レミリア「ねぇ咲夜」
咲夜「なんでしょう?」
レ「そろそろ新しいメイドを雇おうと思ってるの」
咲「……また唐突ですね、まあそれはいいですが…どのようなものがご希望で?」
レ「そうね、あんまり賢くて強いと余計なことを考えて面倒なことになりそうだし、
ちょっとぐらい馬鹿のほうが扱いやすくていいかもしれないわね」
咲「そうですか。では、その条件で探してみます」
★★★
咲「何人か候補者を集めてきました」
レ「ご苦労様。じゃあちょっと面接でもしてみようか」
咲「じゃあ、そこの子、入ってきてー」
No1 チルノ
レ「……ねえ、咲夜」
咲「なんでしょう?」
レ「私は『ちょっとぐらい馬鹿』って言ったのよ?ありゃパーフェクトじゃないの」
咲「お気に召しませんか?」
レ「さすがに⑨はダメね」
チ「ちょっと、さっきから黙って聞いてりゃ失礼なこといってくれるじゃないの!」
レ「じゃああなた、メイドの仕事とかできるの?」
チ「う……」
レ「というかなんでこんなのが候補に入ってるの?仕事できないのに」
咲「『ちょっとぐらい馬鹿のほうが扱いやすくていいかも』とおっしゃられたので」
レ「だから、⑨じゃダメじゃない!大体、この子は自機キャラでしょ!?
弾幕ごっこに関して言えばあなたと対等に渡り合えるぐらいの強い実力の持ち主じゃない!
…あーもうだめね、次!」
No2 リグル・ナイトバグ
レ「って、この子も馬鹿ってもっぱらの噂じゃない、それもさっきの⑨と同等の」
咲「これもお気に召しませんか」
レ「うーん、それに蟲を操る程度の能力はちょっとねー……」
咲「こんなに可愛い男の子のなのに……」
レ「いやいや、この子は女の子よ?」
咲「何言ってるんですか、こんな可愛い子が女の子であるはずがありません!」
レ「あんたの趣味なんか知らないわよこのショタコン!」
咲「ショタコン……?お嬢様、あなたは誤解なさってます」
レ「な、なんだって言うのよ……?」
咲「私は、幼いものなら森羅万象なんでも愛するのです!」
レ「そんなこと力説しないで!あと手ぇ握らないでよ!」
リ「……あの、私そろそろ帰っていいですか?」
レ「ああ、ごめんなさいね、もう帰っていいわよ。はい次」
No3 ミスティア・ローレライ
レ「ほう、やっとまともなのがきたわね」
ミ「屋台やってるから、料理もできるよ~」
レ「ん?じゃあなんで志願しに来たの?」
ミ「いやー……鳥という種族の所為で、結構命を狙われるのよ……」
レ「なるほど……紅魔館にいればまだ安全だしね、フランや魔理沙がこない限りは。
で、他に何か特技はある?」
ミ「歌が得意よ~」
咲「お嬢様、この妖怪はかなりいい声で歌いますよ」
レ「へぇ、そうなの……じゃあちょっと一曲歌ってみて」
ミ「りょうかーい、それではミスティア、歌いまーす!」
ミ「~~♪」
レ「ほんとだ、いい声ね……」
ミ「~~♪♪」
レ「音程もしっかりしてるし、上手いわね……」
ミ「ちんち「不採用!」」
ミ「なんでよ!?」
レ「何よその歌!?」
ミ「夜雀の歌だけど?」
レ「なんでそんな男根を意味する卑猥な言葉が入ってるのよ!」
咲「お嬢様、その表現のほうが卑猥だと思います……」
ミ「しかたないじゃない、夜雀の鳴き声はこんなんなんだから!」
レ「ならなおさら駄目よ!ああもう次!」
No4 ルーミア
レ「って咲夜、この子もなんか馬鹿っぽいイメージがあるけど?」
咲「いえ、この子はこれで結構頭はいいんですよ?
