紅い屋敷の鍛冶屋さん

　人が来ない香霖堂
「よう、相変わらず暇そうにしてるなコーリン」
「ああ、君が来るまでは静かに本が読めたんだけどね魔理沙」
　訂正・・・化け物以外ほとんど来ない香霖堂
「ところで、今日はいったいどうしたんだい？何も新しい商品は
入ってきていないんだが？」
「甘いな、私がただこのお店の中のものを取っていくだけと思っ
ていないか？」
「そう思われたくないのなら早くツケを払ってほしいのだがな」
　この香霖堂、れっきとしたお店である、しかし周りの人はもの
　がおいてある場所としか捕らえないふしがある、
「霊夢もきちんと払ってくれるといいんだが・・・」
「無理だな、あの神社に賽銭が入ったらそれこそ非売品になるぜ」
　博霊神社に賽銭が入ることはほとんど無いらしい
「まあ、あれだけ妖怪がいれば、人間は行こうとはしないだろうからね」
「私は人間だぜ？」
「君は例外、それより今日は何しに来たんだい？」
「おう、珍しいものを見つけたんだが、壊れているからコーリンに
直してもらいに来たんだったぜ」
　そういって魔理沙が取り出したものは二つに折れている一振りの
　剣だった
「剣・・・か、すごいな、ただの鉄のはずなのだがこれは名刀の類だな」
「だろ？ただ折れてるんだよな・・・そこでコーリンの出番とゆうわけだ」
　この森近霖之介、意外と器用でさまざまなことをやってくれるのだある
　魔理沙が愛用している八卦炉も彼のオリジナルで、たびたび魔理沙が調節
　を頼みに来ては、珍しいものを奪っていく、ご飯を作る、香霖のベッドを
　占領して幸せそうに寝る、などをしていくのである。
　剣を持ってしばらくしてから
「すまない魔理沙・・・これは無理だ」
　そういって謝る姿が見られた
「この剣を作った人が入れた、魂みたいなものが完全になくなっている
それに僕が直してもこの剣はもはや別の代物になる」
　そう聞くと魔理沙は、少し残念そうにして剣を手に取った
「そうか・・・あ～あこの剣直して妖夢に取り入ろうとしたのにな」
「それで、これをどうするんだい？」
「折れているんじゃしょうがない、それコーリンにやるぜ」
　剣を、ポイと投げつけると、何かお店に面白い物が無いか
　物色を始めた
「なるほど、ツケの分としてもらっておくよ」
「全部、チャラにしてくれよ」
「さすがにそれは無理だな」
　そんなやり取りをしているときに香霖が剣の柄に掘られた名前を見つける
（おや？）
「どうした？コーリン？」「いや、なんでもないさ、ただ意外な人ほどわかりずらい
と思っただけさ」
　そうゆうと、読みかけの本を読もうとして、店の奥に行こうとすると
　魔理沙が後ろからついて来た
「で、なにを思い出したんだ？」
　どうやら、なにかしゃべらないと魔理沙の追及は続きそうだ
「何でもないよ」「そんなことはないだろ、あの顔は何かあったときの顔だぜ」
　（困ったな、このままだと本が読めない）
　ふと、少しのいたずら心が香霖に芽生えた
「なあ、魔理沙？」
　おもむろに後ろに振り向き魔理沙のほうを向き
「久しぶりに、膝枕でもしようかと思ったんだが」
　そういわれると魔理沙は言葉につまり、顔を赤くしながら
　あー、とか、うー、とか言いながら小さくうなずいた





