Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

風神録でも酒がのめるぞー

2007/06/22 22:09:49
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 ヤア、そこに通りかかるのは天狗のダンナ!
 オヤ、そこにいらっしゃるのは鬼のセンセじゃありゃしませんか
「三行目で飽きた。やめよう。普通にいこう」
「それはそれは珍しいこともあるものですね。鬼が飽きるなんて」
 むうと伊吹の鬼はひとつため息をつき、ぐいとひょうたんを仰ぎ飲んだ。
 春風がやもすれば雨の気配を運んでくる神無月の頃、山から見下ろす幻想郷が雲の陰りに濃淡をはっきりとさせるところ、一本杉の天辺で寝転ぶ伊吹鬼は再びひょうたんを仰ぐ。
「なんですなんです……ちょっとご機嫌斜めってやつですか?」
「斜めってやつだいな。なんだろうなぁ。酒はいいんだ。いつもどおり。だが、つまみがない」
「つまみ」
「延々と酒を飲むのもいいけど、こう何もないとすわりが悪い。宴会をしよう」
「宴会ですか。黒白のはしっこいのが風邪をこじらせていますからねぇ。幹事がいませんよ?」
 じろりと天狗をにらみ、あんたがやんなよ。いやいや私は一介の記者でありますれば、とてもとても。
「オチも無い会話を続ける気分じゃあ無いのさ。用が済んだらとっとといきな」
「アナタが呼び止めたんですよ?」
「そこはほれ、物語の都合って奴だよ。いいから帰れ帰れ」
「そういわずに、ひとつ付き合ってくださいな」
「こっちもネタぎれだよ。塩もってこい」
「アヤヤ、こちらもじつのところネタ切れでして、ええじつに上手い具合のめぐり合わせ」
「ええい喧しい。白々しい。鬼の私にさような顔で近づくとは、不届き千万、いっそくいとひねりつぶしてくれようか」
「なにせ私天狗でございますれば、どうどう、いささか失礼なる所も、どうかお見逃しいただきたく。アイヤ、失敬失敬」
「やめよう。飽きた」
「そうですか。本当に気分が優れないみたいですね」
「酒が」
 コリコリと犬歯をかみ合わせる様子は羽虫の大群に頭を突っ込んだような気分で、
「不味い」
「……それは」
「プラシーボが足りないな。くそ、むかむかする」
「なにがあったのですか」
「宴会が無いんだよ。このひとつき、まるで酒を呑む気配が無い。騒ぎが無い。なんだ、これは」
 ヌウと唸る鬼と天狗はかたや苛々と、かたや悩ましげに一拍沈黙し、その間隙に鴉が一羽やってくる。
「これは」
 天狗の使いではない。鴉の姿を借りた、これは式神だ。
「紫の後鬼か。なんだ、おまえ、伝言か」
「風に言の葉を乗せず、翼に字を羽ばたかせましたか。――これはどっちに来たんでしょうかね?」
「どうでもいいよ。そういえば、天狗よう、おまえさんも何か具合が悪いとか言ってなかったか」
「ええ、まぁ。最近いいネタがなくて」
「ふん」
「なんですか」
「いやいや。風だって地面の下は吹けないって話なんじゃないかね」
 くいとひょうたんを傾け、熱い息を宙に放つ。
「おや」
 鬼の頬に朱がうっすら指している。
「分銅でしたか」
「あん?」
「斜め、の、反対側に置くものですよ」
「うむん。そうそう、そうさー。どうも天狗よ、私らはちょいと乗り遅れていたらしい」
「と言いますと」
「うむ。霊夢が来る」
「はぁ」
「魔理沙も来る」
「はぁ。あいつ風邪ですけど」
「風になったんだろ。どうも、――私らの知らない間に、ちょいと天地人の気分が変わったらしい。お山の大将は御在住かい?」
「ええ、ここしばらく御尊顔を拝しちゃおりませんけど、まぁ元気なんじゃありませんか」
「河童も元気そうだね。天狗よう、そろそろネタに事欠かない時期が、くるぜ」
 といって、幻想にまろびでた太古の鬼、伊吹萃香は自慢の瓢箪をちゃぽんと降った。
「良い気分だ。また大騒ぎができる。にゃはは」
「鬼のお墨付きが頂けるとは、これは行幸。ありがたや」
「なんだと、有り難くはないぞ! むしろ、しょちゅうだ」
「嘘つきませんものね。では感謝」
「うん、それならいい。まぁ呑め」
「あー、はい、頂きましょう。折角ですし」
 と、天狗のブン屋はかわらけ一杯を仰ぎ呑んだ。
「ほうれ、山が騒がしくなる」
 山の神々が騒ぎ出している。妖怪達が、飛び回っている。
「となると」
「うむ。どうだ、いくかい」
「もうすこし、もうすこし引っ張っておきましょう。あなたに着いていったほうが、おもしろそう」
「はっはっは。じゃあもう少し呑むか」
「是非もなし」

ヒソーテンでとうとうパンチラ!!!!11!
という夢をみました
よっしゃああああああああああ!
ルドルフとトラ猫
コメント



1.グランドトライン削除
全体的に酔っ払いの世間話風に感じられた。
たまにはこういうのもいいと思う。
でも少し分かりづらいかな?
2.名無し妖怪削除
もうすぐ宴会ですね
3.名無し妖怪削除
相も変わらずですねw もう何が何やらわかりませんが、どうにも鬼と天狗らしいのは一体なぜなのか