無縁塚は霖之助にとっては商品の仕入れをする場所だ。
よって彼が無縁塚でうろうろしていれば、それはすなわちそういうことなのだ。
「……何かないものか、おや?これは何だろう」
霖之助は、未知のアイテムの名称と用途がわかる程度の能力を有している。
彼は拾った道具をさっそく自分の能力でもって調べることにした。
名前:鉄アレイ
用途:腕の筋肉を鍛える。
「なるほど通りでずしりと重いわけだ」
霖之助は鉄アレイをもって帰ることにした。
―後日―
「おーっす、香霖いるかー?」
滅多に客が来ない香霖堂にやはり客ではない魔理沙がやってきた。
ちょうどご飯だった霖之助は「今は食事中だ」と店の奥から返事をした。
するとドタドタと魔理沙が勝手に上がって食事中の霖之助のとこまでやってきた。
「よー、香霖。何か面白いものは入ったかー?……お、美味そうな漬物だな。ひとつもらうぜ」
「……勝手に人の家に上がってきて、勝手に人のものを食べるなんて。魔理沙、君には乙女心というものが」
「ぽりぽり……へぇー、歯ごたえもいいし、結構おいしいぜ」
「……人の話を聞いているのかい、君は?」
「むむ、香霖がこんなおいしい漬物を作れるはずがないぜ。誰かからもらったのか?」
「失礼な。これは僕のお手製だよ。この間ちょうど漬物石に丁度いいものを見つけてね……って、魔理沙食べすぎだ!僕の分がなくなる!」
「減るもんじゃないって、けちけちすんな!」
「漬物は食べたら減る!」
台所の下に仕舞われている漬物樽。
その上には無縁塚で拾われた鉄の塊がどっしりと鎮座していたのだった。
正論すぎるw