Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

祭りの日に

2007/07/08 04:07:06
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「ごーしきのーだんまくーわたしがうったー」
一匹の妖怪が里を歩いている。
人間を襲う妖怪だけれど祭りのせいか彼女を追い出そうとしない。
客寄せの声は人間妖怪幽霊問わず対象、言葉を出している方も色々だ

「みんなのお店どこかな?」
妖怪の少女、ルーミアが辺りを見回す。
その手には小さな袋が握られていた。


-------


「わたしとミスティアは別々に屋台してるから…」
「わかったー」
リグルの言葉にルーミアが反応する。

「出来ればチルノと行ってもらいたかったけれど」
「あたいは無理、最近暑すぎだから」
うーん、とリグルが唸る。

「一人でも大丈夫?」
「だいじょうぶー?」
「人食べたりしない」
「たべないー」
それならとリグルが懐をゴソゴソとしたあと
ちいさな袋をルーミアに手渡す。

「お金と屋台の地図だから食べたり無くしたら駄目だよ」
「はーい」


-------

「ちずーちーずー」
手元に地図を広げふらふらと進みだす。
地図には露天の位置と大きくまるが二つ書かれていた。

「進みすぎてた、里の入口に戻れー」

ルーミアが里の入口にもどると八つ目鰻の暖簾が見え
暖簾を潜ると客が3、4人と店主が鰻をひっくり返していた。

「やっと来た、前を素通りしたときは如何しようかと思ったわよ」
「ごめんー」
「ちょっと、バイトの藍さん店番たのみます」
「了解」
ミスティアの言葉に反応して奥から9本尻尾の妖狐が現れ
慣れた手つきで鰻をひっくり返していく。

「どこいくのミスティアー」
「店の裏よ」




「おー」
「サイズが合ってよかった」
「ゆかたー」
お客さんのお古だけどねとミスティアが笑う。
そんなことを気にもとめずにルーミアが浴衣を見ながらクルクルとまわる。


「これなに?」
ルーミアが浴衣の模様を指差す
浴衣は白をベースに赤と青の四角の短冊のような物が書かれている。
「お札らしいよ」
「おー」



「ただいまー」
「二人ともお帰り」
二人が戻ってくるとバイトの狐が鰻をひっくり返す。
ミスティアは定位置に立ち、鰻を慣れた手つきで捌いていく。

「リグルの所いってくるねー」
「あ、待って」
「?」
ルーミアが店を出ようとするとそれをミスティアが止める。

「後で花火打ちあげるらしいよ」
「そーなのかー」
「奥の方に大きな竹があるからそこで待ち合わせしない?」
「いいよー」
「リグルにも伝えておいて、まだ時間あるから遊んでからでいいよ」
「わかったー」
「あの…」
二人の会話をみている狐が話しかけると
ミスティアは思いだしたようにルーミアに話す。

「バイトの条件でね…」
「それは私が」
ミスティアが説明しようとすると狐がそれを止め
ルーミアに話しかける。
狐はある程度簡単な説明の後コホンと咳をして
しゃがみルーミアに目線を合わせて口をあける。

「うちの子と一緒に祭り見物たのめますか?」
「いいよー」
「だそうだ出ておいで橙」
「はーい」
狐が後ろを向き、話しかけるとヒョコっと少女が出て来た。
水色に赤い魚の模様がちりばめられた浴衣
頭の黒い耳がピコピコと動き、後ろから二本の尻尾がゆらゆらとしている。

「よろしくね」
「よろしくー」
「二人とも気をつけてね」
「橙、迷惑かけては駄目だぞ」
「「はーい」」
二匹が元気よく返事をし元気よく店を飛び出す。
店主とバイトはそんな二匹を見送ったあと仕事へと戻る。

「ルーミア、どこにいく?」
「どこいく~?」
二匹が地図を広げ悩み、その二匹の横を様々な人や妖怪が通っていく
ごくたまに地図になにが書いてあるのだろうと覗く人物もいた。

「じゃぁ、適当に行ってみよう!!」
「てっきとー」






「おもしろそうなとこ~」
「貴方の善行教えます。占いの山田堂?」
「はいる?」
「行ってみよう」
「はーい、お客さん二名様!!」
ルーミアと橙が入ろうとすると中から長身の女性が飛び出してきた。
パッと見は美人、だけれどその顔にはいかにも怪しい面がかぶられていた。

