――全力を出すってのは、勇気を出すことに繋がるものだと思う。
それは言わば、自分の大切なものを賭けての、乗るか反るかの大博打。勇気なしで挑めってのがまず無理だな。
だから『切り札は最後まで取っておく』ってのもよくわかる。
それを使ってしまったらもう後がない――みたいなことは、誰かさんが行動で示してるから。
……だから、あれがきっと霊夢の全力勝負なんだろう。
様々なものを犠牲にしての、命懸けの勝負。
あそこまで鬼気迫る表情の霊夢は、正直な話何と言っていいのかよくわからない。
とにかく尋常な様子でないのは遠目にもよくわかるが、今は黙って見守っておこうと思う。
霊夢が何をやらかすのか楽しみだし。
「こらそこの夜雀! あんたの所の鰻にこんなぶっとい針が入ってたわよ!?」
「なによー。鰻に串が刺さってるのは当然じゃないの」
「こら妹紅! あんたの所の焼き鳥にこんなぶっとい針が入ってたわよ!?」
「いやいや、最近買っていったことないだろ?」
「こらそこの美味しそうな匂いの奴! あんたの所の焼き芋にこんなぶっとい針が入ってたわよ!?」
「む、勝手に奪っていったくせに今度は難癖つけようだなんて! ほんのちょっぴり反省しなさーいっ!」
何と言っていいのやら。
あんなに堂々と被弾して、くるくると落ちていく霊夢は初めて見たかもしれない。
潔いと言うよりは、もう避ける余力もなかったんだろう。
とりあえず地面に激突する前に拾っておいたが、さっきまで飛んでいたのが不思議なくらい、霊夢は衰弱していた。
「ま、魔理沙……あんたの所のキノコに……」
「ベニテングダケでも混ざってたか?」
だが、口はまだ達者だから平気だろう。事情は何となくわかったし。
「……くすん。お腹減ったよぉ……」
さて、家に連れてったらお粥でも作ってやろうっと。
むしろイチャモンを弾幕でケリつけるとすれば(勝てる相手なら)アヤのつけ放題なんじゃないかと。
ただし次から門前払いの罠。
うま
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