美鈴は今日も門の前に立っていた。
そして寝ていた。
立ったまま寝ていた。
「むにゃ…そんなに食べられないですよ…」
ベタベタな寝言つき。
そんなことしてるとまた咲夜に怒られるわよ。
「おじょ~さまあ~…」
美鈴が今見ている夢にはわたしが出てくるみたいね。
「いいですよそんな…悪いですよ…」
夢の中ぐらい遠慮しなきゃいいのに。
「それ以上お嬢さまを食べるなんてできないですよ…」
ここに来て急展開。
これは「グロ注意」の立て札を立てるべきか。
「もちろん性的な意味で…」
ええっ!?
ちょ、ちょっと美鈴、なんて夢見てんのよ!セクハラよ!
「ああっ!?お嬢さまの顔が!!」
やだ、なんか顔が熱い…わ、わたし赤くなってる!?
「紫色に!!」
赤…って紫いぃぃ!?
「てーててーてーてーてー♪」
…って、寝言かよ。
ここまではオープニングだったみたいね。
今はタイトル画面なのかしら?ドラクエのメインテーマが流れてる。
「いくわよみんな!お嬢さまを助け出すんだから!!」
いや、いつの間にさらわれたのよわたしは…。
「彩光戦隊メイリンジャー!第1話『さよなら美鈴!来週からレッドは妖忌!』」
第1話から随分と前衛的な展開ね。
「揺れる巨乳のエレメント!アンブレイカブルゲート!冥王星・彩光レッド!!」
色々と混ざっている。
「たくましき冒険者!アホゲレンジャー・シンキ!来神!」
「天が知る地が知る人が知る!悪を裁けとわたしを呼ぶ!裁くの妖怪・ザナぼうず!」
「受け継がれてゆく記憶の絆!円周率暗記世界チャンピオン・稗田のファッ求さん!」
「空腹の王女!ロボるーみゃ!」
一人で何役こなすつもりだ。
もはや混ざっているとかいうレベルではない。
「ああっ!?敵の放った大陸間弾道弾でみんなが一瞬にして肉片に!」
唐突だ。
「くそう、みんなの肉片を強火でサッと炒めて塩コショウで味付け…そして食う!」
カニバリズムか。
夢とはいえなんという強引かつ適当なストーリー。
「ふう~食った食った…満腹の王女!バイオるーみゃ!」
さっき生き残ったのはるーみゃだったのね。
「みんなの想いは血となり肉となりわたしの力となり…」
熱いのかグロいのかわからない展開ね。
「そして明日の朝にトイレに流れていくのかー」
これは酷い。
熱くもグロくもない最低の展開だったようだ。
「次回!『さよなら妖忌!もはやレッドに就任することが死亡フラグ!』」
またとんでもないところで切るのね。
このお話の運命だけは、わたしにも見えないわ…。
ま、それが夢ってものなのかも知れないけどね。
レミリアは目を覚ました。
「えっ!?今のわたしの夢だったの!?」
というところで、
咲夜は目を覚ました。
「えっ!?今のわたしの夢だったの!?」
というところで、
パチュリーは目を覚ました。
「えっ!?今のわたしの夢だったの!?」
というところで、
小悪魔は目を覚ました。
「えっ!?今のパチュリー様、全裸で寝てなかった!?」
というところで、
フランドールは目を覚ました。
「えっ!?みんなは全裸で寝てないの!?」
というところで、
妖忌は目を覚ました。
「えっ!?みんなは全裸で寝てないの!?」
布団を跳ね除け、物凄い勢いで体を起こした。
最初に目に入ったのは暗闇。
まだ起きる時間には遠いようだった。
「どうしたの妖忌?ずい分とうなされてたみたいだけど」
障子が開き、心配そうな顔をした主が姿を覗かせる。
「幽々子様…いえ、ご心配には及びませぬ。何やら奇怪な夢を見たがゆえに――」
わずかに開いた障子の隙間から、月明かりが部屋に入り込んでいた。
朧な光に照らされる妖忌の、老いてなお筋骨隆々たる肉体。
「そう…」
まさに「武士」という言葉が相応しい裸の上半身。
A.それを見たゆゆ様はなんとなくムラムラ来てしまい…
B.もちろん半霊も腹筋が6つに割れている…
「A!超A!めがっさA!この流れでB選ぶような奴はスキマ送りよおおおおっ!!」
と叫びながら、紫は目を覚ました。
「え?…な、なんだ、夢だったのね…」
ひどく期待はずれ、という表情で溜息をつく。
「もう一度寝れば続きが見られるかしら…」
そう言って布団をかぶる。
もちろん半霊も腹筋がムラムラ来ている。
それを見たゆゆ様はなんとなく6つに割れてしまい…
「って混ぜるな!!」
自分の大声で、妖忌は目を覚ました。
「……」
いかんいかん、いい年をしてなんと破廉恥な夢を…そんなことを思いながら、体を起こす。
寝間着の背中の部分が汗でぐっしょりと濡れていた。
夢の中で主が言ったように、かなりうなされていたのだろうか。
