別に怠惰な訳ではない、暇でもない
門番としての仕事は大量にある
通常業務である館外の警備に守衛任務
来訪客への応対、荷物の受け取り
妖精のいたずらの看破とその予防
花壇の水やりに手入れ
植木の剪定
前庭の整備
門の補修etc……
門というのはその建物の顔となるべき場所、その場所を守護し、外観を保ち、主の評判に泥を塗らぬよう万全を尽くすための仕事だ。
門の内側には安息が待っていなければならない。
門の外にあるどのような害悪も、内に招いてはならない。
たとえ門の内側に混沌があったとしても。
門は、外と内を分けるある種の結界のようなものだ。
実際、自分が門を守護していた期間、ここ紅魔館は外界、つまり幻想郷とはあまり関わってはいなかった。
館の主であるレミリアお嬢様は幻想郷でもトップクラスの実力を持つ吸血鬼、そのお嬢様が根城にしている紅魔館は、湖の中の島に建っているという立地もあってか、訪れるような客はほとんど無く、侵入を試みるような馬鹿も皆無だった。
まあ、正面門前に突っ立っている私は、たびたび妖精のいたずらに巻き込まれて大変だったんですが……
ちなみに、さっき挙げた仕事はほとんど部下がやってるので、私こと紅魔館の門番代表、 『紅 美 鈴』は中央正面門での業務に日々従事しています。
それはさておき、そんなひきこもりの巣窟とまで噂され出した紅魔館にもある日転機が訪れたんですね。
お嬢様が幻想郷を紅い霧で包んでしまったのです。
思い立ったが吉日、善は急げの号令で、お嬢様はあっという間に霧を幻想郷に広げてしまいました。
霧を出すに至った当時の会話内容を、咲夜さんが教えてくれたのでかいつまんでちょっとだけ
「ねえパチェ」
「なに?」
「昼間に外に出てみたいわ」
「灰になりたいの? それとも頭がハイになってるのかしら」
「お嬢様お気を確かに」
「気はしっかりと持っているつもりなんだけど」
「あらそう、で、なんでまた外に? それも昼に」
「気まぐれよ、館の中も飽きてきたし、外でも騒いでみたくなったのよ」
「ワガママさんね……まあ、できないこともないわ」
「さすがパチェ、話が早いわ」
「とても痛くて苦しい方法と、とても紅い方法があるけど、どっちがいい?」
「よく分からない二択ね……苦しくない方がいいわ」
「そう残念、絵的には前者の方が……まあいいわ、方法は……」
紅い方法というのが霧を発生させる方法だったそうで、なんだか長い魔術的講釈とかが入ったらしいですけど、聞いてもよく分かりませんでした。
ちなみに前者の痛くて苦しい方法は、再生能力を外法的手術だかなんだかで一気に高め、日に当たって灰になっていくそばから再生していく、という『壊れたら治そうこれリサイクルの基本』と題されたパチュリー様の実験だったそうで……灰化のダメージは消えないらしいので、いったん日に当たり始めると灰化と再生の無限サイクルで地獄を見る可能性大、なんだとか。お、恐ろしい……。
で、その後即決で霧を発生させたお嬢様、あんまりにも決断が早かったため、トップ首脳会談(レミリア、パチュリー、咲夜が行う午後のティータイムのこと)の内容を知らない私含む紅魔館使用人勢に情報が行き渡っておらず、紅い霧の発生に紅魔館すらも一時騒然となりました。
今だから言えることですが、私も騒然とした一人でして、霧の発生直後に「敵襲か!」と神速の反応を持ってして戦闘態勢へ移行、「ついに来た私の出番!」と三下並の雄叫びを上げて敢然と霧に戦いを挑んだものです。
今思い返すだけでも恥ずかしい、とんだ道化ですよ。突如現われた霧に全力攻撃、館に迫る危機に立ち向かう……なーんて言えば聞こえはいいかもしれませんが、実際には霧は主の出したもので、私が騒ぐことではなかったし、そもそもにして霧と戦うなんていう選択肢が自分に備わっていたのが残念でなりません。