　ところ変わって、ここは紅の屋敷である紅魔館の一室
　そこに一人の人物が何かを作り上げていた
　ただひたすらに赤く高温で溶けた鉄をひたすら叩く
　その音さえももはや気にならないぐらいにその人物は
　集中していた、そして鉄が形を整え作品が出来上がって
　すぐにその部屋の中に誰かが入ってきた
「お疲れ、美鈴」
「あっ、咲夜さん、ナイフ仕上がりましたよ」
　部屋いたのが、この紅魔館の門番である紅美鈴であり
　部屋に入ってきたのがメイド長である十六夜咲夜である
「それにしても、すごいわね、まさかこんな技術を持っているなんて」
「妖怪は長生きですから、拳法の修行のついでに習ったんですよ」
　今では趣味の域ですけどねと付け加える
「それにしてもすごいわ、私が納得できるナイフ作れたのあなただけよ」
　この咲夜の武器であるナイフ実は全てオーダーメイドで美鈴が作り上げた代物
　である
「咲夜さん、かなり厳しい目持っていますからね」
　







　ナイフを弾幕として使い始めてから、どうも微妙な感覚で
　幾多のナイフを投げても、これ、といった手にしっくりくる
　ナイフが手に入らない、幻想郷のありとあらゆるナイフを試してみたが
　それでもだめだった、そんなときに彼女の使えている主が
「咲夜？どうしたの、最近どうもため息が多いけど？」
「お嬢様！すいません、どうも使っているナイフがしっかり来なくて」
「そう・・・なら私が使っているこのナイフとかどう？」
　そういって渡されたナイフを持ってみると
（なにこれ！まるで手に吸い付くような感じ！そして無駄に力が入らないような握り
心地！これなら確実に相手をしとめることが出来る、そう相手が何秒時を止めても
関係ない！）
「・・・くや・・咲夜？大丈夫」「はっ！スイマセンお嬢様少しトリップしていました」
「それで？このナイフはどうだった？」「このナイフは、どこで手に入れたのですか？」
「作らせたのよ、特別に」






「そういって、お嬢様に大量のナイフ渡されたのよね」
「はい、咲夜さんを喜ばせるんだってお嬢様がお願いしてきたんですよ」
「懐かしいわね・・・でも秘密にしといてっていったわよね？メイリン・・・」
　誰かの声が後ろから聞こえてきて、美鈴の時が止まった　
「えーーと、逃げてもいいですか？」
「あら、紅魔館の門番が逃げたら余計なものが大量に入ってくるから却下よ」
　その後しばらくしてから美鈴は罰として妹様の遊び相手にされることになる
（スカーレットインフェルノ中ですしばらくお待ちください）





「うえーんひどい目にあいましたよ、咲夜さん」
「ホントに運が悪いわねあなた」
　片手が取れて、お腹に穴が開いて、服が血だらけだがまったく気にした様子が無い
　美鈴、今はお仕置きが済んで自分の部屋で咲夜と一緒にお茶をのんでいるところである
「ところで、美鈴あなたの部屋にあるその扉っていったい何なの？」
　美鈴の部屋の中にある地下に続く扉がある一度時を止めてあけようとしたが
　この扉とても重かったので咲夜ではあげれなかった
「ああ、私が作った作品の中で気に入ったものが入っている武器庫ですよ」
「えっ！」
　扉の秘密がわかったけどそんなものがここにあったのかとびっくりする咲夜
「そうですね最近あけてなかったからまた何かここに入れるようなものでも作りますか」
「でもそのまえに、頼まれていたもの納品してよね」
　実はこの紅魔館の中にあるもののかなりのものが手作りで出来ている
　そして門番隊のみんなは鍛冶の仕事を任されているのである、まさに
　美鈴の独壇場なのである
「実は、全てもう仕上げてあります、そして久しぶりの有給も出ているので何か作ろうと思います」
「まあ、準備万端なのね」
　そういって再びお茶を飲み始めていると唐突に美鈴が
「・・・そういえば、あの剣どうなっているかな」
「？なにかありそうな話ね？」
　おもむろに切り出してきた話に咲夜が食いつく
「・・・幻想郷で初めて作った剣があったんですけどね、とある人間にあげたんですよ、その剣
　どこかの妖怪に生贄を要求されている村の人間何ですけどね、その村にちょうど私が滞在していまして
　久しぶりに良い鉄が取れて、剣作っている最中に村で暴れだしたんですよ」
「良い迷惑ね、それでどうしたの？」
「はい頭にきたから、その妖怪がいる所に行ってぼこぼこにしたんですよ
　『いま一番大変なときなんだから静かにしてろ！』って、
　そしたらその妖怪逃げちゃったんですよ
　『こんな怖いやつがいる村なんていられるか』って」
　今の美鈴を見て咲夜は笑いをこらえているのに精一杯だった、
　今の幻想郷では門番長である美鈴が怖いと思える人はいるのか？
　といった状態だからである
「剣が出来上がって表に出ると、私のことが英雄になっているんですよ、
　お祭りが開かれていて『ぜひこの村に居てください』
　とその村の村長が言ってきたんですけど、すぐに旅に出ると言ったんです」
　美鈴が懐かしそうにそう呟くと、お茶を一口飲んで

