Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

春爆発

2007/04/29 17:01:55
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新しい朝がきた。
日が昇り、さっきまで暗かった空間を優しく照らしだす。

ここは白玉桜。

亡霊の姫君とそれに仕える庭師が暮らす場所。


「ふんふふ~~ん♪」


魂魄妖夢の朝は早い。
毎日毎日大食漢な主の食事の世話をする彼女は朝食の準備だけでも時間がかかってしまう。
けれども幽々子はいつもおいしいと食べてくれるので、彼女にとっては大変でも嬉しいことであった。


「ふうっ・・・朝食の準備完了っと。さて・・・」


寝ている主を起こしに行くかと妖夢は幽々子の部屋へと向かう。





「すーーすーー。」


自室で気持ち良さそうに静かに眠る幽々子。
寝ているときであれば正にお姫様というくらい品のある顔立ちなのだが・・・。


「幽々子様、妖夢です。おはようございます。」

「すー・・んぁ?」


襖越しに、自分に仕えるかわいい庭師の声が聞こえて目を覚ます幽々子。
今日もおいしい料理をたくさん作ってくれたのだろう。
朝食は何かしら、と布団の中で考える。


「幽々子様?まだ寝ているのですか?」


幽々子はあえて黙っていた。
妖夢はとてもかわいい。
あまりにもかわいいからイタズラをしたくなってしまう。


「幽々子様、失礼します。」


静かに襖を開けて主のそばによる妖夢。
相変わらずの寝ているときの上品な顔立ち。
そんな主に「いつもこうならなぁ・・・」と溜め息が出てしまう。
主の体を揺すりながら声をかける妖夢。


「幽々子様、朝ですよ。早くしないとご飯冷めちゃいますよ?」


ご飯が冷めてしまう・・・それは問題だ、と幽々子は考える。
けれどもどうしてもかわいい妖夢にイジワルしてやりたい。
そうだ、急にガバッと起きて妖夢を驚かせてやろう。


「幽々子様ー、起きてくださいよー。早くしないと片付かないじゃないですかー。」


あ、本音がこぼれた。
でもそこがまた妖夢の素直でかわいいところ、と幽々子は緩みそうな顔を必死に抑えた。
作戦変更!もう少しこのままでいて困らせてやる。


「幽々子様ー・・・はぁ、仕方ないなー。」


あ、拗ね始めた?
そろそろ起きなきゃかわいそうなのかな?
仕方が無い。ご飯も冷めてしまうし、起きるか。


「もうっ、ゆゆ様がいけないんですからね・・・」


ぅおっ、何故か急に色っぽい声に変わったぞ。
きっと拗ねてるうちに知らず知らずで出した声なのだろう。
どんな顔で言ってるのか見たい。
まぁ、目を閉じてるからわからないのだが。


と、何か突然上に圧し掛かってきた。


「はんっ・・んっ・・・ちゅぅっ・・・」

「!!!!!」


驚いて目をガッと見開いた。
妖夢の顔がすぐそばにある。
っていうか顔が近すぎて閉じている目しか見えない。
つまり、幽々子は妖夢にキスをされていた。
それもモーニングキスとは思えぬほど激しく、熱く。


「んんぅっ!・・ちゅるっ・・ぷはぁ!!」


舌が入り込んできそうになったところで妖夢を跳ね除けて布団から這い出る幽々子。
自分の身の危険を感じて必死に逃げようとした。


「はぁはぁ・・ゆゆ様ぁ・・・おはようございますぅ・・。」


跳ね飛ばされて畳で尻餅をついた状態の妖夢が主を呼ぶ。
息が荒い。
顔は赤みがかっている。
目がとろんとしている。
口の端から唾液が垂れている。
見えそうで見えないスカートの中。
ずばりイヤらしい。


