Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

強さの代償

2007/05/16 15:34:42
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――白玉桜、そこは死んだ者が仮初の安らぎを得る場所。
そこで庭掃除をしていた者は悩みを抱えていた――
「ハァ……」
悩みを抱えていたのはここの庭師である魂魄妖夢、その悩みとは自身の剣術が未熟である事である。
傍から見れば妖夢の剣術は一級品と言えるだろう、だがそれは何の力も持たない人間から見たものでしかない。
「このままでは師匠を超えるどころか幽々子様を護れるかどうかすら解らない…どうしたらいいんだろう」
如何なる道であれ、壁というものは立ちはだかるもの、妖夢もまたその壁を前に悪戦苦闘していたのである。
「今ここで悩んでいても仕方ない、考えるのは庭掃除の後にでもしよう」
未だ光明を見つけられぬまま、妖夢は庭掃除を再開した。
「お嬢ちゃん、今日も精が出るのぅ」
「あ、貴方は……」
話しかけてきたのはここ白玉桜に住み着いた老人の魂である。
「しかし、何だか思いつめているようじゃな。どうしたのじゃ?」
「そ、そそそそそそんなことああああありません!」
「狼狽えておるのう」
「み、みょん……」
「ワシに出来る事なら話してみぃ、力になれるかどうかは分からんが、少なくとも一人で悩むよりはいいじゃろう」
「……分かりました、実は――」
妖夢は自身の悩みを老人に打ち明けた。
「ほぅ……お嬢ちゃんの剣が未熟、とな。傍から見れば見事なモノじゃゾイ」
「ですが、まだまだなんです……これじゃ幽々子様を護れません!」
「ふぅむ……よし、わかった。お嬢ちゃん、ワシが力になってやろう」
「ほ、本当ですか!?」
「モチロンじゃ、ワシが本気を出せばお嬢ちゃんを強くする事ぐらい朝飯前じゃわい」
「お…お願いします!」
「ほっほっほ、久々に血が熱く滾ってきたゾイ!ワシに任せるのじゃ!!」
こうして妖夢と老人の特訓が始まった、そして――



「遊びに来たぜ」
白玉桜に来る数少ない常連とでも言う存在である霧雨魔理沙がやって来た。
「また茶菓子をいただきに来たのか」
「そうとも言うぜ」
「構わないが、条件がある」
「何だ一体?」
「弾幕勝負に勝ったらいただいても構わない、だが――」
「負けたら慰謝料としてくれるのか、太っ腹だな」
「誰もそんな事は言っていない、とにかく勝負だ!」
「望むところだ!」
魔理沙は距離をとり、すぐさま臨戦態勢に移る、が妖夢は動かない。
「ほぅ、かなり自信があるんだな」
「当然だ、今の私は幽々子様を護れる力がある!」
「面白い、なら試させてもらうぜ!」
魔理沙は箒に跨り、突撃。
「行くぜ、コイツを喰らえ!」
魔理沙は星型の弾幕を展開する、だが妖夢は瞳を閉じたまま、避ける素振りすら見せない。
「参る!」
瞳を見開き、懐から一枚のスペルカードを取り出し宣言する。
「喰らえ!―――皇帝『究極次元斬』!!」
だが、魔理沙の展開した弾幕のほうが早く妖夢に直撃、そして――
「コイツはオマケだぜ!」
至近距離まで近づいた魔理沙による箒のフルスイングが決まり、妖夢は上空へ吹き飛ばされる。
「ふふん、大した事ないじゃないか」
「――甘い!」
妖夢は空中で姿勢を制御し、そして両手で桜観剣を握る。
「ハァァアアアァアァア!!!」
(あのお爺さんが鍛え直してくれたこの桜観剣、そしてお爺さんの特訓をこなした今の私なら――勝てる!)
妖夢の持つ霊力全てが桜観剣に集まり、桜観剣は眩い光を纏った。
「往けぇええぇぇええ!!」
そして桜観剣を―――投げた。
「うわっ……ととと」
もの凄い勢いで桜観剣は飛来したものの、弾幕ごっこを嗜んでいる魔理沙にとっては簡単に見切れた。
そして肝心の桜観剣は地面にささったまま。
「何だ、期待させといて。これで終わりか?」
「――勝った」
「は?一体何を――!?」
いきなり桜観剣のささった地面が砕け、そこから眩い光が噴出した。そして辺りは白い光に包まれて――



白玉楼消滅!?
本日昼頃、白玉楼が白い光に包まれて消滅したとの事(P.N妖夢ご飯まだ~?さんからの情報提供)。
この事件が起こる前、白黒の魔法使いである霧雨魔理沙が訪れていたとの情報があり、彼女が犯人と思われるが、未だ消息を掴めていない。
尚、私が訪れた際に白玉楼の主である西行寺幽々子嬢と幻想郷の閻魔様が、白玉楼の庭師である魂魄妖夢と老人の魂であるブ○ックハカセ(自称)に正座をさせ、説教をしていた事から、彼女達もこの事件に一枚噛んでいると思われる。(文々新聞)
尚、情報提供者は匿名希望だったため、こちらが勝手にP.Nを付けさせてもらいました。
ここではお初になります、等品 骸です。
……エ○デカイザーΣって反則だよね?

>>正座をさせ、
説教をしていた~
→正座をさせ、説教をしていた~ に修正。
尚、情報提供者は~ を追加
等品 骸
コメント



1.名無し妖怪削除
この妖夢は幻想郷最強どころか宇宙最強ですねwwwww
2.名前が無い程度の能力削除
文々新聞×文々。新聞ではないかと