Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

ライジング魂魄ト

2007/08/03 10:06:45
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このイベントは

・【振り返れば奴がいる】香霖堂

・【あなたの暮らしをコソーリ見つめる】八雲紫

・【ズバッと参上、ズバツと盗撮】射命丸文

・【咲夜が根回ししてくれたの】紅魔館

の協賛により開催しております。

































『さー始まりました幻想郷オープン、ペア初日!実況はあたい、距離を操る能力は反則だと映姫様に色々絞られたり搾られた小野塚小町と』
『運命操作でチップイン率100%も反則という事で咲夜にほんの少しだけ絞られた私、レミリアが解説よ』
『あー、あんたにも絞れるようなモノがあったんだ』
『 あ ? 』
『いやいや独り言。さーておチビさん、あんたは展開をどのように読む?』
『誰がおチビさんだって?殺スわよ』
『いやいやまあまあ、それは置いといて』
『…自分から話を振っておいて置いとくの?』
『紅魔館スタートの1H(Par4)からいきなり湖越えとはやってくれるねえ』
『一打で越えるには最低でもキャリー350Yは必要よ。でも、それができればイーグルも狙えるでしょうね』
『自信がない奴は200Yあたりの小島で刻んで行け、と…』



「よっしゃ、じゃあ派手にブチかましてやるぜ!」

『一組目は霧雨魔理沙&アリス・マーガトロイドの腐れ縁ペア。魔術に長けたこの二人、このホールをどう攻める?』
『全員に言える事だけど、自分の能力をどのように活かすか。それ次第ではどんな番狂わせがあってもおかしくないわ』
『ティーショットは魔理沙選手…って、箒で打つつもりか!?これは絶対打ちにくいと思うぞ!』
『さっきも言ったけど自分の能力を活かす事が大事になってくるから、使い慣れた道具がボールを打つのに適した形をしているのなら迷わず使うべきね。その点では魔理沙が箒を使うのは当然の選択と言えるでしょう』

「魔理沙、ここは無理しちゃ駄目。刻んでいけばバーディは確実よ」
「まどろっこしいな、ここは弾幕の上手い使い方って奴を見せてやるさ……だあッ!!」

『おおっ、魔理沙選手のティーショットは高く高く上がって……ぶ、分裂したーッ!?』
『スターダストレヴァリエの応用ね。魔力をボールに乗せて撃った…いや打ったのよ』
『おチビ…いやレミリアさん冷静ですね』
『ボールの飛ぶ勢いに星弾炸裂の勢いを乗せようってつもりなんでしょう。でも、見た目には綺麗だけどあれは…』

「こ…越える?」
「よっしゃ行っけぇぇぇぇぇっ!!」

『…おーっ!魔理沙選手の打球は弾幕の勢いも手伝って見事湖越えッ!』

「ふふん、当然の結果って奴だな」

『飛距離だけならねぇ…でも、魔理沙は重大なミスを犯したわ』
『ほう?自分の能力をうまく活かした好例に見えたけど?』
『あなたは分裂して飛んだ星弾の数を覚えている?……16発、私は覚えているわ』
『弾幕ごっこじゃないから弾数控めってとこかねぇ。しかしそれが何か?』
『星弾は全て失速し池ポチャ……気づかない?魔理沙は16回ものウォーターハザードをした事になるのよ』

『あぁ』

「なっ」
「ちょ」

『ゴノレフボールじゃないから、なんて言い訳は通用しないわ。ボールに張り付いていた時点でそれはボールと同等の存在なのよ』
『…あー、つまり、次の打球は……』
『そうねぇ…16発の弾が張り付いていたんだから、ティーショットが既に17打目。そして16打分のペナルティが課せられるから次は34打目という事になるかしら』
『これはひどい!魔理沙選手、ナイスショットかと思いきや墓穴を掘っていたァーッ!』

