浮世に絶対などというものは無く

　巾着おばけが現われた。

「何やってんの魔理沙」

　霊夢の一言で巾着おばけの紐が解かれる。
　真っ黒なエプロンドレスを身に着けた魔理沙が現われた。

　そして何事もなく再びスカートを捲くり上げ、上半身全てを覆い隠す。
　巾着おばけの再誕だ。
　スカートの裏地は白のフリルに覆われ、純白のかぼちゃパンツに意外と色白な美脚が映える。
　まあつまるところ真っ白だ。

　霊夢は納得した。
　なるほど。こいつは確かに白黒だ。
　つまりいつも通りの魔理沙である。

「息苦しくない？」
「篭もるぜ」

　まあそうだろうなぁ。

　ところで今の魔理沙は割と掃除の邪魔である。
　口で言うのも面倒なのでお札を投げてみる。

　お札がかぼちゃパンツに吸収された。

　目の錯覚かと思ったのでもう二、三十発投げてみたが、かぼちゃパンツに脚が生えた巾着おばけは

どこ吹く風だ。全て吸収する。無敵っぽい。
　どうしよう、これ。

「事象の地平線かしら」
「新しい魔法だ。今の私に白弾は利かないぜ」
「じゃあ赤弾なら大丈夫なんだ」

　針を投げてみた。

　巾着が解かれた。真っ黒な魔理沙のエプロンドレスに針は吸収された。
　試しに百発くらい飛ばしてみたがブラックホールだった。最強っぽい。

「こうなったら赤弾も利かないぜ」
「そうね」
「もう霊夢は私に勝てないな」
「まあね」
「じゃ、試運転がてらパチュリーと遊んでくるぜ」
「風邪ひかないようにね」





























　我、生きずして死すこと無し
　理想の器、満つらざるとも屈せず
　これ、後悔と共に死すこと無し





























「あ、おかえり。どうだった？」
「中国に負けた」

陰陽弾を喰らえ！