(風呂にでも入ってから寝なおすか)
背中に若干の不快感を感じながら、障子を開く。
そこには、
「緊急事態よレッド!彩光戦隊メイリンジャー、すぐに歩いて発進よ!」
「幻想郷がピンチです!今すぐに正義の裁きを下しに行きましょう!」
「わたしも残りの命をこの戦いに捧げます!稗田の名にかけて!」
「亡き初代レッドのためにも頑張るのかー」
彼――冥王星・彩光レッドこと魂魄妖忌の頼もしい仲間達。
おおそうだ、自分は今からスーパーなヒーロータイムを迎える勢いであったか。
妖忌はいつの間にか腰に差していた二刀を引き抜き、叫ぶ。
「行くぞ皆の衆!我等メイリンジャーに、壊せぬ壁など殆どない!!」
『彩光戦隊メイリンジャー』
出演:
冥王星・彩光レッド(二代目):魂魄妖忌
冥王星・彩光レッド(初代) :紅美鈴
アホゲレンジャー・シンキ :神綺
ザナ坊主 :四季映姫・ヤマザナドゥ
稗田のファッ求さん :稗田阿求
仮面るーみゃEX :ルーミア
バイオるーみゃ :ルーミア
ロボるーみゃ :ルーミア
主題歌「輝夜姫のバラード 第173章」
作詞:伊吹萃香
作曲:小野塚小町
編曲:ミスティア・ローレライ
歌 :森近霖之助と大蝦蟇合唱団
挿入歌「自由という甘い罠」
作詞者不詳
作曲:リグル・ナイトバグ
編曲:リグル・ナイトバグ
歌 :森近しん之助とオカマ合唱団
脚本:八雲藍
演出:上白沢慧音
超監督:蓬莱山カグヤ
企画・製作 夢幻館
というところで、美鈴は目を覚ました。
また、仕事中に眠ってしまったようだ。
「いけないいけない」
最近はこうして立ったまま、門の前で寝てしまうことも珍しくは無い。
以外にもそれで門番の役割を果たせているのだが、だからといって仕事中に寝ることが許されるわけではない。
「美鈴!あなたまた…」
「ひっ!す、すいません咲夜さん、お天気がよかったのでつい…」
「また全裸で寝てたわね!お腹を冷やすからいけないと何度言ったら…」
「え?」
彼女達の悪夢は、まだ始まったばかりだ。
そして寝ていた。
立ったまま寝ていた。
「むにゃ…そんなに食べられないですよ…」
ベタベタな寝言つき。
そんなことしてるとまた咲夜に怒られるわよ。
「おじょ~さまあ~…」
美鈴が今見ている夢にはわたしが出てくるみたいね。
「いいですよそんな…悪いですよ…」
夢の中ぐらい遠慮しなきゃいいのに。
「それ以上お嬢さまを食べるなんてできないですよ…」
ここに来て急展開。
これは「グロ注意」の立て札を立てるべきか。
「もちろん性的な意味で…」
ええっ!?
ちょ、ちょっと美鈴、なんて夢見てんのよ!セクハラよ!
「ああっ!?お嬢さまの顔が!!」
やだ、なんか顔が熱い…わ、わたし赤くなってる!?
「紫色に!!」
赤…って紫いぃぃ!?
「てーててーてーてーてー♪」
…って、寝言かよ。
ここまではオープニングだったみたいね。
今はタイトル画面なのかしら?ドラクエのメインテーマが流れてる。
「いくわよみんな!お嬢さまを助け出すんだから!!」
いや、いつの間にさらわれたのよわたしは…。
「彩光戦隊メイリンジャー!第1話『さよなら美鈴!来週からレッドは妖忌!』」
第1話から随分と前衛的な展開ね。
「揺れる巨乳のエレメント!アンブレイカブルゲート!冥王星・彩光レッド!!」
色々と混ざっている。
「たくましき冒険者!アホゲレンジャー・シンキ!来神!」
「天が知る地が知る人が知る!悪を裁けとわたしを呼ぶ!裁くの妖怪・ザナぼうず!」
「受け継がれてゆく記憶の絆!円周率暗記世界チャンピオン・稗田のファッ求さん!」
「空腹の王女!ロボるーみゃ!」
一人で何役こなすつもりだ。
もはや混ざっているとかいうレベルではない。
「ああっ!?敵の放った大陸間弾道弾でみんなが一瞬にして肉片に!」
唐突だ。
「くそう、みんなの肉片を強火でサッと炒めて塩コショウで味付け…そして食う!」
カニバリズムか。
夢とはいえなんという強引かつ適当なストーリー。
「ふう~食った食った…満腹の王女!バイオるーみゃ!」
さっき生き残ったのはるーみゃだったのね。
「みんなの想いは血となり肉となりわたしの力となり…」
熱いのかグロいのかわからない展開ね。
「そして明日の朝にトイレに流れていくのかー」
これは酷い。
熱くもグロくもない最低の展開だったようだ。
「次回!『さよなら妖忌!もはやレッドに就任することが死亡フラグ!』」
またとんでもないところで切るのね。
このお話の運命だけは、わたしにも見えないわ…。
ま、それが夢ってものなのかも知れないけどね。
