Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

てぃんくる・まりさ 体験版

2007/04/11 03:53:42
最終更新
サイズ
10.77KB
ページ数
1



 注、作中のてぃんくる・まりさ及びなないろすぱーくは架空の存在です。本気にしないでください。
   例外として、もしもボックスもしくは迸るやる気を持つ方のみ本気にしてください。

   以下、長いので時間と精神的余裕がある時にでも読んでみてください。






 同人アクションゲーム“てぃんくる・まりさ”(※)の体験版。


 幻想郷随一の同人サークルである“なないろすぱーく”のホームページで入手した永遠の引きこもり
 ……ではなく、永遠亭の引きこもりこと蓬莱山 輝夜は、インストール中にマニュアルを読んですぐに始めようとして手を止めた。
 このゲームは二人プレイが可能で、二人プレイをするのに十分な環境もある。
 なら二人で楽しむのが一番だ。
 とは言え今は昼間。みんなはそれぞれ仕事があるだろう。
 命令すれば一緒にやってくれるかもしれないが、それじゃあ心から楽しめそうもない。


 だから普段なら協力なんて絶対にしないだろう間柄の藤原 妹紅にⅡコンを渡す。
「このゲームの醍醐味は協力プレイよ。どうせ暇なんだから協力しなさいよ」
「……まぁ、いいけど」
 彼女はいつものように殺し合いをしに来たのだが、今日ばかりは輝夜から溢れ出るのカリスマ的なものに気圧されてⅡコンを手にした。
 と言うものこの二人、ここ幻想郷のゲーマーとしては屈指の実力を持ち、互いが互いにライバル感情以上の何かを感じているのだった。



 ゲームを立ち上げオープニングを飛ばす。オープニングは動画サイトで確認済みだ。
 そして空っぽのセーブデータパネルの一つ目を選ぶと画面が変わり、
 画面いっぱいに表示されたコルクボードの左上にイラストとタイトル入りの大きなパネルが一枚、小さなパネルが二枚あった。
 すぐに体験版で選べる唯一の大きなパネルを選ぶ。


~ はるのかぜよりだんご むずかしさ:☆ ~


 桜色の可愛らしいタイトル画面で待つこと数秒。
 夜の風景と共に今回の出来事のあらすじが語られる。
「ある夜、幻想郷中の食べ物が盗まれた。……普通、犯人は最初に出さないわよね」
 闇夜をふわふわと浮かんで進むのはどう見ても西行寺 幽々子その人である。
 彼女は食べ物を運ぶお供のバケバケを良い笑顔で見ながら、最後に一度ちらりとプレイヤーに笑顔を向けて消えた。
「そこで立ち上がったのが、人呼んで“普通の魔法使い魔理沙”」
 現れたのは三頭身にデフォルメされた魔理沙。
 一度空を見上げ、トレードマークの帽子をかぶり直し、箒にまたがって夜空へとかっ飛んで行った。
 そこでタイトルに戻る。


⇒ はじめから 


 を選んで『このゲームは初めてですか?』という質問にYESと答えてチュートリアルへ。
 やりながら覚えるタイプの輝夜にしては珍しい。
 なんて考えていたらⅠコンを渡され、一瞬何が起こったのかわからなくなった。
「……足手まといになられても困るし」
 返答に困った妹紅は黙ってⅠコンを受け取り、そして説明を黙読。
 これが輝夜なら音読しているところで、ってやっぱり今回も口に出して読み始めた。


