Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

反逆の季節

2007/08/26 23:34:02
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射命丸文です。

朝、目が覚めると白い翼が生えていました。


私、死んだのかな?


そんな疑問が浮かぶ。
起きたのはいつもの部屋。
そして魂が抜けているなら中身を失った自分の体が転がっているハズだ。
ということは私は死んでいない・・・かも。


私、天使になったのかな?


次にそんなことを考える。
天狗から天使ってえらいジョブチェンジだ。
けれども天使らしい部分は白い翼以外に見当たらない。
天使ならきっとハープとか持ってたり裸だったりちょっと太めの体型のはずだ・・・
あくまでイメージだから自信はないけど。


私、生まれ変わったのかな?


鏡の前に立ってみる。
けれどもいつもの自分のかわいい顔が見える。
断じてナルシストにあらず。
素直にパッと見でそう思ったから仕方ないじゃん。
かわいいは正義。


・・・正義っぽさが増した?


白い翼が生えているということは汚れているわけではない。むしろ綺麗な証拠。
そして私のかわいさを加えれば正義っぽさが増したと言えなくもない。


アイムジャスティス!


私は選ばれたんだ。
この女の園と呼ばれた幻想郷で屈強な萌えキャラを押しのけて、
私は正義のヒーローに選ばれたんだ。


『目覚めよ、勇者よ。』


ほらキタ。
神っぽいなんかの声が聞こえてきたよ。
益々正義だね。
どこかで聞いたことがある声だけど。


『お前はこれより幻想郷の危機を救うのです。』


やっぱりなんかするんですか。
かつて主人公やったことあるけど、私がやっちゃってもいいんですかね。
普通こういうのは巫女とかの仕事なんですけど。
まぁ幻想郷の中で一番の正義に選ばれちゃったからにはしょうがないか、ハハハ。


『そこに刺さっている伝説のペンを取りなさい。そして書きなさい。』


ん?そこに刺さっているって・・・
いつも使ってるペンが普通にペン立てに入ってるだけじゃないですか。
しかも普通こういう場合は剣・・・いや、ペンは剣よりもツヨシしっかりしなさいってことですかね。
まぁいいや。で、書く内容はなんです?


『ネチョでお願いします。』


は?


『ネチョでお願いします。』


・・・・・・・・


『・・・・・・・・ネチョ』



神よ、私は新聞を書くことを生業としてきました。
ゴシップ紛いの記事を書いたりもしました。
たまに自分でネタを作って書いたりもしています。
しかしネチョだけは・・・それだけはしちゃいけないと心に堅く決めているんです。


『プライドはお捨てなさい。』


それ以外に色んな物を捨てることになるし、ハイリスクノーリターンな気がするのですが。


『目覚めよ、勇者よ。』


それはさっき聞きましたよ。


『どうしても書いてくれませんか?』


新聞屋ですからねー。
ウチが週刊誌とかポルノ誌をやってる出版社ならできたでしょうに。


『購読者が増えますよ?』


はぁ・・・舐めてもらっちゃ困りますね。
私は誇り高き新聞屋。
決して死の商人なんかじゃうわやめろ何をする!!(棒読み)
くそっ、これがあなたの言う正義なのか!!(棒読み)
く、悔しい!悔しいのに・・・でも!でもぉ!(まるで成長していない)


『うわぁ、体はめっちゃ正直だ。』


で、できちゃったよぉ。
甘い言葉に負けてできちゃったよぉ・・・


『はやっ・・・こほん。さて、書くだけで終わりではありませんよ?
 幻想郷を救うにはこれを広めなければなりません。』


これを配達しろと言うのですか!?


『配るときには本一冊にこれを一枚ずつ挟んでください。』


これは・・・桜の花びら?


『私を信じなさい。購読者が増えますよ?』


神の仰せのとおりに・・・




そして私は配った・・・それが罪であると知りながら。
もちろんやることに迷いがなかったと言えば嘘になる。
しかし神の言葉の前では無力だった。
全ては神のシナリオどおりなのだ。

きっと天使になった初日から堕天使の称号が私に与えられるだろう。
・・・エロリストの称号は絶対勘弁だ。

きっと天使の名前みたいなのが付けられるのかな。
堕天使ミカエロとかエロリエルとかネチョエロとかウイングエロカスタムとか・・・
エロこわっ!!!


『ご苦労様です。あなたのお仕事は全て終わりました。』


神よ、私は本当に正義なのですか?


『もちろんです。ほら、聞こえるでしょ?あなたが救った世界に平和の歌が聞こえますよ?』


え?