もうね、「まずは! 華符「芳華絢爛」!」とか
「手応え無し……ならば、彩符「彩光乱舞」!」だとか
「効かないならば、吹き飛ばすまでよ! 三華「崩山彩極砲」!」
スペカ乱舞ですよまったくもう、あの時の私をころころしてやりたいですね、うふふ
その後、神社の巫女と黒白の魔法使いがお嬢様を懲らしめて、霧の件は片付きました。
私も万全だったなら……霧に向かって無駄に体力を消費していなければ……! 少し残念です。
でも、この事件のおかげで紅魔館は幻想郷になじむきっかけが生まれ、結果的にお嬢様の「外でも騒ぎたい」という願いは叶えられ、紅魔館への来客も増えました。
初期の頃こそ、図書館の本を勝手に持ち出す黒白、魔理沙を警戒して、私には門での迎撃任務が課せられていました。が、気が付くと今や魔理沙は顔パス、神社の巫女、霊夢は霧の一件以来お嬢様のお気に入りなので、こちらも顔パス。
というか、紅魔館によく訪れる者はほぼ顔パスです。
おかげで私の仕事量は激減、今までは
通常業務である館外の警備に守衛任務
来訪客への応対、荷物の受け取り
妖精のいたずらの看破とその予防
が主だったのですが、今では
植木の剪定
前庭の整備
門の補修
これらをしている時間の方が長いです。
すでに植木ばさみの扱いは西行寺の庭師にも劣らず、庭整備はかのフラワーマスターすら(ガーデニング的な意味で)舌を巻き、門の補修に関しては幻想郷随一とまでうたわれるようになりました。
門番王に、私はなった!!
違います、なってません、そもそもこれは門番のスキルではなくて用務員のスキルですよ。
それに門番王は全門番の王なので、そう簡単にはなれません。私もいつかはなりたいですね。
でも、仕方が無いんです、門番というのは受け身な仕事、なにかが起こらなければやることが無い。そんな仕事なんです。
警備をしようにも、他の門番の子が外側ですませてしまって、私のところまでやる必要が薄い、見回らなくても視界の範囲で事足りてしまう。妖精もお嬢様の強さを知ってからはここまで来ることは少なくなった。やることと言ったら、
「お邪魔するぜー」
「あ、いらっしゃい」
という具合に頭上を通り抜けていく魔理沙などの顔パス民の確認と
「ちわースキマ急便でーす、ハンコお願いしまーす」
「あ、いつもどうもー」
という具合にスキマから現われる宅配の方(苦労人仲間、匿名希望)との世間話ぐらい。
あー、私のライフワークじゅうじつしてるー
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
最近のマイブームはプチプチくん潰しです。
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
このプチプチ加減が絶妙です、たまりません。
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
宅配の緩衝材でたくさん余るので、捨てる前に私が責任をもってプチプチしてます。
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
もう目をつぶっててもプチプチできますし、二枚重ねに三枚重ね、後方二回宙返り一回ひねり降りをしながらでももちろんできます。
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
私の上司がくれた始めてのプチプチ。
それはスキマオリジナルで、私は門番でした。
そのプチプチは激しくプチプチで、こんな素晴らしいプチプチをもらえる私は、
きっと特別な紅美鈴なのだと感じました。
今では、私が門番。みんなにあげるのはもちろんスキマオリジナル。
