Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

恋の魔法のABC☆ 第356話「満月の夜のCaved!!!!」

2007/06/23 11:43:35
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~あらすじ~
 白玉楼の花見の席で酔い覚ましに庭を歩いていた魔理沙は突然、妖夢の告白を受ける。先にアリスに告白されていたがまだ返事はしていない。悩む魔理沙。自分は選ぶことができるのか? 
 一方、その様子を見ていた霊夢は魔理沙と妖夢がそんな仲であると誤解してしまう。その日以来何故か魔理沙と思うように会話が出来ない霊夢。思い悩んだ末に彼女は瀟洒な咲夜に相談しようと決意するが、咲夜もまたある悩みを抱えていた……
 そして訪れる満月。香霖堂へ向かう魔理沙にある影が忍び寄りつつあった……そう、合言葉はCaved!!!!






登場人物

まりさ……ヘタレ主人公。(服が)黒い、(動きが)速い、(レーザーが)太いと三拍子そろってる。モテル。基本ツッコミ。
きもけーね……ハクタクCaved!!!! それだけ
こーりん……時々眼鏡が変形する。しゃきーん。最近店にユニクロ製品が増えた。マイブームは遊戯王。でも相手がいない。
れーむ……脇の手入れに忙しい。一日の半分を費やす。シャンプー変えた。でもガムのにおいがする。最近お賽銭自演を始めた。
さっきゅん……常識人。ツッコミ役その2。アングルによってはDカップに見える。お金がないのでナイフはバターナイフ。
みょん……出てこない。ふよふよ幽霊が家出中。ツンデレ幽霊? いえいえ懐いてないだけです。
パチュパチュパ……トレンドの最先端、ヒキコモリのカリスマリーダー。睫を抜くのに夢中。
SONY牛乳……見えないだけ。ちゃんといる。
Luna子供……聞こえないだけ。ちゃんとしゃべってる。
ゆかりん……スキマに挟まって出てこれなくなった。藍のふさふさ尻尾に首ったけ。ハアハア。
こまち……三途の川に落ちて流された。
うどんげ……クッ、座薬が足りない。
ゆゆ様……エロい。@なんてただの飾りです。エロい人にはそれがわかるのです。
アリス……腹話術に夢中。でも出る声がダミ声。
中国……帽子の☆マークを落として力が出ない。
橙……水に濡れて力が出ない。アンパンマン。ちょっとエロいネ!
藍……しっぽが円形脱毛症。リアップは香霖堂にてお買い求めください。
れみりゃ……メタルマリオみたいになった。重くて飛べない。
リリーホワイト……筆者の一押し。求聞史紀のリリーは可愛すぎる。あと、登場人物の頭の中には大体住んでる。春。
トム……プロテインを飲みすぎた。
ジャック……仕送りが来ない。
ボブ……口臭が気になる。






「なんかさっきから妙な気配を感じるぜ……」

 香霖堂へ向かう途中、魔理沙はふと振り返る。今日、香霖堂へ向かうのは借りていた道具を返すためだが、それは表向きの理由でしかない。本当は、辛かった。妖夢は普段冥界にいるからそうそう会うものじゃないが、アリスはそうはいかない。あの夜から……アリスの想いを知った夜から彼女はアリスと会うのを避けていた。
 だって仕方が無いじゃないか。女性に好きといわれて、平然としていられない。どう返事をしたらいいのかわからない。

「あーもう!」

 落ち着かない。なぜか霊夢もよそよそしい。何もかもがうまくいかない。冴えない眼鏡面を見るのもどうかと思うが、家にいるよりマシかもしれない。とにかく、物理的に彼女たちと距離をとりたかった。

「まーりーさー!」
「なんだぁ?」

 突如地獄の底からせりあがってきたような声が響く。

「まーりーさー! ようやく私のところに来たわね!」
「この声! 慧音か!?」
「そーよ! 私は大宇宙太陽系第3惑星衛星完全版の恩恵を受けてトランスしたの!」
「満月って言えよ!」

 突っ込んだ瞬間に足を掴まれて地面に突っ伏す魔理沙。目の前では2本の角をにょきにょき伸ばしたハクタク慧音(ver.1.1)がニヤニヤ笑っている。

「ちょ、慧音! 何考えてるんだ!」
「ああ、魔理沙! ようやく私たち一つになれるのね……」
「うあ、何泣いてんだ……しょっぱ!」
「うれし泣きよ。ちなみに、耳からも変な汁が出てるわ」
「耳垂れかよ! いやいや医者行けって!」
「角からも」
「病院行けー!」

