Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

馬鹿共の馬鹿な話

2007/07/03 16:27:48
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「リグルがおかしい?」
「そうなんだよ!!」
「らしいよー」

夜雀の八つ目鰻焼き屋台で席の二人と主人が会話をしている。
屋台の主人は木陰に座りこむ人影を見た。
「たいして変わってないと思うけれど…」
「違うってば」

客の一人であるチルノが唸り、屋台主人のミスティアに訴える。
「すぐに凍ったり」
「うん」
「殺虫剤で落ちたり」
「うん」
「かわいい下着着てるし」
「うん」
「ルーミアに食べられてるんだよ!!」
「いつもどおりじゃない」
「ほんのり苦味~」
もう一人の客、ルーミアが言葉に反応する。
ミスティアがリグルのほうを再度見ると、三人で騒いでいたのに彼女は夜空を眺めている。

ミスティアが唸り、チルノはリグルの方を見ている。
ルーミアは八つ目鰻をパクパクと口に入れ、二人を眺める。
「チルノ」
「なによ?」
「リグルにアイシクルフォール」
「あたっても知らないよ」
「大丈夫、普通は当らないから」
なにそれと不機嫌そうに頬を膨らまし、スペルカード宣言の後に氷を投げると
氷は緩いカーブをしつつ、リグルに刺さる。
頭に氷柱が刺さってもリグルは殆ど動かない。

「あれくらい避けてもおかしくないのに…」
「あれくらい言うな!!」
「本当におかしいわね」
「言ったでしょ」
ミスティアは再度唸り、チルノに質問をする。

「昼、可笑しな事とかリグルになかった?」
そう言えばとチルノが喋りだす。



------

「まてまてー」
「ひぇぇ!!」
「あ、リグル前!!前!!」
「え? きゃぁ!!」
あたしがリグル追いかけていたときに…
リグルが木に顔からぶつかって…

「おっと!!」
「!!」
「リグルーどこいったー?」
「は、ななせー!!」
「気をつけなよ」

「どうしたのリグル、顔を赤くして」
「なんでもない!!」

------



「で、誰かに抱えられて顔を赤くしていたと」
「それから数時間してかな」
チルノの回想を聞き、二人で考えていると
声が隣からしてきた。

「それは恋だね」

三人が声の方向を見ると竹林の妖怪兎が焼酎を飲み、ニヤリと笑う。
「鯉?」
「故意?」
「こい~」
「恋よ、恋、他人を好きになるってことよ」

それを聞き、ミスティアはナルホドと頷き
チルノは首を傾げ、ルーミアはいつもどおり笑っていた。

「つまり、リグルは抱きかかえられた人が好きになったてこと?」
「なのかー」

「そう言うこと」とてゐが焼酎を一口飲み笑っている。
「うーん」
「あー」
そこから再度二人で唸りだす。
その二人を見ながら妖怪兎は足音をたてないように歩いて出て行った。

数十分後
「代金踏み倒されたけど、理由はわかったわ!!」
「で、どうする?」
「ふみたおしー」

ミスティアがチルノに指を向け、チルノとルーミアは指先を見る。
「もっと思いだしてチルノ!!」
「なにを」
「さっきの話よ、なにか他にもヒントがあるかもしれない!!」
「ひんとー」
「えーと…」



-------

リグルと帰るときに地面に二人いたような…
どんな会話ていた?
んーと…
「なにやってるんだ香霖」
「蛍が落ちてきた」
「さしずめ捕食者に追われたあと、顔面を木にぶつけたんだろ」
「かもね、ところで魔理沙…」

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「…ってのだったよ!!」
「…」
「鰻おかわりー」
「どうしたのミスティア?」
「…最初」
「さいしょ?」
ミスティアが下を向きプルプルと震えている。
それをチルノがしたから覗きこみミスティアの顔を見る。

「最初からそっちの方を思いだせぇぇぇぇ!!」
「むりー、忘れてたから」
「おかわりー」
ミスティアが怒っているが
ルーミアはかってに鰻を自分の皿へと移しながら
チルノは手で後頭部をポリポリとかいている。
しかも満面の笑みで

ミスティアは呼吸を整えた後、二人に話しかける。
「とりあえず原因はわかった」
「原因を潰すんだね!!」
「そうよ、ルーミアは店番おねがい」
「えー」
「商品食べてていいから」
「やったー」

