Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

東方四行詩 全話

2007/06/24 21:49:38
最終更新
サイズ
26.72KB
ページ数
1
 東方四行詩 ―the Shortest Story of Laugh Makers―



●practice チュートリアルモード

 東方四行詩の読み方を説明します。
 東方四行詩は、たった四行で構成された小説です。

 例文
 0 萃香乙

「ねえ西瓜、この萃香を真っ二つにして欲しいんだけど」
 萃香が縁側でくつろいでいると、大きな西瓜を持った霊夢がやってきた。
「あのさ、霊夢。西瓜と萃香が逆になってるんだけど」
「つべこべ言わずに早くやりなさい。それともあなたが真っ二つにされたいの?」




●stage1 ご苦労様です、霊夢さん


 1 美食な彼女たち

「ねぇ、魔理沙。神社の裏庭でエリンギが採れたんだけど」
「マジか、それは食ってみたいな」
「それでね、魔理沙。みすちーを生け捕りにしてみたんだけど」
「マジか、それも食ってみたいな」




 2 エリンギ捜索

 この前に食べたエリンギがおいしかったので、魔理沙は無断で神社の裏庭を漁るようになっていた。
「おっと、監視カメラに自動機銃か。蜂の巣にされるところだったぜ」
 カメラの死角をついて移動する。
「おっと、足下にクレイモア地雷か。木っ端みじんにされるところだったぜ」




 3 芋巫女

「ずげげ。霊夢がジャージ着てる」
 ある昼下がりのこと、魔理沙が神社を尋ねてみると、霊夢が芋色ジャージを着て寝っ転がっていた。
「別にいいじゃないの。中学のジャージ着てたって」
「いや、別にいいけどさ――ていうか、お前は中学校に通ってたんだな」




 4 霊夢の半日

「スペルカード 破邪『全自動クイックルワイパーの神楽』っ!」
 と、気合いを入れてスペカを発動させる霊夢。
 そして、夕方まで昼寝をする霊夢。
 今日もいい仕事をしたな、と思いながらインスタントのみそ汁をすする霊夢。




 5 巫女の真実

 魔理沙が神社の居間でごろごろしていると、ふと円卓の上に置いてあるカミソリに目がとまった。
「なぁ、霊夢。このカミソリって何に使ってるんだ?」
「腋毛を剃るにきまってるじゃないの」
 聞かなきゃ良かったなと思いつつ、魔理沙はこっそりと裏口から出て行った。




 6 調味料は重要です

 自宅で魔理沙がエリンギを焼いていると、いつの間にかルーミアが窓の外に立っていた。
「残念だがお前の分はないぞ、人食い妖怪」
「アリスを待ち伏せしてるの」
「醤油なら貸してやるが、それでいいか?」




 7 説教

 霊夢に呼び出されたアリスは、なぜだか境内に正座させられていた。
「アリス、私に言うべきことがあるでしょう?」
「え……いや、思い当たらないんですけど、霊夢さん……」
「なんで私の許可なしで、マリサラとかメガマリとかやってるのって聞いてるの、この三流人形遣いっ!!!」




 8 たぶんOK

 今日も今日とて魔理沙が神社を訪れると、境内で霊夢が煙草を吸っていた。
 霊夢は慌てて煙草の火を消し、キッと魔理沙を睨み付けた。
「煙草を吸ってようと、ようは処女ならなんでもいいのよ」
「巫女が処女とか言うなよ、マジで」




 9 焼鳥屋の妹紅、それからけーね

「ねえ、妹紅。毎日まいにち、焼き鳥ばっかりで飽きないの?」
「飽きないねぇ。一万年と二千年後も飽きないねぇ」
「松阪牛、買ってきたんだけど」
「今日からステーキ屋に転職するぞ、けーね」




 10 焼鳥屋の妹紅、それからけーね2

「ねえ、妹紅。毎日まいにち、焼き鳥ばっかりで飽きないの?」
「飽きないねぇ。一万年と二千年後も飽きないねぇ」
「じゃぁ、一億年と二千年後は?」
「さすがに無理だ」





●stage2 少しは頑張れ、霧雨魔理沙


 11 白玉楼の一日

 朝 「妖夢、起きて起きてー」
「まだ五時ですよ、幽々子様。お年寄りじゃないんですから」
 夜 「妖夢、一緒に寝ましょー」
「まだ九時ですよ、幽々子様。お子様じゃないんですから」