「あぁん・・・×××がぁ・・ラメェ・・・」



おぉ、これは・・・


『うふふっ・・・』


いや違う!これ平和の歌と違いますよ!?


『いいえ、良いのです・・・あぁ、別れの時が来ましたね。』


あっ、白い翼が消える!?


『さようなら、射命丸文。』


ま、待ってください!神よ!あなたは私に一体何を!?
私がこの仕事をした意味はなんなのですか!?


『戻ってくるのです。』


なんですか!?何が戻ってくるのですか!?





『春ですよ。』


あ、あなたまさか!?













ある意味春の再来・・・















「咲夜ー」

「はい、なんでしょう?」

「食事してたら口の中の肉を噛み切っちゃった。」

「どれどれ、ちょっと見せてください。」

「あーーーー」

「あぁ、尖っている歯でやってしまったのですね。血が出てますよ。」

「痛いよぉ。」

「でも大丈夫ですよ。これぐらいならツバつけとけば治ります。」

「じゃあ口の中だから消毒の必要は無いね。」

「そう思いますか?」

「え、違うの?」

「私は思うのです・・・吸血鬼の唾液に殺菌作用があるのでしょうか?」

「え?」

「もし、人間の唾液でしか消毒が不可能だったらどうしましょう。」

「で、でも吸血鬼には優れた再生能力があるから。」

「ばい菌を残したまま再生をなさるおつもりですか?」

「だだ、大丈夫よ!そのうち殺菌してくれるわよ!私の細胞は強いわよ!?」

「もしかしたら、そのばい菌が原因でお嬢様のお口がクサイクサイになるかもしれませんよ?」

「だだだだ大丈夫だもん!息臭くなんないもん!」

「ほらほら、そうやって強がってるうちにどんどんばい菌を残したまま再生しちゃいますよ?」

「ぱ、パチェ!パチェになんとかしてもらうもん!」

「お口が臭いと誰も話してくれなくなりますよ?」

「うぅぅ・・・」

「お嬢様、私がいるではありませんか。お嬢様のためならたとえこの身が毒に侵されようと・・」

「い、今すぐパチェを呼んできて!」

「ですから私が・・・」

「呼んできなさい!」

「私の話を・・」

「主人命令よ!」

「くぅーん・・・」

「や、やぁっ・・・・やって・・・ちょうだい・・・」

「わんっ!」

「ちょっ、ちょっと待って!」

「くぅん?」

「傷口をちょっと舐めるだけだからね!いいわね!?」

「くぅん?」

「返事は!?」

「わんっ!」

「よろしい。では来な・・ちょっ、そこはち・・・が・・っ!!」


次の日、レミリアは咲夜と美鈴に役職の交換を命じた。
咲夜はレミリアに甘え込んで許してもらった。
美鈴はそれを見て鼻血が止まらなかった。



















「持っていくぜー!」

「か、返してください!返してくださーい!」

「折角手に入れたものを返せるかよ!」

「はぁっはぁ・・返し・・て・・・。」


どさっ


「小悪魔!?」

「パチュリー様を・・返して・・・」

「小悪魔!大丈夫か!?」

「はぁはぁ・・・逃げないのですか?」

「バカ!お前を放って逃げられるかよ!誰か!誰かぁあ!!」

「だ、大丈夫ですよ。これぐらい少し寝れば治りますよ。」

「嘘だ!だってお前・・・こんなに苦しそうに・・・」

「あぁ、泣かないでください・・・魔理沙さんは笑っている方が素敵ですよ。」

「後でいっぱい笑ってやるよ。お前の今の顔を写真で残してからかってやるからな。」

「そんな・・・私、ひどい顔してますか?」

「あぁ、ひどいよ。お前は元気な顔が一番だからな。」

「魔理沙・・さん・・・私が今一番元気になる方法・・・知ってますか?」

「知らないよ。どうすればいいんだ?」

「魔理沙さん、顔をこっちへ・・・」

「こ、小悪魔・・・」

「んっ・・・」


ちゅっ・・・


「・・・・」

「魔理沙さん・・・私、元気です。ど、どんどん元気です・・よ?」

「小悪魔・・・」

「ほ、ほら、顔・・・顔、綺麗になりましたよね?」

「あぁ、綺麗だ!すげぇ綺麗だよ!」

「ありがとう・・ございま・・す・・・」

「こ、小悪魔・・・?小悪魔ぁあああ!」

「ひゅー・・・ひゅー・・・」

「く・・・が、頑張れよ!今すぐ永琳の所へ連れて行ってやる!そこをどいてくれ、パチュリー!」


ばたんっ!!