といってもものすごい賢いわけではないですが、そのぐらいがお嬢様の条件にちょうどいいかと思いまして」
レ「なるほどね……で、特技はムーンライトレイとあるけど?」
ル「うん、ムーンライトレイだよー。」
レ「……で、それは紅魔館で働く上でどう役に立つと?」
ル「敵が襲ってきても守れるよ?」
レ「いや、紅魔館に襲ってくる敵はあんまりいないし、その襲ってくる敵もあなたじゃ敵わないわよ?」
ル「でも、やってみなきゃわかんないよ?」
レ「いや、そういうレベルの話じゃなくて……」
ル「ハード限定スペルなんだよ~?」
レ「ふざけないで。ハードって何よ、だいたい……」
ル「ゲームの難易度のことだよ?」
レ「空気を読みなさい。そんなこといっちゃ駄目。帰って。」
ル「あれ~?怒らせていいの?使っちゃうよ?ムーンライトレイ。」
レ「いいわよ、使ってみなさい。それで満足したら帰って。」
ル「いっくよ~、月符『ムーンライトレイ』!」
レ「ふん、こんな弾幕楽勝で……ってあれなんでレーザー止まらな(ピチューン」
レ「……強いじゃないのよこの子!」
咲「むぅ、ちょっとEX化してたみたいですね…」
レ「もういいわ、次!」
No5 レティ・ホワイトロック
レ「……今度はちょっとおばさんっぽいのが来たわね。ちょっと太ましいし」
咲「でも、メイドとして実際に役に立つのはこういうおばさんですよ?」
レ「なるほどね、あなたも実年齢はもうおb」
咲「……年齢の話は、よしていただけますか?」
レ「わ、わかったからそのナイフを仕舞って……」
黒幕「……私は……」
レ「ん?」
黒「わたしはおばさんじゃなーーい!!太ましくもない!!」
レ「うわ、なにこの吹雪!?さ、寒い!!」
黒「せっかく気持ちよく春眠してたのに、起こしやがってーっ!
あげくのはてにおばさん扱いかい!?えぇ!?」
レ「ご、ごめん!謝るから落ち着いて!?というかキャラが全然違うわよ!?」
咲「まあ眠ってるところを引きずってつれてきましたから……」
レ「何やってるんだお前はーっ!」
黒「くらえPERFECTFURYYYYYYYYYYYYYYYYYZE!!」
レ「いやそれチルノのスペルだし発音なんかおかしいし!!」
~しばらくお待ちください~
レ「……はぁやっと帰ってもらえた……次」
No6 魅魔
レ「……帰れ悪霊」
魅「なんだい、いきなりひどいじゃないのさ」
レ「というか咲夜、だんだん条件から外れてきてない?」
咲「いや、彼女は勝手についてきた、いやむしろ憑いてきたんです」
レ「……で?なんでそんな悪霊がメイド志望なわけ?」
魅「だってこうでもしないと出番もらえないじゃないか」
レ「そんなの知らないわよ、帰りなさい!」
神綺「出番と聞いて」
幻月「歩いてきたわ」
夢美「さあ、私たちを雇いなさい!」
レ「お前らまとめて歩いて帰れ!」
夢子「はいはい、帰りますよ神綺さま」
幽香「ほら、帰るわよ」
ちゆり「帰るぜ、教授」
神・幻・夢「「「いやだ~出番~……」」」
レ「……はぁ。次……」
パカッ
妹紅「もこたんインしたお!」
レ「帰れEXボス!」
咲「お嬢様、それではルーミアのこと言えませんよ」
レ「うるさいわね、何でこんなのばっかつれてくるのよ!?」
咲「そう申されましても、勝手についてこられたので……」
レ「ああもう、だいたいあんたはどこから出てくるのよ!?」
妹「床から、こう、パカッと」
レ「そういう問題じゃないわよ……そしてフラン、唐突に出てきて紛らわしいことしない」
妹「ちぇー」
妹「あー、こいつ通称『妹様』だもんな……とりあえずややこしいから一度帰ってくれるか?」
妹「しょーがないなー、じゃあまたね」
レ「で?何で紅魔館メイドに志望したのよ!?」
妹「ああ、まあ簡単に言うと仕事が欲しいんだ」
レ「仕事?あんたそんなに生活に困ってたっけ?」
妹「いや、そうじゃない。輝夜にニート呼ばわりされたくないからな」
レ「は?あんた働いてなかったの?」
妹「そんなことない、ちゃんと里の農作業の手伝いやら竹林の道案内……
上げていけばキリがないがそういったことで生活してるんだが……
明確に職業名を上げられる職業じゃないんだよ」
レ「……って、それじゃ『ニート』じゃなく『無職』じゃない?」
妹「そうなるんだけどな、それだと輝夜は納得しなくてな……
あと、『無職』って言葉もイメージ良くないし。
だから、どこからも文句つけられないようにしてやろうと思ってね」