 12 魔術の基本は、地味な実験材料集めにある

「どうしたの、魔理沙。今日はマスタースパークを使ってこないの?」
 どしゃ、と無様にも墜落する魔理沙。
 薄れゆく意識の中で、彼女は必死に言い訳を述べた。
「マスタースパークを一回撃つのに、エリンギ三十本分のきのこエキスが……(ガクッ)」




 13 赤貧

「魔理沙ってエリンギばっかり食べてるけど、松茸とかは食べないの?」
「食えるもんなら食ってるぜ、霊夢っ!」
 魔理沙はぎゅっと、自分のエプロンを握りしめた。
「ただ、朝昼晩の食費、それから水道代、電気代、ガス代に困ってるだけなんだ……」




 14 ないない

「幽々子様。資格を取ろうと思っているのですが、なにかリクエストはございませんか?」
「そうねえ……、指圧なんてどうかしら?」
「指圧、ですか?」
「最近、どうも肩が重くってねえ。もしかして、悪い幽霊にでも取り憑かれてるのかしら」




 15 キャッチ

「そんな極貧の魔理沙さんに朗報ですよっ!」
 と、文が唐突に空から舞い降りてきた。
「どうですか、魔理沙さん。ヌードグラビアで一攫千金でも」
「帰れ」




 16 恋の病は治らない

 永遠亭を訪れた藍は、急病とのことで医務室へ通された。
「あの、えーりん先生。あまりにも橙が可愛すぎて、鼻血が止まらないのですけれど」
 そう藍が言うと、えーりんは戸棚から飲み薬を引っ張り出した。
「これを橙に飲ませれば、あんたらはすぐにラブラブよ」




 17 恋の病は治らない2

 永遠亭を訪れた咲夜は、急病とのことで医務室へ通された。
「ねぇ、えーりん。あまりにもお嬢様が愛おしくて、鼻血が止まらないのだけれど」
 そう咲夜が言うと、えーりんはそっと肩に手を置いた。
「あんたは普通に誘いなさい」




 18 YOU売っちまいなYO

 今ある物を売って当面の生活費を稼ごうと思い、魔理沙は高そうな物品を探していた。
 しばらく戸棚を漁っていると、ずいぶんと懐かしいバインダーが出てきた。
「神羅万象カード、全種類コンプリート。絶対に売れねー!」
 魔理沙はバインダーを元に戻し、他に売れそうな物を探し始めた。




 19 利益、横取り

「スペルカード 集符『幻想郷を走る神送り風の』っ!」
 霊夢がスペカを起動させると、彼女を中心に風の渦が巻き起こった。
 すると、どうだろう。霊夢の周りに、次々とお賽銭が舞い込んで来るではないかっ!
「ま、その大半が三途の川の渡し賃だけどね」




 20 ある種の結末

 久しぶりにお茶でも飲もうかと思い、アリスは魔理沙の家を尋ねた。
「まりさー、いい紅茶の葉が手に入ったんだけどーって、あれ?」
 そこには魔理沙がおらず、なぜか家具や電化製品にいたるまで、怪しげな札が貼り付けられていた。
「さ……差し押さえられてるっ!」





●stage3 やっちまいなよ、八雲藍


 21 小町でビート

「小町」
「きゃんっ!」
「小町、小町、小町」
「きゃん、きゃん、きゃんっ! ――ってなにを遊んでるんですかっ!」




 22 萃香乙2

 萃香が相変わらず縁側でリラックスしていると、いきなり霊夢が角をつかんできた。
「あんた、萃香って言うからにはSuicaとしての機能もついてるんでしょうね」
「え、あ、霊夢……言ってることの意味が分からないんだけど」
「あんたを駅の改札に突っ込めば、JRが乗り放題かって聞いてんのっ!」




 23 ある一つの真理

 妹紅が屋台で焼き鳥をあぶっていると、匂いにつられて魔理沙がやってきた。
「不老不死だってのに、焼鳥屋をして金を稼ぐ必要なんてあるのか?」
 すると妹紅は答えた。
「人間は生産的活動をやめたとき、そいつは生きながらにして死んでいるんだ」




 24 八雲家の血筋

「橙とお風呂に入っているとき、かなりやばい目になってるわよ」
 藍が自室でハァハァしていると、いきなり紫が耳元で囁いた。
「まぁ、藍が小さかった頃、私も色々といたずらしたけどねぇ」
「――私の体に何をしたんですかっ!?」




 25 いたずらっ娘、霊夢

 魔理沙が境内でのほほんとしていると、霊夢が空中散歩から戻ってきた。
「香霖堂に干してあったパンツ、全て八つ裂きにしてやったわ」
「軽く犯罪だぜ」
「かわりに『露出狂』ってロゴの入ったフンドシをおいてきてやったわ」