「移動は方向キーで、素早く二回押すとダッシュ。下でしゃがみ。上で扉に入る。移動は普通ね」
「横で方向転換ってのもあったね。かゆうまー、みたいな感じの」
「これは2Dアクションよ。……あ、ほら、次の説明してる」
「Bボタンでジャンプ、連打で飛べる。へぇ、ちゃんと箒使うんだ」
 輝夜につられて音読しながら操作方法を頭に入れる。
「Lボタンでガードできて、Rボタンはグレイズ。
 グレイズは空中地上共に連続三回までできる回避ダッシュで敵の弾を無効化できる。
 方向キーを入れた方向へ一定距離無敵状態で移動できるが、使用後は若干の隙ができて空中で使った場合は一度地上に着くまで使えない。
 さらにグレイズ後は着地するまで飛べないので注意、と。
 あ、グレイズで防げない攻撃もあるのね」
「……てかさ」
「なによ。喋ってないで操作しなさいよ」
「自分で操作した方が良いんじゃない?」
 ハッキリそう感じた妹紅は返事を聞く前にⅠコンを渡し、一瞬戸惑った輝夜だがすぐに画面を見る。
 画面内では攻撃方法について説明されていた。
「Yボタンで前方の敵をミニ八卦炉で吸い付ける。
 それからもっかいYボタンで、吸い付けた敵を前に投げ捨てる。ジャンプ投げもできるのね」
「……完全に悪役」
「ゲームだし割り切りなさいよ。ほら、すぐに始まるわよ」
 その言葉のすぐ後、箒にまたがった魔理沙が画面外へ飛び出して暗転。



 いやに軽快なBGMで始まったステージ1は雪景色。
 最初に出てきた敵、バケバケを吸いつけて投げずに下を押す。
「ザコは基本的にスカよね」
「吸い付けた後に下でどうなるの? とりあえず地面に叩きつけて消すってのは分かるけど」
 質問に答えるより先に次に出てきた敵、ふわふわ浮かぶ上海人形を吸いつけて下を押す。
 すると魔理沙のコスチュームの色が変わり、帽子が赤い髪留めになり、
 画面下部の『すっぴん』と表示されていた部分が『ボム』に変わった。
「これが能力コピーよ。こうなると、ほら、爆弾で攻撃できるようになるわ」
 今の魔理沙は次々と人形を取り出して投げている。
 地面や敵に当たった人形が爆発しているから『ボム』なのだろうが、本当の持ち主やファンが見たら本気で怒りそうな映像だ。
「ほら、ぼうっとしてないでⅡコンのAボタンを押して」
 言われた通りに押す。と、
「あの人形遣いが出てきた」
 魔理沙は『すっぴん』に戻り、代わりに仲間としてアリスが加わった。


 それからしばらくアリスを使っていて分かったのは、低確率で威力の高い上海人形か蓬莱人形が出る、
 魔理沙より足が遅くジャンプが高い、魔理沙より体力が低いという事。
 そして―――
「……ッ!!」
 画面内の出来事に驚いた妹紅は口をあんぐりさせて固まった。
「きっ、キスしたぁッ!?」
「口移しよ。食べ物を取ったら二人いっぺんに回復できる便利なシステム」
 口移し―――それは“魔理沙が絡むカップリングなら誰とでも”を可能とする驚愕のシステム。
 前側を向くキャラがちゃんと目を閉じ、アリスに関しては頬が赤くなるほどの凝り具合だ。
「……ん、便利、うん」
 これはゲームだと自分に言い聞かせ、心を静めて再開。
 やけにアリスの攻撃が強いのに気付いた。
「攻略BBSにあったんだけど、アリスは一回口移しするたびに攻撃力が50%ずつ上がっていくらしいわ。
 製品版じゃ5%に修正されたみたいだけど」
 それは修正されるだろうと思いつつも口には出さず、曖昧な返事をして先へ進む。
 ステージ開始から三つ目になる扉の先に居たのはステージⅠの中ボス、永遠亭には縁の薄いチルノだ。
 通常攻撃の軌道が斜め上と斜め下四十五度だけという何とも⑨な攻撃のため難なく撃破。
「この能力を使ってみたいんだけど……」
「いいけど、攻略BBSじゃ使えない能力ランク堂々のトップよ」
「……使ってみたい」
 妹紅の要望と眼力に負けた輝夜はAボタンを連打するように言った。
 言われた通り連打するとアリスが爆発し始め、そのまま倒れているチルノに突っ込むと姿が変わった。