レ「でもちょっとあなたみたいに強すぎるのも困るわね……あ、そうだ、いいこと思いついた」
妹「ん?なんだ?」
レ「あなた、永遠亭でメイドやりなさい」
妹「えーっ!?永遠亭でかァ?」
レ「女は度胸!何でもためしてみるのよ。きっと退屈しないわ」
パカッ
輝夜「あら、それいいわねぇ」
妹「うわっ、お前どこから出てくるんだよ!?」
レ「いやあんた人のこと言えないし」
輝「そんなわけだから、妹紅はもらっていくわね~」
レ「はいはいどうぞ~」
妹「いやちょっと待て、私の意志は!?」
輝「あ、よかったら余ってるメイド服をいただけないかしら?」
咲「それならちょうどこの前やめてった子のがあるからどうぞ」
妹「おーい!?お前ら人の話を聞け!」
輝「うふふ……もこたんのメイド服かー……楽しみね♪」
咲「似合っているようならぜひ私たちにも見せに来てくださいね」
妹「おいこら!覚えてろよレミリア……っ」
レ「……ふぅ、次……ん?何か声が……」
慧音「おい!今ここに妹紅が来てなかったか!?」
レ「ええ、来てたけど……って、なんか突っ込みどころが多すぎるんだけど?」
慧「ああ、門番なら軽く吹っ飛ばしてきた」
レ「いや、いくらあの子でも、あなたが軽く吹っ飛ばせるほど甘い相手じゃないと思うけど?」
慧「そのくらい、妹紅のためなら軽い軽い」
レ「……まあそれはいいとして……で、何でここに妹紅がいたことが分かったの?」
慧「私は妹紅を愛している、どんなところにいても妹紅の居場所を
0.2秒で察知することができるんだ。道具は使わない、妖力だ!」
レ「……説明してもらってなんだけど、さらに突っ込みどころが増えたわ」
慧「しかし敏感すぎるってのもつらいものだ、
私が敏感すぎるばかりに妹紅に少しでも何かがあったらすぐに駆けつけてしまうんだ」
レ「ああ、それは相当ウザいでしょうねぇ……」
慧「で、妹紅はどこに行ったんだ?」
レ「ちょっと待て、察知できるんじゃなかったの?」
慧「いや、恥ずかしい限りなんだが……速度は速くても精度が悪いんだ。
速度のほうは訓練を重ねて0.2秒まで短縮することに成功したから、そろそろ精度を上げようと……
って、今はそれどころじゃない、妹紅はどこだ?」
咲「ああ、妹紅さんならイン穴から出てきた輝夜さんに連れて行かれましたよ」
レ「いや、何よイン穴って……」
慧「なにィィィィィ!!!まさか輝夜の奴、また妹紅を虐めるつもりか!?
その楽しみ方は邪道だと何度言えば……」
レ「慧音ー、鼻血鼻血ー」
慧「おっといかんいかん……とにかく!!もう許してはおけん!!
わたしははかならず輝夜を殺す!!」
レ「慧音ー、それ悪役悪役ー」
咲「そしてよだれよだれー」
慧「おっといかんな……よし!今ならまだ間に合う!
私は永遠亭に先回りして一緒に妹紅を虐めてくる!情報提供ありがとう!」
レ「あー、ついに本音が出たわね……」
咲「あらあら、妹紅さんも大変ですわね」
レ「はぁ……なんで今日はまともなのがほとんどこないの……?じゃ、次」
No7 橙
レ「えっと確かあなたは……紫のところの式の式だったかしら?」
橙「はい、橙と申します。よろしくおねがいします」
レ「へぇ……しっかりしてるのね」
咲「八雲の式も、かなりしっかり者ですしね」
レ「なるほど……それなら教育もきちんとなされてるだろうし……
って、この子今までで一番まともよね?なんでもっと早く連れてこないのよ?」
咲「いやー……確かにこの子は礼儀正しいし、仕事もちゃんとできるようですが……実は、この子にも一つだけ問題が……」
レ「へ?どういうこと?」
「ちぇえええぇぇぇん!!!!」
咲「……こういうことでございます」
レ「……なるほどね」
橙「ら、藍様!?」
藍「橙!私はまだお前が働くことを認めたわけじゃないぞ!」
橙「どうしてですか!?働くことはいい経験になるって紫様もおっしゃってたじゃないですか!」
藍「だがな橙!お前はまだまだ修行不足なのだから社会に出るのは……」
レ「うるさい黙れ(不夜城レッド」
藍「ほぐぁっ!?」
橙「ら、藍様!?」
レ「あんたねぇ、修行不足だから外で経験をつむんでしょうが」
咲「Exactly(そのとおりでございます)」
藍「し、しかしだな……」
レ「それに、あんたの主人の言うとおり、働くのはいい経験になるわ」
咲「Exactly(特にうちなら掃除や洗濯などの家事をやったりするので、花嫁修業としてもぴったりでございます)」
藍「なぁっ!?花嫁修業だと!?橙は嫁にやらんぞおぉぉぉぉ!!!」