 26 答えは一つだ

 酒の買い出しに行かされていた藍。
 帰宅して玄関を開けると、そこでは橙が待っていてくれた。
「おかえりなさいませ、藍しゃま。お食事にしますか? お風呂にしますか? それとも」
「お前に決まってるだろう、ちぇぇぇぇーんっ!!!」





 27 アイディアの出所

「時に霊夢、お前は新しいスペカをどうやって思いついてるんだ?」
 魔理沙が尋ねると、ジャージ姿の霊夢は答えた。
「風呂かトイレね」
「風呂かトイレか」




 28 アリスの誤算 イオシスに感謝

「わら人形にー♪
 わら人形にー♪
 わら人形にー♪
 ごっすん、ごっすん、五寸――痛っ、指打ったぁ!」




 29 霊夢さんvsうどんげ

「ねぇ、うどんげ。あなたは座薬ばかりを持ってるそうね」
「持ってないってば」
「患者のケツの穴ばかり見つめる毎日ってどうなの?」
「いや、そんなことしてないってば」




 30 ひとりでできるもん

 紫が昼寝から目覚めると、傍らにいるはずの藍の姿がなかった。
 探してみると、藍は一人で油揚げを焼け食いしていた。
「橙が一人でお風呂にはいるって言うんですよ、紫さまぁっ」
「風呂くらい一人で入らせなさいな」





●stage4 ご苦労なことだよ、魂魄妖夢


 31 あたいってば、最強ね

「今日のために、あたいは新しいスペカを発明してきたんだからねっ」
 ⑨と言えども侮れない。魔理沙は箒の上で身構える。
 チルノは懐からスペカを抜き出し、高らかに宣言した。
「スペルカード 冷符『エターナル・フォース・ブリザード』っ!」




 32 職人芸

「ねぇ、藍。私のスペカに、『二次元と三次元の境界線』ってやつがあるでしょう?」
「そうですね」
「アレって実は、二次元の美少女をフィギュアに変える技なのよ」
「えっ……そんな商業的なこと、どうして今まで黙ってたんですか!」




 33 お約束 ちゅるやさんに感謝

 フランさんがお腹を空かせて歩いていると、ちょうど咲夜が通りかかった。
「メイド長、メイド長。おいしい人間の血はあるかい?」
「ついさっき飲んだばかりでしょう」
 ふらぁ~ん。




 34 妖夢と猫

「よいか、猫。お前が魂魄家を継ぐために、苦しい修行にも耐えなければならないのだぞ」
「にゃぁ~」
「返事はハイだっ!」
「に゛ゃぁ~ぁぁっ!!!」




 35 強引な妖夢

「なーに師匠ごっこなんてしてるのぉ?」
 妖夢が猫にチャンバラの手ほどきをしていると、幽々子が後ろから小突いてきた。
「うぁ、幽々子様。見ていらしたんですか?」
「見てたわよ。いやがる猫を卍固めで黙らせてるところから全部」




 36 天才なんていない

 霊夢との試合に敗れた魔理沙は、アリスは家のベッドで介抱されていた。
「ねぇ魔理沙、相手は博麗の巫女なのよ。あの天才には普通の魔法使いじゃ勝てないわ」
 アリスに説得されるものの、しかし魔理沙は強く言い放った。
「天才なんていないさ。私がそれを証明できるとしたら、弾幕だけなんだ」




 37 ニートを抱えていることだし、お金がかかるんだろうよ、きっと

 永遠亭の廊下を歩いているうどんげ。
 珍しくえーりんがそろばんを弾いているので、気になって彼女は声を掛けてみた。
「なにしてるんですか、師匠?」
「『えーりん』を商標登録したら、どれくらい私にお金が入るか計算してるの」




 38 認めれば楽なんだよ

 紅白と白黒を撃退できなかった罰として、紅魔館の外へ追い出された美鈴。
「外で寝たりして寒くないの?」
 と、通りすがりのアリスが質問すると、新聞紙にくるまった美鈴はこう答えた。
「大丈夫です。私……ドMですから」




 39 続・妖々夢

「妖夢、夏度を集めなさい」
 白玉楼にて妖夢が剪定をしていると、縁側にいる幽々子が言った。
「いきなりなんですか、幽々子様?」
「夏度を集めておいしい夏みかんを食べるのよ。つべこべ言ってないで、早く行きなさい」




 40 大丈夫、みんなやってるよ

 夏度を集めに妖夢が博麗神社へ行くと、霊夢がサラシ一枚で仁王立ちしていた。
「あの、夏度を――」
「勝手に持っていけば」
 エイトフォーを使っている霊夢を尻目に、妖夢はその場から立ち去った。