 実際に使ってみた感想は「本気で使えない」の一言。
 地面を滑るため移動は速く、また体力も高いのだが通常攻撃のアイシクルフォール-easy-は前に飛ばないし、
 ダッシュしながら出せるアイシクルフォール-normal-は攻撃力が低いため倒しきれない敵に突っ込む。
 ジャンプ中に出せるヘイルストーム、ダッシュジャンプで出るダイアモンドブリザードはそれなりに使えるが、
 それでもアリスの後だとすごく使いにくく感じた。
「口移しで攻撃力下がるらしいわよ」
「……した後で言わないでよ」
 世にも珍しいマリ×チルのカップリングだがチルノ本人はどうもイヤらしい。
 だからすぐに別の能力を取ろうと思い、しかし進んでも能力を持つ敵が見当たらず、
 さらに酷な事にボスはレティであり同系統の能力のため吸収できない。
 他のキャラより一回り以上大きいという忠実な設定に感心する間もなく戦闘が始まった。
「一人でも勝てるから死なないように逃げてて」
 いやに頼もしい輝夜の一言に頷きひたすら逃げる。
 それでもステージ1のボスという事もあって攻撃パターンは単調で、
 攻撃の後の隙も大きいためさして苦戦するような相手ではなかった。
「ふふん。楽勝ね」
「んと、ゴメン」
「なによ?」
「協力プレイなのに全然役に立ってない」
 少しだけ沈んだ表情の妹紅を見て、そして、文句を飲み込んで「いいわよ」の一言。
 顔を合わせればケンカばかりの関係がほんの少しだけ変わりつつあった。



 一度画面が暗転し、やけに爽やかなBGMで始まったステージ2は残雪の残る初春といった感じ。
 開始直後にルーミアを見つけて一目散に突っ込みようやく別の能力を手に入れる。
 前方の短い距離を上から下になぎ払うムーンライトレイの他、
 技は少ないがどれも狙って当てる必要が無いものばかりなので数倍使いやすく感じられた。
 しかしルーミアには致命的な問題が一つだけあったのだ。
「魔理沙の体力削れてない?」
 ルーミアの口移しには欠点がある。
 口移しをしても体力がMAXにならなかった場合、魔理沙の体力を削ってさらに回復してしまうという迷惑なものだ。
 なんでも口移しの際に舌を噛んでいるという設定らしい。
「……CEROはA?」
「同人作品にCERO持ち出してどうすんのよ」
 あっさり言い切る輝夜の迫力にそれ以上の言葉は無かった。
 それはさておき『ボム』と『ビーム』の能力を持つルーミアの組み合わせは安定性があり、
 攻略BBSでも定評のある初心者向けコンビのためさくさく進む。
 そのため二面の中ボスである橙をあっさりと撃破し、今回は妹紅も戦力になれたため嬉しそうだ。


 しかし中ボス後から敵の弾幕が厳しくなる。
 落下ミスの心配が少ないゲームのため敵の攻撃力が高く設定されており、
 ボスに通じる扉の前に来た時には二人とも満身創痍になっていた。
 それでもマゾゲーマー輝夜とそのライバル妹紅は逆境の中でこそ燃えるタイプ。
 ステージ2のボス八雲 藍は式神である橙との波状攻撃が厄介な相手で、
 藍を倒そうと躍起になって橙を放置したため挟まれ、挙句に左右からの弾幕に見舞われる。
 だが、
「最っ高にハイってやつねッ!!」
 神がかったキャラクター捌きで両側からの弾幕を回避した輝夜が言う。
「そーっ、なのっ、かぁーッ!!」
 キャラクターと完全にシンクロしたかのような素晴らしい動きで回避しきった妹紅が叫ぶ。
 初心者殺しの二つ名を持つ藍を相手に対し、
 いわゆるシューターズハイの境地に至りグレイズを駆使する二人は一切ダメージを受けていない。
 そしてテンションが最高潮になった二人が黙って座っているはずもなく、
 輝夜は立ち膝、妹紅は片膝を立てて前のめりになっていた。