「ちょちょちょちょっと妖夢!?なななにしてるの!?」

「だって、ゆゆ様ったら声かけても起きてくれないんですもの。」

「普通に揺するとかして起こせばいいでしょ!?」

「揺すりましたよ。」

「そそ、それでも、根気強くやればそのうち起きるじゃない!!」

「あと、幽々子様の顔がかわいくて・・・イタズラしたくなっちゃいました。」


テヘッと舌を出してイタズラっ子のように笑う。
それでも何かイヤらしい感じがして、可愛げがない。
それどころか幽々子は恐怖を覚えた。


「・・・とりあえず、ご飯にするわよ。先に居間に行っててちょうだい。」

「はぁーーい♪」


洗面所で顔を洗う幽々子。
ふと、鏡に映る自分と目が合った。
思わず自分の唇に指を当てる。


「はぁ、やられちゃったなぁ・・・・」


いつもならこんなことしないのに・・・と思わず顔が赤くなる。
そして自分のペースを完全に崩された幽々子。
やだっ、なんかドキドキしてきた。


「って、違うわよ!!」


一人でボケて一人でツッコむ幽々子。

確かに幽々子は妖夢のことが好きだ。
けれども普段では考えられない行動をする今日の彼女に何か違和感を感じる。
だからキスをされても戸惑いしかない。
一体何が起こったのであろうか。






一方その頃の紅魔館では・・・


「待ってよー、美鈴ーー!」

「ぎゃぁぁっ、追い掛けて来ないでーー!」


館の周りを走り回っている二人の女性。
一人は蝶を追いかけるように楽しく。
そしてもう一人はストーカーから逃げるように恐れながら。
もちろん朝のランニングなどではない。
朝になったら突然咲夜が美鈴にキスしてきてた。
そんでもって色々されそうになって危険を感じた美鈴が逃げ出したのだ。


「咲夜さん!お願いですからやめてください!!」

「美鈴・・・私のことが嫌いなの?」

「いや、そういうわけでは・・・」

「口付けは後にしてくれって?あなたをその気にさせてから?」

「意味わかりません!誰もそんなことを言ってません!」


仕事に戻ってくださいと群がるメイドをシカとしながら、こんな美鈴とじゃれ合おうと
韋駄天走りで駆ける咲夜。

二人とも大分走り込んでいるが、どちらもなかなか諦めない。
ちなみにこの館の主はというと・・・


「ねぇ、咲夜はまだなの?咲夜のご飯じゃないと嫌なの。」

「も、もう少々お待ちください。」

「ぅー。」


フォークでテーブルをカンカン叩きながら朝食を待っていた。



今日は何かがおかしい。
いつもはしっかりしているハズの人たちが何故かぶっ飛んでいる。
今回の異変について気付いた者がいた。
幻想郷の3大知識人の一人、パチュリーだ。


「小悪魔、いつもは完璧なはずの咲夜が今日はおかしい。どうしてだと思う?」

「えー?なんですかねぇ・・・思春期なんじゃないですか?」

「ほほう、いい線いってるわよ。」

「え!?本当ですか!?」

「そう、これは思春期が大きく影響しているわね。」


パチュリーは持っていた本を開いた。
どうやら現象に関する本のようだが。


「これを見なさい。」

「えーと、どれどれ・・・」



『春度バースト現象
 
 春が終わるときにもたらされる現象。
 発生の理由は春らしい気候が少ないときに人間から発せられるハズの春度が溜まってしまうことからである。
 特に思春期に入った人間は影響を受けやすく、人格が大きく変わることもある。
 心のままにワガママに君を突き破りたい現象とも言われ、この季節に多くのカップルが誕生する。
 妖怪などは基本的に温度差の影響は受けないため、この現象が起こることはあまりない。』



