むしとり

あらすじ

　ウェディングピーチ







　　　ミーンミンミンミン　　ミーンミンミンミン　



　　　　　　　　　　ちりりん♪





「もう夏ねえ」



　ある日あつい日、博麗神社。
　日差しカンカン、境内で。
　普通の巫女さん、つぶやいた。

　セミが鳴いてるそこかしこ。
　高い青空、白い雲。
　日差しまぶしいものだから。
　髪の毛おろしてすっぽり被る。
　夏のお供の麦わら帽。


「あー、あついあつい」


　もひとつ呟き掃き掃除。
　今日も変わらぬ幻想郷の。
　どこかでヒーロー、俺、参上。





「水筒はちゃんと持ちました、チルノさん？」
「うん！」
「麦わら帽子も大丈夫ですね」
「ね、もう行ってもいい、ぶんぶん？」
「はい。お気をつけて」
「はーい！　いってきまーす！！」


　仲良し夫婦のお嫁のチルノ。
　文に送られお出かけしてる。

　提げた虫かご、手には網。
　虫取りするにはいい天気。


「あ、チルノちゃーん」
「おーい」
「おまたせー！」


　橙にルーミア、みすちー、大ちゃん。
　リグルも一緒に待ち合わせ。
　同じカッコで待ち合わせ。
　
　なかよし六人みんなで揃い。
　さっそくでかける森の中。


「みんなでおいでよ～どうぶつのもり～♪」


　おもわずみすちー歌い出す。

　木漏れ日きらめく夏の森。
　木立のどこかで虫の声。


「あ、カブトムシだ！」
「こっちはクワガタだよ、チルノちゃん」
「橙、ミンミンゼミとクマゼミはどっちがおいしいと思う？」
「……ルーミア、セミは食べれないと思うよ」


　時間も忘れてみんなではしゃぐ。
　夏の短いお昼時。

　探せば見つかる宝物。
　セミにクワガタ、カブトムシ。
　他にもたくさん、夏の虫。


「えへへ、あたい、もう５匹も見つけたよ！」
「ええ！　よーし、私も負けてられないぞ～！」
「ふふ、橙ちゃんも頑張ってね」
「ふ～、暑いから暗くして一休み」


　とってもとってもとりきれない。
　あとからあとから虫の群れ。

　はしゃぐみんなをニコニコ見つめ。
　木陰でリグルが一休み。


「虫をあやつるナイトバグ～♪」


　近くの枝にはみすちー座り。
　足をぷらぷら、こんな歌。


「こっそり集めてとり放題～♪
　みんなニコニコいい笑顔～♪」


「――なぁんだ、バレてたのか」


　くすりと笑って人差し指を。
　立てて「しーっ」と口の前。

　にっこり笑った夜雀一匹。
　調子を変えてはこんな歌。


「みんなのヒ～ロ～ナイトバグ～♪
　シャイでやさしい正義の味方～♪」


　今日も変わらぬ幻想郷の。
　どこかでヒーロー、俺、参上。

クライマックスだぜ！