●stage5 あたいってば、チルノ


 41 極死、咲夜

「美鈴、ちょっと一発攻撃してきなさい」
 とブラッドヒート中の咲夜に頼まれて、申し訳ない程度に拳を振るう美鈴。
 それに対してEXシールド展開。
 哀れ、美鈴に5000オーバーのダメージ。




 42 白黒はっきり付ける程度の能力

「こうやって居残りの仕事をしていると、昔にやっていたアルバイトを思い出すわね」
 仕事の処理に追われるえーき様がそう呟き、傍らの小町が尋ねた。
「なんのバイトですか?」
「ひよこの雌雄判別ですよ」




 43 幻想ノ宴

 東方のカードゲーム『幻想ノ宴』をやろうと思い、霊夢と魔理沙は香霖堂に集まっていた。
「金が足りなくて、カードが一セットずつしか買えなかったぜ」
「デッキが組めないじゃないの、どうするの?」
「大丈夫。全部、コピーしてあるから」




 44 幻想ノ宴2

 東方のカードゲーム『幻想ノ宴』をやろうと思い、みすちーとチルノは香霖堂に集まっていた。
「売ってる場所知らないから、あたいカード買えなかった」
「どうするの、チルノ。デッキが組めないじゃないでしょ?」
「大丈夫。あたい天才だから、自分でカード作ってきた」




 45 幻想ノ宴3

「なによ、コレ! 本物のカードにあたいがいないじゃないの!」
 主役級のキャラしかカードになれないんだよ。
 ……と言うのも可哀想なので、みすちーはとりあえず嘘をついてみた。
「チルノのカードはレアすぎて、みんなゲットできてないんだよ。あはははは、はぁ……」




 46 素晴らしきけーねの日常

 TAKE1
「うぁぁ、思わず妹紅のウィダーインゼリーを飲んでしまった。なかったことにしておこう」
 TAKE2
「うぁぁ、思わず妹紅のカロリーメイトを食べてしまった。なかったことにしておこう」




 47 イーティング・ワン

 霊夢の仕掛けておいた罠に、てゐが足を引っかけていた。
「あなたの能力が持つ、本当の意味って知ってる?」
 微笑みながら霊夢が言った。
「鍋になって、人間を幸福にするってことよ!」




 48 低体温症

「ねぇ、妖夢。体が冷えちゃったから、人肌で暖めてよぅ」
 みょんが花壇に水をまいていると、後ろから幽々子が抱きついてきた。
「亡霊のくせに、かき氷なんて食べるからですよ。
 ……というか、ナチュラルに床へ誘うのは止めてください」




 49 萃夢想withチート

「スペルカード 恋符『マスタースパーク』ッ!!!」
 魔理沙の両手から放たれた閃光は、焼け付くような熱、そして轟音となって中国の体を駆け抜けた。
 痛みは一瞬だ――と思っていた中国であるが、これがなかなか終わってくれない。
「かかったな、アリス! 霊力無限パッチをあててあるから、このマスタースパークに終わりなんてないのさっ!」

 


 50 天才なら出来る

 チルノが珍しくパソコンをいじっていたので、みすちーが思わず質問してみた。
「何してんの?」
 すると、目に隈の出ているチルノが答えた。
「萃夢想のあたいパッチを作ってんのよ」




(ここで半分。ニコ動でも見て、一息入れましょう。)
(少女休息中…………)
(少女休息中………)
(少女休息中……)
(少女休息中…)




 ●stage6 正義の味方、パチュリー


 51 論争

「あなたは地獄行きですよ、小町ぃっ!」
 えーき様の酒に付き合っていた小町は、いきなり錫杖でひっぱたかれた。
「なにするんですかぁ!」
「あなたは仕事をさぼって寝てばかり。だから乳ばっかり大きくなるのです!」




 52 新キャラ

 どがん――と扉をぶち破り、魔理沙の家にコスプレイヤーが殴り込んできた。
 ただ、それはただのコスプレではなかった。形状は魔理沙の格好だったが、色が真っ白に染め上げられていたのだ。
「私は白魔理沙。あなたの善なる心が具現化したものよっ!」
「いや、どう見たってパチュリーだろ」




 53 あま~い

「それで、その白魔理沙とやらが何のようだ?」
「あんたはヴワル図書館から本を強奪しているでしょう。早く返すべきです」
 パチュ――改め白魔理沙が説得を試みると、黒い魔理沙が彼女と肩を組んだ。
「そういうなよ兄弟。心を奪い、奪われることはすなわち愛なんだぜ」