建物の中を進み広い空間へ出ると
その中央に怪しい光を発している机と人物が座っている。
みた感じルーミアや橙と変わらない。
だけれど顔にはヒゲのついたメガネをかけている
長身の女性が座っている少女の方へと歩きなにやら会話をする。
「ほらお客さんですよ映姫様」
「なんで私がこんなことを」
「しかたないですよ最近は赤字続きで私達の給料も危ないんですから」
「この格好は何の意味が…」
「仮にも死神と閻魔が出店開いてるなんて、バレたら色々面倒ですよ」


「なにするの?」
「するのー?」
聞こえてきた二つの声に気がつき、二人は正面を向く。

「まず、私の前へ」
「「はーい」」
少女の前にルーミアと橙がちょこんと座る。

「?」
「どうしたの橙?」
橙が少女の顔をみてうーんと唸る。

「どっかでみたような…」
「里で見たとかじゃないですか?」
橙の言葉を聞き少女が顔を逸らし、こころなしか声も震えている。

「紫様のもって来た本に…」
「どんなのー?」

「いろんな人とか妖怪が書かれてる本」
「へー」
橙が少女をじっとみて唸り
そして、ポンと手を叩き指をさす。


「たしか、なんとかヤマザナド…」


「こまっちゃん!!お客さんお帰り!!」
「はい!!」
「ついでに店締め!!」
「ちょっと勿体無い…」
「小町…」
小町が惜しいなと腕をダランとさせると
少女が下を向きながらドスのきいた声を出す。

「…ひぃ!!」
小町が橙とルーミアを抱え店の外へ走る。
ルーミア達を放り出し「閉店」の札を立てかけて小町は中に入っていった。

「占ってもらえなかった」
「ざんねんー」
砂をポンポンと掃い二匹は歩き始める。







「ちょいと、そこのお二方」
声の方向に二匹は自分自身を指差し私?と向くと
そこには一匹の妖怪兎が立っていた。

「そう、お二方」
「なんかよう?」
「なにー?」
妖怪兎のてゐが腰を低くして小声で話しかける。

「小腹すいていませんか?」
「ちょっと減ってるかも、ルーミアは?」
「ペコペコー」
「それじゃあこっちへ、いい子も揃ってますよ」
てゐが二匹の腕を引っ張り夜店の隙間を潜り抜けて行くと
そこにはピカピカと光る球体に飾られた場違いな建物が立っていた。

「メニューです」
「なにがあるかな?」
「おいしいかなー?」
ソファーに座らされメニューを二匹は見る。

ドンペリ:九千 焼酎:二千 
ビール:大…五百 中…二百 小…百
ダンゴ:二百 餅:五十  素麺:六百
月の兎の女体盛:時価 素麺:六百 
新薬:無料 水:無料てか帰れ

「なんで単位がないんだろ?」
「つけわすれー?」

二人がメニューをテーブルの上に置くと
てゐが奥から何かを引きずり歩いてきた。
「てゐ、後で覚えてろぉ!!」
「あ~、鈴仙うるさい黙ってて」
「上司を売るなぁ」
「一度も上司とおもってませんから」

てゐはそのまま橙とルーミアの横を過ぎ、奥の扉を開き縛られた兎を投げ入れる。
彼女はルーミア達の方向を向いて笑顔で話しかける。
「注文決まりました?」
「お金ないから水で」
「みずー」

「…」
「「…?」」
「お帰りください」
ルーミア達は訳もわからずきょとんと
彼女達の目線の先にいるてゐは顔さえ笑ってはいるが
誰がみても作り笑いとわかる顔をしていた。


「…またおいだされた」
「ざんねーん」
「時間も潰したしルーミアの目的地いこー」
「ごー」
二匹は腕を空に向け、走り出した。






「りぐるー」
「おじゃましまーす」
「あ、いらっしゃい」
リグルの店には何かの花が奇麗に並べられて飾られている。
その花一輪、一輪から淡い光がもれて不思議な雰囲気を出して
光は少しだが花の中で揺れている。