なぜなら、
彼女らもまた、特別なプチプチだからです。
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ……
「え? 美鈴がいない?」
「はい、それで、メイド長宛の手紙が宿直室に」
「手紙……? なになに」
『拝啓 親愛なるメイド長、咲夜さん。ご機嫌いかがでしょうか。この手紙を咲夜さんが読んでいる頃、私は幻想郷の果てでプチプチを捨てている頃かもしれません。
突然ですが、私は少しの間だけ旅に出ます。お叱りも受けます、降格も覚悟の上です。私は』
「紅魔館門番代表であるために、プチプチを捨て、門番を極めてきます……? なに? プチプチって」
「まさか! 美鈴さん!」
「知っているの?名も知らぬ門番」
「いつかお酒の席で美鈴さんは言っていました……『私が真の門番を目指すとき、みんなに紅魔館の門は任せたわ』って……その時は門番みんな、酔って変なこと言ってるなーって」
「実は本気だったって? あの子なに考えてるの……」
「ここまで……」
「ん?」
「ここまで美鈴さんが本気だったなんて! 私、感動しました!」
「え、ええ?」
「きっと私、美鈴さんのこと誤解してました。最近はめっきり覇気魔も無くなって、もう駄目かとも思ってたんです。でも、実はこんな野望を持っていたなんて! 美鈴さんの留守は私たち門番隊が守ります、美鈴さんは門番の頂を目指して旅立った……門番の中の門番、門番王と呼ばれる存在は気高く雄々しく華やかでそれでいて決して情熱を失わない不屈の」
「わ、分かった、分かったわ……つまり美鈴は修行の旅……みたいなものに行ったってこと?」
「少し違いますが、そのような感じです! ああ、こうしてはいられない、私も早く門番のみんなに話をしないと……失礼しますメイド長!」
「……無断休養期間不明、ね」
「咲夜ー、今日のお茶請けは何かしら?」
「ごま団子ですわ、それよりお嬢様、お話が」
「あら、何?」
「美鈴……門番代表のことですが」
「中国が?」
「クビですわ」
そうして解雇されてしまった中国が、門番王にも匹敵する力を得、ある晴れた昼下がり、ついに紅魔館へ帰ってくるのだが……
それはまた別のお話
門番としての仕事は大量にある
通常業務である館外の警備に守衛任務
来訪客への応対、荷物の受け取り
妖精のいたずらの看破とその予防
花壇の水やりに手入れ
植木の剪定
前庭の整備
門の補修etc……
門というのはその建物の顔となるべき場所、その場所を守護し、外観を保ち、主の評判に泥を塗らぬよう万全を尽くすための仕事だ。
門の内側には安息が待っていなければならない。
門の外にあるどのような害悪も、内に招いてはならない。
たとえ門の内側に混沌があったとしても。
門は、外と内を分けるある種の結界のようなものだ。
実際、自分が門を守護していた期間、ここ紅魔館は外界、つまり幻想郷とはあまり関わってはいなかった。
館の主であるレミリアお嬢様は幻想郷でもトップクラスの実力を持つ吸血鬼、そのお嬢様が根城にしている紅魔館は、湖の中の島に建っているという立地もあってか、訪れるような客はほとんど無く、侵入を試みるような馬鹿も皆無だった。
まあ、正面門前に突っ立っている私は、たびたび妖精のいたずらに巻き込まれて大変だったんですが……
ちなみに、さっき挙げた仕事はほとんど部下がやってるので、私こと紅魔館の門番代表、 『紅 美 鈴』は中央正面門での業務に日々従事しています。
それはさておき、そんなひきこもりの巣窟とまで噂され出した紅魔館にもある日転機が訪れたんですね。
お嬢様が幻想郷を紅い霧で包んでしまったのです。
思い立ったが吉日、善は急げの号令で、お嬢様はあっという間に霧を幻想郷に広げてしまいました。