レミリアは目を覚ました。
「えっ!?今のわたしの夢だったの!?」
というところで、
咲夜は目を覚ました。
「えっ!?今のわたしの夢だったの!?」
というところで、
パチュリーは目を覚ました。
「えっ!?今のわたしの夢だったの!?」
というところで、
小悪魔は目を覚ました。
「えっ!?今のパチュリー様、全裸で寝てなかった!?」
というところで、
フランドールは目を覚ました。
「えっ!?みんなは全裸で寝てないの!?」
というところで、
妖忌は目を覚ました。
「えっ!?みんなは全裸で寝てないの!?」
布団を跳ね除け、物凄い勢いで体を起こした。
最初に目に入ったのは暗闇。
まだ起きる時間には遠いようだった。
「どうしたの妖忌?ずい分とうなされてたみたいだけど」
障子が開き、心配そうな顔をした主が姿を覗かせる。
「幽々子様…いえ、ご心配には及びませぬ。何やら奇怪な夢を見たがゆえに――」
わずかに開いた障子の隙間から、月明かりが部屋に入り込んでいた。
朧な光に照らされる妖忌の、老いてなお筋骨隆々たる肉体。
「そう…」
まさに「武士」という言葉が相応しい裸の上半身。
A.それを見たゆゆ様はなんとなくムラムラ来てしまい…
B.もちろん半霊も腹筋が6つに割れている…
「A!超A!めがっさA!この流れでB選ぶような奴はスキマ送りよおおおおっ!!」
と叫びながら、紫は目を覚ました。
「え?…な、なんだ、夢だったのね…」
ひどく期待はずれ、という表情で溜息をつく。
「もう一度寝れば続きが見られるかしら…」
そう言って布団をかぶる。
もちろん半霊も腹筋がムラムラ来ている。
それを見たゆゆ様はなんとなく6つに割れてしまい…
「って混ぜるな!!」
自分の大声で、妖忌は目を覚ました。
「……」
いかんいかん、いい年をしてなんと破廉恥な夢を…そんなことを思いながら、体を起こす。
寝間着の背中の部分が汗でぐっしょりと濡れていた。
夢の中で主が言ったように、かなりうなされていたのだろうか。
(風呂にでも入ってから寝なおすか)
背中に若干の不快感を感じながら、障子を開く。
そこには、
「緊急事態よレッド!彩光戦隊メイリンジャー、すぐに歩いて発進よ!」
「幻想郷がピンチです!今すぐに正義の裁きを下しに行きましょう!」
「わたしも残りの命をこの戦いに捧げます!稗田の名にかけて!」
「亡き初代レッドのためにも頑張るのかー」
彼――冥王星・彩光レッドこと魂魄妖忌の頼もしい仲間達。
おおそうだ、自分は今からスーパーなヒーロータイムを迎える勢いであったか。
妖忌はいつの間にか腰に差していた二刀を引き抜き、叫ぶ。
「行くぞ皆の衆!我等メイリンジャーに、壊せぬ壁など殆どない!!」
『彩光戦隊メイリンジャー』
出演:
冥王星・彩光レッド(二代目):魂魄妖忌
冥王星・彩光レッド(初代) :紅美鈴
アホゲレンジャー・シンキ :神綺
ザナ坊主 :四季映姫・ヤマザナドゥ
稗田のファッ求さん :稗田阿求
仮面るーみゃEX :ルーミア
バイオるーみゃ :ルーミア
ロボるーみゃ :ルーミア
主題歌「輝夜姫のバラード 第173章」
作詞:伊吹萃香
作曲:小野塚小町
編曲:ミスティア・ローレライ
歌 :森近霖之助と大蝦蟇合唱団
挿入歌「自由という甘い罠」
作詞者不詳
作曲:リグル・ナイトバグ
編曲:リグル・ナイトバグ
歌 :森近しん之助とオカマ合唱団
脚本:八雲藍
演出:上白沢慧音
超監督:蓬莱山カグヤ
企画・製作 夢幻館
というところで、美鈴は目を覚ました。
また、仕事中に眠ってしまったようだ。
「いけないいけない」
最近はこうして立ったまま、門の前で寝てしまうことも珍しくは無い。
以外にもそれで門番の役割を果たせているのだが、だからといって仕事中に寝ることが許されるわけではない。
「美鈴!あなたまた…」
「ひっ!す、すいません咲夜さん、お天気がよかったのでつい…」
「また全裸で寝てたわね!お腹を冷やすからいけないと何度言ったら…」
「え?」
彼女達の悪夢は、まだ始まったばかりだ。
個人的にはリグルきゅんの挿入歌がすごい聞きたい。
真ん中らへん「う~んぐちゃぐちゃだぁ」
最後らへん「……無限ループっぽくって何かこわい」
なんなんだよwww
面白かったです。
>第1話から随分と前衛的な展開ね。
ここだけ見れば、ギンガマンが既にやった事ではあるが。
・・とりあへづ、本日の筋トレ、腹筋はパスしても問題ないな(wwww
私の負けです。
見た瞬間笑い崩れて体起こしてまた目に入ってまた崩れた。
負けだーっ