「リグル、これなにー?」
「綺麗だね」
「蛍袋の花だよ、蛍達に入ってもらってるんだ」
リグルは花束の中から二本の蛍袋を出し
ルーミア達に握らせる。

「お祭りが終わったら自然にかえしてあげてね」
「わかったー」
「はーい」
ルーミアと橙の言葉を聞きリグルは笑みを溢す。


リグルにミスティアの伝言を言い、二匹は店の端に座りこみ
蛍袋をつついている。



数時間後リグルの花ものこり少しとなる。
「ルーミア達」
「「?」」
「向うの笹のところでミスティア待ってて」
「リグルはいっしょにいかないの?」
「私は仕事終わってから行くね」
「わかったー」
「はーい」


二匹が向うとそこには大きな笹が地面に立てられていた。
笹をよくみると短冊がいくつか付けられ、横には台があり短冊と筆が置いてある。
「願い事書く?」
「かくー」

二匹が短冊に字を書いているとリグルが到着する。
リグルがルミアの隣に立ち、短冊を眺める。
「ルーミア何書いてるの?」
「ねがいごとー」
「へぇー」

その後リグルは笹に向って歩き、短冊に手を伸ばす。
「皆、どんな願い事書いてるのかな…」



『自由 レミリア』
「?」
『時間 幽々子』
「??」
『余裕 輝夜』
「???」


リグルは困惑していると後ろから声がしてきた。
「リグルー、ルーミアー」 「橙~」
「ミスティアきたー」 「藍様~」
「みんな揃ったね」




-----

「いくぜ、バイト!!」
「なんで私がこんなことに…」
「文句言うな、門番」
「うぅ、パチェリー様なんで…」
「今後一ヶ月泥棒に入らない約束で契約だろ、ちゃんと仕事しろよ」
「あうぅ…」

「的はあれだ!!」
「あれは…」
少女が指差す遥か上空には
うな垂れて飛んでいる氷の妖精がいた。
「いくぜ!!」
「うぅ、了解しました…」

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笹から少し離れた場所にゴザを敷いて五人が座っている。
「チルノもくればよかったのにねー」
「そうね」
「あっ花火始った!!」


花火が夜空と笹を照らして
沢山の枝の中、そこには二つの短冊が結んである。
二匹のそばに置かれた蛍袋から二匹の蛍が外に出て
その短冊にとまる。

藍がそこにある短冊を手に取り眺め見る。
『ともだちができたありがとう』
『いろんな友達が出来ました。』

藍がクスリと笑う。
「願い事じゃないじゃないか…」





空を皆で眺める中、蛍と夜雀が会話する。
「ねぇ、リグル」
「ん…」
「あれってさ、白黒弾幕に赤い屋敷の門番の弾幕でしょ」
「うん…」
「そして、上から下に振っている花火さ」
「…」

「七色から白になってフワフワとあのスペルカードは…」
「それ以上言わないで…」
「あ、上の段幕途切れた。」
「…スペルカード取られたわね」
あとがきのようであとがきっぽくないあとがき

創作の方で書いてた通り七夕話書いてみました。
実は投稿しようとしたとき7時7分に投稿しようとか妹が言いやがりました。
しかも目覚ましまでかけて、投稿してもたぶん数分ずれると予想。

どうでもいいことですけど、七夕は小麦で造った物を食べましょう。
素麺(ソーメン)、饂飩(ウドン)、冷麺(レイメン)色々ありますよー
コメント



1.名無し妖怪削除
パスタぢゃだめなのかー orz
2.卯月由羽削除
る ー み ゃ か わ い い よ ウ フ フ
3.名前などない削除
チルノ…
るみゃの最初の歌が微妙に気になる…
4.削除
>名無しさん
パスタでもいいんですよタブン
元は饂飩のような物を揚げた菓子を食べて鬼を掃うものでしたし

>卯月さん
(゚д゚)b

>名前さん
製作時間30分の歌ですよ
「五色の弾幕~私が打った~瓦がキーラキラ、金銀色よ~(by月の人」
「五色の弾幕~私が打った~星共キーラキラ、弾幕絶好調!!(by白黒」