 54 永夜抄けーねステージ

「お前は今まで食べたパンの枚数を覚えているか?」
 けーねが尋ねると、魔理沙は指を折って数え始めた。
「あの……カビが生えてて、半分ちぎって捨てたやつは含まれるのか?」
 その場の空気が悲しくなってきたので、二人はそれぞれの帰路についた。




 55 熟練

 小悪魔が図書館に紅茶を持っていくと、パチュリーが怪しげなスペカを作っていた。
「何してらっしゃるんですか?」
「本物の魔理沙に負けないように、マスタースパークをコピーしてるのよ」
「ははー、コスプレ歴も三年になると、やることが細かくなってきますねぇ……」




 56 花映塚えーき様ステージ

「博麗霊夢。裁くのは私のスタンドです――」
「え、ちょっと、これって東方花映塚じゃなかったの?」
「スペルカード 幽波紋『ザ・ワールド』ッ! 時よ止まれッッッ!!!」
 以下、無駄無駄が七ページくらい続くので省略。




 57 不思議な関係

「私が人をさらって――」
 と、萃香。
「――それを私が食べる」
 と、ルーミア。




 58 ここにもいる

 右手に白楼剣、左手に楼観剣。
「私に切れぬものなど、ちょっとしかない!」
 ばばーん!!!
 と強く叫んでみたところを、咲夜はレミリアに目撃された。




 59 根性

「くらいなさい、スペルカード 偽恋符『白マスタースパーク』ッ!!!」
「びゃぁー」
 模倣スペカの実験台にされた中国は、パチュリーに感想を述べた。
「まだまだですね、パチュリー様。この程度の威力では、私のM性を目覚めさせることはできま、せ、ん……(ガク)」




 60 長き勇者の不在

 戦 士:みょん
 魔 法:マリサ
 僧 侶:えーりん
 遊び人:てるよ





●stage7 働いたら負けだと思ってる、てるよ


 61 不覚 イオシスに感謝2

 ある昼下がり、永遠亭に絹を裂くような叫び声が響いた。
 えーりんが寝室に駆けつけると、輝夜が床の上に倒れていた。
「パ、パラディンが死んだわ」
「F.O.E!?」




 62 マルチ

「新製品が完成したわ」
 境内に呼び出された魔理沙は、霊夢から小さなお守りを渡された。
「このお守りの中には、私の巻いているサラシの切れっ端が入ってるの。一つ、五百円」
 転売できる気がしたので、魔理沙は百個ほど買ってから帰った。




 63 ノリツッコミ、妖夢

 下界から戻ってきた幽々子の手には、大きな紙袋が提げられていた。
「妖夢のために、剣術の指南書を買ってきたわよ」
「ふむふむ、飛天御剣流指南書。
 ――ってこれ、るろ剣じゃないですか、懐かしすぎですよ!」




 64 メガマリ、霊夢ステージ

 まずは手始めに、一番簡単な霊夢ステージからやってみるか。
 軽い気持ちで魔理沙がメガマリにチャレンジすると、ステージボス霊夢はいきなり本気を出した。
「スペルカード 無題『楽園の素敵な巫女(Lunatic)』っ!!!」
「ぅおおい、いきなりルナはおかしくねえかっ!?」




 65 永夜抄、ステージ6A

「私をここまで追いつめたのは、あなたが初めてよ。でも、このスペルにあんたは勝てない――」
 構えて待つ霊夢に対し、輝夜は必殺のスペカを発動した。
「スペルカード 無理難題『ニート脱出大作戦』っ!!!」
「うわ、絶対に勝てねー」




 66 時間を操る程度の能力

「この前、咲夜さんとストⅢやってたんですけどね」
 久々のオフなので、美鈴はアリスの家にて愚痴っていた。
「私が鳳翼扇を全段ブロッキングしようとすると、『プライベートスクウェア!』とか言って、ポーズをかけてくるんですよ」
「そしてリアルファイトでもボコされる……と。ドMじゃなかったら退職ね」




 67 ニートは金がないんだ

 えーりんが輝夜の部屋に赴くと、珍しく彼女がテキストエディタを立ち上げていた。
「私もニート文学に手を出そうと思ってね。執筆始めたのよ。
 というわけで、ボイルドエッグ賞のエントリー料金として三万円をちょうだい」
「現金ですねぇ、姫も」




 68 ver.B2

「おーい、霊夢。東方萃夢想をコンシューマ化しないかって、お誘いのメールが来てるぜ」
「どこの会社からなの、魔理沙?」
「メルブラを移植したあの会社」
「丁重にお断りしておいて」