「ですけど『せめてもう一日だけでも！』って言ってきたんで
　もう一日だけ泊まることにしたんですね、
　そしたら一人の男の子が夜にお礼を言いにきたんですよ、
　『僕の姉を助けてくれてありがとう』って…
　その子の姉が今回の生贄になるはずだったんですけど
　結果的に私が救った形になったんですね」

　美鈴が、冷めたお茶を口に含んでから語りはさらに進む
「そしてその子が言うには『村の人はまた妖怪が居つくと困るから
　私をここに置くために薬を用意しようとしている』って、
　だから早く逃げてって言ってくれたんですよ」
「・・・人間って愚かよね・・・私も人間だけど・・・ところでそれであなたはどうしたの？」
「はい逃げたんですけど、そのときにその子に剣をあげたんですよ、
　その剣に私の血を含ませて…多分、周りの妖怪達は
　その村に寄れないぐらいの効果あったんじゃないですか？」
「あら、なんで？」
「生贄を要求するぐらいの妖怪を
　ぼこぼこにした妖怪を傷つけた剣ってことですからね」
「なるほど、博霊神社のお札よりも効き目がありそうね」
　そこまで言って咲夜がおもむろに立ち上がると
「さて、そろそろ仕事をしないといけない時間ね、
　美鈴もそろそろ休憩終わりじゃないの？」
「そうですね、それでは咲夜さんまたあとで」
　咲夜が扉のドアを開けようとして少し止まる
「最後に一つだけいいかしら、美鈴」
「何ですか？咲夜さん」
「私の使っているナイフに何か文字が彫ってあったけど、あれはなに？」
「それはですね・・・」
　腰掛けているベッドから立ち上がり門番の仕事に行く服装に着替えながら
　美鈴は答えた
「信頼できると思えた人に渡すものには、私の名前が入れてあるんですよ」









　元に戻って香霖堂の中
「柄に書いてある名前・・・か」
　それにきづいたから香霖は引き取ろうとしたわけである
　何かこの剣に関係があるからであり何か面白いことになりそうだからである
「しかし・・・」
　だがそれを実行するには今は無理だ
「すー・・・すー・・・えへへっ」
「やれやれ、まさか眠ってしまうとは」
　しばらくは動けそうに無い
　（頭なでますって書いたら商売できるかな？）
　そう思いながら香霖は魔理沙が起きるのを待つことになった

　どうも、脇役です・・・書いているうちにどんどんわけがわからないなって気がついたら学校あるのに眠れない時間になってしまいました（しかも長いしOTL)今回も苦情を受け付けます。この話はもう少しだけ続かせます
本当は続きのほうをを書きたかったんですが、それはまたの機会に。それでは











後日談
香霖堂に（頭なでます）の文字の紙を張ったところ、霊夢や八雲紫などや妖精などがきてあたまをなでることになったが、張り紙を見た魔理沙が「うーーーーっ」と怒りながら箒で香霖の頭を叩いてきたので、一日で無くなる商売になってしまった。