 ついに―――苦節五分ちょい、ようやく藍を倒す。
「「ぃやったぁーッ!!!!」」
 笑顔全開のハイタッチで喜びを分かち合い、少しだけ恥ずかしくなって、微妙な笑顔で互いを見合う。
 それから再び画面に目をやると暗転していた画面が切り替わり、
「……なんでコイツが?」
「体験版は二面までみたいね」
 「体験版はここで終了だ」という藍のセリフに高揚感とやる気が一気にクールダウンしていくのを感じ、
 とりあえずコントローラーを置いてため息一つ。
 それは輝夜も同じだったようで、コントローラーを置くと同じようにため息をついた。



「けっこう面白かったわ。一人でやるより、たぶん、数倍は」
 畳に寝転がり、天井を見上げた輝夜。
「感謝してるわ。ちょっとだけ」
「あー……えーと……。私も、それなりに楽しかった」
 輝夜を横目で見ながら言った妹紅は少しだけ嬉しそうだ。
 協力プレイとは一時的に二人を戦友にする程度の能力を持っている。
 普段はいがみ合っているが“ゲーム好き”という共通項を持つ二人も例外ではなく、
 どっちにもケンカして勝った時とは違う充足感があった。
「ね、妹紅」
 輝夜が急に体を起こしておやつの煎餅を一かじり。柔らかい笑みを浮かべて妹紅を見る。
「あの、ね……。口移し、してみない?」
「え……なッ!? ばっ、バカな事ぉ―――」
「私こういうのは初めてだけど……妹紅が相手なら後悔しないと思うの」
 じりじりと寄って来る輝夜の頬は桜色に染まり目もうっとりしている。
 妹紅は諸々の事情から、素早く後ずさりながら慌てて声を上げた。
「お、ぅ落ち着けッ!! 私たちは敵同士だからそんなこと―――」
「そんなの関係ないわよ。だって私、本当は妹紅のことが……」
 驚いてぴたりと止まった妹紅の肩を掴み、首に腕を回しながらゆっくりと顔を寄せる。
 間近に顔が迫った妹紅は真っ赤になって困っているが、輝夜を拒まずに見つめていた。
「……輝夜」
「……妹紅」
 ほんの少し顔を近づければ唇が触れる、そんな距離。



「姫様ぁ、師匠が呼んでま―――」



 ※ ティンクル・ポポ→星のカービィの仮タイトル
   うどんげ    →空気嫁
   魔梨沙+ちゆり →魔理沙
えーと、初めまして。早速ですが体験版で終了の予定です。

最近のゲームは協力プレイできる物が少なくて困る……
という訳(ぇ でスーパーでデラックスな作品のパロディを書いてみました。

刹那の見切り99連戦で接戦→激しい尿意に襲われる→引き分けてくれと頼む→
トイレから戻る→よく見たら負けてる→リアルファイト

……いい思い出だ。


あ、最後に一つ。ワドルディかわいいよワドルディ
正午
コメント



1.卯月由羽削除
うどんげマジ空気嫁www
それはさておきやってみたいなこのゲーム。アリスの能力に吹いた
誰が魔理沙で口移しできないんだろうか?
2.名無し妖怪削除
マリ×チルは確かに少ないけど、マリ×ルミャの方がもっと珍しい気がします。
これがありならカップリングの幅はかな~~~り広い気が。幽々子とか橙とかうどんげとかも行けるんじゃ…?w
3.SETH削除
幽々子に口移ししたらゲームオーバーとみたねw
4.削除
OK、もしもボックスを探す旅に出て来ます。
5.名無し妖怪削除
はるかぜでこの難易度とは……
やたら会話が格好いいメタ妖忌あたりに、勝てる気がしねえw