「魔理沙!ここにいるの!?」

「しゃんは・・アリス!?いいところで!」

「こ、小悪魔!?どうしたの!?」

「話は後だ!しゃん・・アリス、このパチュリーを私の家まで運んでおいてくれ!」

「これは良いパチュリー・・・わかったわ!」

「恩に着る!」

「魔理沙!」

「なんだ、しゃ・・アリス!?」

「帰ったらみんなでご飯食べようね!」

「し・・アリス・・・あぁ、そうだな!じゃあ行ってくるぜ!」

「行ってらっしゃい!」


魔理沙が帰ってきたのは次の日の朝だった。
小悪魔は昨日よりも綺麗になっていた。
アリスは魔理沙の家に着くと朝までパチュリーと休憩した。
パチュリーはずっと本を読んでいた。

















「師匠!小悪魔さんの身体は健康なのに何故か本人は苦しそうです!」

「それもそのハズ!だって彼女は仮びょ・・恋の病なんですもの!」

「なにぃ!?どうすればいいのですか!?」

「部屋を用意して!魔理沙と一緒にぶち込んでおけ!」

「師匠!」

「どうしたの!?」

「姫も恋の病のようです!」

「なにぃ!?もう一つ部屋を用意して!私が担当するわ!」

「私も恋の病のようです!」

「一気に2人の治療!?むむむ・・・これは私の体力にかかってるわね!」

「永琳様!私もです!」

「えぇ、てゐたんも!?えぇい!まとめて面倒見ちゃうわよ!」

「師匠、なんで笑ってるんですか!?」


次の日、永琳の部屋には面会謝絶の札がかかっていた。
輝夜は因幡と遊ぶようになった。
鈴仙は昨日よりたくましくなっていた。
てゐは昨日より大人になっていた。


















「幽々子様、今日のお食事はいかがいたしましょうか?」

「たまには刺身が食べたいわね。マグロとか。」

「できました。」

「さすが妖夢ね。光のような速さで持ってきて捌くとは腕上げたわね。」

「ははっ、勿体無きお言葉。」

「さて、じゃあいただきま・・・」

「何言ってるんですか。まだ私の調理は終わってませんよ。」

「なんですって?」

「秘技・・・ある意味バー○ーカー○ウル!!」

「ある意味バーサー○ーソウ○!?」

「服を全て洗濯籠に脱ぎ捨て、効果発動!」

「何故脱ぐ!?」

「この技は白身以外の魚の切り身を引くまで私の身体に盛ることができ、
 幽々子様はその間私の身体を箸でつつくことができます。
 そしてこの技の効果が切れたとき・・・私もキレます。」

「えぇっ!?」

「一枚目ドロー!なっ、赤身!?」

「マグロに白身なんてあるわけないじゃない!」

「覚悟しろよ!この姫野郎!!」

「ぐぅっ、こ、こうなったら力尽くでぅわっ妖夢!?いきなり寝技は反則だからぁあっ!!」


次の日、妖夢は幽々子の前でよく服を脱ぐようになった。
幽々子は柔道の練習を始めた。




































「は!?夢か・・・」


嫌な汗がどっと出た。
霊夢は自分の額の汗を腕で拭う。


「大丈夫?随分苦しそうだったけど。」

「えぇ、大丈夫よ。どうやら暑さで妙なことを考えてしまったみたい。」

「そう・・・それならいいのよ。さ、寝ましょ?」

「ねぇ紫?」

「ん?」

「どうして私の布団の中にいてしかも裸なのかしら?」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「そういうあなただって裸じゃない!!!」

「なっ!?いつの間に!?」

「人の弱みにばかり付け込んであなたは恥ずかしくないの!!?」

「ご、ごめん・・・」

「もういいわ!!言い訳なんか聞きたくない!!先に寝るわ!!!」

「ま、待って!」

「何よ!!」

「そ、その・・・」

「はっきり言いなさいよ!!」

「悪いのは紫だと思うの。」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「霊夢愛してる!!」

「帰れ!!!」




霊夢の枕元には夏だというのに、桜の花びらが一枚あった。

暑いですね。nama-haneです。

最後まで取っておいた夏休みの宿題に追われて
「もう嫌だ!いっそのこと春まで戻ってしまえばいいんだ!」
と、思って作ったのが今回の作品です。
どうやら私の頭は色んな意味で春に執着しているようです。w


最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
nama-hane
コメント



1.名無し妖怪削除
ずっと妖夢のターン!!!!!!
2.名無し妖怪削除
春告精横着しすぎ自重w
3.詩所削除
作者の頭はずっと春w
4.名無し妖怪削除
エロカスタム吹いた
5.名無し妖怪削除
この咲夜さんならきっと保母さんになれるよ。