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幻想郷は、今日も平和である。
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『第一章 ニートと晴天
――この私がこんな事に屈するなんて!
恐ろしい事態に陥ってしまったわ。
地面に染みが出来てしまう程に、汗が流れ落ち続ける。足の部分という部分が悲鳴を張り上げ、重力に敗北したかの如く、全く動けない。
そして今日一日は筆も握れないだろう。腕と手が機能を放棄している。
「はあ……はあ、うっ、くっ……」
貪る様に酸素を送る。
普段の華美な着物を着ていないのは幸いか。そうでなければ、私はこの固い土の上でねっころがり、死んだように生きてはいない。
「……ふっ、まさか、私がこんな……はあ……こんな事になるとは……」
向こうでは既に何人もの被害者が、悲鳴を上げて再び特訓に戻っている。
「――はあ、はあ。私の分まで頑張るのよ……。私は、ここで、脱落だわ」
久しく運動をした。
深呼吸。
もしかしたら、これは爽快な気持ちなのかもしれない。
空を見上げると、私を嘲笑するように、青空が全天に広がっている。雲ひとつない。
涼しい夏風が、私を通り抜けた。自然の空気はこうも気持ち良いものなのかと思う。ニートをしていた頃の私では、到底味わえなかっただろう。
「そろそろ――ニート生活も吹っ切れたかしらね」
ニートとは恐ろしい禁断の果実であった。今ならそうやって笑い飛ばせる。
「はあ……はあ。なかなか、やるじゃない――――――――」
ああ、長い髪が鬱陶しい……わ。バタン(気絶)
「――――――――ビリーズ・ブートキャンプ」
――続く』
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「――く、くくくくふふふふっふっふあはははははっはっ!!」
紫様っ!? 何ゆえ腹を抱えてその様なっ!?
「いや、だって! 自分で書いてて――あの。あの永遠亭のニートが、ブートキャンプなんて無理に決まってるじゃないっ! あ、あは、くくく……あはははは!!」
……紫様。自分で小説を書くのは構いませんが、その、自分で笑うのは、見ててイタイです。
「ははははあっ! ……はあーあ、あー久し振りに思いっきり笑ったわ。ま、やってみれば、楽しいものよ。どう? やってみる?」
……結構です。
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幻想郷は、今日も平和である。
自分で描いた小説に、自分が読み、自分で笑ってしまう。
おいおい、おれよ、自画自賛かい? と思わず疑ってしまう。
でも、なんかそういうときってあるんですよねー。
ありません?
妄想とか空想とかして、
にやにやしてしまうのと似ていると思うんですがね。
なにいってるのかよくわかんなくなってきた。
えーと、そう、ようするに面白かったですよってことです。
その心が小説執筆の速度を上げてくれるのです。
では最後にブートキャンプネタらしく……
自分の書いた小説が可笑しければ無理せず笑ってもいい!!でも、書き続けるんだ!!