ここは幻想郷。
ここの村のある人のことを話ましょう。
彼女、上白沢 慧音は村の寺子屋の先生です。
今日も子供達は勉強です。
「…勉強めんどくさーい…」
「こらっ、何言ってるんだ。ちゃんと勉強して大きくなるんだ」
「はーい」
村の寺子屋はいつも厳しいです。
それはなぜかというと、彼女が厳しく授業をしているからです。
「せんせー。ここが少しわかりません」
「何?ここはこうしてだな…」
だけどみんなはちゃんと勉強をしてます。
なぜなら、子供達は彼女がとても大好きだからです。
怪我をしたら『大丈夫か?』と声をかけてくれます。
病気になったらお見舞いに来てくれます。
村に妖怪が襲ってきたら守ってくれます。
子供達はそんな慧音先生が大好きだから厳しくても、勉強をしています。
子供達だけでなく、大人も、老人も。村の人は全員、彼女が大好きです。
しかし、彼女は絶対に避けれない辛いことがあります。
獣人だから、人より寿命が長いです。
だから、どうしても村の人の死を見なければいけません。
子供達も人の死を見ますが、彼女はもっともっと見なければいけません。
人が死に、悲しみ。人が生まれ、喜ぶ。そして、また人が死に、悲しみ。また人が生まれ、喜ぶ。
そしてまた人が死ぬ。
彼女はそんなことを繰り返しています。
まるで、輪をぐるぐる回っているように。
ですが、彼女はいつもどうり微笑んだり、怒ったりします。
悲しい表情なんて普段の彼女からはどこからも感じません。
何回も何回も人が死んでも悲しさを耐え続けます。
耐えて耐えて、耐え続けます。
どうしてそこまで耐えるのでしょうか?
するとそこで彼女は言いました。
「私は村の子供、大人、老人。皆が大好きだからだ」