 ハクタク慧音に組み伏せられた魔理沙が幾らもがいても抜け出せない。それほどまでに、慧音の寝技は完璧だった。あと10秒で技あり合わせて一本取れるくらい。柔道未経験者御免。

「この日のために通信柔道3級を受講した甲斐があったわ」
「そんなのあるのか?」
「射命丸の天狗と香霖堂の店主の協賛事業よ」
「眼鏡が爆発して死んでしまえ!」

 徐々に力が抜けていく魔理沙。正直、もう駄目だと思った。頑なに守り抜いてきた(誰から?)貞操が、寺子屋で子供たちを教育する聖職者に奪われるのだ。泣きたくなってきた。まだ、アリスにも妖夢にも返事をしてないのに……

「ずっとあなたが好きだった……いつもあなたと一緒だった霊夢やアリスにずっと嫉妬していたわ……」
「慧音?」

 ふと、慧音の力が弱まる。興奮に満ちていた表情は、いまや少し寂しげだった。

「私、こんな姿になるでしょ? だから、魔理沙が好きになってくれないことだってわかってる……でも、一目ぼれだったから……どうしようもないの!」

 そのまま慧音は魔理沙の胸に突っ伏して大声で泣き始めた。
 知らなかった。彼女が自分のことをそんなに想って、そんなに苦しんでいたなんて。
 いや、知ろうともしなかったのだ。
 アリスのときもそうだった。妖夢のときもそうだった。自分は、あまりにも少女たちの機微に無関心すぎたのかもしれない。
 魔理沙は胸の奥が熱くなるのを感じた。それは、アリスや妖夢の溢れんばかりの想いを受けた時と同じ熱。そして、とても心地いい感情。

「しょっぱい、な」

 それは慧音の涙の味。とてもとても不器用で一途で切ない彼女の想いの味。
 魔理沙が漏らした二回目の「しょっぱい」は、とても暖かく慧音の耳に届いた。

「――って胸揉むな!」
「ああ……適度なサイズで……いい……」
「ぁ……うぅ……やめ、ろってぇ……」
「魔理沙……魔理沙ぁ……」

 甘ったるい慧音の声が、服越しに伝わる刺激が、魔理沙の理性を浸食していく。
 
 やばい

 このままでは、自分はきっと堕ちてしまう。本当に慧音を愛しているならそれでもいいかもしれない。でも、自分の本当の気持ちはどこなんだろう?
 わからない
 わからない
 わからない、けど

 わからないまま流される自分は、きっともう二度と彼女たちの笑顔を直視できないだろう。

 それだけは、ぼんやりと把握できた。だから、

「……ぁ」
「何? 脱がして欲しいの? 魔理沙可愛い……」
「ノンディレクショナルレーザーァァァァァ!!!!」
「Caved!!!!」

 とりあえず慧音を吹き飛ばすことにした。
 第三者からすれば他に方法があっただろうと思うかもしれない。されど侮るなかれ。彼女はかの魔理沙である。残った選択肢と言えばマスタースパークしか無いのである。

「世界を……狙える……ゴフッ」
「まったく……痴女か、お前」
「ふ、ふふ……だって、魔理沙は優しいから。きっと自分から私を抱いてくれない」
「慧音、お前……」
「だから賭けに出たんだけどなあ……負けちゃった。だって魔理沙は、私のこと好きじゃないんだもんね」
「そんなこと……」
「いいの。そんな気休め。でも、私諦めないよ? まだチャンスはあるよね?」

 吹き飛ばされて仰向けのまま問いかける慧音。顔は闇に隠れて表情までは見えない。
 なんて、好都合。満月は、その顔を照らすことをしばし止めてくれた。おかげで涙を見せることはない。

 ったく、泣きすぎ、お前。

 そんな言葉が喉まで出かかったが、魔理沙はそれを飲み込んだ。
 ああ、笑顔で今日は、お別れだ。

「まあな。チャンスなんて、誰にでもあるんだぜ?」
「ふふ、ありがと」

 これでいい。これで今まで通り。違うのは、慧音が今後は積極的に魔理沙にアタックしてくるだろうということだけだ。
 魔理沙は背を向けた。そういえば、告白に返事らしきものをしたのはこれが初めてだっけ?