霧を出すに至った当時の会話内容を、咲夜さんが教えてくれたのでかいつまんでちょっとだけ
「ねえパチェ」
「なに?」
「昼間に外に出てみたいわ」
「灰になりたいの? それとも頭がハイになってるのかしら」
「お嬢様お気を確かに」
「気はしっかりと持っているつもりなんだけど」
「あらそう、で、なんでまた外に? それも昼に」
「気まぐれよ、館の中も飽きてきたし、外でも騒いでみたくなったのよ」
「ワガママさんね……まあ、できないこともないわ」
「さすがパチェ、話が早いわ」
「とても痛くて苦しい方法と、とても紅い方法があるけど、どっちがいい?」
「よく分からない二択ね……苦しくない方がいいわ」
「そう残念、絵的には前者の方が……まあいいわ、方法は……」
紅い方法というのが霧を発生させる方法だったそうで、なんだか長い魔術的講釈とかが入ったらしいですけど、聞いてもよく分かりませんでした。
ちなみに前者の痛くて苦しい方法は、再生能力を外法的手術だかなんだかで一気に高め、日に当たって灰になっていくそばから再生していく、という『壊れたら治そうこれリサイクルの基本』と題されたパチュリー様の実験だったそうで……灰化のダメージは消えないらしいので、いったん日に当たり始めると灰化と再生の無限サイクルで地獄を見る可能性大、なんだとか。お、恐ろしい……。
で、その後即決で霧を発生させたお嬢様、あんまりにも決断が早かったため、トップ首脳会談(レミリア、パチュリー、咲夜が行う午後のティータイムのこと)の内容を知らない私含む紅魔館使用人勢に情報が行き渡っておらず、紅い霧の発生に紅魔館すらも一時騒然となりました。
今だから言えることですが、私も騒然とした一人でして、霧の発生直後に「敵襲か!」と神速の反応を持ってして戦闘態勢へ移行、「ついに来た私の出番!」と三下並の雄叫びを上げて敢然と霧に戦いを挑んだものです。
今思い返すだけでも恥ずかしい、とんだ道化ですよ。突如現われた霧に全力攻撃、館に迫る危機に立ち向かう……なーんて言えば聞こえはいいかもしれませんが、実際には霧は主の出したもので、私が騒ぐことではなかったし、そもそもにして霧と戦うなんていう選択肢が自分に備わっていたのが残念でなりません。
もうね、「まずは! 華符「芳華絢爛」!」とか
「手応え無し……ならば、彩符「彩光乱舞」!」だとか
「効かないならば、吹き飛ばすまでよ! 三華「崩山彩極砲」!」
スペカ乱舞ですよまったくもう、あの時の私をころころしてやりたいですね、うふふ
その後、神社の巫女と黒白の魔法使いがお嬢様を懲らしめて、霧の件は片付きました。
私も万全だったなら……霧に向かって無駄に体力を消費していなければ……! 少し残念です。
でも、この事件のおかげで紅魔館は幻想郷になじむきっかけが生まれ、結果的にお嬢様の「外でも騒ぎたい」という願いは叶えられ、紅魔館への来客も増えました。
初期の頃こそ、図書館の本を勝手に持ち出す黒白、魔理沙を警戒して、私には門での迎撃任務が課せられていました。が、気が付くと今や魔理沙は顔パス、神社の巫女、霊夢は霧の一件以来お嬢様のお気に入りなので、こちらも顔パス。
というか、紅魔館によく訪れる者はほぼ顔パスです。
おかげで私の仕事量は激減、今までは
通常業務である館外の警備に守衛任務
来訪客への応対、荷物の受け取り
妖精のいたずらの看破とその予防
が主だったのですが、今では
植木の剪定
前庭の整備
門の補修
これらをしている時間の方が長いです。
すでに植木ばさみの扱いは西行寺の庭師にも劣らず、庭整備はかのフラワーマスターすら(ガーデニング的な意味で)舌を巻き、門の補修に関しては幻想郷随一とまでうたわれるようになりました。
門番王に、私はなった!!
