「ようやくここまでたどり着いた…」
蓬莱山輝夜の宿敵、藤原妹紅は輝夜の住む永遠亭に来ていた。
「…あれだな、輝夜の部屋は」
輝夜の部屋には、『姫の部屋』と書かれた表札がかかっていた。
月の使者が来れないことも分かったので、隠す必要はないと考えたのだろう。
「今日こそ、決着をつけてやる!」
そして妹紅は覚悟を決めると、
「輝夜ァ!」
部屋のふすまを一気に開けた。
「来たわね妹紅…」
そこには、やはり輝夜が待ち構えていた。
「すっかり、待ちくたびれちゃったわ…」
寝そべりながら。
「……待てやこらああああ!!」
「な、何よ!?」
「それが宿敵を待つ態度かあぁ!?」
「いいじゃないの、もこたんだし」
「だからもこたんいうなって何度言ったら分かるんだ…はぁ、もうなんか一気にやる気失せた…」
「あらあら」
「なんかもう変に疲れた…」
「じゃあ休んでく?」
「あー、そうさせてもらう」
「一緒に寝ましょ」
「ん」
なかったことに。
★★★
「今日こそ、決着をつけてやる!」
そして妹紅は覚悟を決めると、
「輝夜ァ!」
部屋のふすまを一気に開けた。
「来たわね妹紅…」
そこには、やはり輝夜が待ち構えていた。
「早速、歓迎してあげなきゃね…」
「…ほほう、何を仕掛ける気だ…」
その言葉を聞いて、妹紅は身構える。
「永琳、お茶とお茶菓子の準備を」
「はい」
「いや待て待て待て待て!」
「何?どうしたの?」
「宿敵が決着をつけに来たのにその対応は間違ってるだろ!」
「なによ、食べていかないの?」
「いや食べるけどさ…」
なかったことに。
★★★
「輝夜ァ!」
部屋のふすまを一気に開け
「あ、開かない!?」
ようとしたが、なぜか襖は開かなかった。
「合言葉は?山」
「…川?」
「せいかーい」
「…なんだそりゃ」
「で?今日は何の用?」
「いや、殺し合いに来たんだが…なんかもうやる気が失せた」
「じゃあ遊ぼー」
「んー」
なかったことに。
★★★
「今日こそ、決着をつけてやる!」
そして妹紅は覚悟を決めると、
「輝夜ァ!」
部屋のふすまを一気に開けた。
「来たわね妹紅…」
そこには、やはり輝夜が待ち構えていた。
「待っていたわ…」
全裸で。
「…アホかあああぁ!」
「へぶぁっ!?な、何するのよ!?」
「何で宿敵を待ち構えるのに全裸なんだよ!」
「だって『全裸で。』はお約束じゃない!」
「いらんよそんなお約束!とりあえず服着ろ服!」
「いいじゃない女同士なんだから」
「そういう問題じゃねえぇ!!」
なかったことに。
★★★
「今日こそ、決着をつけてやる!」
そして妹紅は覚悟を決めると、
「輝夜ァ!」
部屋のふすまを一気に開けた。
「来たわね妹紅…」
そこには、やはり輝夜が待ち構えていた。
「妹紅…戦う前に一つ言っておくことがあるわ。
あなたは私を殺すのに『蓬莱の薬を破ること』が必要だと思ってるようだけど…
別にしなくても殺せ「嘘つけええ!」
「はうぁ!な、何するのよ!?」
「それで殺せたらとっくにお前は死んでるわ!」
「嘘じゃないもん!ただ死んでもすぐに復活するけど!」
「私が言ってるのはそういう意味じゃない!」
なかったことに。
★★★
「今日こそ、決着をつけてやる!」
そして妹紅は覚悟を決めると、
「輝夜ァ!」
部屋のふすまを一気に開けた。
「来たわね妹紅…」
そこには、やはり輝夜が待ち構えていた。
「オマエをコロス!フシギなマホウでコロス!」
「グルグルか!?」
なかったことに。
★★★
「今日こそ、決着をつけてやる!」
そして妹紅は覚悟を決めると、
「輝夜ァ!」
部屋のふすまを一気に開けた。
「来たわね妹紅…」
そこには、やはり輝夜が待ち構えていた。
「うふふ、ずっと待ってたのよ?(ほぁた」
「あいた!ちょっと待て、はぁとじゃなくてほぁた!?」
なかったことに。
★★★
「今日こそ、決着をつけてやる!」
そして妹紅は覚悟を決めると、
「輝夜ァ!」
部屋のふすまを一気に開けた。
「来たわね妹紅…」
そこには、やはり輝夜が待ち構えていた。
「でもね妹紅、私を殺して一体何が変わるというの…?」
「…なに?」
「それで世界が変わるというのなら変われ!それで世界が滅びるというのなら滅びれ!」
「…そんなネタ通じるのか?」
「さあね」
なかったことに。
★★★
そして妹紅は覚悟を決めると、
「輝夜ァ!」
部屋のふすまを一気に開け
ぼふっ
…ると、上から黒板消しが降ってきた。
「やーい、ひっかかったー」
「……」
「ガキかお前はあぁぁ!!」
「ほぶぁっ!?」
なかったことに。
★★★
「輝夜ァ!」
部屋のふすまを一気に開け
ガィン
…ると、上から金だらいが降ってきた。
「コントかあぁぁ!」
「ほぶぁぁっっ!?」
なかったことに。
★★★
「輝夜ァ!」
部屋のふすまを一気に開け
ベチョ
…ると、上からパイが降ってきた。
「せめて投げろよ!」
「もするぁっっ!?」
なかったことに。
★★★
「輝夜ァ!」
部屋のふすまを一気に開け
大 三 元
…ると、上から巨大な麻雀牌が降ってきた。
妹紅に32000のダメージ!
「TOPかあぁぁ!」
「あべし!?」
なかったことに。
★★★
「輝夜ァ!」
部屋のふすまを一気に開け
「!?…うわあああ!?」
ると、妹紅は穴に落ちてしまった。
『はぅっ!あいたたた…ってなにこの二重括弧!?パクリは良くないよ!?ダメ絶対!』
『いやいや、それはいわゆるインスパイヤって奴よ』
『なっ!?何でお前がここにいる!?』
『いやー、罠仕掛けて妹紅をびっくりさせてあげようと思ったら自分がかかっちゃってねー』
『…アホかお前』
『うー、仕方ないじゃない仕方ないじゃない!…あ、そういえば今…密室に二人っきりね』
『いやなにその誘うような生暖かい目線!?別にお前と二人きりになったところで何も思わないぞ!?』
『…なにも、思わないの?』
『ああ、何もない』
『…嫌だとも、思ってないの?』
『うっ…あ…いや、まあその…
…ま、まあ、あんまり嫌じゃあない…かな』
『…ありがと』
『かっ、勘違いするなよ!?嫌じゃないってだけで、別に、その…』
『…ねえ』
『…なんだ?』
『もうしばらく、ここでいっしょにいない?』
『…ん』
なかったことn…いや、もういいや、お幸せに。
「あいた!ちょっと待て、はぁとじゃなくてほぁた!?」
・・・・画面スクロールする前に、この展開を独りボケ&突っ込みしてしまった俺って・・orz
完全にやられました。
ラストの二人の幸せは、私も心より願ってますww
もこたんはやっぱりツッコミが似合うw
なんか和む響きだネ
「滅びるがいい?」「そうそれ!」
もう、てるもこは結婚しちゃえばいいのです!ww
黒板消しって・・・w