Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

氷精versus 

2007/08/24 21:37:53
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「もう! 何で大ちゃんの作った料理はいつもこんなに味が濃いのよ!!」
「えっ!?」


それはいつも通りの穏やかな日だった。
いつも通りチルノは大妖精のいる湖へ遊びに行き
いつも通り一日を過ごしていた。
そしていつも通り大妖精の作った夕飯を食べる。

そのいつも通りの一部に問題があった。
それが 料理 である。
要するに大妖精の料理は
「極端」
だったのである。

大妖精の味覚がおかしいのか元々こういう料理なのかはわからないが
どう考えても味が濃い。濃すぎる。
だが笑顔で「おいしい?」とか聞いてくる大妖精にチルノは素直に答えることが出来なかった。
そんな感じで数年。
それだけ続くと慣れてしまいそうな気もするがそんなこたぁない。
大妖精の呪いは順調にチルノを追い詰めていった。
チルノが馬鹿になったのはこの料理のせいだと言ったらそれは過言である。

ちなみに先日、とある医者に「塩分摂りすぎてない?」と言われた。
意味がよくわからなかったのでスルーした。

「え? 私は普通だと思うけどなぁ」
「べっ別に!! あたいの舌がおかしいとかじゃないんだからねっ!!」
「チルノちゃんは大げさだね。」
「大ちゃんが変なのよ!!
 じゃあそのおとうふは何!?」
「冷や奴。」
「そうじゃなくて!!
 どうしておしょう油に浸かってるの!!?」
「え? 豆腐って普通醤油かけるよ。」
「かけるっていうレベルじゃねぇぞ!!
 いっつもそう!!
 カレーいつも激辛だし!
 焼き魚しょっぱすぎだし!
 二人しかいないのに炊飯器2つあるし!
 トイレに芳香剤が3つ置いてあるし!
 スイカ種多いし!
 パソコンにブルーレイ対応のドライブが3つも付いてるし!
 かき氷を大根おろすやつで作ってるし!
 湖で釣りをしてる人がいたら料金取るし!
 朝いつも右の羽に寝癖があるし!
 プリン作ると半分カラメルだし!!
 『茶色のところが固まらない』とか言って冷凍庫で冷やすし!!
 あたいとしては凍ってても別にいいんだけどスプーンですくえないのよ!」
「うんそうだね。でもそれって、変かな?」
「だ・・・だめだこいつ・・・早く何とかしないと・・・」


「とっとにかく!
 あたいはもう大ちゃんの料理なんて食べないから!!」
「そ、そんな!? 」
「料理なんてあたいが作ってやるわ!!
 待ってなさい!
 すぐにでも料理を覚えて私はここに帰ってくる!!」
「ま、待ってよチルノちゃん!」
「止めたって無駄よ! サラバ!!」
「そうじゃなくて、食べた後は『ごちそうさま』って言わないとー!」






『この写真が出まわったらあんたも困るだろ? メイド長さん』
『・・・何が目的なの?』
『簡単なことさ。図書館から本を数冊取ってきてくれればいい。』
『・・・私に盗みを働けと・・・?』
『なに、あの厳しいメイド長が犯人だと思う奴なんて誰もいないさ。
 時を止められるから目撃される心配もないしな。』
『・・・』
『それじゃあ明日夜の10時にここで。
 期待しているぜ。』
~続く。

「ああっメイド長は一体どうなってしまうの!?」
「私はメイド長が恐喝屋を殺してしまうと思うわ。」
「あ、誰か来たみたい」

朝日眩しく小鳥五月蝿い魔法の森。
チルノがやって来たのは三妖精の家。
途中迷って一晩中歩き続けたが
その後通りすがりの妖精の言葉で自分が飛べることに気付いて空から探してきた。

「で、うちに来たと。」
「そうよ!」
「うちじゃなくてもリリーホワイトとかに聞けばいいじゃん」
「イヤよ。一人でリリーの家に行ったらヤク漬けにされて廻されるんだって大ちゃんが言ってた。」
「うわぁ」
「あんた達料理出来るんでしょ!? 一瞬でアイアンマンになれるように教えてよ!」
「・・・鉄男?」
「鉄少女アイアンガールとか格好いいよね」
「いやいやサニースター、鉄人って言いたいんじゃない?」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「別に教えてあげてもいいんだけど」
「ぃよっしゃぅぁあ! じゃあさっそくかまどのつくり方から教えて!」
「台所から造るの!!?」
「残念だけどうちはガスだから」
「それに人の話は最後まで聞いてよ。」
「・・・人じゃないじゃん(ボソ」