 69 巫女、セクシー

「うぁ、このパンツ、超透けてるぞ」
 博麗神社にて、洗濯物の取り込みをしていた魔理沙は、黒い一枚の下着を手に取った。
「まさか、霊夢のパンツなのか?」
「なーに言ってるの、それは紫のやつよ。私はヒモしか穿かないからね」




 70 萃香乙3

 夜半、八雲家に珍しく来客があり、招き入れてみると顔を泣きはらした萃香だった。
「あらら、萃香。あの巫女に何かをされた?」
 紫がなだめながら質問すると、萃香はやっとのことで答えた。
「大豆風呂につけられて、鰯の頭を差した柊の枝でつつかれたあげく、酒の出るひょうたんをパクられた……」





●stage8 盗撮写真を売ってくれないか、文


 71 ブルセラ

 あいかわらず魔理沙が食費に困っていると、例の如く文がやってきた。
 文は魔理沙の横にぴったり貼り付くと、耳元で囁いた。
「ヌードが嫌なら、パンツ売りませんか?」
「おま、原作ファンに怒られるぞ」




 72 知られざる上下関係

 今日も善行を積もうと、パチュリーは白魔理沙に変身して幻想郷をパトロールしていた。
「あ、魔理沙。ちょうどいいタイミングね」
 神社に差し掛かったところで、パチュリーは霊夢に呼び止められた。
「私、ストレス溜まってるのよね。ひっぱたいてあげるから、そこに四つん這いになりなさい」




 73 知られざる上下関係2

 今日こそはコスプレデビューをしてやろうと、咲夜はアリスの格好をして出かけていった。
「あ、アリス。ちょうどいいタイミングね」
 神社に差し掛かったところで、咲夜は霊夢に呼び止められた。
「さっき、魔理沙を叩き損なったのよね。鞭でひっぱたいてあげるから、そこに四つん這いになりなさい」




 74 ごきげんよう

 橙がタンスをあさっていると、濃緑色をした女子制服が出てきた。
「藍しゃまー。これ、藍しゃまの制服ですか?」
 すると、藍は昔のことを思い出してしみじみと答えた。
「えぇ。私には紫さまがいますから、ロザリオはすべて断っていましたけどね」




 75 イラストレイター、射命丸ゥゥゥ

 白黒の着替え写真、それから紅白の脱衣写真。
 この二つがあれば、文にとって事実の一つや二つをねつ造するのは簡単なことである。
「二つの写真を合成して、あとはフォトショで調節。
 ま、『文々。新聞』の報道力の素晴らしさを思い知るがいいです」




 76 TRPG

「魔理沙の役は私がやるわ!」
 とアリスが主張をすれば、
「日頃からコスプレしている私の方が最適よ!」
 とパチュリーが反論をする。




 77 閻魔様という仕事

 小町が仕事を切り上げて彼岸に戻ると、えーき様が履歴書を書いていた。
「どうしたんですか、これ?」
「海外研修に応募するのですよ。私も、平の閻魔では将来が不安ですからね」
 職業欄に『OL』と記入されていたのを、小町は見逃さなかったのであった。




 78 とき☆すた

「曖昧3センチ そりゃぷにってコトかい? ちょ!
 (中略)
 汗(Fuu)汗(Fuu)の谷間にダーリン ダーリン フリーズ!!!」
 ……と熱唱していたのを、咲夜はレミリアに目撃された。




 79 してる

 霊夢はインスタントみそ汁をすすりながら、『文々。新聞』を呼んでいた。
「上白沢けーね、幻想郷成立の遺跡を発見する……か」
 隣で白米を食していた魔理沙が呟く。
「まさか、歴史パワーでねつ造とかしてるんじゃないだろうな」




 80 ツンデレ同人作家

 新聞の読者を増やすため、文は新聞小説の連載を思いついた。
 小説家を捜しているうちに、彼女はヴワル図書館にたどり着いたのだった。
「パチュリーさん、小説を書いてみませんか?」
「べ、別にマリ×アリの小説なんて、書いてないんだからねっ!」





●stage9 走れ、アリス


 81 パシられアリス

「こぉの、大馬鹿者ぉっ!!!」
「あびゃ――っ!」
 コンビニ袋を抱えて戻ってきたアリスに、霊夢は全力でドロップキックをかました。
「発泡酒なんて酒じゃないわよ、このスットコドッコイ!!!」