「…ひどいな……本当に」
「だから無理するなって言ったのに馬鹿魔理沙!これだったら私が打った方がよかったわ」
「うぐぅ」

『ちなみに人形によるお手玉も一打一打カウントされるので悪しからず。それでも魔理沙のアレよりはマシなんでしょうけど?』

「な、なんてこと……魔理沙!これはきっと主催側の罠よ!」
「きっと違うぜ」
「よく考えてみて!魔理沙のパワー殺法も私の頭脳戦術も封じられてるなんて…」

「だらしないわね魔理沙。弾幕はパワー、なんて言う割にそんな半端な事してるから馬鹿を見るのよ」
「げ、お前は……!?」
「そっちの七色も退いてなさい。主役はいつだってこの私……さ、おいで」
「は、はーい」



『おおっと、二組目には最強の呼び声高い風見幽香の登場だ!ペアを務めるのはリグル・ナイトバグ、凸凹にも程があるチームだが?』
『無理矢理にでも引っ張って来たんでしょう。実力的には八雲のアレが妥当なんでしょうけど、アレとのペアだとお互い好き勝手やるだけでしょうし、 ああいうお子様の方がかえって使いやすいというものよ』
『本人の趣味って感じもするけど…さて幽香選手、その手にはパラソルが握られているぞ!』
『外の世界の人間は傘を使って日々ゴノレフの特訓に勤しむというわ。傘は彼女の得物でもあるし、面白い事になりそうね』
『…あーその面白い事っていうのは』
『ええ、まさしく文字通りに』

「テクニックも戦略も関係ない……全てにおいて勝負を決するのは、何物をも超えた純粋なパゥアー!うおおおおおおおッ!!」
「おおっ…な、なんて妖気っ……!」
「弾幕はパワー、その意味を教えてあげるわ!授業料は私たちの優勝で勘弁してあげるわ!」
「おねーさん、頑張って!」
「ふふっ……よく見てなさい。最強と呼ばれる私の実力を…はああっ!!」

『雄雄雄雄雄雄ッ!!幽香選手、元祖マスタースパークごと…いやマスタースパークでボールを打ったーーーっ!?』
『弾幕はパワー、を見事に体現してくれたわね…魔理沙のより威力があるんじゃないかしら。色んな意味で』
『これはすごい!この圧倒的パワー、風も飛距離も全くものともしていなーい!高度を全く上げない打球はまるで鷲のようだ!』

「威力は確かに認めるぜ、幽香…だけどあれじゃ湖を越える程度じゃ済まないんじゃないか?」
「心配は無用、私はピンを狙って打ったんだから。当たればその辺に落ちるでしょ」
「あんな細いピンをこの距離で……!?む、無茶な…」
「大丈夫よ。マスタースパークに乗ってる以上、風の影響なんて気にしなくていいんだからあとは真っ直ぐ狙うだけ」

『ものすごい自信だ幽香選手、これはもしかしたら1Hから本当にイーグルが起こってしまうのかーッ!?』



ジュッ



『あ』

「あ」
「あ」

『……ピ、ピピピピPi、ピンが折れ…いや消滅……!?』
『だから言ったのよ、威力がありすぎるって。手加減という言葉を知らないのかしら』
『鉄製のピンを抉り取っても球威が衰えた様子は全く見られない!そのまま打球はグリーンをはるかに越え――』
『ま、どこかの山の二つ三つにでも穴開けて止まるでしょうよ』
『OBッ!これは誰がどう見てもOB!本当にありがとうございましたァーッ!!』

「強すぎ…た?」
「グッジョブ幽香!やっぱりお前は期待を裏切ってくれなかったな!」
「いや何の期待か分からないし!ていうかあのピン貧弱貧弱ゥすぎるでしょ!?私たちの本気に耐え得る素材…それこそオリハルコンとかミスリルとかマグナムスチールとかヤワラカクナイとか使いなさいよ!」

『ンなもんないっての。ドラコン勝負なら敵無しだったかも知れないけどねぇ』

「だ、大丈夫だよ……まだ始まったばかりなんだから、次頑張ろうよ」
「うぅ…そ、そうよね。次こそ私たちの力を見せつけてあげましょう、リグル!」
「うん!」
「~~~~~~~~~~♪(すりすり」
「あ、ちょ、恥ずかしいってばぁ」