 少々遅れたが、彼女は香霖堂に急ぐことにする。まだ店主は起きているだろうか? すでに月は傾いている。
 そんな彼女の「らしくない」心配は

「話は聞かせてもらったぞ!」
「どっから沸いたこの眼鏡ー!」
「こげちゃうー!」

 ひょっこり現れた香霖堂店主によって打ち砕かれた。 


「で、いつから見てた?」
「君が角を恍惚とした表情でしゃぶってる辺りから」
「並行世界!?」
「冗談だよ。彼女に押し倒された辺りからかな」
「最初からって言え」
「ものは言いようだね」
「したり顔すんな!」
「いやー散歩してたらいいものが見えた。甘露だ甘露」
「親父くさいな、相変わらず……」

 ひとしきりレーザーで焼いてから魔理沙は霖之助を尋問し始めた。ちなみに、無傷なのは服のおかげなのだとか。外の世界の服で、ユニクロとか言うらしい。

「ちっ、まあ行く手間が省けたけどさ。はい、これ借りてた道具」
「確かに。押し倒されたとき、壊れたんじゃないかと冷や冷やものだったよ」
「だったら助けろよ……」
「そこまで野暮じゃないよ。用件はこれだけ?」
「あ? ああ……」

 よっこいしょと立ち上がる霖之助。ロープで縛られているから両手は使えないのに器用である。さすがは、道具屋の店主というところか。縛り慣れてそうで少し怖い。

「じゃあな」
「てっきり悩みでも相談されるかと思ったけど……まあ、君はそんなタマじゃないしね」
「弾? 弾幕ならいつでもぶつけてやるぜ」
「いや、僕はそういうのに向いてないから。ZUN氏も言ってるでしょ?」
「誰だ、それ」
「誰だろうね」

 りんのすけ は ついつまらないことをくちばしった!

「ともかく、君の悩みは何か知らないけど僕からアドバイスできるとしたら……」
「おいおい説教か? やめてくれよ。最近閻魔サマに説教食らったばっかりなんだ」

 閻魔とはもちろん四季映姫のことである。大図書館から本を拝借しすぎて怒られたのだ。その際に女難の相がある、とも言われている。

「『返事』と『答え』は違うものだってことくらいだね」
「おい、お前……」
「君は真っ直ぐすぎる。それが君の美点でもあるけどね。すぐに白黒はっきりつけられるのはその閻魔様だけだよ」

 間違いない。この男は自分が何故悩んでいるのか知っている。魔理沙は、そう悟った。
 何故知っているのか。そんなことはどうでもいい。どうせ、どっかのブンヤの仕業だろう。
 魔理沙はまじまじと霖之助の顔を眺める。

「執行猶予だよ。そればかりは、魔様はくれないだろう? それは、彼女が悩まないからだ。曖昧さがないからだ。人間は悩む。曖昧さを否定できない。だから弱いんだし……同時に強くもある。君はもう少しその辺の微妙な加減を知るべきだろうね」
「……らしくねえな、香霖。いつもの説教は馬鹿くさくて聞いてなかったけどさ」
「ひどいな、それは」
「そう言うなって。今日のは、その、なんかいい感じだぜ」
「そりゃどうも」

 眼鏡が月の光を受けて光る。そのせいで、霖之助がどんな目をして語っているのかは見えなかったけど、魔理沙には言葉だけで十分だった。

「じゃあな。この前は辛気臭い顔で行って悪かったな」
「問題ない。ああいう顔も嫌いじゃない」
「お前、そういう冗談は勘違いされるから霊夢とかに言うなよ?」
「ははは……それじゃあ、また」

 魔理沙は去った。残ったのは霖之助(と倒れたままの慧音)だけだ。

「勘違いじゃ、ないんだけどね」

 ぽつりと呟いたその言葉は寂しげだが、どこか優しかった。
 木々のざわめきにかき消されて、決して魔理沙に届くことはない。



 さて。時間は少し遡る。
 場所は紅魔館の客間。時刻は逢魔が時。空が紅く染まり、雲が朱に照らされる、不気味で美しい景色が世を包む時間帯。
 客は博麗霊夢。それをもてなすはメイド長・十六夜咲夜である。
 実は霊夢は館の主に用があったのではない。咲夜の方に用があったのだ。用事というのは他でもない。魔理沙のことである。

「咲夜~どうすればいい?」

 いつも頭の中にリリーホワイトがいそうなほど陽気な霊夢がしおいれている。その事実は少なからず咲夜を驚かせた。
 その折、咲夜自身もある悩みを抱えていた。パチュリーが魔理沙LOVEで壊れつつあるのだ。

「咲夜~魔理沙を捕まえて私の所に連れてきなさい」
「パチュリー様。ご自身でお会いになられては……」
「HIKIKOMORI舐めるんじゃないわよ!」
「威張らないでください!」
「パチュリー、あなたはHIKIKOMORIじゃなくてニートだわ」
「ツッコむところはそこじゃないでしょうお嬢様!」