 82 赤も捨てがたいんだよなぁ

「藍、らんー。晩ご飯はまだなの?」
「紫さま。今、真剣に考えてるんですから話しかけないで下さい」
「なにしてんの?」
「橙に穿かせるブルマの色を決めてるんですよぉっ!」




 83 推薦図書 氏に感謝

 早朝、魔理沙の家にチルノがやってきた。
「あたいの最強っぷりを広めてくれる、すごい本を持ってきた」
「で、どんな本だ?」
「同人サークル・ダイオキシンの『あ大祭』。あたいってば最強すぎ」




 84 祭具殿

 博麗神社にも祭具殿というものがあり、魔理沙は前々から中身が気になっていた。
「それで、霊夢。祭具殿の中には何が入ってるんだ? 拷問器具じゃないよな?」
「まぁ、ハケ水車とか三角木馬とか入ってるわよ」
「封印しておいて正解だな」




 85 パシられアリス2

「こぉの、ドアホぉっ!!!」
「あんぎゃ――っ!」
 コンビニ袋を抱えて戻ってきたアリスに、霊夢は全力でラリアットをかました。
「柿の種は本家以外を認めないって言ったでしょう、このノータリンがぁっ!!!」




 86 今更、阿求

「私もついにスペカを作ってきたわ。弾幕バトルに参戦よ」
 博麗神社のふすまを蹴り飛ばし、唐突に阿求が乗り込んできた。
「いくわよ、霊夢。スペルカード 凶器『スタンガンは恋の味』っ!」
「イタタタタタタッ!!!」




 87 ノリツッコミ、妖夢2

「妖夢のために、また剣術の指南書を買ってきたわよ」
「今度はどんな本なんですか、幽々子様?」
「和月信宏の本よ」
「――ってこれ、武装練金じゃないですか!」




 88 チルノの歌唱力

「ねぇ、チルノ。あなたのテーマ曲も入ってるから、一緒にカラオケに行かない?」
「悪いけどね、みすちー。あたい、カラオケは苦手でさぁ」
「チルノは歌が上手いのに、なんで?」
「ちょ……ちょっと、漢字が読めないってだけの話なんだけど」




 89 永遠の耐久レース

 阿求に拉致された妹紅は、稗田家の倉庫に閉じこめられていた。
「おぃ、お前。焼鳥屋の私を捕まえて、いったい何をしようっていうんだ!」
「死なない程度の能力を持つあなたが、どれくらい丈夫なのかを調べるのよ」
 そう言って阿求は、妹紅の腋をコチョコチョし始めた。




 90 霧雨魔理沙は日本人

 ある朝、魔理沙からアリスに電話がかかってきた。
「どうしたの、魔理沙?」
「部屋から出られないんだ。何でもいいから、ブロンドのヘアカラーリングを買ってきてくれ」
「え、あの……、うすうす感じてたけれど地毛じゃなかったのね」





●stage10 なんたって、レイマリ


 91 祭具殿2

「ねぇ、魔理沙。箒で飛んでる時って、股が痛くなったりしないの?」
「痛くないぜ」
「じゃぁ、祭具殿にある三角木馬で飛んでみてよ」
「お断りだぜ」




 92 萃香乙4

 アリスが森を散歩していると、角をなくした萃香が倒れていた。
「ど、どうしたの……鬼娘?」
 尋ねると、瀕死状態の萃香は答えた。
「家賃代わりだっていって、霊夢に取られた……」




 93 誘導弾

「ホーミングアミュレットA」
 博麗神社にいながら、泉にいるチルノを撃破。
「ホーミングアミュレットB」
 博麗神社にいながら、森にいるミスティアを撃破。




 94 チルノの努力

「やったー、ついに萃夢想あたいパッチを作ってやったわ!」
 と、不眠不休だったチルノが叫んだ。
 そして、例大祭から帰ってきたみすちーが言った。
「時代は、東方緋想天なんだけどな……」




 95 自由こそは最大の束縛

「このたび、紅魔館から正式に解雇されました」
 と、美鈴がアリスのもとへ報告しに来た。
「……だ、大丈夫なの?」
「最大級の放置プレイ――と考えるようにしてます」




 96 カミングアウト

 今日のノルマをぎりぎりで終えた小町は、えーき様のいる裁判所まで戻ってきた。
 すると、書類を片づけていたえーき様が、珍しく口を滑らした。
「私がまだお茶くみとコピーしかさせてもらえなかったときの話ですけどね、上司の重要書類をシュレッダーにかけてやったことがあるのですよ。
 ま、閻魔を裁ける閻魔はいませんから、私はお咎めナシでしたけどね」




