" />セカツン 作者: 紳士的ロリコン
Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

セカツン

2007/08/07 15:12:02
最終更新
サイズ
3.52KB
ページ数
1
閲覧数
1197
評価数
0/0
POINT
0
Rate
5.00

 

 世界のツンデレが愛を叫ぶ、そんな日が年に一度くらい有ってもいいだろう。

「賛成」
「賛成」
「賛成」
「反対」

 満場一致かと思われた場の空気を乱す、こういう輩がいるから議会制は流行らない。
 コネが幅を利かすようになるのだ。

「そもそもツンデレの存在自体が疑わしい。秒単位で敵意が好意に変わる、そんな情緒不安定な人、いますか?」

 もっともだ。議長のスキマ妖怪が大きくうなずく。
 ――違う、居眠りして頭が傾いただけだ、こんな輩がいるから会議は短い方がいい。

「初見で抱く警戒心が、後の努力で振り払われるのは人間関係においてはよく有る事。これにツンデレだなんて妙な名前をつけるのは変です」
 
 喋る、喋る。負けず嫌いの典型だ、所でアリス、君が人間関係を語るか。

「ツンデレだとか奇妙なレッテルを貼られたら、どんな気分になるか分かります?」
「――」
「属性なんて訳の分からない範囲で自分の人格を推察される、それがどれほど不愉快か、想像してみて下さい」

 アリスの意見で、場の空気が変わった――

「では、ツンデレ記念日設立に反対の者、挙手」
「――」
「な、なんでいないのよ」

 正しい一つの意見よりも、多数の愚論が優先される。そういうものだ。

「やってられません! 私は帰ります」

 席を立つアリス。
 一切の未練を見せずに、一直線に玄関を目指す。

「なによこの靴」

 幻想郷中から集まった有識者による会議なのだ。
 下駄箱から靴が溢れかえり、散乱する、それくらい大目に見たほうがいい。

「これじゃ帰る時、自分の靴が分からなくなるでしょ」

 せっせと皆の靴を整理するアリス。霧雨と書かれた靴を見つけた。汚れが酷い、自前のハンカチで拭いて、そっと下駄箱にしまう。

「馬鹿じゃない、皆して」

 ぷりぷりと怒りをふりまき、アリスは議会を後にした……。


「職人芸だぜ」
「なんていうか、ツンデレのデモンストレーションね」

 いよいよツンデレ記念日の制定に拍車がかかる。否定派による後押しが決め手となった。

「待ってください」

 霊夢の白い手が上がる、反対のサインだ。
 
「ツンデレとは反対の属性、即ち初めから好意を持たれている様な状況、具体的には妹十二人などを愛する人達との関係が悪化するのでは」
「うぅむ」

 それは由々しき事態だ。
 記念日如きが外交問題に発展するなど、有ってはならない。

「中立穏健派の、幼馴染み勢力との共闘は如何でしょうか」
「おぉ」

 なるほど。お隣さん、とくにお節介で素直じゃない性格だと尚良しの幼馴染み。ここら辺を考慮するとツンデレとの相性は抜群である。
 しかし年下であれば最後、終始デレデレ懐いてくる様は、ツンデレとは程遠い。この不確定さが、中立派の地位を不動のものとした。

「一つ問題が有るぜ」

 ツンデレ容認派の重鎮、霧雨議員が疑問を投げかける。

「幻想郷のどこに幼馴染みがいるんだ? 実在しない勢力に力を借りろっていうのか?」

 ざわ……ざわ……
 議会が揺れる。
 姉妹、主従、ライバル――様々な人間模様が繰り広げられる幻想郷。しかし言われてみれば、幼馴染みは見当たらない。

「霧雨議員は議会を混乱に陥れようとしている!」

 若手議員の怒号が響く、ガラスの割れる音、悲鳴まで――
 興奮のあまり、手元のコップを霧雨議員に投げつけたようだ。

「ちょっと魔理沙、大丈夫!?」
 
 すかさず霊夢が駆け寄る。

「あーもう、アンタは昔っから人の神経逆撫でしてばっかだから、こういう目に会うのよ」
「お、おい、みんな見てるからやめろって」

 なに恥ずかしがってんのよ、と呟きながら霧雨議員の顔を拭く。
 投げつけられたコップに水が残っていたらしく、顔を無残にも塗らしていたのだ。涙――それも有っただろう、女の子だもの。

「ホラ、泣いてたら馬鹿にされちゃうでしょ。……あーあ、上着まで濡れてるじゃない。バンザイして、バンザイ」
「ん」

 霧雨議員の上着を手馴れた様子で脱がせ、ストックと思われる服を着せた。所々ほつれている、おそらく手縫いだろう。

「アンタとは旧作以来の付き合いだもの。嫌でも世話焼くのが上手くなっちゃうわ」


 幼馴染み、とても良いものだ。
 一同が納得する出来事であった。
『イミフな記念日で支持率暴落』

 翌日のトップニュース、各新聞紙が一面に掲載した。
 議長の責任が問われる、一連の不祥事(居眠り)をめぐって辞任の声まで上がっている。

「議長、今後の進退について何か一言!」

 人気キャスター射命丸、歯に衣着せぬ取材ときわどい足元で人気を博している。

「……」
「紫議長! どうしてお話して下さらないんですかー!」

 お姉さん。
 ぼそっと霧雨議員が呟く。

「霧雨議員? お姉さんとは一体どういう事でしょう」
「お姉さんだ、こんな時、あらあらうふふなお姉さんがいれば……!」

 この混乱を収束してくれるというのか。
 
「外部に助けを求めるんですかー?」

 まるでお姉さんなど幻想郷にはいない、と言いたげである。

「紫議長! 最後に一言お願いします!」

 いよいよ観念したか、紫議長がその重い口を開く。

「あんまりお姉さんをいじめちゃ、めっ」

 こつん、と射命丸の額に白い指が置かれる。






 後日、文々。新聞のコラムには、紫議長を擁護する文章がビッシリ書かれていたそうな。
紳士的ロリコン
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.簡易評価なし
1.無評価名無し妖怪 削除
アリスかわいいよアリス
2.無評価名無し妖怪 削除
よくわかんね
3.無評価名無し妖怪 削除
なんという崩壊政治wwww
4.無評価名無し妖怪 削除
ひどすぎる衆愚政治ww
5.無評価名無し妖怪 削除
ゆかりん+お姉さん……たまらんね
6.無評価名無し 削除
なんというギャルゲ主人公な魔理沙
7.無評価名無し妖怪 削除
善き独裁者に率いられる民衆は幸福である、という反面教師。
8.無評価you. 削除
ちょ、文一発で落とされたー!?
9.無評価名無し妖怪 削除
ひっでぇ議会だwwww良い意味で最悪じゃwww
10.無評価名無し妖怪 削除
教訓「知らぬは本人ばかり」
11.無評価はむすた 削除
これは最高だろw
12.無評価名無し妖怪 削除
素晴らしい議会だwww
13.無評価名無し妖怪 削除
紫お姉さん、最高です
14.無評価翔菜 削除
これは酷い議会www
15.無評価名無し妖怪 削除
お母さんなアリス可愛いよぉ
16.無評価名無し妖怪 削除
デマゴーグだ、でもこんなだったら許せる気がするww
17.無評価名前が無い程度の能力 削除
あやや俺と代われぇぇぇぇぇえええッッ!!!
18.無評価名前が無い程度の能力 削除
紫お姉さん・・・
いいなぁ
19.無評価名前が無い程度の能力 削除
霊夢かわいいよ霊夢