レ「落ち着け!」
咲「Exactly(殺人ドール)」
藍「ぐほぁっ!?」
レ「あんたは過保護すぎるのよ、そんなんじゃいつまでたっても橙は成長しないわよ?」
咲「Exactly(子はいつか親から離れないといけないものでございます)」
レ「……ちょっと待ちなさい、なんでExactlyで何でもかんでもしゃべってるの?」
咲「Exactly(とある場所ではよくあることでございます)」
レ「……まあ、それはいいわ。で?藍、分かってもらえたかしら?」
藍「くっ……私の負けだ、橙がここで働くことを認めよう……」
レ「よし、なら決まりね。じゃあ、明日からでもよろしく」
橙「はい!」
★★★
レミリアの日記
某月某日
今日から橙がうちで働くことになった。
やっぱりまじめな子で、とてもよく頑張ってくれている。
これで咲夜の負担も少しは減るだろう。
他のメイドたちからの評判もいいから、すぐに仲良くなれるだろうし、とてもよいメイドだ。
……ただ、やっぱり一つだけ問題が。
レ「……って、書いてるそばからまーた来た」
藍「橙……大丈夫か?転んでお茶をかぶった上に転がっていって壁にぶつかり
更に上の棚から金ダライが降って頭に直撃して記憶喪失になったりしてないよな?」
レ「ないわよそんなコント的状況。あとうちは棚に金ダライを置いたりなんかしてない」
藍「何を言う!ありえないとは言い切れないじゃないか!」
レ「あーもう黙りなさいこのバカ親!この会話今日だけで26回目よ!(グングニル」
藍「ほわーっ!!」
レ「はぁ、まったく……」
紫「あらあら、いないと思ったらやっぱりここね……」
レ「ああ、藍を引き取りにきてくれたの?悪いわね」
紫「まあ、私にも責任の一端があるしね……
藍が過保護なのは、まだ小さかったころに私が少々厳しくしすぎたからだと思うのよ」
レ「少々遊びすぎた、の間違いじゃなくて?」
紫「あら、バレた?」
レ「そりゃ、あんたのことだからね……絶対式を厳しく教育するような性格じゃないし。
……あ、ところでアレは持ってきてくれた?」
紫「ああ、アレね。ちゃんと持ってきたわ。でも、唐突にどうしたのかしら?好きな人でもできたの?」
レ「うーん、むしろその反対かしらね……おっと、そろそろ来るわ……見てれば分かる」
紫「そう、じゃあ生暖かく見守らせてもらうわ」
咲「お嬢様、失礼します……!?」
レ「どうしたの、咲夜?」
咲「いえ、橙の仕事ぶりを報告に……それよりも、どうしたのですその胸は!?」
レ「ちょっとね、薬で大きくしてみたのよ」
咲「……すいまセーン……私ウソついてまーした……」
レ「……? 何よ突然?」
咲「大きいのも、実は涙が出るほど大好きデース……」
レ「な、なんだってー!!」
咲「お嬢様ーっ!!」
レ「いやーっ!!近寄らないで!!」
美鈴「咲夜さん!!」
咲「! め、美鈴!?」
美「咲夜さん……私にあんなことしておいて、お嬢様にまで手を出すんですか!?」
咲「何を言うの、私はまだ手を出してはいないわ!」
美「まだって……やっぱり手を出すつもりだったんじゃないですか!
もう……怒りました!キレましたよおぉぉぉ!!」
レ「な、何なのこのすごい気は!?」
咲「お、落ち着いて美鈴!」
美「咲夜さんの……浮気ものおぉぉぉぉぉ!!」
★★★
紫「……危ないところだったわね、私があの子たちをスキマ送りにしなかったら、今頃紅魔館は消し飛んでたわよ?」
レ「……本当にありがとう。あの子にこんな力があるなんて思わなかったわ……」
紫「愛の力は、かくも偉大なものなのね……
で、胸を大きくしたかったのはこういうわけだったのね」
レ「ええ、見ての通りの大失敗だったけどね」
紫「まあ今は隙間の中で美鈴によるおしおきタイム中だし、
それが終わるころには咲夜も懲りてるんじゃない?」
レ「ああ、何から何まで悪いわねぇ……」
紫「まあ、橙の面倒見てもらってるお礼ってことで。まあ、そろそろ私は帰ることにするわ。橙をよろしくー」
レ「ふぅ、どうなることかと思ったけど、事態は丸く収まったみたいね」
……まあ、紫が来てくれたので、多分藍の過保護は紫の教育(多分性的な(ry)によって改善されると思いたい。
なんかもう色々あって疲れたが、とりあえずきちんと新しいメイドを雇えたから結果オーライだろうか。
あとは、美鈴と咲夜がどうなるか、ね。
アリス「……で、私はいつまで待たされるの?」
その不憫さが愛しいな。