ!』って、やっぱり全力全壊の夢想封印が原因らしくてな……。
仲良しというか……怯えてるというか……惚れた弱みというか……」
「……をーい」
待て、何やってんだ、あの子は。
「今じゃ、近所の子供達のみならず、大人達の間でも、『紅白の悪魔』と呼ばれていて……ちょっとな……」
「……………えーっと」
「なぁ……霊夢殿……。あの子に、一体どんな教育をしたんだ……?」
どんな……と言われても。
いや、そもそも、私、あの子に何か変なこと教えたか!? 考えろ、考えるんだ、霊夢! 考えても答えなんて思いつかないわよこんちくしょう!
「わ、私は別に何もしてないわよ!」
「どうしてそう言うことをするんだ、っていうか、出来るんだ、って聞いたら『何となく』って言ってたぞ」
「何となくで夢想封印習得!? 何者よ、あの子!」
「周辺では、『話を聞くからという甘い言葉で相手を騙して、全力火力をぶつけてくる紅白の悪魔略して紅白の悪魔』だぞ。本当に何もしてないのか!?」
「してるわけないじゃない!
あ、いや、でも待てよ……」
……そう言えば、私、あの子が見てる前で、魔理沙とかにがっつんがっつんスペカぶちかましていたような……。
「……まさか、見よう見まね……?」
「……マジか?」
「……それ以外、原因が思いつかない……」
「確かに……霊夢殿の子育てっぷりは、そのまんま、子育て初めてお母さんだったからな……」
それってつまり、初めての子供は大切に育ててます、ってことですか?
いや、確かに、私はあのこのことを大切に育てはしたけれど……。だ、だからって……。
「慧音ーっ! 慧音、大変だーっ!」
「ど、どうした、妹紅!?」
「あの子が! あの子が、また子供達のケンカの仲裁に『ケンカしちゃダメって言ったじゃない……。ちょっと、頭冷やそうか?』って、陰陽鬼神玉ぶちかましたらしいぞ!」
「またか!?
と、とにかくだ、霊夢殿! ちょっと私は席を外す! 帰ってきたら話の続きをお願いするぞ!」
「私、もうやだよ! あいつ、霊夢以上に手加減ないじゃないか!」
「臆するな、妹紅! 相手は子供だぞ! 確かに、私たちも何度かぶっ飛ばされはしたが、誠心誠意、話せば伝わるはずだ!」
「話してる最中に、私なんて夢想封印―瞬―くらったんだぞ!?」
「諦めるな! 行くぞっ!」
どたばたどたばたどたばた……。
……まさしく、嵐のように彼女たちは去っていった。そう、決して、聞き逃せないフレーズ達と一緒に……。
あの子……うん……元気いっぱいに育っているようだけど……。何だろう、この、胸の中を覆い尽くす果てしない、不安という名の暗雲は……。
「……あー、お茶が美味しい」
遠くから響く爆音と一緒に、何か見たことのある影が二つ、宙を舞うのが見えたような気がするんだけど……。
「聞こえない聞こえない……私は何も見てない……見てないのよ……」
私は、それに背中を向けて、境内の掃き掃除を再開したのだった。
次代の博麗は容赦せん!
そしてちび霊夢が次代博麗の巫女になるわけですね?
樹澄すくめちゃん再登場期待w
ちなみに、他人の技をコピーしまくるあの人はグレート・マリライマーになったり。(SRWJ参照)
・・・冥王だったら閻王こと四季さまとどうなるんだろう?
このちび霊夢(仮)容赦せん! ああ、なんてストレイツォ。
つーか最近の夢想封印は七色じゃなくてショボーン。
末恐ろしい子だ…