『……やっぱりアイツの趣味のようね』
『でしょ?あたいは最初から分かってたけどね』
『まあ荒れたりしないだけマシなのかしら』



「よーし、今こそ最強のあたいたちの力を見せてやる時ね!」
「そう、ゴノレフはパワーでも弾幕でもなく頭脳と戦略。鋏と何とかは…ってね、うふふ」

『ぶっ!ちっさ!』
『失礼よ。私よりほんの少し小さいくらいじゃない』
『いや失礼…続いてはチルノ&レティ・ホワイトロックのペア。それにしてもレティ選手はともかくチルノ選手、人間や妖怪に混じってこの大会に参加するとはいささか無謀な挑戦ではないですかね』
『これは正しい意味で面白いわね。妖精ごときの力で人間や妖怪にどう対抗するものか…』
『レティ選手もこんな季節に無理して出てきてるし・・・おっと、しかしティーショットはレティ選手のようだ。湖越えを狙う気か?』

「チルノ、打ち合わせの通りにやるのよ。あなたなら絶対出来るわ」
「オッケー、任せといて!」
「まずは私がまっすぐ飛ばす……ふんッ!」

『レティ選手のティーショット、普通のクラブで何の変哲もない打球だが対岸には届きそうもない!』
『いや、恐らく何か策があるから湖越えを狙ったのよ。あの黒幕が単純な力押しに走るとは思えない』

「…今よ!」
「よし!パァァァァフェクトォォォォォォォォォォっ………!」

『おおっ!?チルノ選手の右手が光ってうなる!全てよ凍れと輝き叫ぶ!』

「フリィィィィィィィィィィィィィィィィズッ!!!」


『こっ、これはぁっ!?湖面に叩きつけた掌から帯状に氷が伸びる……湖を凍らせているのか!?』
『これはすごいわね。湖に湛えられた水となると半端な量じゃないのに、それをまるで意に介していない…あの子、氷や冷気を扱う事だけについて言えば確かに最強なのかも知れないわ』
『氷の帯が打球に追い付く…ここでボールが跳ねた!跳ねたボールはそのまま氷の道を跳ね続けて……越えた!一打での湖越えがついに達成されたーッ!こういう事かレティチル組、飛距離の不足をチルノ選手が補った形となるッ!』

「や……やった!やったよレティ!」
「よくやったわチルノ。後で西瓜バーあげる」
「やたー!」

『ザコ妖怪&妖精が最強妖怪を超えてしまった……さあこの大会、もう何が起こってもおかしくなーい!』



「さあ行きましょう幽々子様!」
「じゃあ最初は任せたわ妖夢。大勢の人前で重圧に打ち克つ、これも修行だと思いなさい」
「はい!」

『次は西行寺幽々子&魂魄妖夢ペア。妖夢選手の手に握られているのは……刀!?』

「刀じゃない、楼観剣です」

『…いやまあ名前はともかく、これは見た目からして得物の危険度が今までと全く違う!』

「長物を振り回す、という点においては私が幻想郷で最も長けていると言ってもいいでしょう。ましてや楼観剣を握ったのなら、私が仕損じる事はあんまりありません」
「あら、仕損じる事があるの妖夢?」
「え?あ、いやいやそういう意味ではなくて。少ししかないというか殆どないというか」
「どっちにしろ仕損じるかも知れないわけね(にこにこ」
「幽々子様その笑顔は怖いです!…ともかく、我が剣の妙技をとくと御覧にいれましょう!」
「できるだけニアピンでね~」

『…刀とゴノレフクラブでは振り方が違うような気がするんだけど』
『そうとも言えないわ。要は下から上へ弧を描けばいいんだし、あれだけ長い刀なら先端速度は相当出そうだし、おまけに鋼だから重量も十分で、 妖怪が鍛えたとかいう業物中の業物。あとはあの子がまっすぐ飛ばせるかどうかよ』


「動く相手を捉え、その動きを読み、相手の攻撃を受け流しつつ斬る剣の道を歩む私にとって……」

『ゆったりとしたバックスイング、こうしてあたいの実況も追い付くほどに…』

「動かないモノを打つ事など造作もない!弦・月・斬!!」



シッ



『…あれ?』
『ボール……打ったわよね?』
『打撃音は聞こえなかったけど……あ、レミリアさん、あそこ』
『え……あ』


「………妖夢」
「…は、はいッ!?」
「流石は楼観剣、いい切れ味ね。手入れもしっかりされてるようだし」
「は……はは…」
「…でもボールを斬れなんて誰も言ってないわよ?」
「うぎッ!?もっ、ももも申し訳ありりりりりりま」