 これである。正直、咲夜は大分参っていた。完全で瀟洒な彼女が、である。
 とはいえ、霊夢の相談内容が魔理沙なのでこのことを相談するわけにもいかない。つくづく、苦労人体質である。

 結局は手紙を書いたらどうか、という咲夜の提案に合意した霊夢が手紙の文面を考え始めて今に至る。

「うーん……」
「簡単でいいと思うけど……」

 考え始めてはや2時間。一向に進まない。そも、幻想郷の通信手段は手紙が主になる。ゆえに霊夢だって手紙を書いたことくらいはあるはずだ。もっとも霊夢の場合は空を飛んで直接会いに行きかねないが。

「咲夜。私が脇の手入れを欠かさないことは知ってるわよね?」
「え? まあ、それはそんな服を着ていれば……」
「……」
「書くなー!」
「え? 駄目?」
「そんなこと魔理沙に教えてどうするの?」
「まずはお互いを知ることが大事でしょ」
「あなただったら魔理沙のそんな日課知りたい?」

 うーん、と考え込む霊夢。そこは考えるところじゃないだろうと咲夜は思ったが口にするのはやめた。なぜか、脳裏にホーミング座布団に埋もれる自分の姿が浮かんだからだ。

「ハアハア……」
「妄想してるー!」
「そんな、下着を煮込んでスープを……」
「それなんて日課?」
「え? 恋の魔法だけど」
「どこの世界の恋よ……」

 全く進まない。恋をすると人間はこんなに変わるものなのか。咲夜は少し恋というものを敬遠したくなった。
 とは言うものの、レミリアにだったら……などと淡い妄想をしないわけではない。やはり、咲夜も年頃の女の子なのだ。

 実際は何歳かわからないが。

「シンプルでいいのよシンプルで」
「そう?」
「ええ。小難しいこと考えないでいいの。馬鹿なんだから」
「チルノっ!」
「何そのくしゃみ!?」
「くしゃみをしちゃいけないんですか!」
「いや、だってそのくしゃみおかし……むっとすんな!」
「おー怖いネー。紅魔館ではくしゃみの一つもできないネー」
「片言やめろー!」

 ようやく書き始めた霊夢は、失敗作を幾枚も生み出しながらもようやく望むとおりの文面を拵えることができたようだ。失敗作を拾った咲夜はちらりとその内容を見たのだが、もはやツッコむ気力すら失せたようだ。口から妖夢のまわりを漂う幽霊に似たものが出てきていた。

「悪いんだけど……これ、魔理沙に渡してくれる?」
「私が?」
「うん……さすがにちょっと恥ずかしくて……」

 恥らう様はまさに恋する乙女である。いつしか咲夜は、そんな霊夢を微笑ましく感じていた。

「仕方ないわね。いいわよ。魔理沙の家に届ければいい?」
「えと、直接渡してくれる?」
「はいはい。わかりました」

 連れ立って紅魔館を出る。霊夢は何か安心しきった顔で博麗神社に帰って行った。
 咲夜はその後姿を見送る。赤いリボンが夕焼けに溶け込んで揺れている。それはまるで、霊夢の気持ちを表すかのように弾んでいた。何か疲れたけれど、意外な発見があって有意義な一時だったと霊夢との時間を振り返る。

「~♪」

 歌声に釣られて空を見上げればリリーホワイトが舞っている。きっと春が近いのだろう。少し、和んだ。軽く手を振ってみる咲夜。彼女に気付いて満面の笑みで手を振り返す春告精。

「ほーあたたたたたたたたた! あちょー!」

 ただ、拳法練習中の華人小娘のせいで台無しだった。

 りりーほわいと は にげだした!




 深夜遅く、魔理沙は帰宅した。もう日付が変わりそうである。

「あー散々だった」

 一刻も早くシャワーを浴びてベッドに倒れこみたい。そんな思いが彼女を急かしたが、ドアの前に立つ人物に気付いて足を止める。

「随分遅いお帰りね」
「なんだ、咲夜か。どうかしたのか?」

 実は咲夜は何時間もこうして魔理沙を待っていたのである。留守ならば次の日にすればいいものを、と思うかもしれないが妥協しないのが咲夜という女性である。その完璧主義が紅魔館のメイドたちにとっては辛いものだったり、レミリアにとっては窮屈だったりするのだが。