 夜の空を妖怪と妖精の二匹が飛び去っていく。
「恋ってのは他人を好きになるって言ってたから」
「半分妖怪のアイツと白黒の人間だね!!」
「そうね、一人じゃ無理だけど二人なら…」

夜空の二匹が見えなくなるのを確認した後に
ルーミアは屋台から酒を出してグラスに注ぎ、鰻を食べる。
すると隣にルーミアの知っている人物が座った。
「どうしたのリグル?」
「ミスティアとチルノは?」
「どっかいったー」
「ふーん」

リグルは周囲を見回した後、屋台から皿と酒の入ったグラスを目の前に置いて
鰻を皿に移し、ルーミアと並んで食べ始める。
少し時間が経ちルーミアがリグルに声をかける。
「リグルは恋したのー?」
「どうしたのいきなり」
「とくにー」
「してないよ」
「そーなの?」

リグルは不機嫌そうに屋台から顔を出し夜空を眺める。
「昼にケガして薬を貰いにいったんだけどさ」
「うんうん」
「てゐに薬もらったんだ」
「それでー?」
「痛み消えたんだけど、痛みどころか触ってる感じとかもしないのよ」
「べんりー」
「便利じゃないよ、なんか頭がボーっとてね」
「たいへんー」
「そうだよ、それにね…」

リグルは顔を真っ赤にしてブツブツと呟き出す。
心配そうな顔をしてルーミアが覗く。
「怪我したとき木に服がひかかってね」
「うん」
「服が破れて…」
「やぶれて?」
「下にいた人間に下着見られた…」
「なのかー」

リグルは自分の頭を撫で始める。
手には少しだけ血がついていた。
「さっき気がついたら氷がささってるから…」
「ほうほうー」
「チルノに文句言おうとしてこっちに来たのよ」
「へー」
「二人とも本当に何処へいったんだろうね」
「しらないよ~」



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その頃の永遠亭
「あれ~」
「どしたの?」
「てゐ、ここにあった師匠の麻酔しらない?」
「しらない」


同時刻香霖堂
「!! …なんだ魔理沙か」
「どうした香霖、そんなに警戒して」
「雀と妖精が襲ってきた」
「安心しな」
「?」
「それらしいのが私にも襲ってきたからさっき消し炭にしといた」
「でも何で襲ってきたんだ?」
「私はしらない」

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時が過ぎ、屋台の鰻は在庫が切れかけていた。
リグルがそわそわと辺りを見回すが木々しか見えない。
「二人とも遅いね」
「…いまごろ映姫に裁かれてたりして」
「ルーミア何か今言った?」
「なにもー(はむはむ)」



数十分後
「薬が切れて傷が痛み出したかも…」
「だいじょうぶ?」
「大丈夫、ありがとうねルーミア」
「ほめられたー」
喜ぶルーミアを見て、リグルは微笑む
其れを見て、ルーミアが立ち上がりリグルの顔を胸に押し当てる。
脱出しようとリグルは動くが頭を押さえられていて動けない。
「ちょっと、ルーミア!?」
「いたいのいたいのとんでけー」
「恥ずかしいよ、ルーミア!!」
「そーなのかー?」
「そーなのっ」



「なでなでー」
「もぅ…」
ルーミアがリグルの頭を優しく撫で
リグルは友人の胸の中で静かに目を瞑った。
夜道に二人の妖怪を入れた赤い光は静かに瞬いていた。


「でも二人とも本当にどうしたんだろ?」





博麗神社にて
「霊夢ぅ、御飯まだぁ?」
「はいはい」
「ハイは一回」
「はいはい」
「今日の献立はなに?」
「そこで拾った夜雀の丸焼きと溶けかけた氷精のフローズン」
「わーい」
萃香は両手を上げ喜び、霊夢は「拾ったから出費は0」と喜んでいた。
一言後書き(無駄知識風味)

蛍は毒があるそうですよ。
コメント



1.創製の魔法使い削除
え!チルノって食べれるの!?
2.名前ってなに?削除
チルノとみすちーを食べるんですか!?

へぇ~蛍って毒があるんですか
3.卯月由羽削除
りぐるんとるみゃが気づけばなんかいい感じに……!
4.削除
レスありがとうございます。
>創製さん
たぶん食べれますよ      タブン
>名前さん
蛍のカラーリング見ると判りますけどあれは虫特有の毒持ち警戒色だったり
>卯月さん
気づけばそんな感じに!