『そうッ!妖夢選手、空振りではなく足元のボールを音もなく斬っていたーッ!!』
『うっかり刃の方を向けちゃったのかしら?それにしても恐ろしくきれいな切り口よね』
『あたいの鎌でもあそこまできれいには斬れませんねえ、多分』
『刀だけでなく、あの子自身も相当に修業を積んだという証拠でしょう。ゴノレフとは全く無関係ではあったけど』

「いくらゆで卵かお饅頭に似てるからって、流石に私はそんなの食べないわ(にっこり」
「いやそれは本当に申し訳ありません、ていうか幽々子様笑顔が恐いし!…で、なんでナイフとフォーク!?」
「あら、アイスクリームかメレンゲに見えてこない?」
「見えません!これは私の半霊アッーーー!?」

『…あの、何か喰われてるんですけど』
『そのうち復活するでしょうから放っておきなさい。それよりもあの打球…まあ斬ったんだけど』
『空振り扱いという事で?そんで真っ二つになったボールは破棄の方向?』
『そんな勿体ない事しないわ。糊で張り付ければ十分』
『おおっ、貴族のくせに何だかしみったれ!』
『うるさいわねぇ……ともかく、ティーショットでボールが分割されたのなら魔理沙の例に従わなければならないわね。ボールが二つに分かれた、つまり二つのボールが存在したという事は、空振り同然だけど2打と同じ扱いと見ていいでしょう』
『では西行寺、魂魄ペアの次のショットは3打目……なんだ、思ったより普通ですねぇ』
『あら、もっと面白い結果でも期待してたの?』
『いやまあ弾幕OKだし、もっと面白い事してくれるかなーとか思ったりなんかして』
『その点は安心なさい、まだ1Hが始まったばかりなんだから』



*  *  *  *  *



「ほっ……」
「!…いいわ魔理沙、方向良し、風なし!今よ!」
「よっしゃ!ドラゴンンンンン………」

『っ…魔理沙選手が大技……!?』
『自分の打球に追いついて追い打ち!?あんな事、魔理沙のスピードがないと無理ね…』

「はぁっ……メテオォォォォォォッ!!」


『き、決まった!カップ直上からのドラゴンメテオでアプローチを強引に叩き込んだーっ!』
『打球がカップの真上を掠めさえすれば確実にチップイン……私の運命操作以外では最強のアプローチ技と言えるでしょうね』
『霧雨・アリス組、34打目をアリス選手が堅実に刻み、35打目で魔理沙選手がまさかの一人二役!』

「これが本当の実力って奴さ。もはやアプローチで私に敵う奴はいないだろうな」
「私は最初からこれを思い描いてたのに…」
「気にするな。先はまだ長いんだぜ」
「あんたが言うような台詞じゃないわよ」

『そうね。1Hでいきなり+31なんてやらかしたら、私ならとっとと棄権するわ』
『ここから全ホールイーグルくらいはやらないと取り返せないもんねえ…さて他のペア。幽香、リグル組はティーショットがまだ着弾すらしていないとの事なので2打目…いや1打ペナルティで3打目が打てない状態が続いております』
『打球の反対側を見てみるといいわ。そのうち地球を一周して帰ってくるわよ』

『西行寺・魂魄ペアは幽々子選手が無難に刻み、妖夢選手も普通のクラブに持ち替えて4打目。ピンから約5Yのナイスアプローチです』
『あの子、技術的には下手じゃあないのよ。精神修養もできてるし、ただどこか抜けてるのよね』
『あたいとしては幽々子選手が割と普通の攻略をしてたのが意外だったねぇ』
『ボールを食べちゃうとか思ってた?』
『……ほんの少し』