・・・。

「・・・ルナは命が惜しくないと見える!!
 我が出刃包丁の錆にしてくれよう!!」
「甘いわスター! そんな刃物でこの蛍光灯を破れるだなんて思ってるのかしら!!?」
「ちょっといろいろと落ち着いて2人とも!!」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「条件としては食材は自分で調達すること。
 そしたらいくらでも教えてあげる。」
「ぃよし! じゃあ何とってきたらいいの?」
「えーっとね・・・こんな感じの模様の鳩なんだけど、生息地はね・・・」

スターはさらさらと紙によくわからない絵を描き始める。
サニーはソファでくつろぎながら2人の様子を見ている。
ルナはさっきブートキャンプしに出かけた。

「わかった! すぐつかまえてくるわ!」
「くれぐれも人に見つからないようにねー」

チルノ、行きます!


「あれ、チルノこの紙置いてってるじゃん・・・って」

サニーはスターの描いた絵を手に取り、そして気付いた。

「この鳩って捕獲禁止のやつじゃないの?」
「そうよー。なんとかとはさみは使いようって言うじゃない。」
「・・・私知らないわよ?」




~その頃の湖付近~
チルノの話を聞いて気になったルナは大妖精の元を訪れた。

「おはようございま~すって何やってるの大妖精!?」
「あらルナチャイルド、珍しいねこんな所に」
「うんチルノがうちに来てね。で何やってるの? それ砲丸と砲筒?」

大妖精の周りにはやたらとでかい球と筒がいくつか置かれている。

「ううん、これ花火だよ。」
「へ~、花火ってこんなに大きいんだ・・・って花火なんてこの辺りでやる予定あったっけ?」
「これは花火大会用じゃないよ。」
「じゃあ何に使うのよ?」
「ここの13個は『ニンニク玉』って言ってね、紅魔館の上空に打ち上げるの。
 そして降り注ぐニンニク。」
「ちょっ!? それバレたら殺されるわよ!!」
「大丈夫。私には悶え苦しむお嬢様とそれを見て悶え苦しむメイド長の姿しか見えないから。
 だからその異変を解決しようとする者は現れないの。」
「え・・・じゃあ残りのは・・・?」
「これは『アシッドフォースX』。
 周囲にペーハー約1の酸性雨を降らせるの。」
「待てい!! それ犯罪!! 超犯罪!! 確実に紅魔館の奴らに息の根止められるわよ!!」
「あ、これターゲットは魔法の森だから大丈夫よ。」
「大丈夫じゃないし!! 私達の家もあるのよそこには!!」
「いいの。私チルノちゃんに嫌われちゃったから・・・こんな世界いらない」
「ダメ!! 1年かけて作ったDカップルナチャ石膏像が溶けちゃう!!」





一方その頃チルノはなんとか目当ての鳩を発見したのだが、
そこへ番人ミスティア・ローレライが立ちはだかったのだった!

ミ「出たな密猟者め!! 今日こそはとっ捕まえて腹かっ割いてお肉屋に並べてやるわ!!」
チ「あたい肉よりも魚が好き。」
ミ「え? じゃあお魚屋に並べてやる!」
チ「あたいは魚じゃねぇ!!!!」
ミ「グフッ!!?」

~凍拳「アイスナックル-easy-」~

ミ「・・・殴ったね? 親父にもっ・・・! ・・・そう言えば殴られたことあるわ」
チ「馬鹿じゃん」
ミ「とにかく! この鳩達は野鳥保護協会会長である私が死んでも守り抜く!!」

~神鳥「ミスティアストーカー」~

チ「パクリじゃん!!?」
鳩「お互い大技出しまくりだな」
ミ「く・・・まさかこの私がここまで追い込まれるなんて・・・!
  こうなったら切り札っ」

~大声「大声-ogoe-」~

チ「み、耳が痛い!! 頭が割れちゃう!!!」
ミ「この技は奥義中の奥義!
  強大な音波であらゆる物を破壊するのよ!!
  そう!それは例外なく私自身の耳も!! ウボァッ」

ミスティアは力尽きた。

チ「あ、あれ?・・・なんだかわからないけどやっぱりあたいは最強ね!」

チルノはミスティアの大声のせいで気絶した鳩達を抱え悠悠と帰路についた。




~そして三妖精の家~

『なんだか眠れないなぁ・・・本でも読もう』
『そこまでよ!』
『!?』
『小悪魔・・・まさかあなたが最近本を盗んでいた犯人だったなんて・・・』
『え!!? ちっ違いますよ!!
 私はただベッドで読もうと思って・・・!』
『言い訳は聞きたくないわ! 出て行きなさい!!』
『そ・・・そんな!?』
~続く。