「ええ。大事な用事」
「そうか。悪かったな、遅くなって。で、用事ってのは?」
「これよ」

 咲夜が差し出したのは丁寧に封がされた可愛らしい封筒。霊夢が書いたラブレターに他ならない。

「手紙? 私にか?」
「ええ。(霊夢が)一生懸命書いたのよ」
「どれどれ……」
「ちょっと、中でゆっくり読めばいいじゃない……」
「まあまあ……えーと……」


『魔理沙へ


  私 の パ ン ツ を 毎 日 洗 っ て く だ さ い !』


 魔理沙はその目を疑った。このときほど自分は節穴EYEの持ち主ではないかと強く疑ったことはない。
 仕方がない。想像してみて欲しい。たとえば、伝説の木の下でこんな文面の手紙を渡された主人公の気持ちを。

 魔理沙は咲夜の顔と手紙を交互に見る。
 咲夜はそんな魔理沙の様子を不思議に思う。

 差出人の名前がないため、魔理沙は咲夜が書いたと勘違いしているのだ。

 手紙を裏返す。「た」を抜いて読んでみる。逆から読んでみる。平仮名にして並べ替える。ローマ字にして並び替える。
 さまざまな解読法を試し、ありとあらゆる知識を動員して魔理沙は解読を試みた。
 最後に、あぶり出しの可能性を疑って火にかざそうとしたところで咲夜に止められる。

「ちょ、ちょっと何してるの?」
「何って……あぶり出しかなあ、と」
「そんなわけないでしょ!」
「だよなあ……」

 でもそうなると『私のパンツを毎日洗ってください』以外に読めない。
 
 え? これなんてプロポーズ?

「あー……ちょっと考えさせてくれ」

 ふらふらと幽鬼のように家に入る魔理沙。不思議でならないという表情の咲夜。
 二人の誤解は解消されることなく、次の日に持ち越されるのである。

 この手紙が更なる修羅場をもたらすことは言うまでもない。
 
 その日、博麗神社ではせっかくの満月だというのに宴会は行われなかった。無理もない。ただ、これは極めて異例のことである。
 異変は、既に起き始めていた。






~次回予告~
 咲夜から恐怖の手紙(?)を受け取った魔理沙はショックで寝込んでしまう。心配したアリスは永琳(とおまけの優曇華)を連れて魔理沙の家を訪れる。しかしそれは、魔の座薬弾幕の幕開けとなってしまう。コンティニュー不可、座薬のエルドラドからアリスは魔理沙を無事連れ出せるか!?
 一方魔理沙から一向に返事のこない霊夢はついに魔理沙に直接想いを伝えることにする。しかしその行く手には恋敗れたはずの慧音が? 
 そしてついに幽々子はスキマに挟まって出られなくなった紫を救う旅に出る。パーティーは妖夢(幽霊家出中)、藍、橙! 戦闘力は幻想郷一だ! 油揚げとマタタビの切れ目が縁の切れ目! 待ち受けるは最強のストーカー伊吹萃香! 今、戦いの火蓋がきって落とされる!
 本当の戦いはこれからだ……

次回 恋の魔法のABC☆ 第357話「永琳タワー~座薬と優曇華と、時々、アリス」
以前某所で書いたものを出してみました。お目汚しすみません。
憲兵少尉
コメント



1.名無し妖怪削除
とりあえず改行しようぜ
2.名無し妖怪削除
改行
3.名無し妖怪削除
これなんて6角関係?w 悩む魔理沙や年上のお姉さんっぽくアドヴァイスする咲夜さんやかなり大分壊れてる霊夢、アリスがとても素晴らしいです。慧音の喋り方は原作とかけ離れていて物凄く違和感がありますが。357話期待してます!

>脇の手入れ(二箇所)
腋かと。
>パチェ
パチェ気を付けてパチェ!睫は神経通ってるから切ったり抜いたりしようとするとめっちゃ痛いよ!パチェ涙目wwwwwってなるよ!
>協賛事業
協賛とは初めに主催者がいて後からそれに賛同し協力することを言うのであって、初めから協力する前提で催す場合「共催」の方が適切かと。更に事業も付くので「共同」とかの方が良いかも。
>魔様はくれない
閻の脱字かと。
4.名無し妖怪削除
これは良いwwwwwwwww
5.名無し妖怪削除
レスありがとうございます。作者です

創想話に投稿する代物でもないので、こちらに投稿しました。

ご指摘くださった方々、ありがとうございました。今後参考にさせていただきます。
慧音のしゃべり方は今見てみると違和感バリバリですね。失敗しました。

また時間ができましたら続きでも書こうと思っています。
読んでいただきありがとうございました。