Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

カリスマ病

2007/05/12 08:00:37
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夜が来た。

季節はすっかり夏へと変わり、日が出ている時間が長くなったため夜が短くなった。
1日24時間・・・光の時間が増えれば影の時間が減るのは割合として当然だ。

吸血鬼は基本的に夜が活動の時間である。
人とは違い、日の下では存在できないからだ。
日を浴びればたちまち灰と化し、隷属であれば再生は不可能。
真祖であれば蝙蝠となり、己の棺で7日間眠れば再生できる。
しかしその間ヒトの形を持つことはない。
ヒトの形を持ってこその吸血鬼。
吸血鬼は夜にあるべき姿。
吸血鬼という『存在』は言わば夜の使徒なのだ。


「おはようございます、お嬢様。」

「おはよう咲夜。」


もちろん今は朝ではない。
レミリアは吸血鬼。
夜の王とまで言われた誇り高き吸血鬼だ。
500年近い時を存在し続けた夜の使徒であり、死徒。
『生きる』のではなく『存在』を続けているのだ。


「お目覚めの一杯でございます。」

「ありがとう・・・うん、おいしいわね。
 やっぱり紅茶にはB型の血がよく合うわ。」


吸血鬼は人間よりも遥かに身体能力が高く、少し力を込めれば岩も砕ける。
そして500年という時を過ごしたレミリアは知識も経験も人間で言う『賢者』の何倍もある。
つまりは天才の域を超えているということだ。
そう、人間よりも高い能力でどんなことにも敏感に捉えることができる。
例えばこの場面で数メートル離れた場所から矢を放っても、彼女ならば簡単に受け止めるだろう。


「恐れながら申し上げます。今回はAB型でございます。」


・・・予想外は世の中に付き物。
しかし彼女は経験豊富な吸血鬼。
どのような事態が起ころうと冷静に完璧な対処ができる。


「ふ、ふん・・・わ、わざとよ。
 AB型を使うなんて珍しいから気付いてないフリをしてたのよ。
 あなたに説明する機会を・・・何がおかしいのよ!?」


威厳溢れる声は誰もが圧倒される。
たとえ見た目が幼くともそのプレッシャーを前にすれば人間も妖怪も関係無く平伏すであろう。


「これは失礼しました、お嬢様。」

「わ、わかればいいのよ。」

「私が間違えておりました。」

「は?」

「流石はこの紅魔館の主・・・この紅茶に入っている血は確かにB型でした。」

「お、お前っ!!お前ぇぇええ!!」


たとえ見た目が幼くとも、一度怒りを見せれば百獣の王の心臓も止まる。
だが、この程度で長年生きてきたキャリアから出る『プライド』は崩れない。
夜の王は若い人間のちょっとしたお粗末な行動にも目を瞑る寛容さを持っている。






「お嬢様、本日のお召し物にございます。」

「ふん、あなたが選ぶ服ってどうも私の趣味じゃないのよね。」


彼女は高貴な吸血鬼。
ドレスアップは毎日欠かさず行っている。
この館の主として従者達に格の違いを見せつけるためであり、礼儀のためでもある。
王という存在になるというのはそういうことだ。


「お嬢様、少し失礼します。」

「ん・・・・」


従者が選んだドレスに身を包む。
「吸血姫」・・・瀟洒なメイドが耳元で囁いた気の利いた一言。
その言葉に妖しく笑い、満足する夜の王。
そしてメイドは吸血姫によく似合う綺麗なティアラを乗せた。
吸血姫は鏡に映る自分の煌びやかな姿を見てこう言った。


「そうそう、このふわふわなお耳がかわいい・・・って猫かっ!!」

「お嬢様、尻尾をお忘れですよ。」

「猫かっ!!」

「じゃらしますよ?」

「猫かっ!!」

「お魚咥えたどら・・」

「猫かっ!!」

「追っかけて・・・」

「サザエかっ!!」

「サザエでございます。」

「・・・・・え?」

「壷焼きかっ!!」

「ぁ痛っ!!意味わからんっ!!」


時として小粋な冗談にも付き合うのが貴族だ。
洒落こそ貴族のあり方の一つ。
洒落があってこそ日常に潤いがあり、スパイスがあるのだ。
悠久の時を過ごす吸血鬼には貴族こそ相応しいあり方と言えよう。






「お嬢様、お手紙でございます。」

「どれ、読んでみなさい。」

「はい。」


紅魔館は近くの人里と関係を持っている。

『村に強大な妖怪が現れた時は紅魔館が守る。その代わり、村人の血を週に一度取りに行く。』
という契約だ。

ギブ・アンド・テイク。
貴族としての誇りを守りつつ『存在』を保つための画期的な方法だ。
そんな関係を持っているのだが、たまに人里側からの要望や祭りが開かれる時などに
このように手紙が届けられることもあるのだ。
この吸血鬼がいかに民衆に慕われ、王に相応しいかを物語らせる。