『さて他にも十六夜咲夜&紅美鈴の紅魔館ペア、北白河ちゆり&河城にとりの異色超科学ペア、八雲藍&八意永琳のボディ&ブレインペアなど有力チームがひしめいていますが……』
『ええ、今大会の超弩級台風の目、チルノ・レティ組の2打目。まだたったの2打目よ』
『次に打つのはチルノ選手。技術、精神面での不利をどう克服……あれ?』

「よーっし!ここからはあたいの一人舞台よ!」
「力み過ぎに注意よ」
「分かってる、分かってるよレティ!」

『カップまで約40Y、ここは9番かピッチングあたりを使うのが定石だけど…』
『いくらなんでもドライバーはないわよね。奇を衒うにも程があるわ』
『レティ選手もこれを咎める風ではないし……これも何かの戦略?』
『さぁ。下々の考える事は分からないわ』

「ふんだ、ボールを飛ばしたら勝ちだっていうからこれしか練習してこなかったんだもん!」
「それに、どのクラブを使おうとも最終的にカップインすればよし。そしてチルノにはその可能性がある……どこかの二番煎じになっちゃうけどね」

『……本気で言ってるんですかね』
『まあ見せてもらおうじゃないの。あそこまで言い切る自信の根拠を、ね』
『ドライバーなんかでアプローチをしたら、相当うまくやらないとオーバーランは必至!どうするのかチルノ選手』


「腕の角度は盆踊り、盆踊り………メ・メ・タァァッ!」

『おおっと、チルノ選手の打球は全く上がらない!トップを叩いたか!?』
『まあ、この場合芯を捉えるよりはいいのかもね。怪我の功名という奴でしょう』
『勢いのついたランはラフを超えてグリーンへ…』
『グリーンのアンジュレイションはあまりキツくないけど、ミスショットでもあるんだし流石にそこまでは読み切れないわよね』

「あぁ……レ、レティごめーん!」
「(チルノがプレッシャーに負けてミスショットするのも計画の内、転がってもいいから打球がカップの近くまで届けばいい…)大丈夫、私の言う通りにすれば大丈夫……はぁぁっ!」
「う…っ…レティ、何を……?」

『さ、寒っ!夏だってのに、なんだか急に……』
『…能力を使ってるわね。氷精が垂れ流してる冷気を増幅させているわ』
『何の為に……こんな、あたい達に優しくない事をッ』

「…チルノ、カップの真上に落としてやりなさい。氷柱を」
「え?……あ、そーゆー事ね!」
「(本当に理解したのか気になるけど…)そうよ、思いっきりやってやりなさい!」
「やるよ、レティ!アイシクゥゥゥゥゥル………!」

『…お、大きい!?チルノ選手のアイシクルフォール、あれはもはや氷柱ではない!一つの鋭い氷山だ!』
『レティの能力で辺り一面の大気が冷却されてるし、お誂え向きに湖がある…私もあれほどの氷柱は見た事がないわ』
『あんな大きな氷柱で何を…ま、まさか!?』

「フォォォォォォォォォォォォォォォルッ!!!」



『やっぱり落としたぁぁぁッ!!あれほどの重量が落ちてきたらグリーンはひとたまりもない!霧氷の向こうに巨大なクレーターが見える!』
『衝撃波、来るわよ』
『ッ………!……っぷはぁ、それにしてもチルノ選手…力技という言葉すら陳腐に聞こえる荒技!』
『被害が目に見える、という意味では幽香や魔理沙以上ね』
『確かに。魔理沙選手のドラゴンメテオでさえ、ボールを優先して狙った為かグリーンへの影響はほとんどなかったし……そういえばチルノ選手の打球は一体…』
『んぅ…あ、あれね』
『む……こっ!これはッ!』


「……や、やった!?」
「…おめでとう、チルノ」
「レティ…もしかして、あたい」
「そう、イーグルを取ったの。みんなの鼻を明かす事が出来たわね」
「うっ……ゃ、やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

『これはつまり、巨大氷柱で蟻地獄を作ったという事か!?』
『正確なアプローチができなくとも、あれなら確実にカップインというわけね…やっぱり下々の発想は面白いわ』
『まさかこのペアがイーグルを叩き出してしまうとは…っと、中継の射命丸さんから回線がつながってるよ』