「ああっ! 恐喝屋のせいで罪のない人が!」
「このお屋敷は一体どうなってしまうの!?」
「さてと・・・」
「あれ? サニー荷物まとめて何処か行くの?」
「私は逃げるわ。絶滅危惧種の鳩を捕まえるよう指示したあなたと一緒にいたら
 私も捕まりそうだし。」
「ちょっ! 待ってサニー!!」
「放して!! 何年も刑務所に入るなんてごめんだわ!!」
「罪は全部ルナが被ってくれるから!!」
「え・・・それなら安心ね。」
「あ、チルノが帰ってきたみたい」

ガチャリ

「ただいまー!!」
「ノックして入れよ・・・」
「完全に自分家モードね・・・
 で、どうだった?」
「ふん! 見なさい!!」
「1、2、3、4羽。流石チルノ! やるじゃない!」
「最強のあたいに不可能は無いわ!!」
「よし、じゃあ早速・・・」
「ちょ・・・スター・・・いきなりそれから教えるわけ?」
「これが出来なくて何が料理人か!!
 料理人たる者食材に対して慈悲などいらんのだ!!」
「慈悲と感謝の気持ちを込めてお祈りしてから食べる人達だっているでしょ!」
「ちょっと、あたいはどうしたらいいの?」
「あ、えっとね・・・この首をしっかり持って・・・斬れ。」
「・・・パードゥン?」
「斬れ。」




~その頃の大妖精の住処~
大妖精の家を訪れたルナは夕飯をご馳走になっていた。

「ご飯出来たよー」
「ありがとう。
 (別にチルノが言ってたみたいなやばい料理には見えないけど・・・)」
「どうかな? 久しぶりのお客様だから頑張って作ったんだけど」
「もぐもぐ・・・んー・・・ペッ」
「!?」
「ごめんなさい。私急用思い出しちゃった。それじゃ」
「あ、ルナちょっと待って。デザート食べていかない?
 
 『月光妖精のムース』っていうんだけど」

「・・・え?」

その後ルナチャイルドの姿を見た者はいない。

~次回予告~
小町が死神免許の更新を忘れてしまったが為に
なんと船頭の資格を失ってしまった!
見かねた四季映姫は別の死神を立てることにした。
手伝いに来ている少女に死神資格検定の話を持ちかけたのだ。
そして遂に春を伝える死神が誕生したのであった・・・。

次回『吠えよ料理人チルノ! 最強の果物「満豪」と究極のデザート「砂漠」!!』
yura
コメント



1.名無し妖怪削除
>カレーいつも激辛だし!
 激甘よりマシだよ! 
>焼き魚しょっぱすぎだし!
 そのうえ醤油までかけるのかよ!
>二人しかいないのに炊飯器2つあるし!
 残りご飯が出ても保温しながら追加で炊けるのかよ!
>トイレに芳香剤が3つ置いてあるし!
 残り香くらい良いだろ嗅がせろよ!
>スイカ種多いし!
 植えろよ!
>パソコンにブルーレイ対応のドライブが3つも付いてるし!
 1個くれよ!
>かき氷を大根おろすやつで作ってるし!
 多分逆に細かくて繊細な味になるよ!
>湖で釣りをしてる人がいたら料金取るし!
 釣り好きのおじさん達はうっかり払っちゃうよ!
>朝いつも右の羽に寝癖があるし!
 髪は左側がぴょこんしてた気がするけどミスディレクションかよ!
>プリン作ると半分カラメルだし!!
 大ちゃんが黒いのはカラメル色素かよ!
>『茶色のところが固まらない』とか言って冷凍庫で冷やすし!!
 地球温暖化の事考えろよ!
>あたいとしては凍ってても別にいいんだけどスプーンですくえないのよ!
 根性出せよ!
2.名無し妖怪削除
まずこの話はオチたのか続くのかそこから聞こうかw
3.名無し妖怪削除
続くか続かないかで評価が大きく変わります
4.卯月由羽削除
とりあえず三月精の読んでた本の続きが気になるところだw

……コメント欄の気合の入ったツッコミにも吹いてしまったw
5.名無し妖怪削除
さりげなく鳩が会話に参加してるとこで噴いた
6.名無し妖怪削除
チルノがまともな人に見えるよ!
7.名無し妖怪削除
この混沌さが読んでて心地いいw