違います、なってません、そもそもこれは門番のスキルではなくて用務員のスキルですよ。
それに門番王は全門番の王なので、そう簡単にはなれません。私もいつかはなりたいですね。
でも、仕方が無いんです、門番というのは受け身な仕事、なにかが起こらなければやることが無い。そんな仕事なんです。
警備をしようにも、他の門番の子が外側ですませてしまって、私のところまでやる必要が薄い、見回らなくても視界の範囲で事足りてしまう。妖精もお嬢様の強さを知ってからはここまで来ることは少なくなった。やることと言ったら、
「お邪魔するぜー」
「あ、いらっしゃい」
という具合に頭上を通り抜けていく魔理沙などの顔パス民の確認と
「ちわースキマ急便でーす、ハンコお願いしまーす」
「あ、いつもどうもー」
という具合にスキマから現われる宅配の方(苦労人仲間、匿名希望)との世間話ぐらい。
あー、私のライフワークじゅうじつしてるー
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
最近のマイブームはプチプチくん潰しです。
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
このプチプチ加減が絶妙です、たまりません。
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
宅配の緩衝材でたくさん余るので、捨てる前に私が責任をもってプチプチしてます。
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
もう目をつぶっててもプチプチできますし、二枚重ねに三枚重ね、後方二回宙返り一回ひねり降りをしながらでももちろんできます。
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ
私の上司がくれた始めてのプチプチ。
それはスキマオリジナルで、私は門番でした。
そのプチプチは激しくプチプチで、こんな素晴らしいプチプチをもらえる私は、
きっと特別な紅美鈴なのだと感じました。
今では、私が門番。みんなにあげるのはもちろんスキマオリジナル。
なぜなら、
彼女らもまた、特別なプチプチだからです。
プチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチプチ……
「え? 美鈴がいない?」
「はい、それで、メイド長宛の手紙が宿直室に」
「手紙……? なになに」
『拝啓 親愛なるメイド長、咲夜さん。ご機嫌いかがでしょうか。この手紙を咲夜さんが読んでいる頃、私は幻想郷の果てでプチプチを捨てている頃かもしれません。
突然ですが、私は少しの間だけ旅に出ます。お叱りも受けます、降格も覚悟の上です。私は』
「紅魔館門番代表であるために、プチプチを捨て、門番を極めてきます……? なに? プチプチって」
「まさか! 美鈴さん!」
「知っているの?名も知らぬ門番」
「いつかお酒の席で美鈴さんは言っていました……『私が真の門番を目指すとき、みんなに紅魔館の門は任せたわ』って……その時は門番みんな、酔って変なこと言ってるなーって」
「実は本気だったって? あの子なに考えてるの……」
「ここまで……」
「ん?」
「ここまで美鈴さんが本気だったなんて! 私、感動しました!」
「え、ええ?」
「きっと私、美鈴さんのこと誤解してました。最近はめっきり覇気魔も無くなって、もう駄目かとも思ってたんです。でも、実はこんな野望を持っていたなんて! 美鈴さんの留守は私たち門番隊が守ります、美鈴さんは門番の頂を目指して旅立った……門番の中の門番、門番王と呼ばれる存在は気高く雄々しく華やかでそれでいて決して情熱を失わない不屈の」
「わ、分かった、分かったわ……つまり美鈴は修行の旅……みたいなものに行ったってこと?」
「少し違いますが、そのような感じです! ああ、こうしてはいられない、私も早く門番のみんなに話をしないと……失礼しますメイド長!」
「……無断休養期間不明、ね」
「咲夜ー、今日のお茶請けは何かしら?」
「ごま団子ですわ、それよりお嬢様、お話が」
「あら、何?」
「美鈴……門番代表のことですが」
「中国が?」
「クビですわ」
そうして解雇されてしまった中国が、門番王にも匹敵する力を得、ある晴れた昼下がり、ついに紅魔館へ帰ってくるのだが……
それはまた別のお話
というか門番王てwwwかっこいいわぁ、ほんみりん。
やってく内に気分がハイになるんだよね、アレ……
最近見ないと思ったら幻想郷入りしてたのか!
美鈴、ちょっと分けて!!
やっぱり強いんだろうか
まがいなりにも王を名乗ってるんだし
しかし再就職先はいくらでもあるな