「うそっ!?」

「いいえ、これは事実よ。そんなに信じられないなら歴史の半獣の所にでも行ってみるといいわ。
 どうせ今頃春度バーストしている蓬莱人とお取り込み中でしょうけど。」

「つまり咲夜さんがおかしくなったのはこの現象のせいなのですね。」

「そうよ。特に今年は暑い日や寒い日が極端だったそうじゃない。
 人間に溜まった春度は発散されないままで、爆発してしまったのよ。」

「それで・・・どうするおつもりですか?」

「咲夜がこのままじゃ、レミィがかわいそうね。
 でも、止めるつもりはないわ。」

「どうしてですか!?」

「この現象は人間全体に起こっているのよ。
 つまりは魔理沙もそういうことなのよ!
 これから私は忙しいの!」

「パチュリー様・・・あなたって人は・・・。」

「ふふふ・・・さぁ小悪魔、鷲のマークのドリンク剤を持ってきなさい!
 魔理沙とイチャついてるときに倒れるわけにはいかないわ!」




それからドリンクをたくさん飲んだパチュリーはいつもより露出のある格好で魔理沙を待った。
靴下だけ履いてあとは何も着ないというニューファッションに身を包み(?)、準備万端。
しかし魔理沙が来ることはなかった。
その日の夜、持て余した性欲と寂しさを紛らわすために小悪魔の部屋の布団に忍び込む。
が、布団の中に小悪魔とフランドールがいたそうな。


「アンタたち、何してるの?」とパチュリーさん。

「す、スタディ?」と小悪魔さん。

「それは私の担当ではなくて?」とパチュリーさん。

「こ、壊してあげようと思って。」とフラン様。

「それはあなたの専売特許だったわね。」とパチュリーさん。


仕方が無いとパチュリーは静かに部屋を出た。
帰りに図書館でエロ本を取ってきて自分の部屋に篭ったそうな。
エロ本のタイトルは『小悪魔乱舞~夜の静かなマスカレード~』だそうな。




ちなみに魔理沙はというと

「よぉーし、今日はこの女で○○○ーだ!!」

「ちょっと待って!上手く言えないけど、何か間違ってない!?」


アリスの前でソロ活動してたそうな。


こんにちは、nama-haneです。
寒かったり暑かったりで私は風邪を引いてしまいましたよ。w
皆様は体調はよろしいでしょうか?

今回の話は「敵対的なキス」というのが思いつきました。
決して合意のうえでやるものではなく、無理矢理がいいと思ったわけで・・・。(壊)

色々とキャラを壊してしまって毎度のことながら申し訳ないです。
しかも投稿する回数が増える毎に下品さも増してきている気がします。w
そろそろ苦情がくるかな?と内心ビクビクしていたりします。


最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございます。


※あと、霊夢の話を考えていたのですが、ダークなお話になってしまったので・・・
 載せない方がいいかも、と思ったので載せませんでした。
 他の人物の話もシリアスやダーク以外が思いつかなかったので、なんだか嫌で・・・
 ・・・本当に申し訳ないです。
 でも、読みたいと言ってくださった方、ありがとうございます。非常にうれしいです。

 どなたかこの設定で続きを書いてくれると・・・って他力本願はいけませんね。w
nama-hane
コメント



1.卯月由羽削除
これはいい病気だ
月人や博麗の巫女、半獣がどうなるのか気になりますw
とりあえず元人間(アリス)はかからないみたいですね。
2.創製の魔法使い削除
魔理沙………
それはヤバイよ……
痴女じゃん…

霊夢大好きな自分は
霊夢がどうなってるか気になります

もしかして霊夢は紫と!?

この現象の事を知っていた紫は霊夢を襲いに行く
……………みたいな?


兎に角、面白かったです
続きが凄く見たいです
3.名無し妖怪削除
「よぉーし、今日はこの女でドリラーだ!!」
な、なんとかボケたぞ。俺はエロい子じゃない。違うんだ。
4.蝦蟇口咬平削除
こーりんは意識的に除外するとして、僕も他のキャラがきになりますね
5.名無し妖怪削除
小悪魔、本の中でも外でも大乱舞ですな。
冷静なパチュリーと動揺している小悪魔とフランの掛け合いが何とも。
6.名無し妖怪削除
両方春度バーストしている半獣さんと蓬莱人さんは凄いことになっていそうで・・・
あー、この話に点数つけてえー!!
このまま続きを書いてもらえないものか
7.ぐい井戸・御簾田削除
これはひどい春wwwww
spring is explosion!!
8.名無し妖怪削除
月の人達はどうなってるのか・・・