Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

えいや

2007/06/07 04:22:51
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あらすじ

 紅魔館の紅い妹









 哨戒の名目で外に出て、偽りの月が照らす夜空の中を飛んだ。

 でも本当は、永遠亭の中に居たくなかっただけなのかもしれない。

 私を招き入れたことによって、襲撃の危機にさらされた永遠亭。

 姫や師匠、亭のみんなは誰も彼もがやさしくて、私を責めはしなかった。

 とくに姫と師匠は、自分たちのせいでもあるから、と私に謝ったほどだ。

 自分たちのわがままに巻き込んですまない、と。

 その優しさが苦しくて切なくて、私は外に出た。


 煌々と輝く満月は眩しいほどに輝いて、空虚な光で私を満たす。

 故郷から逃げた先で見つけた、私の楽園。蓬莱の地。

 束の間の時間すら永遠に変えてしまう美しく幸せな世界。

 私の犯した罪はその世界すらも変えようとしていた。

 本物の満月と欠けた月の違いは、はたして狂気なのだろうか。

 ならばいっそ今すぐに本物の満月を戻して、私を狂わせて欲しい。

 私一人ならどんな煉獄に落ちてもかまわない。

 でも姫や師匠、てゐやうさぎたちを巻き込むのは耐えられない。

 狂って狂って狂い尽くして。

 かつての仲間、故郷の民を引き裂くのに心を痛めることなどない一匹の何かになれたら。

 あの永遠の場所に住む私の命の、心の恩人たちを守り切れるだろうか?

 がらんどうの月を見上げ、千々に乱れた心で空の彼方の故郷を想う。



「―――――」



 かつて暮らした月の都。私の生まれた場所。

 地上の民に攻め入られ、戦火に包まれたそこから私は逃げた。

 友を見捨て仲間を見捨てて遠く遠くの地上まで。

 この山奥まで逃げてきた。

 辿り着いた場所はあまりにも幸せにすぎて。

 罪に苛まれる私の心を癒して、その重さを忘れさせてくれた。

 争いのない場所だった。平和な日々だけのある場所だった。

 永遠亭で暮らして、月を見上げるたびに思った。

 なぜ地上の民も、あの穏やかな日々を繰り返せなかったのだろうかと。




―――有史以来、人は様々な文明を手に入れ

      戦争はその文明に導かれて行われてきた


     では月に到達するまで発展した文明の行き先は

      あの忌まわしい戦争という結論以外にありはしなかったのだろうか?




―――私はその答えが別の答えであって欲しかった





   - 永夜の領域 Zone of the EIYA -





「定時連絡に入る」


 第壱壱九季 葉月晦日


『INB-1422 鈴仙・優曇華院・イナバより入電』


 幻想郷


「――珍しいわね」


 永遠亭外周 “迷いの竹林”上空


『なに、鈴仙?』

「生体反応よ」


 私は、地表に生体反応を発見する。


「にしても随分おかしな時間に」


 反応のあった地点まで降下。


『こんな時間に人間の迷子?』


 発信源にあったのは蓋のない賽銭箱。


「それも馬鹿に波長の強い、ね」


 月明かりに照らされたその中には。


「――――オービタルフレイム……」


 一目でそれと分かる形状の袖をした一体の巫女。

 幻想郷最強の弾幕少女。


「っ!」


 見つめている矢先、竹林の入り口での戦闘音。


「罠をやられた! ドラキュラの連中だわ!」


 立ち上る強い妖気に相手を悟る。


『ドラキュラって紅魔館の……!』


 月の異常に気づかれて、主犯だと特定された?

 だとしたらまずい。亭にまっすぐ向かってくる!


『鈴仙!』


 状況を理解したてゐが叫ぶ。

 私も今すぐ亭まで戻らなければいけない。

 でも相手の速度が速すぎる。

 振り切るには時間稼ぎが必要だ。

 迷わず、フレイムのコンソールに手を触れる。

 完璧な乙女の証、小さすぎず大きすぎない絶妙のふくらみ。

 まろやかな曲線を描く双丘は掴んだ指先の形に歪む。

 力を入れれば確かな弾力が掌へと返ってきた。


[おはようございます 戦闘行動を開始します]


 胸を揉まれてスイッチの入ったフレイムからのシステムメッセージ。

 感情のない無機質な声の奥に眠る無敵の戦闘力を開放するため。

 亭のみんなを月の民から、そして吸血鬼たちから守るため。

 私はあらん限りの力を込めて、月夜の空に向かって叫んだ。





「動けえええええええええええええええええええええええええええええええっっ!!!!!!」










 一方その頃、永遠亭の姫は膝枕であやしてやっていたイナバの異変に従者を呼んだ。


「永琳また鈴仙が変な夢見てなんか叫んでる!!」

「この子の夢見の悪さだけはどうにかならないものでしょうか……」


 叫び出したイナバにびっくりして涙目になった姫を抱きしめてやりながら、従者はそっとため息をついたそうな。
はいだらー!!
じょにーず
コメント



1.正午削除
ANUBISとは懐かしいwwwww
何よりもコンソールが胸だった事に笑いました

はいだらー!!
2.名無し妖怪削除
ADAかわいいよかわいいよADA
そして夢落ちになるまでネタに気付けなかったww
3.名無し妖怪削除
オービタルフ霊夢か、なるほどwww
beyond the boundsで東方やりたくなりました。
4.名無し妖怪削除
丁度ANUBISやってたから吹いたwwwwwwwwww
5.TNK.DS削除
またまた懐かしいネタを!!W
ベクターキャノンをぶっ放し、ホーミングミサイルをばら撒いてよく遊んだっけなぁ・・・

はいだらー!!
6.名無し妖怪削除
元ネタは判りませんが、とりあえず

はいだらー!!
7.名無し妖怪削除
あぁ、じょにーず氏もZOE・・・。

ZOE東方、急いで作ってますからそんなに責めないで・・・。
8.名前が無い程度の能力削除
あらすじww
もしかしなくても元ネタは管理局の白い(ry