『こちら射命丸、幽香選手の打球を追っている所ですが……そちらに来ます!』
『あー、打球を見失ったから帰ってくるの?』
『そうじゃなくて!幽香選手の打球がそちらのグリーン目がけて飛んできているんです!』
『……まさか本当に地球を一周してきたっての!?ボールだけじゃなくてあんたも!?』
『威力が衰えた様子は全く見られません……み、みんな逃げてぇぇぇっ!!』

『………あ、あれか!まるで彗星…』
『逃げてる暇はない、咲夜の時間停止にも限りが……全員その場に伏せt―――』



ゴ ッ





*  *  *  *  *



『ぅ……た、たぁ…』
『被害は…怪我人は…どれくらい……?』

「あら、怪我人なんて一人もいないはずよ。そこのクレーターが少し深くなったみたいだけど」

『なっ…ゆ、幽香選手!幽香選手の打ったボールが……クレーターのど真ん中に!あの向日葵のマークは間違いない!』

「まあどうって事はないわね。打ちっぱなしの球ならいざ知らず、マスタースパークに乗っている以上私の意志である程度の制御は可能というわけ。これってホールインワンでいいわよね?OBだなんて失礼もいいところよ」

『ど、どうなんでしょうレミリアさん…こんなケースは多分初めてなんだけど』
『二打以上打ったという証拠がない以上、ホールインワンを認めざるを得ないわね……私もこんなのは初めてよ』

「す、すっごいーい幽香おねーさん!いきなり一番だ!」
「ふふん、これが幻想郷最強の実力よ。どこぞの自称最強やら弾幕はパワーやら、いやもう誰もかも相手にならないわね!(実はマスタースパークの射角微調整なんて初めてやった、なんて言えないけど)」

「よし、幽香。次は現役バリバリのマスタースパークの威力を拝ませてやるからな」
「あたいの方が最強なんだから!レティがいる限りあたいは負けないよ!」
「河童の超兵器の力、皆そのうち知る事になるよ!」
「次こそは……私に打てない球など絶対にない!…はず」


『さー各人盛り上がってきたところで2Hへ!』
『各ペアの意地と力のぶつかり合い、見逃せないわね』


(not to be continued...)
これはゴルフですか?

いいえ、これはゴノレフです。ゴノレフと読みます。



ゴノレフ…
ロシア国内において「異端」「革命児」の名を持つゴルファー、アレクセイ・ゴノレフが提唱した競技。
基本ルールはゴルフに準ずるが、『手段を選ばず、スーパーショットとスーパースコアに徹しよう』
という彼の言葉に従い、五体で直接ボールに干渉しない事のみを条件にスコアの極限を目指す。

例えばクラブは長尺化とヘッドの大型化から始まり、ヘッド内にエンジンを搭載して先端速度を高めたり
フェイスに爆薬を装填し爆発エネルギーをボールの推進力に充てるという技術も開発されている。

一方でボールはディンプルの研究から始まり、クラブの先進化が進むとそれに合わせて新技術が開発されるようになった。
ボールを三段ロケット式にして飛行距離を爆発的に延ばす、ARH装置を内蔵して着弾精度を高める、
インパクトの直後に飛翔翼を展開させて打球の安定化と長距離化を図る、などの技術が有名である。

しかし技術競争の過熱に伴い開発コストがかさむようになり、またスポーツの意義も薄れていき
ゴノレフが提唱してからわずか数年でゴノレフは歴史の闇に沈んでしまった。
しかしこの過激なルールが幻想郷の少女たちには受け入れられ、各種技術を弾幕で代替する事で
一部の実力者の間でゴノレフはブームになりつつある。

(『弾幕とスポーツ』より抜粋)



とりあえず続きません(;´∀`)
パンヤとかライパクの影響を受けたのは言うまでもなくw
0005
コメント



1.名無し妖怪削除
時を止めてこっそりカップに叩き込めば文句なしのホールインワンw
2.名無し妖怪削除
というか霊夢のホーミング弾で一発w
3.名無し妖怪削除
後書き書房に一番吹いたw
4.道端から覗く程度の能力削除
さりげない幽香×リグルに顔がにやけた。
5.名無し妖怪削除
あと17H分の話を書くこと。それが今の貴方に積める善行です。