 97 永遠の命題

 焼鳥屋の屋台を閉め、妹紅はただ一人で月を眺めていた。
「好きな人が衰えて死にゆくなか、私だけは老いることも病に苦しむこともない。
 それが幸福であるというのか? 否、永遠に生き続けるなどことが人間の幸せであるはずないのだ。
 なぜなら……三百年くらいしたら、さすがに東方ブームも過ぎ去っているだろうからだ」




 98 才能の有効活用

 ある昼下がりのこと、輝夜が自室でドラゴンボールを読んでいた。
「精神と時の部屋ねぇ。私の能力を使えば、簡単に作れるのになぁ」
 ……と思いついたら即行動。
 彼女がニート起業家として有名になるのは、また別の話である。




 99 エピローグ

 夏日だ――と魔理沙は思った。いくら箒が風を切っても、まだ暑さの方が勝っている。汗が染みて、ブラウスがじっとりと肌に貼り付く。幻想郷の夏はこれほど暑かっただろうか? いや、そんなことはなかったはずだ。だとすれば、この異常な熱気は新しい異変の影響なのだろうか。そうだとしたら、また魔理沙は霊夢と事件解決に走るつもりだった。いつもそうだ。前も、その前も、そのまた前も……。ずっと、魔理沙と霊夢は一緒だった。永夜異変ぐらいは大目に見て欲しかった。あの時は、アリスが強引に魔理沙を連れて行ったのだ。
 博麗神社の境内に降りると、賽銭箱の隣で居眠りをしている霊夢が見えた。昨晩、魔理沙たちは仲間を集めて花火をしていた。だから、そこら中に花火の燃えかすが散乱しているのかと思ったのだが、魔理沙の予想に反して境内は綺麗だった。珍しく、霊夢がてきぱきと片づけたのかもしれない。そう考えると、霊夢がこの暑さの中で居眠りしているのにも納得できた。
 魔理沙はゆっくりと霊夢に近寄った。幻想郷を守るはずの巫女は今、手を伸ばせば触れられる距離に――そっと手と手を取り合える距離に――そして、唇を重ねることの出来る距離にいる。魔理沙は思いを伝えたかった。でも、今までは出来なかった。色々なタイミングで心を打ち明けようとしたのに、いつも霊夢の周りが賑やかすぎるのだ。けれども、今の瞬間は二人きり。今しかチャンスはない、と魔理沙は決意した。
 霊夢の頬に手を添える。しとり、と濡れた肌の感触がした。ゆっくりと近づく。安らかな寝息が聞こえてきて、吐息が顔にかかる。心臓が高鳴る。頭がおかしくなりそうだ。いいや、霊夢と出会った瞬間から、魔理沙は彼女の虜だったのだ。「好きだぜ」と、霊夢の耳には届かぬ告白。そうして、魔理沙は霊夢に初めてのキスをした。




 100 トゥルーエンド

「あっつーい」
 魔理沙がことを済ませた途端、霊夢が唐突に起きあがった。
「うわぁ、魔理沙。あんた、お昼ご飯に餃子食べたでしょ?」
「言わぬが花だぜ」


 読んで頂き、ありがとうございます。
 少しずつ更新するのが面倒だったので、まとめて百話分を更新しました。
 ひとまず、ここで東方四行詩は終了。
 続きがあるとしたら、また気の向いたときに書きます。

 ×

 東方四行詩では、二次創作の二次創作(つまりは三次、四次捜索)みたいなネタがたくさん使われています。
 元ネタとなってくれた、たくさんの同人作家たちに感謝。
 出来れば、そんなのもありじゃん……くらいの気分で見逃してください。

 ×

 不当な扱いをされているキャラ、また登場すらさせてもらえないキャラもいます。
 それも、そんな設定もありじゃね……くらいの気分で見逃してください。
 プリズムリバーとか、三人まとめて出したら一行しか余らない。好きなんですがねえ。
竜之介
http://www.geocities.jp/hagi_inthesky/touhou/maritaku.html
コメント



1.赤灯篭削除
小ネタでもこれだけの数があると圧巻ですね。
全体に漂うゆるい雰囲気も何かいい感じです。
2.名無し妖怪削除
内容は悪くないと思いますが、読んでいて途中でだれてきました。
個人的には、50話くらいで分割して欲しかったですね。
3.名無し妖怪削除
内容的にはプチで良いが、横のスクロールバーがプチにあるまじき長さだぜ。
確かに100話一気は疲れましたが、同時に100話読めるほど面白いものだったと思います。
4.竜之介(作者)削除
>名無し妖怪氏
 了解。サイトに掲載するときは、半分ずつに切って載っけてみます。