『レミリア様、咲夜さん、こんばんうー。』

「・・・・・・・。」

「はい、こんばんうー。」

「ラジオかっ!!」

『私には悩みがあります。』

「ラジオかっ!!」

『咲夜は食べてもいい人間?』

「そーなのかっ!?」

「そうですねぇ・・私を食べていいのは・・・」

「こっち見るなよっ!」

『では、お体に気をつけてお仕事頑張ってください。』

「ラジオかっ!」

「ペンネーム、殺人ドールさんからでした。」

「ラジ・・お前かっ!!」

「違います。」

「・・・・え?」

「なお、こちらの方にはレミリア様使用済み・・」

「ヤラしいな!」

「タンクトップを差し上げます。」

「着たことねぇよっ!!」

「わーい、やったぁ。」

「お前かっ!!」






夜は深さを増す。
いつの間にやら月は天辺に辿り着いていた。
今夜は三日月。
元は球体で、どこから見ても丸のはずなのに、光によって形を変える。
そんな変わっていく大きな星を眺めながら一人で夜を過ごす。
人間達は眠る時間。
咲夜も人間・・・今夜はもうベッドで寝息を立てている。
しかしレミリアは吸血鬼。
日中に働く紅魔館の従者達とは起きている時間が違う。
だからこの月を眺めている時は孤独を感じるのだ。


「今夜も綺麗ね。」


独り月を見て呟く。
寂しそうに呟く。
けれどその声を涙で濡らすことはない。
濡らすことができない。


「こんなにも手が届きそうなのに・・・届かないなんて・・・。」


吸血鬼という存在が原因。
夜の王という地位が原因。
長年生きてきたキャリアに裏打ちされたプライドが原因なのだ。


「あなたは・・・今の私を見てどう思ってるのかしらね・・・。」


語りかけても返事は返ってこない。
月の光がただ窓を抜けて差し込んでくるだけである。


「お嬢様・・・」


完璧なメイド・・・十六夜咲夜。
自分の主人に何かがあれば現れる・・・夜の王の最高の従者でありパートナー。
夜中に主人が寂しいと言えば目を覚まし、色々と相手になる。
今夜は独りの夜は免れそうだ。
しかし小さな夜の王は素直じゃない。
だから素直じゃないなりの接し方をする。
自分のプライドのために。


「私の部屋の窓から外を見ながら何を言っているのですか?」

「そんなの私の勝手でしょ。それより今夜は冷えるわね。一人で寒くない?」

「・・・一緒に布団に入りたいのなら初めから仰ってください。」

「私は機嫌がいいの。今夜は甘えていいのよ?」

「はぁ・・・じゃあお言葉に甘えます。」

「よろしい。では掛け布団を開けなさい。」

「はい。」

「ふふっ、お邪魔するわよ。」

「どうぞ。」

「・・・・・・・咲夜。」

「なんでしょう?」

「なんで布団の中で脱ぎ始めてるの?」

「甘えるためです。」

「い、いや、その甘え方は違うんじゃないかな。」

「甘えます。」

「それはまずいでしょ。(私が)」

「甘えます。」

「服を着なさい。」

「甘えます。」

「だめよ。」

「甘えます。」

「めっ!」

「甘えます。」

「だーめっ!」

「甘えます。」

「駄目って言ってるでしょ!!駄目よ!!」

「くぅーん・・・」

「あぁもうっ甘えなさいよ!」



ここは紅魔館。
誇り高き吸血鬼と誇り高い諸々が住む場所。


こんばんわ、nama-haneです。

今回はナレーター、つまりこれを書いた私自身が一番壊れている作品です。w
「どんなレミリア様もカリスマっぽく見えて仕方が無い」と、だからカリスマ病です。
ナレーター部分は思い込みだらけの言葉ですので特に深い意味もないです。

しかもタ○&ト○の影響受けまくりです。
漫才にこだわりがある人には読みづらい作品かもしれません。

ただ、クスリとでも笑っていただければ幸いです。


最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
nama-hane
コメント



1.名無し妖怪削除
いいコンビじゃないか…
2.卯月由羽削除
○カア○ド○シ調の掛け合いに吹いたwww
そしてお嬢様可愛いなぁww
3.はむすた削除
さすがに甘えてしまうわよぉ!
4.ぐい井戸・御簾田削除
もうね、お前ら結婚しろと(ry
5.名無し妖怪削除
これはいいサク&レミですねwww
ナレーションと台詞のギャップが特にww
6.名無し妖怪削除
甘えますw
7.名無し妖怪削除
レミリア様wwww
8.名無し妖怪削除
レミリア様、突っ込みすぎwww
9.蝦蟇口咬平削除
ええコンビや
甘えてえ
10.跳ね狐削除
最初の掛け合いから吹いて、あとは終始にやにやが止まらないw
11.ドルルン削除
咲夜さん甘えすぎですw
12.翔菜削除
これは何と言うカオスwwwwさっきゅん自重wwww
13.名無し妖怪削除
レミリア最後投げたwwwwww
面白かったですw
14.欠片の屑削除
吸血鬼でやらせてもらってますぅ~
15.名無し妖怪削除
咲夜さんやりたい放題だな
16.西山すねぇく削除
死・・・徒・・・?
17.名無し妖怪削除
服を脱いだほうが甘えやすいですよね!!!
18.名前が無い程度の能力削除
これは……かわいい!
19.名前が無い程度の能力削除
甘えなさいよ!
20.名前が無い程度の能力削除
さずがレミ咲、運命の夫婦漫才